三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
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そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
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秋のスイーツ 宝石のようなさつまいも「金蜜堂」の芋パフェ

2024/10/4 UP!

みのりの秋、皆さん楽しんでいらっしゃいますか?

千葉県は、産出額全国2位を誇る、日本有数のさつまいもの産地。そして関東地方のさつまいも栽培発祥の地ともいわれているんです。今回は、香取市で独自のアプローチでとっても甘〜いさつまいも、その名も「金蜜芋」というスイーツ好きにはたまらないさつまいもを作りながら、いろんな方法で、そのおいしさも表現している石田農園の取り組みをご紹介します。

香取市のある北総地域は、県内でも特に、関東ローム層の火山灰土壌が栽培に適していると、さつまいもの名産地として知られています。その激戦区の中で独自のブランド「金蜜芋」を生産するだけでなく、「金蜜芋」のスイーツを楽しめるカフェを運営している石田農園。農家であり、石田農園のプロデューサーでもある、まだ30歳を越えたばかりの石田湧大(いしだゆうだい)さんにまずは金蜜芋がどんなお芋なのかを伺いました。

石田さん:石田農園はですね、会社になっているさつまいも農家なんですけど、自分たちでこだわり持っているさつまいもをオリジナルブランドで金蜜芋っていう名前で売っておりまして、でそれを食べられる場所で金蜜堂っていう芋パフェのお店をやっています。金蜜芋というのは糖度50度以上のさつまいものことを金蜜芋という名前をつけていまして。さつまいもって甘さが、甘くない状態だとだいたい糖度10度ない状態くらいから僕らで言うと糖度75まで甘くなるんですけども、その糖度50度以上の状態って、だいたい皆さんがこう食べた時に「うわ甘っ」て感じる。そのラインがだいたい糖度50なんですけど、僕らが作ってるお芋はすべてが糖度50度以上の金蜜芋になります。甘さをとことん追求して作ったさつまいもなので、なんかそういうオリジナリティのある特徴もあったりします。

石田さんの家は300年以上続く農家。その長男として、石田農園の歴史を続けなくてはという気持ちはあったものの、それほど強い想いではなかったそうですある時、本格的に農業をやることを考えるようになって、そのためにはまず、経営の分野や人を使うことに関しての勉強が必要、ということで人材採用の会社入社。人材育成や人集めのスキルを獲得してから、みっちりと農業の道に入り、無我夢中で芋作りの勉強をしたそうです。そして、今でも最高に尊敬しているお父様の教えで美味しいさつまいもを作るようになっていきます。そもそも、この甘いさつまいも作りに関しては、石田さんとお祖父様との会話から始まったそうなんです。

石田さん:甘いさつまいもってどうしたら作れんのって、私が20歳ぐらいの時に聞いたら、ああ、昔はなんか土の中に秋収穫した芋を入れといて、春になって食ったら甘かったどって言われたんで。なんかそれを本当に真面目に受け取って。で親父と十年前から、この十年間でそれをどうやって技術として習得するのかっていうのを研究していく中で、気づいたことは、二年がかりで、さつまいもの土を作って。そもそも甘くなりやすい個体のさつまいもを作り、それを地下貯蔵庫で熟成させることによって、どこにもない味わいの高糖度のさつまいもが出来上がるっていうことに気づいたのが、まあこの十年ぐらいであの工夫してきたことですね。

お祖父様のお話をヒントに、独自のノウハウを編み出して、毎年再現できるようにしていこうと考えた石田さん。お父様と10年かけて完成させたという、この探究心。素晴らしいと思います。

土づくりから熟成まで、およそ2年の歳月をかけて世に送り出されるオリジナルブランド「金蜜芋」。そして今年3月、また新たな挑戦が始まりました。「芋」としてだけでなく、「スイーツ」にして、もっと多くの人に味わってもらおうと考えたんです。

