三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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第147回 信田缶詰のサバカレー

2023/4/28 UP!

今回のテーマは「ご当地カレー」。「ドラマ」にそのルーツがあることで知られる銚子のサバカレーの缶詰をピックアップ。

ロングセラーのこのサバカレー、銚子の信田缶詰という老舗の缶詰会社が作っています。110年にわたる歴史の中でさまざま取り組んでいるチャレンジなど、ご紹介していきたいと思います。

工場は、銚子の港に近いところにあります。まずは、営業部の半谷仁希さんに会社の歴史について伺いました。

左が半谷さん。右が小林さん。

半谷さん:うちはですね。1905年の明治38年に創業しております。当初はクジラとか貝をメインに缶詰を製造してました。戦後ものがない時とかは缶が手に入らなかったので、ビールの缶を再利用して蓋をハンダで取りつけて缶詰めにしてたっていうことはあったそうです。今はですね、銚子っていうと、もう何年も水揚げが日本一になってるんですけれども、その中でサバとイワシが非常に多く水揚げされているんですね。なので、うちもその地の利を生かしてこの二つの魚種をメインに缶詰を製造しております。やっぱりイワシだったら、やっぱ油の乗る6月、梅雨入りの入梅イワシっていう頃のイワシをあと鯖であれば、寒サバと呼ばれる冬のサバを手に入れるようにしております。で、今で言うと、年明けの1月とか2月でも イワシが大変質が高いものがあがって、いいものがあがっていますので、そういった原料を・・・浜に近いっていう地の利を、ここを生かしながら実際ものを見て買うということをしております。

さて、このサバカレーですが、そのルーツはご存知ですか?実はテレビドラマだったんです。それがこのカレーの開発につながっていくんですが、半谷さん、こう説明してくださいました。

半谷さん:1996年だったと思うんですがテレビドラマでコーチっていう番組がやっていまして、舞台がですねちょうどここ銚子地区・旭地区で、その中にサバカレーで一発逆転っていうか盛り返したよって言うテレビ番組がありまして、そのサバカレーをですねいち早く缶詰化に成功して世に送り出したっていうことですね。お客様のほうに認知されてされ、信田 缶詰の中では上位の販売をキープしております。うまく乗っかって言うかもしれないですね。当時開発した者の努力だと自分は思っていまして。ルーにサバ切ったものを入れる青臭さとか、そういった魚臭が出てすごく嫌がると思うんですけども、うちのこの鯖カレーっていうのは、一口大に切った鯖を一度揚げることによって、そういった臭みを抑えるいう効果が出て。衣にもルーが絡みついて、そこがお客さんの方に好評いただいているんじゃないかな。 一回食べて、それが非常においしかったっていうことで、リピーターにつながって、ずっと今まで続いて来れたのかなと思っております。 

このドラマの波及効果はものすごくて、銚子では信田缶詰さんともう一つの会社がサバカレーを作って、今は信田缶詰さんだけが作り続けていらっしゃいます。しかも、今でも数ある製品ラインナップの中でトップクラスの売り上げ、というんですから、ドラマのブームではなくて、味もちゃんと評価されているのがわかりますね!

ドラマでは実際に缶詰のレシピをつくったわけではないので、本当に商品になるかわからない状態で缶詰づくりをスタート。試行錯誤の上、魚を揚げることで、青臭さを封印できて、このロングセラー商品ができたんですね。

    

信田缶詰はサバカレーだけを作っているわけではありません。お魚の缶詰の定番、水煮やみそ煮などもあるんですが、「もっと楽しい缶詰を提案したい」と、いろいろやられているんです。商品開発部の小林さんにお話を伺いました。

小林さん:商品開発を担当してます。小林と申します。よろしくお願いします。水揚げ港に隣接するこの恵まれた土地を生かして、その原料に徹底的にこだわるっていうのはもちろんですけども。 この原料をいかに美味しさを引き出すか、あとそのお客さんのそのいつも食べてる水煮・味噌煮じゃないっていうところで、もう一つその違ったものを、いかにそのお客さんの目に留めるかっていうのを今、開発のコンセプトに検討して作ってますね。弊社で出してるビストロ缶いう商品がありまして。 こちらのイワシに合う調味料っていうのを徹底的に調査する中で、あのトマトとイワシの相性が良いっていうところで開発をスタートした商品なんですけど、こちらも特別な気持ちを味わえるような完成された料理っていうのを今目指しまして。中華料理の油淋鶏っていうのをヒントに「油淋サバ」っていうのは昨年発売しまして。こちらも今非常に味付け料理としての評価をいただいてまして、今後についてもこういう主婦層に受けるような商品が力を入れて進めてます。 

スタジオで試食しました!

さて、缶詰は「非常食」というイメージもあって、一般家庭ではさらに手を加えることはあまりないそうなんですね。だったら、開けるだけで、それがお料理として成立しているような製品を、と、試作を繰り返しているそうです。いろいろな展開の中ではお魚以外にもこんなコラボをしていました。

小林さん:松屋の牛めし缶なんですけども。特徴としてはその具材だけっていうイメージを持たれるかもしれないんですけども、一番の特徴は本当に御飯も中に入ってますので。 本当に缶を開けたら、そのまま牛めしを食べていただけるっていう商品になっています。この「ご飯がススム」っていう非常に皆さん認知度の高い、家族全員で楽しんでいただけるキムチという商品があるんですが、そちらの調味液を一緒に開発させていただきまして、家族全員でそのサバ缶のおいしさを楽しんでいただける商品という形で発売しております。缶詰は本当に旬の一番おいしい時の。 素材をそのまま詰め込んで作ってますので、ぜひ皆さん備蓄としてストックするだけじゃなくて、あの日頃の料理としてどんどんと毎日でも食べていただきたいなと言う考えです。 

防災備蓄品としての役割もある缶詰ですが、ぜひ普段使いとしてたくさんのシーンで食べてもらいたい、普段から、今日のおかずのプラスワンとして缶詰を利用してください、とおっしゃっていました。ちなみに缶詰は長持ちはしますがやはり賞味期限がありますので、防災リュックの中や棚の奥の缶詰は定期的に期限を確認して、近いものは美味しく食べて、新しいものを補充していただく。そんなローリングストックを買い足す時にも、ぜひいつもとちがった新しい味の缶詰にも注目してみてください。

https://www.shidakanzume.jp/

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