2024/11/29 UP!
今日は11月29日、「いいにくのひ」でもありますね。今回はジビエ料理をご紹介したいと思います。
ジビエというとちょっと構えてしまうという方も多いかもしれませんが、 今日は、ジビエをもっと美味しく、もっとポピュラーにと活動されている木更津市の「KURRKU FIELDS」の中にあるジビエ加工食品販売店「シャルキュトリー」をご紹介します。
シャルキュトリーとはフランス語の「シェール(=)肉」と「キュイット(=)火を入れる」という言葉を組み合わせた料理の呼び名で、ソーセージやハム、パテなどがその代表とされています。塩漬けや乾燥、燻製など、肉の保存性を高める手段として発達し、その歴史はギリシャ時代まで遡ると言われています。お店のことも「シャルキュトリー」と言いますし、作る職人はシャルキュティエと呼びます。木更津市の複合施設「KURUKKU FIELDS」にあるシャルキュトリーで、シャルキュティエを務めているのが今日ご紹介する地元出身の岡田修さんです。まずは、岡田さんにシャルキュティエになるまでの料理人人生を聴きました。
岡田さん:まず小学校二年生の時に、テレビ番組の影響で、まあ料理の世界に入ることを決意してで、26歳の時にあのフランスに行って。それでまあ向こうで五年半修業してで、そこでジビエ料理にどっぷりハマってしまって。日本に帰国してからまあ、都内のあの老舗フランス料理屋さんの料理長やらせていただいてたんですけど、そこでもジビエ料理をこうメインにやるようになって、自分の地元のハンターさんからお肉を譲ってもらうようになって。そこからこう国産ジビエの方に目が向くようになり、で自分のお店を開いて、あの国産ジビエをメインに扱うお店を作って。そのうちにこう自分でも獲って捌いてお店で提供するようになるんですけれども。その時にちょうどこうジビエにまつわるガイドラインというのができて処理場を通さないと、そういうことができなくなるっていう時に、ちょうどここのお話をいただいていて。処理場をこっちで建ててくれるということになって後悔したくなかったので、その先をに行きたいなと思って。お店を畳んでここにきて処理場を立ち上げて今に至っていますね。
ジビエの魅力にはまって、自分のお店を畳んでまで挑戦!狩猟免許ももち、食肉処理場の資格もとって、狩猟から解体、調理まで全て自分でできる岡田さん、すごいですね
「世界の料理ショー」というアメリカのテレビ番組に影響された岡田さん。高校卒業から料理一筋。修行先のフランスでジビエ料理に出会い、どんどんその魅力にハマっていったそうです。最初に開いたお店では当初ジビエ肉は輸入モノが多かったそうですが、今のお店では国産の新鮮なものが入手できる環境ができて、よりその魅力を深める料理を作っていくことになりました。でも苦手とか先入観で手が伸びないという話もあり、そこで岡田さんは、まずは敷居を低くして、みんなにジビエの魅力をわかってもらおうと考えます。まずは、こんなところから始めたそうです。
岡田さん:まあ僕は今やってるのシャルキュトリーという世界なんですけど。まあ、日本語に訳すと加工肉なんですけど。最初、お客さんからすると全く知らないものって手が出しづらいんですよね。なので、僕が最初にやったのは、誰もがわかりやすいソーセージっていうラインナップをまずショーケースの8割ぐらい埋めて。で、残りの2割ぐらいは違うハムとか、あのテリーヌとかそういうものを置いてったんですね。で、そこでこうまず「どうやって食べたらいいの?」ってならないようにもう「ただ焼けば食べられる」「お湯で温めれば食べられる」もうそこから入ってもらってで食べてもらうことで、「あジビエって美味しいんだな」って。「臭いっていう聞いてたけど、そうじゃないんだな」っていう抵抗感をまず取り除いてもらって、そこから次のステップになっていこうっていうことを決めてたんですね。
で、最初の二年はそこのソーセージのラインナップから始めて、だんだんだんだんこう今ショーケースの中に自分が本来作りたい料理が幅を広げてきている状態ですね。で、まだ今、僕の中では6割程度の。ところですね。まだまだのことではありますね。
