2024/9/6 UP!
新米が出回る季節になってきましたね。
千葉県は8月中旬に新米ができる、関東一の早場米の産地でもあるし、米所として美味しいお米、ブランド米がいくつもあるんです。ふさおとめ、ふさこがね、粒すけ、こしひかりなど。そして千葉の三大銘柄米として 多古米、長狭米、いすみ米があります。
今回は、千葉県多古町の地域で作られているコシヒカリ「多古米」の魅力をいろんな方法で発信している農家さんの活動についてご紹介していきます。
ご紹介するのは、多古町で農業をされている「立花ふぁーむ」の皆さん。お母様の立花眞佐子さん、娘さんの青木清子さん、そして息子さんの立花よしおさんが、それぞれ多古米の魅力を発信していらっしゃいます。
多古町では地元で作られたお米の美味しさを競う「多古米グランプリ」という大会が毎年行われていて、旨み成分などを機械で測定する1次審査と、審査員による実食の2次審査を通じ、その年のNo.1多古米を決定しています。お母さんの眞佐子さんは、昨年の大会で、65歳以上の部の優勝と総合グランプリを獲得された、まさに多古米の匠の方なんです。美味しいお米を作る秘策はどんなところにあるんでしょう?
立花眞佐子さん:
お嫁に来てからここ50年になります。ずっとお米作りやってまして立花眞佐子といいます。今年からね、若い人と年寄りの方の2部にわかれて。ちょうど高齢者の方に入ったからおいしかったと思うんです。有機肥料で少しやってたから6種類ぐらい入ったかな?燕のふんとか海草とかだから土作りができてたからおいしかったのかなって。お水もね、その年は暑くて夜水引いてくれたの。 だからそれが良かったのか、みんな食べて美味しかったのかな?審査員の方々は、、、
100名をこえる参加者の中、堂々の総合グランプリ。「たちばなふぁーむ」のお米はすべて「有機栽培」か、化学肥料・農薬を通常の半分以下に減らす「減農薬・減化学肥料栽培」で作られているそうなんですが、そうしたことを10年続けてきた成果だと思うともおっしゃっていました。そして、その多古米のおいしさをもっと広めていこうと数年前から活動を始めたのが結婚で多古町を出て今は横浜にお住まいの娘の清子さんです。当たり前に食べていた多古米の味がとても評価が高いと知って、そんな味を周囲の方に知って貰いたいと、多古米を中心としたランチを横浜で提供するようになったんです。最初は横浜で、月に2回程度、農家カフェというのを始めた清子さん、そのメニューはどんなものだったんでしょう?そして、食べた方々の反応はどのようなものだったんでしょう。青木清子さんにリモートで伺いました。
青木清子さん:
農家カフェと銘打って、母から前日に送ってもらったとれたての、夏でしたらおくらとかゴーヤとかそういうものをその多古米とおかずとランチセットにして提供すると「新鮮な野菜ってこんなに美味しいんだね」なんて言ってくれて。母があと自家製のお味噌も作ってるので、自家製味噌で作ったトン汁とかね。あとはヤマトイモが有名なので、ヤマトイモ農家の人から泥付きで直送してもらったりとか。で、泥付きのヤマトイモ詰め放題とかも、結構都会の主婦にはウケるんですよね。産地直送の田舎を楽しんでもらうっていうのが、町でのそのカフェ営業で。ただただランチをいっぱい売りたいとかではなく、多古町を知らせたいっていうコンセプトでみんなこう。じゃあ私も多古町応援するわみたいな方も来てくれて。横浜のカフェのお得意様が3組ぐらいあのうちの田んぼに田植えに手伝いに来てくれたり、二拠点ならではの繋がりもできましたね。
収穫したものをその場でいただける農家カフェは多くありますが、横浜で多古町の作物を新鮮な状態で出す。それで多古町にも来てくれるっていうのは面白い展開ですね。
古くは江戸時代から時の将軍や皇室への献上米となり、また食味日本一に輝くなど、おいしさには定評がありますが、流通量が少ないため「知る人ぞ知る」銘柄米とも言われる多古米をもっとたくさんの人にしってもらいたい、という清子さんの活動はさらに広がっていきます。
