三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

未来に繋げる有機野菜~「ONE DROP FARM」

2024/8/30 UP!

突然ですが、明日、8月31日は何の日でしょうか?831(はち・さん・いち→ヤ・サ・イ)で野菜の日なんです。今回は市原市で蜂を飼う「養蜂」で里山を再生、有機農業を行っている方の挑戦をご紹介していきます。

市原市にある「ONE(ワン) DROP(ドロップ) FARM(ファーム)」の取り組みを紹介します。「養蜂で里山を再生する」を合言葉に、耕作放棄地を再び整備して、養蜂と有機農業を行っています。ミツバチや周辺の生態系に配慮して栽培された野菜はすべて有機JAS認証を受けたもの。実はスタジオにもその力強い野菜が並んでいます。まず最初に、代表の豊増(とよます)洋右(ようすけ)さんに、有機農業に取り組むことになったいきさつを伺いました。

豊増さん:僕自身はもともと農家の生まれなんですよ。佐賀県の鳥栖市の酪農家の長男として生まれたんですが、大学を卒業した後は経営コンサルタントの会社で八年ほど経営とかマネジメントを勉強させてもらったあと環境関係の活動している団体に転職して、その団体でたまたま千葉県に農場を作るという仕事があって。木更津市に移住したというのが、実は僕が千葉県で農業を始めたきっかけだったんですが、それが今から15年ほど前ですかね。2010年ぐらいのことで。その農場を七年ぐらいで卒業させてもらって、七年前に市原市に来てONE DROP FARMという会社をスタートしたのがこの事業の始まりです

豊増さんは経験、知識を生かしながら耕作放棄地を農地としてよみがえらせるため最初は農作物ではなく、あるものを育てることに力を注ぎます。そして、副産物として、あまーい蜂蜜を作ることになったそうなんです。農業を始めるにあたり、豊増さんが力を入れたこととは何なのでしょうか?

豊増さん:やっぱ最初にやらなきゃいけなかったのは、地力を向上することで、土木的に農地を再生すること、それももちろん大変なんですが、最終的にその農地で品質の良い野菜が作れるようになるかどうかって、やっぱり地力になりますから。自然界の力といいますが、僕ら緑肥と呼んでますが、この緑の肥料の緑肥という植物を育てることによって、その土地の土が持つ生物性とか、物理性とか、あるいは科学性を整えていくっていうことが、やっぱり急務だなという風に最初に感じました。先ほど申し上げた緑肥という植物の中には 蜜源植物っていうんですけど、蜂蜜が採れる植物がたくさんあるんですね。例えばクローバーとかナノハナとか、この蜜源植物のいいところは当然、あの土も育ててくれるんですけども、お花が咲くことで蜂蜜が採れるという効果もありますので、そこでミツバチを育てればはちみつが収穫できると、一石二鳥じゃないですけどそんな効果も期待して、土を作りながら蜂蜜も育てているっていうのが、僕らが今やっていることです。

その土作り、市原市のJR外房線 誉田(ほんだ)駅から近いところにある(せ)(また)地区で何年もかけて行っているそうなんですが、そこまで土づくりをしっかりと行う、じっくりと進めているのには、その後、この畑で作りたい作物へのこだわりがあるからなんですね。  

ONE DROP FARMでは価値のある野菜を力のある土で作っていくことに取り組んでいて、有機野菜に関する国の厳しい基準「有機JAS認証」を取得しています。認証のハードルも、ONE DROP FARMならではの方法で乗り越えているようです。

豊増さん:この認証を取得するためには、最低でも二年間科学的なものを使わずに土地を管理しなければならないというルールがあります。普通ですとこの二年間は有機野菜として販売出来ないので、収入があまり得られないということになるわけですが、あのお花畑で農地を管理することで有機認証を待っている間も蜂蜜を収穫しながら収入を得ることができるという。まあ、これ非常に大きな効果がありますまあ、認証が得られたからといってすぐにね、品質が良い野菜ができるわけじゃなくて、まあ、実質的にはやっぱね納得のいく高い品質の野菜ができたなと思うのは5年目とかね。まあ、その土地のプロフィールにもよりますが、場合によっては十年ぐらいかかるような畑も正直あります。今、僕ら有機JAS認証の畑で7ヘクタールほど管理してるんですが、年間で作付けしてるのはそのうちの1/4ぐらいですかね。2ヘクタール前後にとどめています。それをまあローテーションしながら。少しずつ土が良くなっていくのに合わせて野菜を育てていると、まあそんなやり方をやっています。

スタジオでも、届いたばかりのピーマンを頂きましたよ!

市原市の瀬又地区で着実に野菜づくりを続けるワンドロップファーム。その農作物の評判は次第に広がっていきます。ネット販売や近隣の大型商業施設などで販売もされるようになりますが、広い土地で一気に農業を拡大させることなく、品質の高いものを出荷していくことに重点を置いているそうです。そして、豊増さんおっしゃるところの「野望」、こんな風に語っていただきました。

豊増さん:この瀬又という地域からぜひ世界に飛び出して行きたいなという意味で、瀬又から世界へっていうのは一つのキーワードにして今いろんなことを考えています。やっぱりなんといっても千葉県はね、成田空港があって、海外の方が一番アクセスしやすいところでありますので、海外から来られた方が、あ、千葉でこんな本物があったと。こんな美味しいものがあったとまあ、感動していただける心を動かすような美味しいものを瀬又で味わっていただきたい。できればこういったものを作る仲間もね地域にどんどん増やして行きたいと思ってますので、品質が高いものをどんどんどんどん作っていきたいなというふうに考えています。農産物の海外取引って非常にチェックが厳しいですけども、有機農産物に関しては一般の農産物と比べると非常に少ない手続きで海外に輸出することができます。海外の方にもどんどん輸出という形になりますけども、そんなこともできていけるんじゃないかということで、今あの行政の方ともね相談して進めているところです。

千葉にこんな美味しい野菜がある、ということを「世界」にまでアピールしていく。行政の方とも詰めているなんて、もう野望じゃなくて現実的なすぐ未来の話なんでしょうね。豊増さんは、農業だけでなく里山再生に関する講演やコンサルティングなども行っていて、たくさんの方が話をききたいと訪れているそうですよ。「おいしい・気持ちいい・楽しい」のコンセプトのもと、次世代に引き継げる持続可能な農業を目指し、ワンドロップファームをゆくゆくは「県内の有機農業の拠点にしたい」という豊増さん。地域の農家さんとの連携も視野に、これからも新しい形を模索しながらまさに「瀬又から世界へ」ハチミツと有機野菜の二刀流で世界に挑戦続けていっていただきたいですね!

https://onedropfarm.jp/

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