2025/5/23 UP!
この番組では「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や想い、ムーブメントなど、スポットを当てて、「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。海と山に囲まれた房総リゾートの入口に位置し、富津市と鋸南町にまたがる、「鋸山」。都心からも車で1時間程度でありながら大自然を満喫できると、海外ツーリスト向けの情報サイトでも高い評価を受けています。フェリーで旅情を満喫しながら訪れることもできて、昔から人気の観光スポットですよね。
今回は、そんな「鋸山」の魅力を伝えてくださっているガイドさんにお話を伺います。
千葉県屈指の観光スポット「鋸山」の魅力を伝えるため、去年5月、新たにプロのガイドチームが発足しました。車で巡る2時間のツアーから、1日かけて満喫する登山ツアーまで、要望に合わせて多彩なツアーを展開している「ウィーガイド鋸山」という団体です。こちらの代表で自身もガイドを行っている佐生かおりさんに、まずは「ウィーガイド鋸山」設立のきっかけをお話しいただきました。

佐生さん:2021年に鋸山が日本遺産の候補地域に認定されたんですね。で、これをきっかけに地元で「鋸山日本遺産候補地域活用推進協議会」という長い名前の団体が立ち上がりまして、鋸山のガイドを養成しようということになりました。鋸山ガイド育成事業というのが立ち上がりまして、たまたまですね私の方にお話があって、そちらのガイド研修の担当してくれないかということになりました。育成プログラムは2年間かかったんですけれども、そこで認定プロのガイドさんが17名生まれました。で、この生まれたガイドさんをじゃあこれから活用していきましょうということで立ち上がったのがウィーガイド鋸山ということになります。
佐生さんはガイド研修に関わってさらに鋸山の知識を深めていきます。そしてその知識はウィーガイドによって訪れる人たちに伝えられるようになります。
佐生さん:自分の生まれ育った鋸南町の方で鋸山のガイド講習をやるという話を聞きまして、自分の生まれ育った鋸山はもっと魅力のある山のはずだということで、そこで、いろいろ目から鱗のと鋸山情報を得まして、鋸山がより身近に感じました。例えば、北側はですね江戸時代から昭和の後半まで続いた石切産業が栄えた地域でした。山から一体石をどうやって誰が運んだのか、どうやって切り出していたのかといったようなお話をガイドがご案内することができます。昔の方の知恵というかですね。技術の深さというか、驚くべきものがありまして。我々ガイドはお客様をご案内しながらですね、お客様にこういう風に石を切り出していたんだよっておいうお話をして、お客様にへえと言っていただくのが醍醐味です。

房州石は、加工しやすく、耐火性もあるため、かまどや石塀、蔵といった建物の土台に利用されました。そして横浜港開港のときや、お台場の整備など東京湾岸の土木建築工事にも使われ、日本の近代化を土台から支えたといわれています。そんな鋸山の歴史を説明してくれるだけじゃなく、ガイドさんは質問にもしっかり答えてくれるので、好評なんだそうです。
歴史と信仰の山、鋸山を案内するウィーガイド鋸山の皆さん。石切産業跡が残る北側とは違って、南側の斜面一帯には東京ドーム7個分という広大な境内をもつ「日本寺」がありますが、こちらではどんな「へぇ」情報を教えてくれるのか、きいてみました。
佐生さん:例えば、東京から館山道を南下して、車で来ますと、とあるトンネルをめくると、目の前にバーンと鋸山が壁のように見えます。で、この壁はですね、国境なんですね。南が鋸南町、北が富津市の行政の境になっていますけれども、古代から安房の地域と北は上総の地域の国境でした。それから南側は、日本寺というお寺になってまして、こちらは大変古いお寺です。725年に建てられています。今年は2025年ということは、このお寺は今年1300年を迎えます。今年6月の法要の後にはですね、新しく建てられた法堂、本堂ですね。本堂、それから仏舎利塔の公開が予定されています。で、我々ウィーガイド鋸山の方でも新しく公開になる部分のですね。ご案内をさせていただく予定でおります。

日本寺には千五百羅漢という1553体もの石仏や、岩壁に直に彫刻された石仏では高さ日本一(※31.05m)の大仏「薬師瑠璃光如来」があります。ロープウェイで山頂に登ってそこから日本寺に降りていくルートが人気のようですよ。あの夏目漱石や正岡子規も、鋸山や日本寺を訪ねて紀行文や俳句に残しています。
鋸山自体の魅力もたくさんあるんですが、ウィーガイド鋸山のガイドと一緒に巡るともっと楽しめそうなんです。
佐生さん:我々のガイドツアーに参加していただけたら、もっともっと鋸山の魅力を知っていただけると思っています。ガイドとお客様のコミュニケーションっていうものがガイドブックで登るのとは違う魅力になると思いますので、個性あるガイドによるツアーっていうのを楽しんでいただけたらいいかなと思っています。房州石にやたらと詳しい大学院生もいますし、お酒と温泉大好きおじさんもいますし、下山した後にお酒飲んだりお風呂に入ったりするのを楽しむ人もいます。それから女性で山野草に詳しいお花大好きガイドさんもいますし、登山ガイドさんもいます。行ったことがあるよっていう方もいらっしゃるかと思うんですが、今度はぜひですね、よろしかったらウィーガイド鋸山のツアーというのに参加していただいて、その魅力をもう10倍にも20倍にも知っていただいて、鋸山ってこんなにすごい山なんだなって知っていただけたらなと思っています。必ずや「へえっ」て言わせたいと思います。

そのガイドさんたちが、どの視点で楽しませてくれるのか、何回も行って、毎回違うガイドさんをお願いするというのも面白いかもしれませんね。
長年、鋸山の麓で暮らしている佐生さんでも、まだまだ知らないことがたくさんあるという鋸山。その魅力を、個性あふれるガイドの皆さんのお話で存分に感じてみてはいかがでしょうか?また、毎年、鋸山認定ガイド研修というのも開催されているそうです。研修を受けて認定試験に合格すれば鋸山のガイドになれるそうですよ。ガイドになってみたい方、挑戦してみてはいかがでしょう?
ガイドのご用命など、詳しくは公式ホームページをご覧ください。
https://weguidenokogiriyama.jp/