KURUKKU FIELDSのお店には、「猪バーガー」やサンドイッチなどテイクアウトで手軽にいただけるメニューもあって、普通に美味しくて大人気なんだそうです。知らずに食べて、あとで、これは猪の肉だと知ってびっくりする人もいるんですって。それでハマってしまったリピーターも多いんです。
クルックフィールズにあるシャルキュトリーでジビエの加工、調理を担う岡田さん。ジビエが初めての方でも食べやすい料理、ソーセージから始めて、徐々に販売するレパートリーを広げていきます。スタジオにもいくつか送っていただきました。
スタジオでも岡田さん製作のジビエ料理を試食しました。
岡田さんが処理の段階で気をつけていること、教えていただきました
岡田さん:そうですね。まあ、イノシシとか鹿とかって、どうしても臭いとか硬いとかっていうイメージがすごい強いと思うんですけども、それはもう処理が悪いからではなんですね。臭い理由としては、まず血抜きが不十分っていうのと、その内臓を取り除くまでの時間が超過していると、どうしてもその内臓の中に含まれる汚物の匂いが、どうしてもこう体の方につき始めるんですね。そうなってしまったら、もう終わりなんですね。だからそうなる前にいち早くきれいな場所で、まあ適切に内臓を取り除く。そうすると、一気にこう体温が落ちていくんですよね。早く皮を剥いで大型の冷蔵庫の熟成工ですね。に入れてあげることで、肉の中心温度が一度とか二度っていう低温度帯にどんだけ早く持っていけるかで肉のそのポテンシャルが変わってきちゃうんですね。あと硬いっていうのは、どうしてもその肉って縮もうとするんですけども、それを骨付きでぶら下げてあげることで、重力で下に引っ張られているのと骨があるので縮みづらくなる。こうすることでお肉、硬いお肉にはならないっていう状況を作ってますね。
魚も同じ?なんでしょうか?早く冷やす、内臓を処理する。時間との勝負で美味しくなるんですね
猪や鹿を捕まえてから処理を開始するまでの時間はガイドラインでも決まっていますが、美味しくいただくためにはとにかく早くすることが大事です。猪や鹿は、11月中旬から2月中旬までは狩猟期と言って狩りをしていい時期になります。また、畑や田んぼなど農業や私たちの生活に害を及ぼす、指定された野生鳥獣を駆除することについては時期の制限がなく一年中できますが、自然とのバランスを保つためなので、とっていい頭数の制限も設けられています。たくさんの人に「房総ジビエ」を楽しんでいただくために、どんな取り組みを考えているのか、岡田さんにききました。
岡田さん:ジビエってあの野山を自由に駆け回って、好きなところで好きなものを食べて、好きなところで寝るっていうでもうこれってストレスフリーなお肉で、いわばアスリートなんですよね。良質なエネルギーをいただけるのは、僕はジビエだと思うんですよね。駆除している動物なんでそれをこうなかったものとしてしまうんじゃなくて、それをちゃんと食べてあげるそのエネルギーをいただくっていうことがすごく大事なことなんじゃないかなと思ってますね。
全体で言うと、ウチの書類上で40人捕獲従事者があの登録してるんですけど、結構高齢者が多いので、そろそろやめてしまう人たちも出てきそうなので、より今度外に積極的に出て獲りに行くっていうチームも作って地域貢献も含めて進めていきたいなと思ってますね。獣害を減らして、まあ、地域の人たちになんとか安心して畑も作れて、耕作放棄地もなくなってっていうのがやっぱ地域貢献になると思うんですよね。そして、それが美味しいジビエにつながって、それがまたお客さんを喜ばせるものであったら、もう言うことないと思うんですよね。こうどんどんどんどん他でも同じような取り組みが進んでいけば、獣害問題というものがもっとなくなってくるのかなとは思いますね、はい
自然とのバランスを考えながら増え過ぎた動物は駆除するだけではなく、美味しくいただくのが大事ということがよくわかりますね。ヘルシーで美味しいジビエが、普通にハンターの高齢化も気になるところですが、岡田さんのお話によると狩猟免許を取る若い人も少しずつ増えているそうで、そう言った方々の力も集結して安定したジビエ料理の提供につとめていきたいそうです。シャルキュトリーの商品ラインナップなど、詳しくはクルックフィールズのサイトをご覧ください。
https://kurkkufields.jp/eat/charcuterie/