2025/1/24 UP!

今回は「菜花」に注目したいと思います。この時期、安房地域で「一面の菜の花」が美しい、みたいな季節のニュースが流れたりしますが、今回は食べる方の菜の花、菜花(なばな)がテーマ。菜花は、早春の季節感を楽しめる野菜の一つで、つぼみとやわらかい葉と茎が食べられます。少し苦みがあって、春の野菜という感じがしますよね。この時期、スーパーや青果店にも並んでいますが、今日は、その一大産地である安房地域の菜花農家さんをご紹介します。

千葉県が日本一の生産量を誇る菜花。千葉県安房農業事務所によると南房総市は県内で生産量が最も多くおよそ800戸の農家が菜花の生産をしています。今回は安房地域で20ヘクタールの広さの農地で菜花生産を行なっている加藤菜園の若き2代目 加藤博光さんにお話を聞いています。
加藤さん:加藤菜園では南房総市や館山市で菜花を作っております。とれた菜花は東京の市場などに主に出荷させていただいております。加藤菜園では11月から4月まで菜花を出荷しているんですけど、ピークが2月から3月までのひな祭りの時期にかけてが、ピークです。買っていただいた方からは、柔らかく心地いい食感と濃厚な旨みが絶妙で感激しましたとのお声をいただきました。このような声をいただいて、菜花作りに励んでおります。ありがたいことに出荷先の市場では加藤菜園を指名して菜花を買っていただいて嬉しいです。

「加藤菜園の菜花」というご指名が入るなんてすごいことですよね。 いま菜花は収穫の真っ最中。土づくりにこだわる加藤さんの菜花の美味しさは、その土壌に関係があるようです。
加藤さん:この安房の地域の土なんですけど、粘土の質があるんですけど、で粘土質っていうのは名前の通り、皆さんが触ったことのある粘土のような、ああいうべちょべちょした土なんですけど、まあそれだと大抵作れる作物というのは、だいたいお米などそういったものなんですよ。でギリギリ菜花も作れる。菜花は生命力の強い野菜ですから、そういう土壌でもまあ作れるという、そういうことです。ですけど、やっぱり従来の他の土と比べるとやっぱり育ちが悪いと、その原因はやっぱり排水性が悪いと言うんですけど、水が流れないで成長がちょっと止まってしまうと、株が小さいと、そういう問題があるんですけど。やっぱり私はそういうものを物理的に改善したりとか、あとは肥料を入れたりとかで土の中に微生物を増やしたりとか、そういうことを土壌改良というんですけど、そういうものを毎年毎年実験してダメだったら改善ダメだったら改善を繰り返してやっております。でそのたびにやっぱりあの結果は絶対変わってきますので、ええ、土づくりというものは、あのやった分だけその分帰ってくるということで植物は裏切らないと。そういったものが楽しくて、農業にハマりました。

いろいろ試したり、改善したりを繰り返しているからこそ、美味しい菜花ができるですね。 例えば菜花を作っていない季節に別のものを植えてバランスを取ってみたり、肥料を研究したり、土づくりに取り組む加藤さんの「植物は裏切らない」という言葉、深いですね。ご両親とともつくる加藤菜園さんの菜花は、これからが一番美味しい時期になってくるということです。ところで、加藤さんは、元々は農業と全く違う世界を目指していたそうなんですね。現在28歳の加藤博光さんには、実は別の夢があったんです。
加藤さん:加藤菜園自体は今年で10年目なんですけど、もともとは私の父があのもともと飲食店の仕事をしていて、それを辞めた後に始めたものです。で、私の叔父がもともと農業で先にやっていて、私も高校生の頃にバイトをしていたという経験もあって私が東京の方にあの二年間漫画家になりたいから漫画の専門学校二年間通っていて、それで二年目の終わりの時に、父の方から「農業やらないか?」と、もしくは「農業やらないんだったら、そのまま東京残るか」と。そういう人生の選択肢を選ばせていただいて。で、私はその時の話が、半年間、農業をやってで、残りの半年間はあの好きなことを夢を追いかけろという言葉をいただいて、じゃあやってみるかというまあ、軽い気持ちで最初やってみました。それで20歳ぐらいの時に戻ってきて、あの農業をやってみたんですけど、もともと叔父のところで菜花のバイトをしていたので、そんなに抵抗もなかったし、実際、自分で菜花を作るのに土づくり、、そういうものをやってみたときに、面白さというのを見出してしまって、まあ、今ではあの菜花農業というのがすごい楽しく思っております。

2年間東京で勉強したあと、お父様からのお誘いがあり、「菜花作りは半年間ぐらいだから、残りの半年間は漫画が描ける!」と思って実家に帰ったそうですが、やり始めたら、菜花を作っていない期間も何かと忙しい。思っていたことと違うなと感じながらも、土づくりなどにハマってしまって、今は農業に専念しているのだそうです。 ところで、みなさん、菜花どうやって食べてます?
今回はシンプルにおひたしにしたものをスタジオに用意いたしました。
色々と使えそうですよね?
最後に加藤さんが好きな菜花の食べ方を教えていただきました。
加藤さん:菜花の食べ方なんですけど、よくあるおひたしとか、茹でてとか。そういうだけじゃなくて、マヨネーズ和えだったり、天ぷら、ナムル、餃子、メンチ。あとは野菜炒め、浅漬け、お好み焼き、お味噌汁の中に入れても美味しいし、パスタに入れても美味しい。で、寒い時期はシチューだったり、鍋とかすき焼き。あと、お雑煮だったりとか、天ぷらそばにして食べるのも美味しいです。ちなみに僕が一番好きなのはナムルです。 菜花も野菜なんで収穫したてが一番美味しいんで、加藤菜園にも直売所がありますので、お越しいただいたらお買い求めください。直売所の方では、菜花のいろんな調理の仕方を教えていますので、ぜひお越しください。

菜花の葉っぱをロールキャベツのキャベツ代わりにつかうのも美味しいというお話でした。直売所には加藤菜園の菜花を茹でたものをミキサーで細かくして作ったナバナエキスを練り込んだ 「菜花のソフトクリーム」もあってちょっとした辛味と抜群の風味で人気なんだそうです。加藤菜園の収穫と直売所での販売は4月ごろまで続きます。詳しくは加藤菜園のインスタグラムをご覧ください。
https://www.instagram.com/katou_vegetable_garden