2023/8/25 UP!
自社牧場の牛乳からつくったスイーツ・・・名前を「クレマ・カタラーナ」といいます。その美味しさが認められて「農林水産大臣賞」を受賞した近藤牧場さんをご紹介します。
戦後から乳牛を育て、牛乳を出荷していたのですが、あることがきっかけで六次産業化を目指すことになります。オーナーの近藤周平さんにお話を聞いています。

周平さんと拓也さん
近藤周平さん:たまたまね友達とずっとアイスクリームを作ってて、2人でいつかはアイスクリーム屋をやりたいねっていう話をしてる時に、当時の富浦町なんですけれども、道の駅ができるっていうことで募集があったんで、私はそれに応募して出店することができたんですけど、もうあの四年間は大赤字でした。まあ、高速の中にパーキングエリアとしてオープンすることが決まってたんで、まあその時を期待して待ってましたけど。それからはだんだんだんだん売上が増えてきて、高速が通ったら、まあそれからまあ爆発的に売れるようになったんですけれども。 ほっとしました。

道の駅とハイウェイオアシスは2023年7月21日にリニューアルオープンしています。お店も新しくなりました。
2003年に県内14番目の道の駅として当時の富浦町に 「道の駅富楽里とみやま」 がオープンするのをきっかけに、農家自らが色々と製品を作って出していこうということになったんです。この施設、一般道路沿いの道の駅からスタートしましたが、翌年・富津館山道路が全線開通して、高速道路のパーキングエリアからもアクセスできる「ハイウェイオアシス富楽里」としても利用できるようになり、多くの方が立ち寄る人気のスポットとなりました。近藤牧場さんはこの道の駅で、ソフトクリームなどの販売からスタートしました。

周平さんが若い頃に酪農を学んだ北海道の農場に勉強に行っていた、息子の近藤拓也さんが地元に帰ってきて、新しいアプローチが始まります。 拓也さんのお話です。

近藤拓也さん:チーズを習いに行ったので北海道に居る頃は結局自分でやらせてもらえなかったので、見て覚えるしかない状態でモッツァレラチーズとあのリコッタチーズっていうチーズを見てました。帰ってきて自分で作ってみたら、思うようにやっぱり行かず、売れないチーズはもちろん捨ててましたし、悔しくて鍋とか投げたりしてました。安定したチーズを作るまでに、いろいろ苦労しました。それとあともう一つは、モッツァレラっていうそういう馴染みがない地域だったので、人にあげるとどうして食べていいかわからないとか、そういう人が多かったので味を知ってもらいたかったですね。おじさんがやってたラーメン屋さんだったとこがたまたま空いていたので、そこでピザパスタで提供できればいいかな と思って、25歳ぐらいの時にピザパスタメインのイタリアンを始めました。

イタリア語で風を意味する「VENTO」という名前のイタリアンレストランは閉店しましたが、今は道の駅の中にあるお店「kondo farm」にその大半のメニューが引き継がれ楽しむことができます。そしてパスタやPIZZAに加え近藤牧場さん、スイーツ作りにもさらに力が入っていくんです。
いよいよ農林水産大臣賞を受賞したスイーツ「クレマ・カタラーナ」の登場です。クレマ・カタラーナは、もともとスペインのカタルーニャ地方発祥のスイーツとされていて、フランスのクレームブリュレという表面を焦がしたクリーム菓子のルーツとも言われています。その「クレマ・カタラーナ」を作り始めたきっかけを周平さんに伺いました。

近藤周平さん:たまたま(北海道の)空港で見つけたこのクレマカタラーナを買ってきて、食べたら美味しかったんで、自分で製品化しようと思いました。県関係の人がいらっしゃってくださいまして、これを是非「食のちばの逸品に出品してみてくれ」っていうことで、早速応募したんですけれども、そしたら金賞いただいたんですけども。県の方で国の方に推薦してくださいまして、畜水産部門というところで農林水産大臣賞を頂いたんですけれども。その次の年にやっぱり食のちばの逸品にこのプリン出したんですけれども、リコッタチーズを使ったプリンを出したんですけれども、それをまた金賞いただいて。で、次の年に牛乳のゼリーがあったんですけれどそれを出品したら銀賞をいただいたんですけど三年連続賞をいただいて。 いろいろ評価されるようになりまして。まあお客さんがリピーターの方もたくさんいらっしゃるようになってくださいまして、まあ本当に 良かったなと思ってますけど。

北海道に牧場の皆さんで研修旅行に行った帰りの空港でたまたま見つけた「クレマ・カタラーナ」を食べて「うちの牛乳で作ったらもっとおいしいかも」と直感したそうです。近藤牧場さんの牛乳は、ブラウンスイスやジャージー牛といったコクのある味わいのものに、飼育が難しく希少なガンジー牛なども飼育していて早速、開発に着手したんでだそうです。

自信をかたちにしたらすぐにおいしさが認められて、食のちばの逸品で「金賞」。さらに、これは国レベルのおいしさだ!ということで推薦されて、農林水産大臣賞まで受賞しまうなんてすごいですね。
道の駅富楽里とみやまで販売している製品、ほかにもあります。息子のタクヤさんが苦労して作り上げた リコッタチーズ、モッツァレラチーズ、食のちばの逸品で賞を取ったリコッタプディングやミルクジュレ、そしてVENTOで販売していたPIZZAやパスタなども人気です。売切れになることもあるそうです。

最後に、近藤牧場のこれから、そして地域の課題についても息子の拓也さんにお話しいただきました。
近藤拓也さん:なんかこの街に結構後継者が少ないので、まあその人となんか協力し合いながらお客さんを呼んだりしたいですね。カンノーリっていうイタリアのお菓子をやりたいなと思っていて、揚げたパイ生地の中にうちで作ったリコッタチーズと牛乳を使ってドライフルーツとあえて、その中に詰めて売ります。 新商品として売りたいと思っています。

自分の生産物に他の人が作った地域の農産物を組みあわせて価値を出していく、 地産地消の新しい形なのかもしれないですね。牛乳だけの出荷から、加工品としてスイーツやチーズをつくり、そして地元の食材とのコラボまで、自らアイディアを出し、広げていく近藤牧場さん次にどんなおいしいものを提案してくれるのか楽しみです。
https://www.instagram.com/kondofarm11369/
HP
http://www.kondo-farm.com/sub2.html