2023/9/8 UP!
今回は、「いすみの星空」に魅せられて移住。星空の観察方法や、上手に写真を撮る方法のレクチャーをされている写真家の方の活動を ご紹介したいと思います。千葉県の外房に位置するいすみ市は東と南に海があり、周囲に高い山もないため、年間を通して広い夜空に満天の星を楽しめる場所です。今回は、「いすみ星空学校」を主宰している、星空写真家の草原学さんにお話を伺っています。まずは、草原さんと星空との出会い、そしていすみで活動を始められた経緯を伺いました。
草原さん:昔、登山をやっておりまして、北アルプスの燕(つばくろ)岳に登った時の頂上で見た天の川を見て写真に収めたいと思いまして、星空の写真を始めました。もともといすみ市に移住をしようと思っていて、家を探しながら風景の写真も撮りながらしていたところを、いすみ市役所で地域おこし協力隊の募集があり、写真を撮ることによって地域おこしをしたい。もちろん、その星空であったりいすみ鉄道であったり、蛍というフォトジェニックの素材がたくさんあるので、これを広めていきたいと言うふうにお話ししました。わりと行政の方は、ある程度その硬いというかね、そういうイメージが強かったんですけれども、理解していただくのは割と早かったと思います。真剣に聞いてくれて、一緒になって活動していただきました。
地域おこし協力隊にはミッションが決まっているものとそうでないパターンがあるようでして、草原さんの場合は、いすみ市の魅力発信を、草原さんの人脈を生かし「映える」写真で、と、ご自身から行政のかたに提案して認められたんです。まずは こんな活動からスタートしました。
草原さん:最初からですね、もう写真に特化したので。一番最初は、いすみ鉄道と都内の出版社と協力して、ウェブサイトでSNS発信している会社と一緒にイベントを行ないました。そのページインプレッションが100万プレビューあったということで。まあ、星空もツアーをまず行いまして。旅行会社さんだったり、望遠鏡メーカーさんのご協力いただいてやりました。最初は「星空×ヨガ」「星空×写真」ということで、望遠鏡メーカーさんだったり、ツアー会社さんのご提案をいただきながら一緒にツアーを造成していったという感じですかね。(実は当日曇っていてあの外にはでなかったですけども)そういうアイデアをいただきながらやりました。いすみでやってよかったというよりも、いすみでなくてはできなかったと思っています。
草原さんが撮影した「いすみの夜空」
主宰されている「いすみ星空学校」では年に数回、無料で開催される大人気のイベントがあるそうです。いったいどんなイベントなんでしょう。
草原さん:いすみ市星空観望会です。二ヶ月に一度定期的に行っております。こちらはどなたでもご参加自由で観望会をやってる時間であれば、入退場自由、参加費無料と言うことで市の施設を借りてやっております望遠鏡を使ってその時の旬な天体をお見せするような形になっています。子供さんの反応は生の星というか、望遠鏡を使ってみることがあまり経験がないので、非常に喜ばれております。年齢関係なくお年寄りまで、かなり長い時間見ていらっしゃる方多いですね。天体クラブっていうのはどこの学校にもあったんですけど、今は天体クラブっていうのがほぼないので、望遠鏡も学校に置いてある所が珍しいんじゃないかと思うんですね。子供の頃って、夜に外に出るとワクワクするじゃないですか。楽しさもあって、子供達にとっては貴重な機会になってるんじゃないかなと思います。70人ぐらいはいらっしゃいます。一番多い時で120人ぐらいいらっしゃることもありますけど。
「いすみ星空学校」では、星空の素晴らしさ伝える活動を担う人材である「星のソムリエ®」を養成する講座を行っていて、認定を受けた方たちと一緒に星の観望会を運営しています。望遠鏡の扱い方はもちろん、星にまつわるあれこれ楽しい話・・・たとえば、千葉県は酪農が盛んですから、酪農に関係した名前の星や星座の説明をしたりして、参加した皆さんとコミュニケーションをとりながら星の世界を案内するなど、星のソムリエ、つまり「星空案内人」の方たちの活躍の場も創り出し「星空」を大切に活動する人たちを増やしていっているんですね。そして他にも「いすみだから撮影できる写真」教えていただきました。
草原さん:蛍の写真も多少コツはいるんですけど、誰でも撮れます。事前にそれも講座をやってお連れするので、天気さえ良ければ星と一緒に蛍を撮ることもできます。地上の星と天井の星と一緒に撮る事はできますねいすみ市は別に流星群じゃなくても空が暗いので、流れ星は多かったり少なかったりはするんですけども流れ星を見ることは割と簡単にできます。条件がいいときはもう非常に本当・・・12月の中旬ですね、ふたご座流星群なんて量が流れるので、ビュンビュン流れますね。かなりの数が見ることができます。あの寒くても見る価値がある。都会に比べたら全然見える個体数が多いと思います。はい。町全体が星空案内人がいる町にしたい。きちんと想いをつないでくれる人たちを育てていきたいかなと思ってます。自慢できる素材なので、自信を持って「星を見にいすみにおいでよ」って言って欲しいと思いますね。
いすみの皆さんにとっては当たり前の星空かもしれませんが、その素晴らしさをぜひ自慢してもらいたい。美味しい魚介類や菜の花、いすみ鉄道とともに、夜空の魅力を広めていっていただきたいですね。無料観望会は今後、10月7日土曜日、12月23日土曜日そして来年2月24日土曜日を予定しています。
素晴らしい星空を見にいすみにお出かけになりませんか?