三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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野田市駅周辺街歩き 醤油香る街に吹く新たな風「旧中村商店」

2024/4/19 UP!

東武アーバンパークライン野田市駅、今年3月に駅舎が新しくなりました。駅前の開発もいよいよこれからという感じなんです。今回は、そんな歴史のある街の中の昔栄えていたお店を改装、リノベーションして新たな形でスタートを切った古民家商店をご紹介したいと思います。

野田市は、様々なお店が古くから多くあり、江戸川や利根運河の水運などで栄えた醤油五大名産地の一つにも挙げられています。醸造関連遺産は近代産業遺産にも認定されています。

千葉を支えている大事な産業の一つですし歴史ある建物もたくさんあります。もちろん、街にもたくさんの人が古くから住んでいて、生活や仕事に必要な商店もたくさんありました。時代と共に再開発などが行なわれていますが、ところどころに、古くからの建物が残っていたりもします。そこをリノベーションして新たな形で再スタートさせた場所があります。

名前は「旧中村商店」と言います。この再スタートに携わった木全義将さんにこの建物との出会いからまずはお話伺いました。

木全さん:普段は美容室を千葉県野田市で経営してましてまあ美容師として活動しています。もともと美容室を経営していて、お客様として来ていた方が僕の地元の同級生のお母様で、そのお母様の方が持っていた土地が旧中村商店の場所であって、壊して更地にして建売っていうのはなんかちょっともったいないよねって話だったり建物なんとか再生できないかなというお話をで、その際に元々は古民家が大好きだったので、まあ、そういう古いものや街並みの雰囲気を壊さないようにして行くためには残そうということをイメージしまして、僕の周りに元建築士をやっている作家さんだったり、ものを作る人だったり、お店さんだったり何かをやりたいという方が周りにいましたので、その方たちに声をかけてみて復活させようかっていうところになりました。

もともとアンティーク家具など古いもの、人が使い込んだものに魅力を感じていた木全さん、同級生のお母様が「あの建物」の土地の所有者で、しかも、貸していた建物、つまり中村商店だった建物の活用方法を考えたいとお話ししたのがそもそもの気かっけというは、偶然の話ではありましたが、木全さんにとって、またとないチャンス、チャレンジの始まりだったんです。木全さん、この話を聞いていてもたってもいられなくなって、すぐに現地を見に行ったそうです。

木全さん:最初見たときは、中を見た時に正直ものすごい建物だなと僕からしてみたらお宝だと。見た目もすごく古いし、ある人が見たらただの産業廃棄物と思います。まあ、廃墟ですね。あの中に入るとカビ臭いし、誇り臭いし、猫も住んでただろうな。ネズミもいたかな。壁も壊れてるし、雨漏りもしてて、とにかく見る人が見たら本当に廃墟です。ただ、僕はやっぱり古い人が使って使って使って、もう使い古されたものに対しての愛情みたいなのが一つありましたので、また再利用する。それが古道具の感覚として。新しい使いかたを生み出すという価値観をもともと持っていたので、その価値観を生み出すっていうのを、古道具ではなくて大きい建物としてみたときに、ものすごく興奮しました。

他の人には廃墟に見えても、僕にとってはお宝だ!っていうのがいいですよね。それをリノベーションに長けた方などの協力を得て、再び使えるように復活させたんですね。そもそも中村商店というのは、もともと石炭などの燃料や農業関連の肥料、農薬などを販売するお店だったそうで、廃業してからだいぶ時間が経っていて、近所の方たちも、もうこのまま廃れていく、いずれ壊されるのを待っているものだと思っていたそうなんです。

この状況を知った木全さん、いろんな方に声をかけて、旧中村商店の建物復活とお店として息を吹き込むプロジェクトを早速開始します。現在では、アトリエや千葉セレクトショップ、カフェ、フローリスト、シェアキッチンなどが敷地内の建物に同居する形になっています。

ところで木全さんは美容室をやられているのですが、ご自身は入らなかったのでしょうか?

木全さんは、旧中村商店の中ではお店は出さず、外から見守る立場を取られています。自分の仕事はしっかり成立させた上でやっていきたいと考えておられるようです。さて、イオrンな仲間が集まりだしてリノベーションなどが始まると、街の人たちも興味を示すようになってきたそうです。

木全さん:地元の方なんかはやっぱり足を止めて、なんか始まったってなるとやっぱりちょっとのぞきこんでくれたりとか見てくれる方もいたり、ここ何か始まるのってやっぱり興味を持ってくださってましたね。何が始まるかっていう期待は町の皆さまにはあったんじゃないかなと思います。あの中村商店の立ち上げのコンセプトとしては、一つ、あの作家さんっていう、そのクリエイティブ感が一つ欲しかったんですね。それがあって初めて中村商店の意味が僕が成り立つと思っていて、そこで物を売るってよりは、そこで作品を作る人、一番そこに、僕は重きをおきたかったんですね。で、それでものを作ってる。っていうのがあることによって、シービーパックさんなんかは千葉で物を作ってる人の物を販売していたり、そういう作家さんの物を仕入れて販売していたり、そこで物を作る人が、例えばお花屋さんなんかはええとブーケ作ったり、アレンジメントつくったり、いろんなものを作って店内装飾をしたり、そういったものを、やっぱり人の手っていうのが入ることによって成り立って欲しかったですね。

左が木全さん。右が柿木さん。

木全さんのお話の中にシービーパックというお店の話が出てきましたが、こちらのお店、店主の柿木さんが、千葉県内の作った人の思いがたくさんこもった商品を自らセレクトして並べているお店なんです。このお店に並んでいる商品の話だけでも楽しい時間が過ごせるようになっているそうですよ。カフェがあったり、アトリエがあったり、様々な商売や制作のエネルギーが渦巻いている空間に旧中村商店は生まれ変わっていったということなんですね。

柏や松戸などの栄え方とは違い、ある意味、運よく残された建物がまだある野田市で、旧中村商店のようなプロジェクトが広がっていくと面白そうですね。でも、建物だけではなく、そこに人が介在していることが大事だと木全さんはおっしゃっています。それは野田に縛られないということなんだそうですが、、、

木全さん:野田市民だけでガチガチに固めるよりは、やはり僕の考えとしてはいろんなところに住んでいる方達に来て欲しいので、野田しばりではないものを作りたいなって言う意識がありました。まあ、その願いかなって。やはりいろんなところに声が通って野田市民以外の方々にも結局情報が流れるような仕組みっていうのも僕はあるんじゃないかなって。なんか面白そうだから、古いものが残ってるよっていう一度ちょっと足を運んでいただいて、街並みをぐるっと見渡していただきたいなと思います。歴史ある建物がかなり残っていますし、僕が生まれた頃から全く変わってない街並みやみち雰囲気がすごく残ってますので。そういった部分を楽しみながら眺めて歩いていただけたらと思います。

  

野田市にあるキッコーマン野田本社から徒歩1分のところにある旧中村商店。野田の街歩きの寄り所の一つとしてぜひラインナップに加えてみてください。

https://www.instagram.com/kyu_nakamurasho_ten

    

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