2024/6/28 UP!
今回は手賀沼周辺エリアで盛りあがりを見せるグリーンツーリズムの取組にスポットを当てたいと思います。
手賀沼は都心から一番近い自然の湖沼。江戸時代には鰻の産地として商人に親しまれ、大正から昭和初期にかけては、白樺派をはじめ多くの文化人に別荘地として愛されました。今回はそんな手賀沼の魅力を自然体験プログラムを通して存分に満喫できる「奥手賀ツーリズム」についてご紹介します。
都心からおよそ1時間。水辺と緑に囲まれた手賀沼周辺エリアの豊かな自然環境を楽しみながら体感するグリーンツーリズムを提供しているのが奥手賀ツーリズム」です。まずは「奥手賀ツーリズム」の発起人である油原祐貴さんに、どんな体験ができるのかその概要をお話いただきました。
油原さん:天然の湖沼、手賀沼の東側半分奥側を、僕たち「奥手賀」と名付けています。この場所は住宅地からも程よい距離があって、まあ農業が盛んであったりとか、大きな空があって自然を非常に感じることができる、ゆったりとした場所になっています。この場所でまあ、グリーンツーリズム・・エコツーリズムをやっているのが私たちです。大きく4つあります。一つは「農業」ですね。収穫体験であったりとか、まあ、最近は援農ボランティアなども含む農作業体験。それから手賀沼の水辺を楽しむ「釣り体験」や「サップ」「カヤック体験」こういったアクティビティ「水辺のアクティビティ」。そしてこの手賀沼周辺の竹林や森林、そういったところを整備する鳥野鳥観察をするといったような「環境活動プログラム」。周辺の集落での「歴史文化などを楽しむ」ようなツアー。そういったことができるエリアです。
都心に近い自然の中でずいぶんいろいろな楽しみ方ができるんですね。
油原さんは、もともと、町おこしイベントなど、自治体や商店街と一緒に地域を盛り上げる事業をされていて、地元の農家さんたちと連携して「農業体験」のプログラムをやっていました。それがさまざまな方向に広がって、今の形になるんですが、一体どのように充実していったのでしょうか?
油原さん:もともとそういう釣りをやってる人、サップやってるとかカヌーをやってる人っていうのがいたことすら知らなかったんですけど、手賀沼でそういう農家さんとまあ六次化のいろんな取り組みをして行く中で、周りにそういう人たち景色として存在してるんですね。なんか手賀沼に人がいるみたいな、で、何やってるんですかっていう話を聞くと、こういうことやってるよと。ただ、その人たちはどちらかというと自分たちの楽しみとしてやってる人たちが多かったので、これって体験できないんですか?みたいなことを、聞いて、ああできるよ。毎月第四何曜日やってるよ。体験がやれるんですねみたいな。そういうところから少しずつ実際にやらせてもらって、これをいついつこういうイベントでちょっとやらしてくださいよって言ったらいいよみたいな。そんなふうに、こう皆さんとの広がりっていうのができてきましたね。だから農業以外でもこんなことできるんだなあっていうのは、だんだんだんだん分かってきたっていう感じです。ノリがいいというか、結構自分が好きなことを あ、何やりたいのってじゃあ教えてあげようかみたいなかんじですよね。
「手賀沼フィッシングセンター」を拠点にして 「農業体験プログラム」の活動をする うちに、柏市、地元の方々との交流も生まれ、今の形に広がっていったそうです。やがて手賀沼を周遊するサイクリングも始まり、周辺エリアの魅力的なコンテンツがどんどん増えていきました。
当初 農業体験やレジャーは、週末にお客さんが集中する傾向がありました。でも、収穫体験など週末にタイミングがあうとは限りません。そこで、新たなプログラムが生まれました。
油原さん:教育学習、学校の授業の一環として、自然の中での体験をするっていうようなことをプログラム化して取り込めないかっていうことをまあ考えるようになりまして。受け入れ先っていうのはさっきあのお話があったような農家さんであったりとかカヌー体験をやってらっしゃる方とか、そういう方を先生に、子供達を迎え入れて、半日の学習プログラムとして自然体験やる。これ「手賀沼スクールヤード」という名前で三年前から始めたプログラムなんですけど、今そうですね年間で30校ぐらい、子供たち学校受け入れさせていただいて、平日、そういったさまざまな体験をしてもらってます。心を解放してというか、自然の中で活動する子供達って、すごくやっぱり笑顔が自然と出てくるなと思いますし、やった後にすごくこう。表情が全く変わってるって言うんですかね?
油原さんも、参加している子供達が無邪気に収穫体験などをしている表情を見てパワーをもらうことができて、自然体験が持つ力を実感しているそうです。農業体験は6月、7月ですと、ブルーベリー狩り、じゃがいも掘り、枝豆収穫、とうもろこし収穫など。水辺では、ニジマスを釣ったり魚を捌いたり、夏場にはニジマスの掴み取りをしたりするそうです。ほかにも竹林や近くの森林の手入れ、
生き物の観察であったり、歴史的建造物の修復体験。「千年村」と呼ばれる鷲野谷地区で江戸時代に建てられた建物を見学しながら歴史を学ぶプログラムなどもあります。 それぞれの体験は1回が2、3時間程度で、小学校低学年から中学生まで学べるコースがあるということです。
子供だけじゃなくて大人が体験できるプログラムもあるんです。そんほか、家族で参加できるものや、個人で参加できるものなどいろいろあります。11月までは農業体験や水辺でカヤック・SUP。11月からはバードウォッチングなどの体験もできます。
最後に油原さんがこの活動に寄せる想いを教えてくれました。
油原さん:まあどれをとっても、皆さんが来れば来るほど町がよくなっていく地域が元気になって行くとかっていうような、その参加して良くなっていくみたいな流れを作りたくて。で、それが続いて行った先になんか、近未来手賀沼の近未来価値みたいなものが「手賀沼ってなんか関わった結果嬉しい」みたいなそういう手賀沼になってったらいいなと思ってるんですけどね。
一度奥手賀ツーリズムを体感した人がその魅力をまた別の誰かに伝えて、そして再び訪れてくれる。そうして地域にかかわる人が増えて、農作物が収穫しきれないまま廃棄されるようなことも減ってくる。そんな相乗効果も生まれ始めてきているそうです。この夏、進化し続ける奥手賀の魅力を体験、体感してみてはいかがでしょうか?
https://www.okutega-tourism.jp