石田農園の干し芋は製造が追いつかないほどの人気商品になりました。規格外と言われていたサイズの焼き芋商品が百貨店などでも飛ぶように売れたのをみて石田さんは地域全体の芋の評価が上がれば生産地のイメージアップにつながるのではないかと考えたそうです。そこで、まずは石田農園を知ってもらうため、千葉県最大級のビジネスプラン・コンペである「CHIBAビジコン2020」に参加。「最高のサツマイモを作っていく」企画が見事に「ちば起業家優秀賞(千葉県知事賞)」を受賞しまた。そしていよいよ今年3月には金蜜芋を食べてもらうために、芋のスイーツが楽しめるお店、「金蜜堂」の運営をはじめました。

「北総の小江戸」と呼ばれ、築100年を超える商家など歴史的建造物が残り、風情ある町並みを造っていますが、金蜜堂は、内装に大正ロマンを取り入れた古民家カフェをオープンし、さつまいもの特別な体験を提供しています。このカフェでいただける大人気の芋パフェ、どのようにしてできたのでしょうか?

石田さん:今お店でスイーツを私たち農園のスタッフが作っているんですけども、自分たちでレシピを作っているわけではなくて、二年前に出会った千葉市でカフェテントっていうパフェのお店をやっている、宮副天良さんっていうパティシエがいて、その宮副さんは本当にもうパフェの組み合わせというか、素材の組み合わせを考える天才で、その彼と二年前に知り合ってから去年、(テレビ番組の)青空レストランで共演をして、でそこで2人で考えたパフェが世の中の人が食べたいものになって、それをやっぱり僕たちでお店で特別な体験として届けられたらいいよねっていうので、僕らの農園のスタッフに、今ではパティシエの宮副さんが美味しいお菓子。あとはあの組み合わせにこだわったスイーツを作れるようにトレーニングをしてくれて。僕らが提供しているものっていうのは、本当にこう人気のパティシエが考えてくれたものを提供をできていると思ってます。

「金蜜芋のお城パフェ」は20種類ほどのパーツ(材料)から構成されているんですが、素材にも大変こだわりがあって、その食材、基本的にまずは宮副シェフに金蜜芋を食してもらって、そしてこのお芋に合う食材を地元の方にも提供してもらったり、新たに作ったりしてもらったりしたそうです。付け合わせに出てくる2種類のお塩のうちひとつは九十九里の天日干しの塩だそうです。いただいた取材スタッフはひとつ3000円でも安く感じたとのこと。ゆっくりと楽しんでいただきたいパフェ。

スタジオには、取り寄せもできる、瓶に入っている小さなパフェを用意いたしました。

Screenshot

金蜜堂では、10月末まではこのほかに、金蜜芋とベリーのアイスパフェが、季節のパフェとして楽しめるそうです。さて、まだまだお若い石田さんですが、将来について、こんなことも考えているそうです。

石田さん:石田農園のある地域っていうのは、さつまいも農家の人たちが千軒もいて、日本ではもう最大のさつまいもの産地なわけなんですけれども、そこで僕らがやっている、いろんな取り組みっていうのをさつまいも農園のロールモデルとしてやっていって、やがては石田農園以外の○○農園がいろんなスイーツを手掛けてたりとか、百貨店で売り場を争うライバルになってたりとか。僕もまだ30歳なんでここから先の人生、一応今の予定では75歳まで仕事をしようとは思ってるんですけれども、一緒にこう切磋琢磨していけるようなそんな若手の農業経営者の方とか、さつまいもがすごく好きな仕事をしている人達っていうのをなんかこう増やしていくきっかけになれたらいいなと思ってます。

45年先までのすごい人生計画。「地域で盛り上げていきたい」 「地域の中にライバルができたら盛り上がる」とか地域と農業の未来もしっかりみているんですね。

金蜜堂で、パフェやスイーツを食べられた方は、みんな、このお芋の甘さに驚いてショーケースの中にある干し芋もお買い求めになるそうですよ。美味しいものって、自分の大切な人たちに教えたくなりますよね。佐原の歴史的な街並みを楽しみながら、北総地域が誇るさつまいもの実力、金蜜芋をぜひ楽しんでみてください。

  金蜜堂&石田農園

https://ishidanouen.com

 

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