2025/5/9 UP!

千葉県には展示物に直接触れたり、展示の世界に没入できる個性豊かな「体験型ミュージアム」がたくさんあります。
千葉市の稲毛海浜公園内にある「千葉市花の美術館」がリニューアルされ、今年3月「ボタニカ ミュージアム」として生まれ変わりました。芸術性を高めた展示が話題になっているこのミュージアムをご紹介します。

1995年の「全国都市緑化ちばフェア」をきっかけに、1996年 稲毛海浜公園に開館した「千葉市花の美術館」。東日本大震災の被害からも再開館して、都市緑化の拠点のひとつになっていましたが、施設の老朽化に伴うリニューアル工事の2022年4月から休館。今年3月29日に、世界的フラワーアーティスト「HIKARU SEINO」さんの全面プロデュースにより、芸術性を高めた「ボタニカ ミュージアム」としてリニューアルオープンを果たしました。まずはこのプロジェクトに関わったきっかけをうかがいました。

SEINOさん:僕の名前はHIKARU SEINOで、今回フラワーアーティストとして、このボタニカミュージアムのプロデュースに携わっているものです。公園を運営している会社様から、お話いただいて。で、そこから「まずは見に来てくれないか」っていうところで。で、もともとは温室があったり、植物園に近いものをやってたっていうことだったので。そうですね。最初はもうやっぱり三年間ぐらい手つけてないものもあったので、まあ散々な感じにはなってて。散らかってたりとかそういうスタートでしたね。やっぱ掃除もされてなかったところで、ここから本当にどうやってやっていくのかっていうので。僕たちもお花を、ほんと芸術性の高いもので伝えていきたいで、その入り口で自然を伝えたいというものがあったので、ちょうどそこが噛み合ったことがきっかけで、お互い本当にやりますか?ってなって、やりましょうってなって。はい、そうですね。

稲毛海浜公園は、緑豊かな環境を残しつつ都市エリアの特性を活かした大規模公園として、グランピングやバーベキュー施設などが整備され人気となっていますが、この「ボタニカ ミュージアム」は週末や祝日に、デジタル技術を生かして幻想的な世界に包まれる演出も話題になっています。そのコンセプトをきいてみました。

SEINOさん:自然という奇跡を思い出す場所というコンセプトに至ったんですよ。ここに来ていただいて、植物や芸術性の高いものを見てもらう。入り口から自然とかお花とかなんでこんなに素晴らしいんだろうっていう植物が持っている奇跡をこう思い出してほしいというところにしようと。で、そこに対して、五感でも楽しめるように、匂いや音楽、それから目でも見れて、で味覚でも楽しめるという環境をここで作っていけば、自然に興味を持っていただけるんじゃないかっていうところで、エンターテイメント性の高いものにしたという状態です。それをまあそうですね。僕の仲間と一緒に、これも作っちゃおうってことになって。いや、もともと作曲はしてたので、ちょうどよかったっていうところですね。

SEINOさんによると植物が持っている音というのは10万種類以上あるそうで、その中で人間が癒される、想像力が高くなるといわれる528ヘルツの音域を中心とした曲をつくって館内に絶妙な音量で放送することで包み込まれるような演出にしているそうです。取材ディレクターの話では、このミュージアムと音楽の中では、実に不思議な感覚に包まれるそうです。

3月29日にリニューアルオープンした千葉市のボタニカ ミュージアムは昼の部と夜の部の2部制になっています。昼の部は午前10時から夕方4時まで。夜の部は、金曜、土曜、日曜と祝日の、夕方5時から夜9時までの営業なんですが、昼とは全く違う表情をみせるためにどうするか、相当苦労したようです。

SEINOさん:今回はその若者やカップルにもたくさん来てもらいたいなっていう思いがあったので、どう変えたらいいかなっていうので、夜に照明さん、プロの照明さんでと一緒にみんなでライティングを夜な夜な組で。で音楽に合ってるのかとか、本当にこの匂いでいいのかとか、このデザインで本当にいけるのかとかっていうのを、まあ揉めに揉めながら。まあでもスタートは本当にどこを押したらどこの電気が点くのかわかんないので、みんなで電話しあいながら「点きました」とか「こっちまだ点いてないです」っていうのを結構毎晩のようにやってましたね。はい。泊まり込みで全員でやってたので。まあ一見まあね、ブラックっぽいんですけど。まあでも全員本気でやってたので。楽しんでやったという状態ですね。

フラワーアーティストの感性をもとに「植物」に焦点をあてて自然の奇跡を表現。そこから毎日の生活や心を豊かにしてくれるものを感じとってもらおうと、考えて音楽やにおい、照明など、五感に訴えるもので形にしたということです。
ボタニカ ミュージアムという「美術館」、どんなふうに楽しんだら良いのでしょうか最後にSEINOさんにきいてみました。

SEINOさん:働いている人はみんなお花のことをこの子と言ったり、この人と言ったりとかですね。一見、社会に出たらあのなに言ってんだろうみたいなことが結構常識であるぐらい。まあ、みんなお花が大好きで、愛情を注いで作っているという状態ですね。で、ようやくですね、イベントも固めてって。まあ、たくさんの人がお花に触れられるよう、それから見られるように、面白い企画はもう何個か出てるので、ぜひ来てほしいなっていう感じですね。今の時代に合ってないデジタルからリアルな表現方法。今までにない温室。本当、植物園ではなくて、お花の美術館になるような、もう本当に外国のお客様も来て、あ、ここ美術館なんだっていうような植物を使った美術館ってあまりないと思うんですよね。それを本当に作ってしまったので、ちょっとワクワクしながらで、芸術を見に来る感覚で来ていただけたら、とても嬉しいなと思います。

スタッフさんの大きな愛を感じて欲しいですね。開館時間などの情報は、公式ページをご覧ください。
https://sunsetbeachpark.jp/botanicalmuseum
https://www.instagram.com/botanica_museum
