2024/7/12 UP!
「孤独のグルメ」というテレビ番組ご存知ですか?
主人公の五郎さん、実は千葉県にも訪れているんです。その中の一つ、いすみ市の「源氏食堂」は、番組放送後、多くの聖地巡礼の方が訪れた名店です。一度閉店されたんですが、昨年の秋復活したという噂をきき、早速スタッフがお邪魔してきました。
孤独のグルメ・シーズン5の第9話の舞台はいすみ市・大原駅のすぐ近く。空腹の五郎さんは「大衆食堂」という暖簾に惹かれ「源氏食堂」を訪れます。気になる、「ブタ肉塩焼ライスの上とイカとメンチのミックスフライ」を頼み、そこで、もはやステーキと言ってもいいその厚さと旨さに感動する、、、という流れで話が進みます。
2015年11月27日の放送後、しばらく、このメニューを自分も食べてみたいと、県内、東京だけでなく、番組のファンが全国から来ていたそうです。ところが、残念なことに、2019年、店主が急にお亡くなりになり、お店も閉店となりました。惜しむ声が多かった中、4年後の昨年の9月にこの店が復活したんです。気になるのは味ですよね?五郎さんが食べたあのメニューは復活したんでしょうか今回は調理担当の佐藤美明さんにお話を伺いました。

左が佐藤さん
佐藤さん:源氏食堂調理担当の佐藤美明です。銀座の老舗のトンカツ店で30年修業してました。店を辞めたいと言ったら、店もじゃあもう閉めるってことになって、こっちの実家の方にいすみ市の方に戻ってきたんです。まあ3年間家業の手伝いながら、その中で声がかかってきたんです。ちょっとこの源氏食堂をとんかつ復活させたいからやってくれないかと。考えたんだけども、じゃあやりましょうと。テレビとか新聞に載ってて人が来てたというのは知ってました。前のオーナーさんの奥さんが店に来て、この「塩豚定食」はやり方を教えてもらってそれで再現みたいな感じになってます。

じゃあ、そもそもこの復活を仕掛けたのは誰だったのでしょうか?
大原までたくさんのファンの方がきていたのに、そのお店が閉じてしまって、がっかりさせるのは申し訳ない、と、なんとか「源氏食堂」を復活できないかと準備を進めていた地元の不動産屋さんがいたんです。とはいえ、以前のお店の味を継いでいる人はいない。もともとここはお肉屋さんで、その横で食事処として源氏食堂があったんです。お肉の仕入れも調理も一体でやっていて、「豚肉」を使ったメニューが人気だったので、まずはトンカツから復活させよう、と、東京で30年トンカツを揚げていた佐藤さんに白羽の矢が立ったんです。
ところで、佐藤さんは、最初のお話の通り、お店の存在は知っていたけれども孤独のグルメに登場した「ブタ肉塩焼定食」はもちろん、源氏食堂のメニューを食べたことはありません。そこで、当時の味を知る方々に話をきいたり、作り方を教えてもらったりしたそうです。準備が整いオープンしたのが昨年の9月12日。復活のニュースは徐々に広まり、いろいろなお客さまがきているようです。
佐藤さん:ツーリングの人たちは、食べるものがみんな一緒、なんで、前もって用意できるから、そこらへんも楽です夕方、学生がけっこう通るんでもう帰りにメンチだのコロッケだのいろいろ買ってはいみんなでガヤガヤ食べながら帰ってます。平日はこの界隈で働いてる人たちかなっていう現場の方とかも多いんで平日はそっちに偏りますね。昼間はいいんですけど夜がちょっと弱いんで、夜に力入れてみようかなと思ってます。結構ほら、ちょいのみでもいいんで、来てもらえるようなつまみ系増やして、それでやってみようかなと思ってます。
ツーリングのお客さんは「孤独のグルメのあのメニュー」を目指してくる方が多く、地元の高校生にはテイクアイトの揚げ物が小腹が空いたときのおやつ代わりに人気なんだそうです。
人気ドラマ「孤独のグルメ」に登場し、全国からお客さんが訪れるほど人気となっていたいすみ市の「源氏食堂」。一度やむなく閉店したお店を復活させ、人気メニューの味を引き継いだ佐藤さんですが、とんかつ店で30年務めた経験を活かし、新たな看板メニューとして自慢の「とんかつ」を提供しています。味についてはご自身のこんなこだわりもあるそうです。

佐藤さん:それは、肉の仕込み方。特殊工具を使って肉をぺったぺたにわらじカツ状態に伸ばして繊維分解して、その繊維をまた組み立てて柔らかくするっていう技術ですね。あとはもう油にもちょっとこだわってるんで。とんかつまあ、ひと切れでいいんで、塩を衣の上から少しかけて召し上がるとパン粉の味、肉の味、油の味もすべてわかるんで、是非一切れだけでもいいんで塩をかけて召し上がってください。ドイツ由来の岩塩を使用しています。
トンカツは、まずはお塩で。そうするとパン粉のサクサク感、お肉の甘みなどを感じられるそうです。そのままソースかけないで最後まで食べてしまわれる方も多いそうです。オリジナルのソースは、サラサラの野菜ソースと、ドロッとした濃口ソースの2種ご用意。ブタ肉塩焼もトンカツも、とにかく肉が分厚いのにやわらかくてびっくりするお客さんが多いそうです。今はお肉屋さんは無くなりましたが、メンチやコロッケなどのテイクアウトはOKです。最後に佐藤さんが皆さんへお願いがあるそうです。。。
佐藤さん:源氏食堂復活したんですがどうしても夜が弱いんで、ちょいのみでもいいんで、来てもらえたら助かりますで、後は電車でお越しのお客様はほんと時間に余裕を持ってご来店をお願いします。料理提供時間がかかる場合がございますが、まあ一人前ずつ手を抜かずやってるんでぜひお店の方にお越しください。
外房線の下りで大原にやってきて、30分後の上り列車で帰るようなプランを立てて来られる方がいらっしゃるんですが、トンカツなどは、丁寧に時間をかけて揚げているので、そのタイムスケジュールだとやはり難しい。ぜひ、大原の滞在時間、多めにとってほしいとのことでした。
地元愛が復活させ、佐藤さんが腕を振るっている「源氏食堂」は、大原駅から徒歩3分ほど、サーモンピンクの壁の色の建物です。