2024/10/25 UP!
全国有数の農林水産県である千葉県は、農産物直売所の数、全国第1位なんです。
数ある中から、今回は、千葉県の北部、栄町にある今注目のトマト農家さんの直売所「NOLAND(ノランド)」をご紹介します。

栄町にあるトマト農家の直売所「ノランド」。トマトを買ってくれるお客さんが、農業を身近に感じて滞在を楽しめるテーマパークのような場所にしたい、そんな想いから名付けられました。2016年に開業。「県立房総のむら」から歩いて5分ほどのところにあり、お洒落な空間で、美味しいトマトを買うことができると人気になっています。 まずは園主の小川熙さんにトマト農園、そして直売所を開くまでのいきさつをうかがいました
小川さん:ノランドという意味は、農業を感じてもらえる場所にしたいという思いで「農業ランド=ノランド」という意味で作りました。僕はあの農業を始めるときに、自分で作ったものを直接自分の手で販売したいという思いがあったので、そういうブランドを立ち上げてブランディングをしています。家業、父が農業をやっていて、そこでアルバイトがてら父が作ったトマトを販売している時に、お客さんから「ここのトマト美味しいね」とか「遠くから足運んで買いに来てるよ」っていう声を聞いて、自分で農業を始めて作ったものが、売れるようになったら楽しいだろうなっていうふうに思ったのがきっかけで、そういう思いになりました。ネガティブな意見も直接耳に入ってしまうけど、やっぱり嬉しい言葉をかけてくれるお客様の方が圧倒的に多いですし、それが楽しいというふうに思いますし、自分のモチベーションになっているなという感覚があるので、それは僕にとってやりがいになっています。

小川さん、大学在学中に、ご自分の理想をかなえるための挑戦をスタート。実家の農地は引き継がず、農地を借りるところから始めたんだそうです。周りの大学生が就職活動を始める頃、小川さんはこんなことを始めていました。
小川さん:大学三年生の後半から授業が減ったタイミングで、実家で研修がてら農業の技術は学んでいました。それと同時に農業の問題でもあると思うんですけれども、高齢化とか農業を離れる方がやっぱり多いっていう問題もあるなと思っていたので、そういう「空いている耕作放棄地」なり、「使わなくなったビニールハウス」があるのではないかという思いがあったので、それを探すために栄町だけじゃなくて、いろいろな市町村の農政課に声をかけたり、知り合いに声をかけて探し始めました。で、それで今、このノランドがある自分の地元である栄町でたまたま見つかって、条件もすごく良くて、地主さんも僕を選んでくれて結果的に大学四年、まあ卒業をしてから少し経ってから農地を取得し、自分で始めることができたという流れになります。
農地も見つかり、いよいよトマトづくりを始めた小川さん。主要道路から少し奥まった場所までせっかく来てくださるお客さんには、ぜひ楽しんでもらいたい、と、こだわりの直売所づくりが始まります。
セレクトショップ風のお洒落な空間をつくり、新鮮なトマトを販売しています。
スタジオにはこちらのミニトマトなどが届きました。

オリジナルのギフトボックスやロゴも好評で、「インスタグラムを見て可愛かったのでギフトとして買いに来ました」というお客さんもいるそうです。そしてトマトのこのおいしさにはこんなこだわりがあったんです。
小川さん:午前中に収穫して午後に販売するというスタイルをとっているのですごく熟した状態。家ですぐ食べても美味しいと感じてもらえるような状態でとることにこだわりを持っていて、またその品種もすぐとった状態で美味しいと感じれるような皮が薄いような品種を選んだりして、他のお店では味わえない美味しさを提供できるように意識しています。ノランドのトマトは、品種で言いますと大玉品種が一品種、中玉トマトが一品種、ミニトマトが赤・黄色・オレンジの三品種を栽培していて、主に10月中旬からミニトマトの収穫開始して、11月から大玉が獲れるというような流れで、翌年の7月初旬ぐらいまでとっています。

取材時はまだトマトは育成中でした。
ギリギリまで枝で熟させることができる直売所ならではの美味しさということで、おいしいトマトを厳選して収穫するために、直売所の営業は週3日、火曜、木曜、土曜が基本のペース。もちろん、天気などの急激な変化や湿度への対応、病気の予防など、毎日の作業には休みはありません。一つでも怠ると、すぐお客さんの反応に出てしまうのがわかるそうで、なんとか美味しいトマトを安定して届けるために頑張っています。最後に、今後の展開について、お話お聴きしました。
小川さん:僕の考えとして、そのやっぱり手に取る理由っていろいろあると思います。
その味が美味しいという評判を聞いてくれる方とか、インスタグラムを見ておしゃれという入り方をする方もいれば、あの本当にいろいろな入り口があると思うので、まあ、その一つとしてデザイン。個人的に好きなことでもあるので、そこに力を入れました。今、直売所のお客様が年々増えているのでもちろんその来ていただいている常連さんに満足してもらう「ノランド=この味だよね」っていうのは毎年生産技術を高めるという意味では目標としてあります。また、最近は加工品ですね。トマトジュースとか黒大豆を使った甘納豆、お茶などの加工品に力を入れているので、そういうものをギフトに選んでいただいたりだとか、あの遠方でこうどうしても直接来れないという方に向けて、何か商品を今後増やしていけたらなというふうに考えています。外に出す加工品もノランドというブランドで認知してもらえるようにしたいです。

完熟での収穫にこだわったトマトは、「皮が薄く、食べやすい」と評判で、県内外から多くの人が訪れる「NOLAND」。現在はミニトマトを販売しています。(栄町の名産品どらまめも10月下旬まで販売予定ですが、品物がなくなり次第終了します)まずは、直売所の営業時間など、公式サイトでご確認いただき、ぜひ実際に足を運んでNOLANDの美味しいトマト試してみてください。
https://www.instagram.com/noland_tomato