2025/7/18 UP!
暑い日が続いていますね。お疲れの方も多いでしょう。
元気をつけよう!ということで、夏になると、うなぎ!という方も多いかと思います。「夏の土用期間中の丑の日」に「うなぎ」を食べて滋養をつける習慣は、あの平賀源内が発案したという説もありますが、「うなぎ」と言えば、古くから「成田詣で」の人々をもてなしてきた成田では、この時期、町をあげて「成田うなぎ祭り」を開催しています。今日はその中から歴史ある名店のちょっと珍しい組み合わせの飲み物のお話をご紹介します。

千葉県内には歴史あるうなぎの名店がたくさんあります。今回ご紹介するのは、300年の歴史がある老舗「菊屋」が、4年前新たにオープンした「上町菊屋」ですまずは、女将の石𣘺真衣子さんに、このお店についてききました。

石𣘺さん:上町菊屋はうなぎが大変人気な日本料理屋で、今年で4年目になるんですが、アイリッシュコーヒーも人気なお店です。菊屋は約300年前から営業しております。うなぎや川魚を中心とした日本料理を扱っております。成田にはもともと近くに印旛沼や利根川がございまして、うなぎをはじめとする魚ですね。あとは鯉とか。あとは佃煮にするような小魚とか、鮒とかハゼとかいろんなものが取れましたから、成田山にお参りに来るお客様に、地元で取れたものを提供しておりました。菊屋のうなぎは、国産のうなぎをじっくり白焼きしております。その煙でいぶされた美味しいうなぎに、昔ながらの秘伝のタレをのせて焼いております。食感はですね、表面はタレをのせたので、カリッパリッと。中はふわっとしております。
昔から印旛沼や利根川のうなぎで人々をもてなしていたようで、そういえば成田のマスコットキャラクターは、うなりくんですよね。(うなりくんはうなぎとジェット旅客機のハイブリッドマスコットキャラクターです)
お話の中で「アイリッシュコーヒー」と言う言葉が出てきましたが、「上町菊屋」の店構えはちょっと変わっていて、参道からお店に入ると、まずはまるでアイリッシュパブのようなバーカウンターが目に飛び込んできます。そして、その奥にうなぎをいただける、日本料理店の作りになっているんですね。なぜ、そんなつくりになったのか、それにはこんな理由があったんです。

石𣘺さん:上町菊屋になにか、上町菊屋にしかない商品を作ろうということでいろいろ考えました。昔々ですね、もともとあった菊屋に外国のお客様が、冬のうんと寒い日にいらっしゃったアイルランドの方が、先代の女将にアイリッシュコーヒーを作ってほしいと。ただですね。昭和の昔にアイリッシュコーヒーって言われても、何のことだか分かんないんですよ。ただ、でも、どうにかして応えてあげたいっていう思いからレシピを聞いて、もうその辺にあるもので代用できるもので集めて作ったそうなんです。それがきっかけなんですけども、そんなね思い出話を、上町菊屋のオリジナル商品に、目玉商品にしようっていうことで、入り口にアイリッシュコーヒーのコーナーを作りました。


アイリッシュコーヒーっていうのは、お酒、カクテルの名前です。アイリッシュウイスキーをベースにしたホットカクテル。コーヒー、砂糖、生クリームを加えて温かい状態で出てくる。それを飲ませてくれって鰻屋さんで頼んじゃうってすごいエピソードですね。

外国からの観光客って真冬でも薄着という方も多いようで、すっかり体が冷えてしまったお客さんの一人からのリクエストで先代の女将が提供したのが始まりのようです。成田の冬はすごく寒いので、まずは温まってもらいたいと、と最初に先代の女将が作ったアイリッシュコーヒーは、インスタントコーヒーと、家にあった国産のウィスキーによるものでした。なんとか答えてくれた先代女将の優しさにアイルランドのお客さまは相当、満足されたそうで、その噂は海外の航空会社のスタッフなどの間で「あそこは頼むとアイリッシュコーヒーを出してくれる」と話題になり、参道にうなぎを食べにくる海外のスタッフも増えていったそうです。

そして、お店にいらしたアイルランドのお客さまへのおもてなしの心から生まれた菊屋のアイリッシュコーヒー。知る人ぞ知るこのメニューが、いよいよ表舞台に出てくることになります。
石𣘺さん:裏メニューなんですよ。なんですけども、300年ぶりの新店舗ってことなんで、じゃあ、いよいよメニューに載せようっていうことで、あの表舞台に出たっていうのが物語ですね。皆様は好んでいただいて、でも、意外とご年配の方の方がリピーター率高いです。スタッフも最初はアイリッシュコーヒーをどのようにどのタイミングでお勧めしたらいいかっていうのもずいぶんみんなであの話し合ったりしたんです。ただですね、9割以上の方がウナギを召し上がりますから、イコールウナギを召し上がる方に、アイリッシュコーヒーをお勧めします。うなぎを召し上がりながらアイリッシュコーヒー飲む方もいまして、その方たちから「うまい」っていうお言葉を頂戴して、私たちも、うなぎのお供に、アイリッシュコーヒーっていうことでお勧めしております。

今回、取材スタッフは「鰻重とアイリッシュコーヒー」をいただきました。そのマッチングには驚きました。うなぎの脂やタレの甘さなどがアイリッシュコーヒーですーっと流れる感じで爽やか。それなりにお酒も入っているんですが、夢心地のニューワールドが口の中に広がります。ちなみに本来、アイリッシュコーヒーはあたたかいカクテルですが、上町菊屋では、冷たいアイリッシュコーヒーや、未成年やお酒が苦手な方のために、ノンアルコール版もあります。そしてこのうなぎとアイリッシュコーヒーがなぜマッチしているのか、女将の石橋さんはこんなふうに説明してくださいました。そして、今日から始まっているイベントもご紹介いただきました。

石𣘺さん:うなぎとアイリッシュコーヒーって合うの?っていうのが多分皆様思われると思うんですけども、うなぎの脂が落ちた煙にいぶされて、こう、スモーキーなあの香りがする美味しい食べ物なんです。で、アイリッシュコーヒーもアイリッシュウイスキーが入っておりますから、樽の香りのですねスモーキーな香り、これ、どっちもこの共通点があるんですね。だからベストマッチの組み合わせなのかなって思いました。成田では、成田うなぎ祭りというイベントを開催します。利用したお店でスタンプをいただいて、スタンプを集めて豪華賞品が当たるという夏休み、ほぼ夏休みいっぱい使ったイベントです。たくさんスタンプを集めて、何度も応募していただけたらと思います

「成田うなぎ祭り」は今日から始まりました。期間中参加店で、1000円以上のお買い物でもらえるスタンプを集めて応募すると、合計275名に航空券や旅行券、宿泊券やお買い物券などがあたるそうです。さすが成田!期間は8月28日まで。詳しくは成田市観光協会のホームページをご覧ください。

上町菊屋 https://kamicho-kikuya.com/menu.html
成田市観光協会 https://www.nrtk.jp