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千葉の夏祭り 300年愛され続ける夏祭り「八重垣神社祇園祭」

2025/8/1 UP!

県内各地で個性豊かな夏祭りが行われていますが、今回はその中から匝瑳市(そうさし)・八日市場の「八重(やえ)(がき)神社(じんじゃ)祇園(ぎおん)(さい)」をご紹介します。

九十九里の北部に位置する匝瑳市。その中心地、八日市場地区は、かつて、江戸と銚子を結ぶ浜街道の宿場町として栄え、現在でも旧道沿いの商店街にレトロな街並みが残っていて国の登録有形文化財が立ち並び、当時の面影を伺うことができます。その八日市場が年に一度、熱狂に包まれるのが「八重垣神社祇園祭」。

毎年8月4日・5日に行われるこのお祭りについて、八重垣神社の宮司さんのお話を交えながらご紹介していきます。

来週4日(月)、5日(火)の2日間にわたって開催される八重垣神社祇園祭。活気あるこのお祭りには、TV番組「ちいさんぽ」でもお馴染みだった八日市場出身の名俳優・地井武男さんが、「この祭りの2日間はスケジュールを入れないでくれ」と事務所にお願いし、毎年参加していたことでも知られています。

まずは、八日市場駅から歩いてすぐ、小高い場所にある「八重垣神社」について宮司の斎藤(さいとう)(まさ)(かつ)さんにお話いただきました。

宮司:もともとは平安時代に御祈願所として現れたのが八重垣神社の始まりですので。ここは牛頭天王宮(ごずてんのうぐう)といって祇園精舎の守り神としてあった牛頭天王、それを祀っているご祈願所として使われてたということです。それが始まりですね。その後、江戸時代になって神輿を作るようになりまして、いわゆる今と似たような祇園祭が行われるような、そんな歴史があります。祭りとして神輿が出て、今のような形になってだいたい300年強の歴史があるということ。江戸時代からですね。神輿を担いで祇園祭が行われるようになったというのはその歴史ですね。

資料によると西暦812年から、1200年以上の歴史があるということになります。明治2年(今から156年前)に神社とお寺を分ける「神仏分離令」によって牛頭天王宮は八重垣神社と名前を変え、一部所蔵品は(けん)徳寺(とくじ)というお寺にわけられたそうです。そんな八重垣神社が一年に一度、大いに盛り上がる祇園祭、見所は、お神輿の渡御、なんです。

宮司:各町内から二基または三基の神輿が出ていますので、20基から30基くらいの規模で、今年の神輿は、神輿渡御が、行われるんじゃないかと思います。道、いっぱいになります。神輿も本当に数分おきくらいに通りますので、ここの町中は神輿で埋められると言っても過言でないですね。人でいっぱいになりますから、それをこうかき分けていかなければ、抜けられない状態になりますので。神輿と一緒にあの人が動きますので、十分注意して歩かないと、なかなかこう思うようなところにはいけないのが、そういった状況ですね。

しかも、このお祭りでは「水かけ」といって、沿道の方々からお神輿や担ぎ手に向けてバケツの水が豪快にバシャーっとかけられます。一番の山場となる5日の「連合渡御(れんごうとぎょ)」では、10の町内から集まった20基以上の神輿と担ぎ手が、町内を練り歩きます。朝11時30分ごろに八日市場小学校をスタートして夕方八重垣神社に入るまで町内を神輿と人が埋め尽くし、担ぎ手だけでなく、見ている人たちも「もみくちゃ」になるそうです。

8月4日、5日に行われる匝瑳市の「八重垣神社祇園祭」。20以上のお神輿が練り歩き、こども神輿もでて、毎年この2日間は、地元の方はもちろん、県外からもたくさんの人が集まり、大いに賑わいます。八重垣神社のお祭りに、どうして人々は昔から心を寄せるのでしょうか。

宮司:皆さん、八重垣神社に、それに対しての愛情というんですか、思い入れというか、そういったものが強くて、崇敬心っていうんですかね。それがあって、1つはまあ、感謝の気持ちが盛り上がったりするんじゃないかなと。まあ、中にはエスカレートする地域もあるようには聞こえますけれども、比較的八重垣神社はおとなしい方じゃないかと私は思うんですけど。十町ある中でどこの町内もそれぞれお囃子を持ってますので、特徴があるというかね。あっ、このお囃子を聞いたら、あ、これはどこの町内だなっていうのは、ある程度わかってくるんじゃないかなと思いますね。

お神輿は、神様の乗り物で、年に1度、地元の様子を見て回る。健康に暮らしているか、農作物は順調に育ったか。そして、無事であれば、人々は神様、つまり、お神輿に向かって感謝の気持ちを送る。これは日本全国どこの神社の祭りでも同じだと思うけど、八日市場では、お囃子が鳴るとどこの町の神輿なのかわかるんだそうです。

それぞれの町のお囃子は違うので、その音を聞くと「あ、どこそこの神輿が来る!」とわかるそうなんですよ。そのクオリティの高さも人気の秘密なのかも知れませんね。

そして、それぞれの町のお神輿の他に「神社神輿」というのがあります。これは神社が保有している、江戸時代のものではないかとされている神輿を担ぐもので年がわりで10ある町の当番制になっていて、今年は「下出羽地区」が担当。10年に一度の名誉なことで気合が入るそうです。さらに、女神(おんなみ)輿(こし)も盛んだそうです。どんなものなのか、そして最後にお祭り全体について、宮司の斎藤さんに伺いました。(宮司の後ろにあるのが神社神輿です)

宮司:女神輿が出たのが昭和48年頃だった、というふうに聞いていまして、それまでは男がまあ主流だったんですけど、女性も担がせてほしいというようなことがあって。その時の宮司さんの判断もあったと思うんですけど、それから女性も担ぐようになる。それからずっと女神輿の渡御が4日の6時ですかね。この町内を女神輿の連合渡御って言うんですか?それが行われるようになったんです。10のお神輿が出ます。それぞれ交流のあるね別の地域の方が応援に来て一緒に担いでくれると、そういうところにありますね。楽しさの中にやはり決まりを守ってね。あの安全で楽しんだ夏祭りに、ぜひ多くの方に参加していただいて、これから先、その伝統が後世につながるように、皆さんでご協力をお願いしたいところです。

女神輿は4日の午後6時から夜10時ごろまで連合渡御が行われます。

水かけ祭りとも言われる八日市場八重垣神社の祇園祭。行かれる方は、濡れる覚悟でお出かけください!

300年以上も続いている祇園祭、これから100年200年と地元の人々の心を集めて続いていくといいですね。日本人の心を熱くする夏祭り。皆さんもお出かけになってみてください。詳しくは匝瑳市観光協会のHPをご覧ください。

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