2024/6/7 UP!
この時期、夏を先取りするように「スイカ」を見るようになりました!
千葉県でスイカ、と言えば「富里スイカ」!千葉県内では随一の生産量で、PRイベントなども盛んにおこなわれています。今回は、今まさに旬を迎えている「富里スイカ」の農家さんをご紹介したいと思います。
「富里スイカ」は、富里市の北総台地の水はけのよい土壌と、昼夜の寒暖差の大きさにより、甘く育つのが特徴です。市内でスイカ栽培を行っている農家さんはおよそ165軒。最盛期の6月には市をあげて「すいかまつり」のイベントが行われるなどまさに「すいかのまち・富里」。そんな富里市で明治44年から続く「尾崎農園」の代表、尾崎隆さんに、お話を伺いました。

尾崎さん:当初は成田空港で勤めていましたので、まあスイカ農業に携わってからは13年ほど経ちます。スイカというのは、やっぱりあの種植えて収穫するだけであれば問題はないんですけど、スイカっていうのはそのスイカの玉を出荷するまでにいろいろな行程があってそれぞれが難しくて大変で。私は1年目に、スイカを自分で作るんだと言ってちょっと畑を借りて作ったんですけど、まあ収果率0%で全滅しました。心折れました。もうなんでそうなのって理由がわからなくて。まあ、それから試行錯誤が始まったんですけどね。
初めての年は1個もスイカが実らなかった。それはショックだったでしょうね・実は尾崎さん、尾崎農園に婿入りされたんです。奥様のお母様の節子さんは、平成25年に富里市で開催された品評会である「富里すいか共進会」で最高位の「千葉県知事賞」を受賞された方。一方尾崎さんは、農業未経験で、実際自分が農家になってみて、簡単そうに見えていたすいかづくりがいかに大変かということを実感したそうです。
スイカは別名「うんたま(運玉)」とも呼ばれ「 いい土、いい天候、いい手入」などの 条件が上手く揃う「運」も大切なんだそうですが、富里市のスイカ農家の多くは、できるだけ美味しいスイカをつくるために、作る前に土の検査をして、栄養状態など色々把握した上で作られています。そして生産者全体で交配カレンダーによる徹底した栽培管理を行う事で安定して質の高いスイカを出荷できるんだそうです。
富里スイカは、5月ごろ収穫する「ハウス栽培」から収穫が6月頃の「大型・中型トンネル栽培」、そして7月以降収穫の「大型トンネル栽培」の主な3つの作型にわかれているんですが、品質をあげるために、こんな作業も行われているんです。
尾崎さん:スイカはスイカの種だけで単独でとることも出来ます。スイカもやっぱり生き物なので病気にもなりやすいですし。そこでスイカを接ぎ木してあげる、ユウガオというものがあるんですが、それと接ぎ木をしてあげることによって病気の面だとか、おいしさの面だとか、そういったところが変わってくるので、接ぎ木作業というのは大事な作業になりますね。数えたことないですけど、どれぐらいやるのかな?もうあの朝起きてから夜 日が沈むまでずっと機械のようにやってますね、接ぎ木作業。ユウガオが直径5mmから7mmぐらいですか。スイカはもっと細いですから、どれぐらいですかね。根っこから水分をとるのは夕顔、葉っぱの光合成を受けるのはスイカの葉っぱっていう感じですね。

ユウガオはスイカと同じウリ科の植物で、相性がいいので昔からこの農法が取り入れられているそうです。一本一本接ぎ木をして、しっかりとつながったところで、畑に植え替えます。ユウガオの水を吸い上げる力や病気に対する抵抗力をつけるんですね。
ここで尾崎さんには美味しいスイカの選び方のコツを教えていただきました。
尾崎さん:まず、スイカの頭の上に弦があるんですが、弦のところがぴょこんと凹んでるもの。スイカの表面が緑と深緑の部分があるんですが、そこがゴツゴツしてるもの。スイカのおしりに丸い模様があるんですが、それがきゅっと締まっているもの。その3点を見逃さなければ美味しいスイカに辿り着くと思います。産直とかスーパーとかでスイカを叩いてると怒られちゃうと思うので、そこは皆さんにどうのこうのはないんですが、もし叩けることができるんであれば、叩いた時に手の響きがあります。軽く透き通った響き、そして音も軽いもの。どんよりしたものとかではなく、低い音ではなく、軽い音がするもの。そういったものを選ぶと間違いないと思います。

スタジオでも美味しいスイカ、送っていただきました。美味しくいただきましたよ。

そしてもう一つ美味しいスイカを手に入れるためのアドバイスをいただきました。
尾崎さん:どうせスイカを食べるんだったら、新鮮な物。で一番いいのは、やっぱり農家さんの所に行って、一番おいしいのちょうだいって言われれば、それに間違えるものはないと思うので、そしていただけると本当に美味しい間違いなく美味しいスイカにたどり着けると思いますね。九州の方とか関西の方とか、いろんな車のナンバーで遠くから来てるんだなっていうお客さん、そういう人たちは知ってしまったんですね、味を。本当のスイカの美味しい味を知ってしまったんですね。富里農協しかり、市役所しかり、農家にとっては本当にね、いろんなことをPRしてもらって本当にありがたく感じてます。スイカロードレースもそうですけれども、そういったイベントをたくさんやってもらって、いろんな人たちにスイカの本当のおいしさを味わってもらえたらなと思います。

富里スイカは直接販売をしている農家さんのほか、JA富里市直売所や末廣農場で購入いただけます。お話にあった「富里スイカロードレース」というマラソン大会のエントリーはすでに終了していますが、来週末16日に行われます。また今年は5年ぶりに「富里市すいかまつり」が6月23日に開催されます。(朝9時~15時@富里中央公民館前駐車場 雨天決行(荒天中止))採れたてのスイカを試食するコーナーや、「富里すいか」をはじめとする地元野菜などの販売が行われる予定なので、この機会にぜひ足を運んでみてくださいね。

※畑の写真撮影5月上旬
富里すいか祭り2024 https://www.city.tomisato.lg.jp/cmsfiles/contents/0000015/15244/suikachirashi.jpg
尾崎農園 https://www.ozakifarm-tomisato.com