2025/9/12 UP!
今回は、世界への玄関口・成田市にある、最新の設備と機能を備えた成田市公設地方卸売市場をご紹介します。
日本の空の玄関口にして日本最大の貿易港でもある成田空港。そのほど近くにある、「成田市公設地方卸売市場」は、農水産物の加工施設など最新の設備を備え、令和4年に公津の杜から移転・開場しました。
まずは成田市公設地方卸売市場の 窪木克好さんにこの市場が新しくなった理由と、その機能についてお話聞いてみました。

窪木さん:成田市場は、令和4年1月に成田空港に隣接するこの土地にオープンしました。1974年にオープンした公津の杜駅に近い地区で行っていたのですけれども、世の中の生鮮食料品に対するコールドチェーンの要請に耐えられない、そういった施設の老朽化が進んできましたので、施設の再整備を検討するにあたり、こちらもともと千葉県の花植木センターがありましたこの土地に移転しまして、令和4年1月にオープンいたしました。コールドチェーンというのは、生鮮食料品が流通される中で、低い温度で管理する必要があります。今までの市場ですと、一時、屋外に生鮮食料品を置いておく、そういった場面もありましたが、今のこの新しい市場ですと、常に生鮮食料品が冷蔵庫、冷凍庫の中で保管されている状態のまま、最終的に消費者の方に届く、そういった仕組みを、コールドチェーンということができるかと思います。

最新の設備の卸売市場なんですね。確かにトラックから下ろした時に、ものすごい気温が高い中で出されちゃうと、鮮度に問題が出てきますしね。例えば水産物を扱うエリアでは、常に18度という温度を保って、劣化を防いでいるそうです。トラックも冷蔵機能がついていますから、産地から温度を低く保ったまま、取引が行われて、また冷蔵機能がついたトラックなどで運び出されていく。理想的ですね。
窪木さんにこの市場ではどんなものを取り扱っているのかを伺いました。
窪木さん:成田市場で取り扱っている品目としましては、青果と水産を取り扱っておりまして、青果はこちら千葉県のサツマイモやキャベツ、大根といった、そういった青果をはじめ、日本全国から新鮮な青果物を取り寄せて取り扱っております。合わせて水産物も日本全国の大変美味しい新鮮な魚介類を取り扱っております。市場の取り扱い高ですけれども昨年度青果は22億円、水産は37億円の取り扱い高がございました。前の市場ではやはり施設の老朽化、またコールドチェーンに対応していない、そういった難しい面がありましたので、例えば移転前青果は7億円の取り扱い高だったのですけれども、現在は22億円ということで約3倍に伸びております。

つまり「成田の市場だったらコールドチェーンがしっかりしているから」、と青果の取扱金額が3倍以上になったということでも、どれだけ大事なことなのかがわりますよね
こちらには10度以下、マイナス20−30度、マイナス60度の冷蔵冷凍庫が整備されていて、長時間の停電が起きても3日間は運転が可能な非常用電源も備えているそうなんです。心強いですね。そして、この市場内には、食品の加工施設があるんです。全国から集められた生鮮食料品の加工や小分けパッキングなどもできるそうで、消費者が手に取る時の形にして出荷することもできるそうなんです。すごいですね。
成田空港からすぐのところにできた成田田市公設地方卸売市場。食品の鮮度を保つ、コールドチェーン機能の他にも、この地だからこそという仕組みがあるんです。一体どんな仕組みなのでしょうか?
窪木さん:成田市場の大きな強みとして、ワンストップ輸出拠点機能があります。生鮮食料品を輸出するためには実にさまざまな手続きが必要になります。検疫、通関、爆発物検査また輸出証明書の取得など、さまざまな手続きが必要になってまいります。それら、さまざまな手続きをこちらすべて、成田市場の中で行うことができます。国の検疫機関の方にお越しいただきまして成田市場の中で、コールドチェーンを保った状態で検疫を行うことができます。短い時間で手続きを済ませまして、より新鮮な状態でトラックに乗せられ、こちらからすぐ成田空港の中に荷物が運ばれることになります。人気の商品としては日本の美味しい果物、例えばシャインマスカットのようなブドウでしたり、桃、また冬などはイチゴなどが人気があると聞いています。水産品ですとブリやハマチ、タイなどが海外で多くの人気があるというふうに聞いております。

すごいワンストップサービスですね。スピードアップにもつながるし。これは業者さんもありがたいんじゃないでしょうか?ここから冷やした状態で飛行機まで直結できちゃうってことですよね?
だとすれば千葉県産だけでなく、全国の美味しいものを海外の皆さんに楽しんでもらうためには成田市場を利用した方が、良い状態が保てるし、新鮮さもキープできるということになるわけです。お話によりますと、海外の食品輸入会社もこの市場の中にオフィスを構えて、次々と手続きをしているそうなんですよ。
さて、ここは、一般の人たちは買い物はできるのでしょうか?
答えは「できる」んです!市場が開いている日であれば、プロの方の買い出しが落ち着いてくる午前7時から一般の方も、生鮮食料品や加工品など買うことができます。市場の見学コースもあるそうですよ。そして、ここでは月に一度のお楽しみもあるんです。

窪木さん:成田市場では毎月第四土曜日に「成田楽市」ということで、市民の方向けの大売り出しを行っております。時間内には場内に多数のキッチンカーもお越しいただきまして、大変にぎわっているイベントとなっております。毎回、約2000人の来場者の方にお越しいただき、楽しんでいただいております。実は成田市場では、この「成田楽市」だけではなくて、より多くの市民の方に楽しんでいただくために集客施設棟の整備を予定をしております。時期は令和8年度の開設を目標にしておりまして「世界の道の駅」をコンセプトとした、国内外の新鮮な美味しい食材を買うことができる、そういった施設。また、そしてゆくゆくはそういった美味しい食材を使った、レストランの営業なども予定をしております。
ゆくゆくは輸出される食品だけでなく、成田に入ってきたものも一番早く手に取ることができるかもしれないですし、それらを使った料理も食べられるようになるかもってことでしょうか?
令和8年度、来年度中には日本の、そして世界の新鮮な食材を手に入れることができるようになるというのは今からワクワクしますね。圏央道の新しい「圏央成田」インターチェンジの建設も近くで進んでいます。市場は空港と圏央道インターのちょうど中間地点にあり、日本中からここに「いいもの」が集まってくるわけですから物流の拠点としての可能性はかなり大きいですね。

新しい市場はコールドチェーン、そして、空港、高速道路という交通ネットワークで、人も物も集まりやすくなって、さらに大きくなっていきそうですね。
成田市公設地方卸売市場のお休みの日やイベント日程など詳しくは公式サイトをご覧ください。