2024/4/5 UP!
「春野菜」の美味しい季節がやってきましたね。
千葉県は全国有数の農林水産物王国!年間通じてさまざまな野菜ができてきます。春野菜というと寒い冬を耐え抜いて栄養をたっぷり蓄えてるものが多いんです。例えばふき、たけのこ、たらの芽、菜の花、新セロリ、新じゃがいも、新ごぼう、春キャベツなど、、、

そこで今回は甘くて美味しい春キャベツ。その生産量が日本一の銚子市からちょっとユニークな農家さんをご紹介します。
ちなみに「春キャベツ」とは春前ごろから初夏にかけて収穫されるキャベツのことで、葉の巻きがゆるく、柔らかいのが特徴。とてもみずみずしく、中まで黄緑色をしています。今の時期、野菜売り場などでもよく目にすると思いますが、今回は、そんな春キャベツの生産量が全国トップの銚子市で、ちょっと異彩を放っている農家さん。ヘネリーファーム代表の坂尾英彦さんのご紹介です。

まずは、坂尾さんの面白い経歴からご紹介していきましょう。
坂尾さん:ヘネリーファーム代表の坂尾英彦です。うちは12代続く農家で、今はキャベツを2回とトウモロコシを1回、三毛作をしています。(銚子は)野菜作りにはすごく適していて、三方を海に囲まれていることで、すごくこうミネラル成分を野菜にも土地にも多く含むことができるのと、潮風があるのであんまりこう雪が降ったりとか、すごく寒くなったりしない温暖な気候ですね。高校卒業後に一旦就農するんですけど、まあ、通常にこう生産して出荷するっていう農業にあまり魅力を感じず、クラブDJを夢見て東京に行きました。一年間、農業をやった後に東京に行ってクラブDJをやってました。で東京での生活はけっこう大変で、レコードを買ったりとか、すごくお金もかかったので、地元に戻って地元から音楽活動をしようということで戻りました。

代々続く農家を継いだ坂尾さん、東京でいろんなカルチャーを吸収してきていますから、農家としても何か面白いことしたいと考えるようになります。そこで、まずはキャベツに独自の名前をつけることを思い立つんですね。どんな名前をつけたのか。そしておすすめの食べ方も教えてもらいました。

坂尾さん:まず自分で作った野菜に何か名前を付けようと、まあ何でも良かったんですけど、その時アフロヘアーだったのでアフロキャベツって言う名前を思いついて、ロゴとかいろいろ作って販売し始めたら、なんか面白いとか聞いたら忘れないとか。なんかそういう反応は結構あったのでアフロキャベツにしようと思って販売してます。春キャベツはですね。春にとれるっていうことは11月くらいから苗を植えて、その植えた苗は冬のこう寒さを浴びながら育って、春に近づくにつれて暖かくなり大きくなることで水分量を多く含む。この寒さと温かさのバランスがすごくいいので、甘さと水分量が絶妙なおいしさになっています。僕の場合はですね、キャベツをざく切りにして、そこに醤油とオリーブオイル。これが意外と銚子は醤油も作ってますし、とても合います。簡単で。

スタジオに坂尾さんのキャベツが到着。そのアフロキャベツおすすめの食べ方でいただいてみました。
この時期、春キャベツの出荷に忙しい坂尾さんですが、実は農家としての顔の他に、農業を通じたさまざまな活動もされています。一体どんな活動なんでしょうか。まずは東京から戻ってきて 就農する時、こんな宣言をしたそうです。
坂尾さん:自分のやりたいこともやるけど、農業もやるということを宣言しました。今は農業を中心として宿泊施設・・古民家の宿の運営だったりとか、あと市内でレストランを経営してたりとか。うちの畑の近くにあるので、農業体験をした後に、そこで一緒に餃子作りをしたりとか、

ランチを提供したりとか。あと規格外野菜の加工をしたりとか、そういう場所になってます。最近ですと、アフロキャベツ餃子の専門店をオープンしたりとか。あと農業体験の受け入れをできる場所を作ったりしてます。自分の作った野菜をきっかけに、人と出会いたいっていうのが一番大きいことですね。生産している中で規格外になってしまったものを商品化したりとか、一つも廃棄せずに誰かに届けるってことを大切にしています。

坂尾さんのお話にあった餃子の専門店なんですが、2月27日に銚子駅から歩いて5、6分のところにオープンしました。その名も「アフロ餃子ショップ」。新鮮なアフロキャベツをふんだんに使った餃子を楽しむことができます。このように、農業をやるだけでなく、体験してもらう活動。それに伴う宿泊施設や食品加工までさまざまです。どんどん広がっていく感じですよね。そしてユニークなのが農業体験の時は、参加者がみんなアフロのカツラ(かぶりもの)

をつけて作業するのがルールなんだとか。ファンキーにみんなで楽しく作業することでたくさんの人、お子さんにも農業体験を楽しんでもらいたいそうです。強烈なインパクトですよね。坂尾さんもアフロのパーマは4ヶ月に1度しっかりとかけているそうです。面白いことをどんどん広げていく坂尾さん、実は農業体験などを通じて伝えたいことがあるそうなんです。そこには農業、野菜、そして地元銚子への深い愛がありました。

坂尾さん:ちょっと虫に食べられていても、形がちょっとおかしくても、自分が作った野菜、子供が作った野菜は世界で一番おいしいので、ちょっと虫に食べられても、ここはじゃあ切り落として食べようとか。このできたものを誰かに届けたいとか贈り物としてこんなに気持ちのこもった贈り物はないと思うので。大変さも楽しさも感じながら、農業をきっかけに銚子にこう人が来てくれるってことは一番いいなと思っていて。で、そうすることで、うちに来た人たちが農作業が終わった後に観光するとか。

農業と観光を掛け合せたりとか、アグリツーリズム的なことが自然にこうできるんじゃないかな?銚子は魚がおいしいことは知っている方も多いので、うちのキャベツが美味しいって言うことで、キャベツを買いに来てくれた人が海鮮丼を食べて銚子電鉄に乗ってとか、なんかそういう銚子のことももっと知ってもらえるといいなと思ってます。

銚子電鉄に乗ってというコメントがありましたが、実は、坂尾さんの広いキャベツ畑の真ん中を銚子電鉄が走っています。銚子電鉄に乗ったら、ぜひ、キャベツ畑にご注目ください。アフロキャベツやアフロキャベツ餃子はHPからお取り寄せもできるそうです。キャベツを購入すると銚子の畑での農業体験チケットも付いてくるそうですよ。こういった農業体験、宿泊施設など、坂尾さんの活動について、詳しくはヘネリーファームのホームページをご確認ください。

https://www.hennerymarket.com/