2024/7/19 UP!
ビールが美味しい季節ですが、千葉県にも人気のクラフトビールが次々と誕生していますよね!
ハーヴェストムーン、KANGIKU、安房麦酒、きょなんビール、木更津オーガニックビールなどなどありますが、今回はその中から地元愛から生まれた銚子市のクラフトビール・銚子ビールで地域を盛り上げる「ミンナノチカラ」をご紹介します。
全国屈指の水揚げ量を誇る漁港や変化に富んだ風光明媚な景色で有名な銚子。その銚子発のクラフトビールブランド「銚子ビール」が今人気なんです。
クラフトビールは、小さな規模でつくられるもので、以前は「地ビール」とも呼ばれていましたが、その土地ならではの特色がパッケージや味に反映されることが多くお土産としても好まれます。銚子ビールのラベルにも犬吠埼灯台が描かれていて地元愛が伝わってきます。今回はその「銚子ビール」をつくっている、「銚子チアーズ株式会社」代表の佐久間快枝さんに、まずは誕生のきっかけをききました。

佐久間さん:銚子ビールを作っております「銚子チアーズ株式会社」の代表しております佐久間です。銚子ビールは、銚子をテーマにしたビールを作りたいということで、もともと銚子といえば皆さん思い出すのがお魚だったと思うので、銚子エールという「銚子にエールを」っていう気持ちを込めた銚子のお魚に合うビールからスタートしたビール会社になります。藤兵衛本店という料理屋をやってたんですけれども、地域で宴会やるんだったら、ここみたいなところのお店と、それと酒の小売りのお店やさんも一緒にやってたんですね。だんだんだんだん銚子もですね、こう行ったり来たりしてる時になんかすごく人口も減っていくし。うちのお店もすごく忙しかったんですけれども、その人口が減ると同時にお店もなんとなく寂しい状況になっていて。なんとかできないかなっていうのを、実は東京で仕事をしていながらもずっと思ってたんですね。出張でアメリカ行った時にクラフトビールですごく町が活性化している様子を見て、ビールとか何か銚子に人が来る何かをやらなきゃいけないなと思って、中心になるモノとして、銚子ビールをやりたいなって言うことが、スタートのきっかけですね。

「銚子の街が元気がなくなっていくのをなんとかしたい」そんな想いから、銚子のクラフトビールの構想が始まったんですね。佐久間さんは東京で商品のブランドの立ち上げなどに携わっていて、そのノウハウを銚子の町を元気にするためにいかしたい、クラフトビールで賑わう町を知って「これだ!」と思っていたんでしょう。もともとお酒が大好きな佐久間さんに、やがてアイデアを実現するチャンスが訪れます。
佐久間さん:ちょうど銚子市の方でUターンで起業する人とかいませんか?みたいなセミナーを開いてくれて、そこに参加させていただいて。銚子ビールの構想の話、したら、じゃあ、ちょっとそれで今度そういうビジネスコンテストが銚子市内であるんで出てみませんか?って言われたので。じゃあちょっと出て、みなさんの反応を聞いてみます、っていうことで出させていただいたところ、その地域クラウド交流会って言うので、実は優勝させていただいて。。。そんなにもたくさんの皆さんがあの銚子ビール期待してくださってるんだということが本当に嬉しくて。まずそれがきっかけで。更に実はそこで優勝すると千葉ビジコン、千葉県の今度ビジネスコンテストにも一次審査免除で出れるっていうことで。二次審査をへて、なんとそこでもファイナリストになれて。おかげさまでそこでも「千葉県知事優秀賞」をいただけて。そのおかげで「銚子ビール面白いじゃん」「応援してるよ」っていう多くの方に出会うことができて。やっぱりなんか出てみるもんなんだなっていうのは思いました。

