三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第127回:パン屋産が取り組むSDGs 川島屋

2022/12/9 UP!

SDGsに取り組むパン屋さんのお話です。どんなチャレンジをしているのでしょうか。ご紹介していきます。長い歴史をもつ千葉市にあるパン屋さん「川島屋」まずは「川島屋」について代表取締役社長・川島隆弘さんに伺いました。

川島社長:川島屋はですね。大正5年に創業しました。稲毛で和菓子屋として開業したのが始まりになってます。関東大震災がありまして、東京の方からパン職人さんが職を求めて来たということがありまして、その当時まだパン文化というのが千葉の方では珍しかったというのもありまして、私どものお店でその職人さんたちを受け入れてパンを作り始めたというのがきっかけというふうに聞いております。現在川島屋ではですね。パン事業と致しまして「マロンド」「石窯パン工房ルマタン」というブランドでもパン屋を行っています。それ以外に千葉県の学校給食パンとご飯の納入というのをさせて頂いています。またそれ以外に、お米をたきまして地元のスーパーさん、そういったところに納めるといったようなこともしております。その他に、乳製品の宅配販売事業というのもやっております。

 現在では千葉県内の学校給食のパンやご飯も提供していらっしゃるということは、「川島屋」さんと知らずにお世話になっているお子さんもたくさんいらっしゃるでしょうね

さて、歴史ある川島屋さんですが、今回のコロナ禍で学校が休校になったことで大打撃を受けることになります。いったい何があったのでしょうか。

川島社長:コロナ禍があり、学校が休校になってしまったということで、学校給食がなくなってしまった。工場自体、学校給食をメインに作業しているものですから、実際、学校給食で使う材料、これがやっぱり賞味期限を間近に控えるというものが出てきてしまったという問題があったそうです。学校給食のそういった賞味期限近い材料を、私どもの方で買い取らせて頂いてですね、それを学校給食パン」として販売の方をさせていただきました。「食パン」と「コッペパン」この二種類で作らせていただきました。食品を作るものとしては、やっぱりその食品がお客さんのところに行かずに捨てられてしまうというのは、やっぱり非常に悲しいと考えてますんで。そうなるのをやっぱりいくらかでも防げたらなというのは、やっぱり常に思っております。食材が無駄になって捨てられてしまうのは、やはり食品を製造するものとして見過ごせなかった、無駄にせずにすんでほっとしている、と社長の川島さんはおっしゃっていました。さて、県内を中心に、パンの製造販売などをされている川島屋さん。千葉市では個人や企業が持つものやスキル、場所などを、インターネットを介して提供したり共有したりする「シェアリングエコノミー」という事業を推進しているのですが、ある日、千葉市から「余ったパンでビールを作りませんか?」というお話がきました。「パンでビール?」戸惑いながらもさらに新しい取り組みにチャレンジしました。

川島社長:千葉市さんの方から「ヨーロッパの方でパンビールというものがある」と。幕張ブルワリーさんというビールを造っている会社さんがありますと、一緒にパンのビールを作ってみないかという話がありました。それが実際にね、ちゃんとビールになるのかというのは、正直、不安な部分が結構ありました。パンの味がしたかというと、あまりしなかったというところではあるんですけれども、ビール自体はあの幕張ブルワリーさんの力でも非常に美味しいビールになって、パンを材料にしてビールができるんだなというのは、もう素直にびっくりしましたね。ビールを作る時に沈殿物、ビールのオリというものが出るっていうことを伺いまして、パンの中に入れてパンができるんじゃないかなという風に思いましてですね。まあ、うちのほうでパンビールじゃなくて、今度はビールパンを作ってみようとちょっと考えました。結果的にパンにすることができました。循環型というような形で、いろんな一つの材料がですね、パンになったりビールになったり、またそれがパンになったりっていう形で、ぐるぐる回るというのは、ちょっと作っているこちら側としても非常に面白い取り組みだったなと思ってます。 

確かにビールの原料も、パンの原料も「麦」。できないこともないかなとは思うけど、日本ではあまり聞かない話ですよね。その「パン・クラフトビール」はクラウドファンディングのプロジェクトとして行われ、今年1月に完成しましたが、好評で売り切れてしまいましたので今日は残念ながら味わえません。でも味は大変良かったというお話でしたよ実は川島屋さんは、このプロジェクトだけでなく、以前から千葉県の生産者の皆さんと協力してフードロス削減に取り組んできていらっしゃいます。どんな内容なのでしょうか。

川島社長:リサイクル、弊社でも取り組んでおります。もう一歩先を進んで、フードロスであれば、捨ててしまうものを価値を高めて出すようにしようということで、私どもではそれを「アップサイクル」ということで、今取り組むようにしています。弊社では千葉県の飯岡の方で獲れますメロン。一般的に流通しないメロンというのも、やはり農家さん、生産者さんの中ではあるというところで、それをピューレにされていると。そのピューレを私どものほうでですね、メロンパンに入れて本当にメロンの果汁が入ったメロンパンと作っております。コロナ禍においては、千葉県のイチゴの観光農園さん、私どもそこになんか手助けできないかということで、いちごの方を引き取らせて頂いて、当社でジャムにしてジャムパンを販売したりということをっております。近々であれば。ワインのオリを使ってですね。これをパンにできないかとチャレンジ中です。皆さまのところに商品として届けられるように、今、頑張っておりますのでその時は皆さんよろしくお願いしたいなというふうに思っております。 

捨ててしまっていたものに新たに価値をつけて提供する「アップサイクル」へ。農家さんと、パン屋さんがタッグを組んだらフードロスも減り、新たな美味しいものも食べられて、一石二鳥。お話にあったいちご狩り農園さんも、コロナの時はお客さんが来られなくなって、いちごの行き先がなくて困っていようです。

 そして、お話の最後に出ていた只今試作中のを材料に取り込んだパンなんですがこちらも オリとして捨てられてしまうものをパンとしてアップサイクルする取組今回11月にイベントとして販売されました。いろんな人たちや業態の方々とコラボすることで、新しい商品を生み出し、SDGsに貢献していく。千葉県の食品業界、これからも注目ですね。

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