2023/3/24 UP!
今回は、世界中から「その技」と教えを求めて集まる人が後を絶たない、 野田市の道場をご紹介します。実は世界最強の忍者がそこにいるんです。道場の名前は武神館。武道の神様の館と書きます。船橋から柏を経由して埼玉県の大宮までを結ぶ東武アーバンパークラインの 愛宕駅からほど近いところにある道場に現在も世界中から人が集まって武術、忍術、護身術の練習をしています。なぜここに多くの人がひきつけられるのか。探っていきます。
道場の中には50畳の畳が敷いてあり 武神館を創設した初見良昭さんの教えを仰ぎに、時にはいちどに300名もの人が集まります。初見さんは野田市出身の91歳。戸隠流忍術の34代目継承者でもあり、この道場で戸隠流忍術を軸に、さまざまな古武術を取り入れた初見流忍術を指導しています。世界で最も有名な忍者として海外では知られていて、その実力を讃え、ドイツ国立歴史文化連盟”ナイト(騎士)”の称号、英国王立医学協会生涯名誉会員、国際警察インターポール会員でもあるという、ものすごい方なんです!
現在は、「武神館九流派八法秘剣宗家」であり、「日本伝統武道における達人」と言われています。20代に在日米軍基地での柔道の指導などで活躍、さらに、活動の場を世界に広げ、アメリカのFBI(連邦捜査局)から招かれ、護身術を指導した経験もお持ちです。世界の警察や軍隊などから招かれて指導をされています。
今回は、初見さんの弟子で大師範のアメリカ人、ポール・マーシーさんにお話を 伺っています。まずはこの道場は何を教えているのか、お話しいただきました。

ポールさん:こんにちは、ポール・マーシーです。 武神館の大師範です。体術を通じて友達になったり、お互いに楽しく切磋琢磨しているところです。武術をやってますね。日本人が考えている武術も、あくまでもこう近代的になってくる柔道空手とか、もともとね、そんなんは無かったんですよね。あの戦争で生き残るための動きとか別にね。じゃあ僕は剣道だけやりますとか。 僕は空手だけやりますとかね。それもぼくもずっとやってましたね。空手とか合気道とかね。やってましたけど、僕も思いましたね。なんで分けてやんなきゃいけないんですか?その場、その場、使えるものを使って戦うのは普通じゃないですかね。おかしいじゃないですかね。こうやって分けたりしてさ。 あくまでも、それも人間の本来の生きる姿と違うんじゃないですかね?

例えば、刃物を振り回しながら襲ってくる相手にどう立ち向かうか、自分や仲間を どう守るか、どう倒すかなどの実戦的な実演や指導を熱心にされています。路上や 戦場で生きのこるための術を教えていますが、全く同じ動きをしなさいと指導するのではなく、自分の力量、体格などに合った動きで対応していくのが大事と教えています。基本はありますが、そこから先はその人次第だというのです。 先ほどのポールさんに、師匠である初見さんは一体どういう方なのか? 印象を聞いてみました。
ポールさん:まどういう方ですかね。あの煙みたいな人ですよね。 つかまえどころがないんですよね。これだと思ったらこれじゃないんですよね。まあリアル忍者だと思います。もう自分の目の前に煙しかないです。煙は捕まえないです。まあ、同じように先生にも捕まえないんですよね。かなかなわない。初めて初見先生会った時はね、本当にすごかった。先生の技動きは まったく理解できませんでした。でも、アメリカであの道場で2年間頑張ってやってたんですけど、武神館の基本はできたと思ってたんですけどね。初見先生、動く動きは全然理解できなかった。やっぱこういう型とか形から離れてる。 どっからアプローチしてもわかんないような動きしてて、でもすごかった。マジックを見てるような感じなんですよね。力は使ったり使わなかったり。でもそれよりも先生はね、僕は教えてないっていつも言ってます。言ってましたね。

初見さんが道場に現れると、道場は鎮まり、集まった人たちはその動きを絶対見逃さないように、話を聞き逃さないようにと意識を集中します。そんな初見さん、もともとは映画監督を目指して大学の演劇科に在籍しながら、柔道や古武道の稽古も続けていた時に出会った武道家に師事、修行の後、1970年代に九流派を統合し千葉県野田市に武神館を起こしました。その後、アメリカを皮切りに世界各国で体術を指導し始め、91歳の現在までに、先ほどご紹介したようにFBIへの指導などの功績にアメリカ大統領から感謝状をもらったり、世界各国の要人からの感謝状・表彰状などがいっぱい届いているんです。武神館の教え、そして初見さんからの直接の教えを仰ぐため、 愛宕の駅の近くには、世界各国から入門希望の方々、そして門下生が集まってきています町のみなさんももう慣れてきて、今では楽しく交流もされているそうです。

初見さんのどんなところが人を引き付けるのか、大師範のポールさんはこのように話してくださいました。
ポールさん:外国人はね、その大切さがすぐ理解できたんじゃないですかね。なぜかというと、日本って平和なんですよね。あんまりね、こう暴力的なことが起こらないですよね。でも海外だと、もうこれ毎日バイオレンス。 起こってる。技じゃない。 それ以上のもちろん技もある。それ超越するところも教えてたんでしょうね。だから外国人は自分の国で帰って自分が安全に暮らせるように武神館を勉強しにくるんですよね。自分で守るしかないんですよね。武術だとどうするんですか?あの銃で撃たれた時ね。でも、初見先生もそういうあの治療も詳しい人でしたね。だからそういうのもヒントを与えるしね。あと。 まあ、武術だとすぐ戦おうとかね、思うんですよね。戦わない事忘れちゃうんだね。武術やってるとね。先生はその戦う。戦わない。 そういうのを両方教えてたんですよね。
ポールさんは現在、横浜の武神館道場の館長をまかされているそうですが、そんな大師範の彼でも、初見さんの言葉に気づかされることがたくさんあると言います。テクニックではなくてメンタルな部分。それが響くんだそうです。

ポールさんはこんな話を最後にしてくださいました。これは世界平和の鍵になるお話しです。
ポールさん:コロナの時は今でもみんなオンラインオンラインやってくださいって言われるんですけどもやりたくないんですよね。やっぱりマンツーマンが大切なんですよね。なんかビデオでは伝わらないものがあるんですよね。本でも伝わらないものがあるんですよね。やっぱりマンツーマンでその、その人の同じ部屋にいるだけで何かが変わるんですよね。教えてること以外にそばに居るだけで何かが伝わっていくんですよね。言葉の間、静かさが大切なんですよね。だから今でもね、ここに来てる人たちロシア人もいるしね。 ウクライナ人もいるし、だけどやっぱマンツーマンで来て、それを忘れてみんな仲良くできるようなスペースなんですよ、ここ。先生の教えはどんだけね、世界に影響があったかはたぶん計算し切れないんでしょうね。だからマンツーマンそれ、その場に居ないと分かりません。しかもみんな300人いてもね、みんなは 大切な教えもらってるんですよね。

忍術を習いたい、実戦的に自分を守るすべをマスターしたいという方門下生になることができます。見学は申し込めばできますので、まずはそこから行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
ポールさんが担当している横浜の道場 https://bujinkanyokohama.com/