ビール作りは全くの未経験だった佐久間さんでしたが、銚子市や県のビジネスコンテストで注目を集めます。地元銚子にUターンして2年後の2018年に銚子チアーズを設立。銚子の魚に合うビール「銚子エール」をはじめ、2020年には、日本財団「海と日本PROJECT」とコラボして犬吠埼灯台をモチーフに開発したビール、「犬吠WHITE IPA」「犬吠Black IPA」の販売を開始。国際的なビールコンテストでW受賞を果たしました。今も人気の商品で、売上の一部は灯台を守る活動に役立てられています。

銚子チアーズのクラフトビール、スタジオにご用意しました。

こんな風に素敵な商品ができあがるまでには、いろいろご苦労があったんです。
佐久間さん:醸造所を作ると、すごいお金がかかるって分かってたので、一旦、委託生産で作ってもらって、それをきちんとブランディングして銚子の町で銚子ビールとしてみんなが受け入れてくれるかということから始めようと思って。ビールのレシピをネストビールさんで一緒に作ってもらって。そこから、それを作ってくれる先を見つけて一年間はその委託生産でそれをたくさん売る。年間、実は6000L以上売らないと発泡酒の免許が取れないということがわかったので、とにかく委託生産でも6000L売れるか売れないか、それで継続するかどうか決めようということで最初の年はやってました。青魚に合う、臭みは消すけど、旨味を残すみたいな(味を探したら)アンバーエールスタイルが良い。辛口でお魚和食に合うやつにしていこうって。それを結構皆さん受け入れてくれて、おかげさまで初年度6000Lに近いところまで売れて。本当に皆さんのご協力なかったら無理だったんですけども、おかげさまで売れたので今に至ってるっていう感じですかね?
醸造を外部委託して状況を見ながらのスタート。行けるとなったところで 犬吠埼灯台の麓の犬吠テラステラスという商業施設の中に醸造所をつくりました。 そしてより多くの人に銚子ビールを届けたいと、大きな醸造所の新設を決意。 昨年、200年以上の歴史をもつ佐久間さんのご実家「藤兵衛本店」をリニューアルして、大きなタンクを備えた醸造所と併設のチョウシグッド・ビールカフェをオープンしました。タンク容量は約5.6倍と醸造量も大幅に増え、缶ビール製造の体制も整いました。

やっと軌道に乗ってきたみたいだとおっしゃる佐久間さんですが、当初の思いである「地元活性化」が一番の目的であることは変わりません。銚子産の発酵調味料「ひしお」や地元のハーブを使用するなど市内企業と共同開発した「銚子灯台コーラ」を発売したり、銚子電鉄とビール列車を運行したりと、その活動は広がっています。最後に佐久間さんが想い描いている銚子の未来を語っていただきました。
佐久間さん:もっともっとたくさんブルワリーが銚子も含めて、この地域たくさんできたらいいのにって思っています。特に銚子は醤油の醸造もありますし、最近ワインの醸造も始まりましたし、もともと日本の酒造メーカーさんが二社ありますし。そういう意味では「醸造の町」っていう形でもっとみんなが「銚子に来たら、いろいろ楽しいね」っていうふうになってもらいたいと思ってるんで。もっともっとブルワリーさんができたり、活性化していけたらいいなと思ってます。私自身もクラフトビールメインですけれども、将来的には蒸留酒とかそういうのもちょっとチャレンジしていきたいなというふうに思っています。いろんなお酒とか醸造といえばいろんなものが入ると思うんですけど、そういうことがもう点在してて、銚子にくると、そういう面白いものに出会えるみたいな風に(なっていくといいなと)思っています。

美味しい魚、美味しい野菜、そして美味しい銚子ビールや、その他のクラフトアルコール、こんな揃っている街はそうそうない、これを銚子ビールで繋げていこうという佐久間さんの挑戦に、これからも注目していきましょう。銚子ビールなど銚子チアーズの商品はインターネットでの購入もできます。
詳しくは、こちらのリンクを参照ください。