三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第117回 館山クラフトジン

2022/9/30 UP!

千葉のお酒、今回は「館山に惚れ込んでクラフトジンをつくられている方」のお話を通して勉強していきたいと思います!

ご紹介するのは館山産のクラフトジン「TATEYAMA GIN」。館山駅からほど近い場所で、クラフトジンを作っている大田聡さんは、元々は東京の方。あるきっかけで館山に移住し、ジンを作ることになったそうです。どんなきっかけだったんでしょうか。

大田さん:

館山でジンを作っています大田聡です。もともとは建築士でした。

建築士の中で空き家の勉強会を主催したりして、それで空き家にすごく興味があったんですね。それで

地域に興味があって、その中で、知り合いに紹介いただいて「地域おこし協力隊というのがあります」と。まちづくりを推進するという業務で(館山)市の委託業務があったので、それで応募して、それでこちらに館山に移住しました。地域おこし協力隊の中で空き家を活用したワークショップのイベントの裏方とかをする中で、自分自身も空き家で何かしてみたいなという気持ちが出てきて。それでビル一棟を融資をしていただいて買って、それでそのスペースで今、蒸留所を作りました。ビルの中身でいうと、道路側にカフェバーを併設していて、その奥でお酒・・・蒸留酒、ジンを作っています。

今 お話にあった「地域おこし協力隊」。この番組ではときどき登場しますが、地域の外の方がその土地に移って生活しながら、地域の活性化をめざしてさまざまなまちづくり活動に取り組む仕組みで、各自治体がそれぞれの条件で募集しています。大田さんは令和元年の6月からの3年間、館山市の協力隊として活動されました。その後、大田さんは空きビルをリノベーションして「TAIL(テール)」という施設を作りました。

テールは「Tateyama Area Incubation Lab」の頭文字をとっていて、1階はジンの販売店と蒸留所を併設したカフェバー。2階は宿泊施設、3階はオフィスになっていて、地元のみなさんや訪問者がやりたいことを叶える“自己実現の場”や “現代版・街の観光案内所”といった、館山の新しい拠点を目指しています。続いてこの町のオリジナルジンである「TATEYAMA GIN」のこだわりを伺いました。

大田さん:ジンはですね。原酒にジュニパーベリー、西洋杜松(セイヨウネズ)というものを漬け込んで、それを蒸留して作っていきます。原酒にbotanicalと呼ばれている素材を漬け込んで、それを火にかけて蒸気にしたり、いわゆる蒸留をしてお酒を作っていきます。複数botanicalを漬け込んで蒸留をして作っていくのが一般的なんですけれども、うちのジンはbotanical1種類だけを漬け込んで蒸留して作っていきます。1種類の蒸留酒を出来た段階でブレンドして調整をして、ブレンドシリーズというのを作っています。今ベースとなる蒸留酒21種類ありまして、ジュニパーベリーを始め、コリアンダー、カルダモン、クローブ、シナモンなどのスパイスだったりとか、レモンピール、オレンジピールだったりとか、あとミント、タイム、キャラウェイとかのハーブ類ですね。実験も含めちゃうと30・40ぐらいはありますね。実験でいうと本当に商品できないのがバニラだったりとか、あと本当に失敗したのは桃だったりとか。商品化したのが薔薇だったりとか、あとイチゴだったりとかニッキ(主に日本産のクスノキ科の常緑樹を原料として作られる香辛料)とかですね。体に害がないものであれば何でも使えます。

ジンは一般的に「ジュニパーベリー」という爽やかなウッディ調の香りがするハーブに数種類のボタニカルをブレンドして蒸留するアルコール度の高いお酒ですが、大田さんのジンは素材由来の風味をシンプルに楽しんでいただきたいということで、1種類ごとに蒸留する形をとっているそうです。「白いラベル」で001番から数字がついているのが1種類のボタニカルで蒸留したもので、それを大田さんがオリジナルでブレンドしたものが「赤いラベル」になっています。

そのたくさんあるジンの中からいくつかスタジオにご用意。DJの2人が香りの違いを楽しみました。

さて、大田さんは、ジンを作って販売するだけでなく、ジンのワークショップを提案されています。一体どんなものなのでしょうか?

大田さん:クラフトジンは水とアルコールと漬け込むbotanicalの香りでできています。で漬け込むbotanicalの種類であったりとか、あとその組み合わせだったりとか、あと比率っていうので、組み合わせは無限に出来ていきます。それがクラフトジンの面白さです。自分でもまだ知らない組み合わせや比率っていうのはまだいっぱいあるので、これからまだいっぱい色んなものが使えたりするのでワクワクします。今、僕は東京に出張して「ブレンド体験」っていうのをやっていて。21種類、まずベースをちょっと試飲していただいて、メモをしながら自分の好きな比率をブレンドしていって、自分だけのジンを作るというワークショップをやっています。僕がいうのはあれですけど、満足度多分相当、高いですね。参加者同士で作ったやつをお互い試飲してもらったりして、「こうだね」「ああだね」とか言いながら、また自分のジンをどうやって作っていくかって、ちょっとまた振り返ってみたりとか。

館山の蒸留所に来てもらえれば「蒸留体験」っていうのも今定期的に開催していて。自分の酒を作るというワークショップもやっています。

いろんな香りを楽しめるクラフトジンですが、香りの元になるボタニカルは香辛料のような強い香りでなくても大丈夫なようです。

大田さん:例えば「バラを今度作るんです」って方からバラを提供して頂いて、それでバラのお酒を商品開発してみるとか、イチゴ農家さんの規格外のイチゴとかを頂いて、それをお酒にしてイチゴのジンを作ったりとか、botanicalを持ち込んでいただいてっていう風に作ったりすることもできます。加工の段階で、捨ててしまうような部分だったりとか、香りだけはすごく抽出できたりする部分もあったりするので、そういったものをこうお酒で再利用したりとか、そういうこともできます。私としてはこれから、組み合わせでそのお店だけのオリジナルのジンだったりとか、地域の特産物を使ったオリジナルのジンの開発などをしたいとおもってます。館山もちろんなんですけどもっと千葉県内にまだまだ見ない、まだ出会っていない人であったりとか、農作物だったりとかがいっぱいあると思っていて、それをお酒にぎゅっとこう凝縮して新しいものが作れると思うんですね。

それがこれからしていきたいなと思っていることです。

単体の香りだけでなく、例えばイチゴとアールグレーを混ぜたら、紅茶にジャムを落とす、ロシアンティーみたいになるのかな?というように楽しめるんですね。世界が広がってワクワクするというのも頷けます。もしレストランなどで「こちらお店オリジナルのジンです」なんて言われたら、こだわりを感じちゃうかもしれませんね。

現在TATEYAMA GINのサイトにある20種類以上のジンの他にもさらに新しい香りを求めて、これからもいろんな方とコミュニケーションを取りながら、形にしていきたいとおっしゃっていました。大田さん、これからもがんばってください。

<TATEYAMA GIN ”TAIL” 館山市北条1758>

◆ TAILのHPはこちらhttps://tail-tateyama.studio.site/

◆ TATEYAMA BREWINGのHPはこちら→https://tateyama-brewing.studio.site/

◆ TATEYAMA GIN オンラインショップはこちら→https://tateyama-brewing.stores.jp/

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