2024/12/20 UP!
今年も あと十日ほどになりました。年末はどう過ごされるんでしょうか?年越しそば、皆さんどうされてますか?
そばの産地、全国色々ありますが、実は千葉県で「縁起のいい蕎麦」を作っている地域があるんです。それが、千葉県唯一の「村」、長生村。どんな蕎麦が作られているのか、ご紹介していきたいと思います。
九十九里の南部に位置する千葉県唯一の村、長生村。漢字で「長生き」と書く縁起の良い地名にちなみ、村で作るそばを「ながいきそば」としてブランド化しています。この地域のお蕎麦、あまりイメージがない方もいらっしゃるかもしれません。まずは、どうしてこの地域で蕎麦を作ることになったのかをながいき集落営農組合代表理事の木島敬二さんに伺いました。

木島さん:もともとはうちも農家なんですけど、親が兼業農家だったんであの畑やなんかほとんど人様にお貸ししてあったんです。それが次々高齢化であるとか、いろんな事情で返ってくるようになっちゃって。いわゆる荒らさないように耕運はしてたんですけど、作物を作るということはしてなかったんで、いわゆる遊休農地がどんどん増えちゃいまして。これじゃいけないからなんかしようということで、まあそばなんかいいんじゃないっていうことで、そば作りが始まりました。単純にあのそばは種をまいたら75日で収穫できるという。単純に素人が考えると、すごく簡単ではないかと。まあ、そういうことでまあそばがいいだろうということになっちゃったんですけど。
2012年に始まったそば作り。ゼロからのスタートでしたが、その後ものすごいスピードでその輪が広がっていくことになります。
木島さん:たまたま私のいとこに当たるのは白子町の方にいて、まあそこがあの地域でそば作りをやってましたんで話ししたところ「じゃあいい虎の巻があるからあげるよ」ということで、それをいただいて参考にとりあえず試験的に15アールまあやってみようということで。だからまたそれが誠に上手にできちゃいまして。これならいけるだろうということで、それであの近隣の方々にも話をしたところ、十数名の方が賛同してくれて。まあ、それじゃあある程度本格的にそばをやろうということで1.5ヘクタールがスタートだったんですけど、もう次の年は3ヘクタール、次の年は7ヘクタール。その次は15ヘクタールという感じ。で、もうあれよあれよという間に倍倍倍でもう増えちゃって、今はもうなんと40ヘクタール近くになっちゃってます。

「蕎麦」は栽培期間が短く、1年で2回収穫できる作物なので、長生村では二毛作を行っています。ですから実際の作付け面積は、現在延べで80ヘクタール。木島さんたちは県や村の補助やアドバイスを受けながら、農業法人を立ち上げ、数年で今の形になっていきました。
「ながいきそば」の生産地である長生村の人口はおよそ14,000人。農業従事者の高齢化や後継者不足により増えていた「遊休農地」解消のために始まったそば作りはその縁起のいい名前はもちろん、味よし、香りよし、のどごし良し、と、とともに評判になりました。 そのおそば、スタジオでもいただきました。

このお蕎麦、栽培期間中は農薬不使用。みつ蜂による交配など環境にやさしい生産に取り組み千葉県の「エコファーマー」や「ちばエコ農作物」の認証を受けています。商品化は順調に進む一方で、困ったこともおこったそうです。
木島さん:それこそ始めて早々に縁がありまして、日テレさんの番組に出たおかげで、まあそれはそれでよかったんですけども、もう役場はじめ、うちの方にも「どこ行ったら食べれるんですか?」という、もう問い合わせが殺到しまして。「いや、申し訳ないですけど、食べれるところがないんですよ」っていうことで、もうずっと謝り続けまして。もうそれは本当に辛いというか、寂しい思いをしましたね。じゃあ、うちのそばを使って焼酎を作ったらいいんじゃないかという話になりまして。たまたまあの新聞で見た長野の醸造屋さんですけど、まあそこでコロナのおかげで樽が開いてるから今だったら作れます。と作っていただいたんですけども、今度できて販売しようとしたら、こっちもコロナの影響で販売が思うようにいかなくて。まあ、その辺は良かったやら、よくなかったやら複雑なところだったですけど、まあ、とにかく焼酎を作ることにはあのこぎつけたということで、、、
令和3年の夏にオンラインショップを開店し、遠方の方でもお取り寄せできるようにしました。今はコロナの影響も落ち着いて、「そば焼酎」も売り上げを徐々に伸ばしているということです。最後に、今後の展望を伺いました。

木島さん:もっともっとこの長生村イコールそばっていう感じでもっと他の方がそばをやってくれて、まあ、とにかく全国的に長生村イコールそばの村だよっていうふうになったら素晴らしいなとそんな感じに思います。もう早い我々がそばスタートした頃から、この地区がネギがやっぱり(いい)。だからそばとネギ、つきものじゃないですか。なんかコラボできないかっていう。そして皆さんのご要望にも応えたいということから、できるだけ早い時点でお店を作りたいと頑張りますんで、よろしくお願いします。活性化にも役立てばいいんじゃないでしょうかね。

確かに、千葉=蕎麦という感じはないけど、まずは「長生村=蕎麦」にしたいという気持ち、大切ですし、期待したいと思います。
海に近いこの地域、玉ねぎ、長ネギの産地です。蕎麦といえばネギがつきもの。同じ土地で育ったものどうし、相性が悪いはずありません。玉ねぎもかき揚げにすると美味しいですよね。いずれはお店をと期待する木島さん。現在はお店はありませんが、オンラインショップや道の駅、直売所で乾麺や蕎麦粉、蕎麦の実、そば焼酎などを買うことができます。来年4月ごろには種まきから収穫、そば打ち体験ができる「ながいきそばオーナー制度」の募集も開始予定だそうですよ。気になる方はぜひ、ながいき集落営農組合の公式サイトでご確認ください。