2024/5/24 UP!
今回ご紹介するのは、ちばけんが毎年実施している「食のちばの逸品を発掘2024」で金賞に輝いた美味しいもの。県産の農林水産物を主な原料とする「加工食品」の中から魅力的な「ちばの逸品」を発掘するために行っているコンテストで、今年は「さつまいもを練り込んだ焼き菓子の『ビスケッピ』」が選ばれました。
ビスケッピはイタリアの焼き菓子「ビスコッティ」と「芋けんぴ」が融合した新しいお菓子。その味が完成するまでのお話をご紹介します。
新松戸にあるビスコッティ専門店「ビナーシェ」のご主人、山本慎弥さんにまずは、このお店を出すことになったきっかけを伺いました。
山本さん:イタリア菓子専門店のBinasceというお店をやっておりまして、新松戸駅の近くにあるお店の山本慎弥と申します。もともとイタリア料理をやっておりました。それで、2003年の末ぐらいにイタリアの留学をするんですけれども、最初に長く居たのが中部イタリアのトスカーナ州というところなんですが、そこのフィレンツェの伝統菓子としてビスコッティという伝統菓子に出会ううんですね。料理をやりながらお菓子も当然その一つとして覚えてきたという形で日本に帰国するんですけれども、帰国してからまあ友人知人に会うときにちょっとした手土産として自分が焼いたビスコッティを渡していたんですね。その時のその後日の反応というか、感想が「なんかあれ、すっごいおいしかったんだけど」っていうふうに言っていただくことが多くて、皆さんに喜んでいただける度合いが強いのかなっていうふうに思ってきたと、、、
イタリア語でビスコッティのビスは数字の「2」、コッティは「焼く」。最初に大きめの ビスケットを焼き、それをカットしてもう一度中までしっかり2度焼きする、ちょっと硬めの焼き菓子です。まだまだ可能性がある分野と感じた山本さんは2014年に起業、2020年には、新松戸駅前に実店舗「ビナーシェ」をオープンされました。
その後、さつまいもとの出会いがあってビスケッピになるということなんるんですが、誕生のきっかけにはある農家さんとの出会いがありました。
山本さん:僕のお菓子をすごく評価してくれる友人がいるんですけれども。彼があのまあご縁があって知っている千葉県香取市にある芝山農園というさつまいも農家さんと社長の篠塚さんという方に僕のビスコッティというお菓子をお土産として持って行った時に、そのお菓子自体のクオリティもすごく評価していただいて、非常に話が盛り上がってですね。であのじゃあ、そのサツマイモを使ったもので、僕の技術とか経験で何かまた新しいものが出来ないかねと言うような話で。それはちょっと自分にとってもその千葉県でさつまいもがこんなにこう品質も生産量も高いということ、その時知らなくてですね。自分の住んでる県のちょっとさつまいも全然ノーマークだったなあっていうことをちょっと反省もしてて。じゃあせっかくだからこれはちょっと自分の新しいチャレンジとして取り組みたいなというふうに思ったので。それで、じゃあちょっと新しいお菓子作ってみましょうよと、言うことがそん時で盛り上がったと、、、
ビスコッティと千葉県のさつまいもで何か美味しいものができそうというイメージがすぐにわいた山本さん。せっかく作るならと、「食のちばの逸品を発掘2024」コンテストに参加することを決め、締切ギリギリまでそのイメージを突き詰めていきました。
山本さん:割と早い段階であの形になったんですね。それを食べても美味しいなーと割とまあさつまいも自身が良かったということもあると思うんですけど。じゃあ80点取れたと。それじゃちょっと足りないというか。あのその80点のお菓子をどうやって90点までもっていくかっていうところが結構大変だったんですね。80点取るためのパワーと80点を81、2点にするためのパワーって、結構あまり変わらなくて、その1点2点を積み上げていくために同じぐらいのエネルギーを使いながらでも期間が決まってるから、そこにめがけて結構、自分のパワーを使って行ったっていうのが、その三か月ぐらいの期間、かなり頑張ったかなというふうなふうに思ってます。あの賞はいただいたし、賞はいただいたレベルを作れたと思ってはいたんですけど、もうちょっとレベルを上げたいというちょっと自分の中の葛藤があったので。無事にというか、あのイメージにだいぶ近くなったので、1月の後半に無事に店頭に並べることができたと言う経緯ですね。
お店をやりながら、閉店後何度も何度も作り直して味、食感、香りなどに拘ったそうです。レベルを上げたい、妥協したくないという山本さんのプロ意識を感じますよね。スタジオで試食させていただきました。
イタリア焼き菓子のビスコッティと千葉県名産のさつまいもで「ビスケッピ」ができたわけですが、さらに 山本さん、今回、さつまいもとのコラボ 商品を開発したことで、新たな野望が出てきたそうです。
山本さん:千葉県って、農産物すごくあのクオリティ高いと思うんですよ。あまりその知られてないというか、あのそこのPRが行き渡ってないっていうふうに、一消費者の自分としても感じるところがあって。なので、今回はサツマイモだったんですけど、サツマイモに限らず素晴らしいクオリティの農産物、魚介類もそうかもしれないんですけど、それを作ってらっしゃる、とってらっしゃる、一次産業の方っていうのはたくさんいらっしゃると思っていて。だけど、じゃあその方たちが何かこう加工した六次産業的な商品を作れるかっていうと、やっぱそれはさすがにちょっと難しい、厳しいだろうと思っていて。僕の役割は素材をさらに付加価値を付けて高めていくものですと。だけど、それは素材を作ってくださる方がいて、初めて成り立つことでもあるし。自分自身職人というか、一作り手として非常にやりがいのあることだなと思っているので、今後そういうことにも期待したいと思っております。
このビスケッピをはじめ、山本さんの作ったイタリア伝統菓子「ビスコッティ」は、実店舗「ビナーシェ」や、またオンラインで購入することもできます。ホームページのリンクを貼っておきますのでぜひチェックしてください!