多古米グランプリ2023で見事総合グランプリに輝いた眞佐子さんをはじめとするたちばなふぁーむの皆さん。娘の清子さんが東京湾を挟んだ横浜で、多古米を始めとした多古の野菜の美味しさを発信するカフェを始めて、大人気に。そうしていると、場所を貸してくれている方からこんな提案をされたそうなんです。
青木清子さん:
2018年の11月に横浜を基本に活動して、そこにシェアキッチンをされてる方が近所にいらっしゃって、そこを間借りして多古米のランチを始めました。多古米美味しいねって横浜の方たちにも結構評判になって,実際にやっぱ食べてもらうっていうのがすごく宣伝になるんだなあっていうのを実感しまして、五年経ちまして。そしたらそこのオーナーさんから、多古町にもシェアキッチンとかで作ってみたらどうってすすめられて町の役場にも相談しに行ったんですね。なんとか保健所にも何度も足を運んで渋々オッケーをもらって、町もまあ農業の六次化っていうことで、すごく応援してくれて、もうすぐ二年になるんですけど、現在ポロポロと増えて6組借りてくれてる方がいます。
シェアキッチンの認可をとるのもいろいろ苦労されたようですが、多古町で、というか、立花さんの家の一部を改装して「多古町のシェアキッチン」が完成しました。多古町や近隣の町にお住まいの方から利用の申し込みがあり、多古米の米粉を使った焼き菓子を作られる方などがいるそうです。専用の調理機材があるシェアキッチンの存在は、地元の方々に大きなチャンスを与える施設になっていきこの地域の食材を使った新しい食品が、ここから生まれてきているんです。
スタジオでは酵素玄米の試食をしました。
これは、多古米の玄米に小豆と少量の天然塩を加えて炊き上げ、炊飯器などで3日程度そのまま保温することで、活性化した酵素の働きで、玄米がモチモチと柔らかくなっているものです。電子レンジで温めて食べることができるんです
こんな風にいろいろな可能性が広がっていくのは素晴らしいですね。6次産業化することも魅力の発信につながっていくのでしょう。
現在、多古シェアキッチン・メンバーを募集していまして、1時間1100円から利用可能です。お試し無料体験もあるそうです。菓子製造許可付きキッチンですので、腕に自信のある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?最後に 眞佐子さんの息子で代表の立花良夫さんにもお話うかがいました。
立花良夫さん:
グランプリ取った母の息子です。多古米の将来の話です。今年からの多古町がオーガニックビレッジ宣言っていうのを出して、有機Jasのお米を増やして作ってでそれを、地産地消のような格好ですね、小中学校の給食に出したりとか、生産と消費量が有機農産物がそう回るような仕組みを作ろうという取り組みなんですよ。ちょうど今頃は、多古は稲刈り真っ最中ですね。もう一面黄色いんですよ。黄金色になってます。輝いてますよね。今機械化が進んでるんでね、稲刈りの翌日にはね。あの出荷可能になるんですよ。新米ですね。今年もおいしい新米できておりますのでね。皆さんぜひ多古米を買って食べてみてください。まあ食べればわかりますよ。
オーガニックビレッジ宣言、有機農業に地域ぐるみで取り組むという、多古町の素敵な姿勢で作られた美味しい多古米を地元の子供達も給食などでしっかり食べて、その美味しさをDNAに刻み込む。まさに食育の一環とも言えるんじゃないでしょうか
すでにもう新米をいただいた、なんて方もいらっしゃるかもしれませんが、お米の保存には冷蔵庫を使っていただくと食味が長持ちするそうです。ぜひ、今年も美味しい新米、召し上がってくださいね。
20年前からネット販売を始め、有機農法、農家カフェ、シェアキッチン、など様々なことに挑戦し続けてきたたちばなふぁーむのみなさんのこれからにも、期待しましょう。詳しくはたちばなふぁーむの公式サイトをぜひご覧ください。