三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第119回 特色のある千葉の高校 旭農業高等学校 畜産科

2022/10/14 UP!

今週は、特色のある学びを行っている千葉の高校がテーマです。千葉県唯一・ 農業の専門高校、千葉県立旭農業高等学校をご紹介します。

旭市は、九十九里浜に面した温暖な気候と平坦な地形で、農業や畜産業などが盛ん、農業産出額が全国6位。その旭市にある 旭農業高校。地域に貢献し、農業を通して夢を実現できる能力を身につけるために頑張っています。

千葉県立旭農業高校のルーツは明治43年、当時「千葉県海上郡立農学校」という名前の学校でした。現在は畜産科、園芸科、食品化学科の3つの学科があり、280名ほどの高校生が勉強しています。

畜産課の生徒の皆さん:

畜産課3年の宮内勇人です。牛の勉強をしています。共進会という美しさを競うコンテストに出たりしています。卒業後は酪農関係の仕事について学校で学んだことを活かして行きたいです

3年畜産課の石井新之助です。養豚をやっています。糞の処理やブラシがけが大変です。体重百キロぐらいを超えてしまうと出荷されてしまうので、それはちょっと悲しいですね。

3年畜産課鈴木昭弘です。養鶏の実習をしています。320羽の鶏を飼っています。そこで出来た卵も販売しています。この卵なんですけど産み落としたその日に販売をしています。なので、とても新鮮です。

3年畜産課の岡島奈々です。私は愛玩動物を専攻しています。愛玩動物は主にウサギをメインとして飼育をしています。そのほかにヤギがいます。より長く愛玩動物と関わっていくために、健康状態のチェックとか、どういうことがストレスになるのかを勉強しています。

畜産科では牛、豚、鶏、そしてウサギなどを飼育。牛は育てるだけじゃなくて、品評会に出たり、牛乳も作っています。豚は年間80頭ほど、たまごは毎日250個から300個出荷しています。今年6月には校内にある酪農、養豚、養鶏の3つの農場が「農場HACCP認証農場」として認められました。

農場ハサップというのは、動物たちの健康観察を毎日するとか、病原体を持ち込まないように消毒するなどの衛生管理の基準。旭農業高校は安全の基準をしっかり満たして管理しているということが 認められている学校、農場ということなんですね。

続いては畜産科で養豚ご担当の高澤春平先生に、学校で実際に動物を世話をすることで、3年間でどんな変化が生徒たちに現れるのかを伺いました。

高澤先生:養豚を見ています。私は養豚教え始めて、今年初めてなんでまだ一年目なんです。去年までは鶏を教えてました。やっぱり動物相手なので、自然と責任感が出てきて生徒自身でやっぱり動く生徒が多いですよねそうですね、畜産っていう、部門というか仕事は休みがないっていうふうに言われますけれども当然命を預かっているので、責任感という部分では毎日。普段の学校では交代交代で三学年で 回したりとか、職員も大勢いますので、普段は体調をみながら餌あげだったりとか掃除だったりとか、いろんなお世話をしています。

畜産科主任教諭の安藤善剛先生に、どのようなことに重点を置いて授業をしているのかを伺いました。

安藤先生:地域が酪農や養豚の非常に盛んな地域なので、そこに一人でも多くの携われる生徒が本校から巣立ってくれるというのが一番理想なんですけども、本校に入学する生徒で動物に本当に興味があるというのは半分以下なのが現実です。なので、入学してから動物に携わって、どれだけ動物の気持ちや命の大切さがわかるようになるか、それが我々の役目だと思って教えてますので。定期的に肉用の鶏を育てるんですよ。それはこの子たちが食べるんですが12月に毎年やってるので、地鶏を育ててみんなで食べる。そこで本当に命のありがたみを感じるっていうところはやれるところかなと。本校には慰霊碑があるんです。

獣魂碑という動物たちを弔う、そこをこの子達は卒業直前にあの慰霊祭をやって、最後に動物たちに感謝をして、卒業して行く。そこもまあ、一つけじめのところですよね。

そして、旭農業高校では商品の企画もしています。今年2月に発売された、高校で飼育された豚を使用して園芸科フードデザイン専攻の生徒さんがレシピを考案した「旭農ポークカレー」

野菜も千葉県産のものを使っていて1箱500円。市内にある道の駅「()楽里()あさひ」で販売しています。たっぷりの豚肉が柔らかくおいしくて、やさしい味でした。

他にも今は感染症拡大防止のため縮小されているんですが、ニワトリの卵など一部生産品の販売も行っています。この卵は生徒さんたちがひとつひとつきれいに磨いて準備していて、その新鮮さとおいしさでリピーターも多いそうなんですが、なぜこういうこともしていらっしゃるん でしょう。

安藤先生:それぞれの専門的なところで日々生産しているものが、すべて結果として市場に出回るわけなので、それを目にすることできないのが我々の仕事なんですよね。学校の卵を材料にして、地域の酪農家さんに、アイス作ってもらって、実際に自分達の取った卵もお客さんに販売したりとか、そういったところは文化祭でやれるので。

実際に農業の仕事に就くと、生産したものが市場に出回るまでなかなか見届けられない。だからこうした活動を通じて、自分たちの仕事がどんなふうに社会に関わっていくのかなどを経験しておくのも大切なんですね。

ご紹介した学校での卵の販売などはそれほど数が多くないので、買いたい場合は、かならず事前に学校に電話で確認してからお越しいただきたいそうです。

道の駅「季楽里あさひ」では、このポークカレー以外に農場で育てた豚肉のスライスなども販売していて、これから高校生たちが育てた豚肉としてブランド化も考えていきたいということでした。千葉県の畜産の未来を担う高校生の皆さん、これからも頑張ってください。

https://cms2.chiba-c.ed.jp/asahi-ah/

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