三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

MADE IN九十九里 こころを込めたものづくり「菅原工芸硝子」

2024/10/11 UP!

今回のテーマは「MADE IN九十九里」。「ものづくり」「手作り」と聞くと、どんなものを想像しますか?

実は、今、千葉の九十九里は、その自然豊かな環境に惹かれた個性豊かな作家さんが集まっていて、お洒落な工房も増えているということで、注目されているんです。今回はそんな九十九里の地で手仕事による硝子製造にこだわっている「菅原(すがはら)工芸(こうげい)硝子(がらす)」のモノづくりへの想いをお聞きします。

今日ご紹介するのは、雄大な太平洋に面し、長い海岸線が広がる九十九里町で、ハンドメイドのガラスの食器などを、「江戸硝子」の伝統工芸士を含む熟練の職人達が、手仕事で生み出している菅原(すがはら)工芸(こうげい)硝子(がらす)です。東京の青山や銀座、大阪、福岡  にも店舗を構える人気のお店。まずは、三代目社長の菅原(すがはら)裕輔(ゆうすけ)さんに、会社の成り立ちを教えていただきました。

菅原さん:1932年に私の祖父が東京の江東区亀戸というところでおこした会社です。1962年にこちらの千葉県の九十九里に工房を移転しましてもともと創業当初から私どもは問屋さんからこういうものを作ってくださいということで、お願いされたものを作る下請けの会社でした。1970年代に入って大きな不況になりました。なかなか下請けの工場って買ってもらえないということで、できることに限りがあってどうしたものかということを考えていた時に、人の手で、自分たちで作っているので価格競争には限界があるということで、自分たちで新しい価値を生み出して届けていけるような会社になろうということに大きく転換をしました。自分たちでデザインをして製品を作って、それをなるべく自分たちの手で届けていく、大きく舵を切ったのが1976年になります。

1970年の不況=オイルショックなどがありました、。機械生産ではなく、職人さんが作っていたこともあり、リストラではなく、値引きでもなく、オリジナルで勝負していく道を社長のお祖父様が選ばれたそうです。そうは言ってもお客さんが買ってくれなければ、会社は苦しくなってしまいます。ところがここで逆転大ホームランが出ることになったんです。

菅原さん:大変幸運なことに、すぐに大ヒット製品が生まれました。これ何かというと、コーヒーゼリーの器。実は今でも現役で作って販売している製品ですけども、#の330番という商品なんですけども、この製品が大ヒットしました。当時、喫茶店の中でコーヒーゼリーっていう食べ物がとても初めてお目見えして、とてもヒットしてたと人気があったという食べ物だったんですけども、初めてお目見えしたんで、専用の器っていうものがなくて、小鉢だったりだとかそういうものに入れてたわけなんですけども、どうもかっこよくないし食べにくいということで、コーヒーゼリー専用の器を発表したところ、まあこれが大ヒットした、というのがオリジナル製品作りが活発になるきっかけになった大きな出来事でした。

このコーヒーゼリーの容器は全国の喫茶店やレストランから注文が殺到し、

オリジナルでいこうと言う方向は間違っていなかったんだという確信に繋がったそうです。今も菅原工芸硝子では製品の多くを職人自ら開発、デザインしていて、オリジナル製品、カタログ的には4000種類もあるそうですよ。

東京の下町から九十九里に移り、オリジナル製品の制作に力を入れ、コーヒーゼリーの食器でヒットを飛ばした菅原工芸硝子。敷地内にある工房では、大きな炉でガラス原料を溶かし息を吹き込んだり、鋏などで形作ったりしています。さらに最近はSDG‘sが盛んに言われていますが、菅原工芸硝子では、新しい取り組みが行われているんです。

菅原さん:私ども今取り組んでいるSGHRリサイクルという活動はこの工場から捨てるガラスをゼロにしようという取り組みです。もともとガラスって非常にリサイクル性に優れているんで、実は使える端材はほぼ再利用してた。だけど一部色が混ざっちゃったりだとかいう状態の良くない端材とか失敗したものとかについてはこれはあの産廃業者さんにお願いをして処分をしていたと。せっかくリサイクル性の高い素材を使っているのに、またあのガラスの原料って砂なんですけども、地球の資源である砂を使って、そういうものを簡単に捨てるのは何か違うなというところで、これを大事にしていこうということで、取り組みを始めました。あのいろんな端材を混ぜて溶かすんで、どんな色ができるかわからない。作るたんびに当然色が変わります。もうそれを楽しめるようなものにしようということでやっているのが私たちのリサイクルです。

その「手作り」を大切にし、さらに作り手と使い手が作品を介して出会い、語り合える場を作りたいという想いで、菅原さん、工房とお店がある敷地の中でクラフトマーケット「くらしずく」を始めました。全国からハンドメイド職人がそれぞれの想いがこもった作品を持って九十九里に集まってきます。人気のマーケットに育っていますが、その開催に対する思い、伺いました。   

菅原さん:2017年からこのクラフトマーケット「くらしずく」をスタートしましたけども、なんでガラス屋さんがクラフトマーケットやるんだというのは非常に疑問に思われるわけですけども。その意味二つあって。一つは九十九里という地域に、もっともっと多くの人が足を運んでいただきたい。もう一つは、あの私たち手作りでガラス製品を作っていて、単にデザインがいいとか品質がいいとかだけではなくて、もっともっとそのどういう人たちが作ってるとか、どういう想いで作ってるとか、そういうこともお届けしていきたいなあと常日頃思っている中で。しかもそういう話を聞きながらお買い物をして買って帰ったものをより愛着がわいて、長く大切に使いたくなるみたいなことを体験していただきたいなあという想いがあって。帰りがけには、ぜひ九十九里海岸もドライブしていただいたりとか。一日楽しんでいただければいいなというふうに思ってます。

ハンドメイド作品だけでなく、マーケットでは九十九里の美味しいものの屋台やキッチンカーも並びます。「くらしずく2024(にせんにじゅうよん)」は10月19日(土)20日(日)開催です。入場料など詳しくは公式サイトをご覧ください。そして、イベントがない日でも、工房の隣のショップや素敵なカフェで、ゆったりとした時間を過ごすことができます。九十九里のお出かけプランに菅原工芸硝子、ぜひ加えてはいかがでしょうか

https://kurashizuku.com

https://www.sugahara.com

前の記事
次の記事
サイトTOPへ戻る
WHAT’s NEW