2025/12/12 UP!
皆さんは、どこかの場所を訪ねた時の記念というと、どんなものを思い浮かべますか?
地元ならではのお土産とか?でも写真?、動画とか?
その場所だけでいただける「御朱印」はいかがでしょうか。これからの時期、お寺や神社を参拝される予定がある方も多いと思います。 今回は、県内でも珍しい、猫の御朱印を描いてくださるという神社をご紹介したいと思います。
江戸時代初期に現在の旭市、匝瑳市、東庄町に広がる湖「椿海」を干拓してできた広大な農地、干潟八万石。その総鎮守として創建された、地元では「お伊勢さま」として親しまれる「鎌数伊勢大神宮」。

由緒正しいこの神社で今、四季折々の草花などとともに、「猫」をモチーフにした可愛らしいキャラクターが描かれたものなど、さまざまな絵柄の御朱印が授与され、静かなブームとなっています。まずは宮司の梅谷美行さんに、この神社の成り立ちについてお話しいただきます。

梅谷さん:寛文11年の1671年に創建された神社というふうに伝わってまして、創建された経緯としては「椿海」という広大な湖がありまして、それを干拓する際にいろいろ工事に当たって反対や大きい岩が出たりとか、難工事がありまして。これは神様の力を頼るしかないということで、伊勢の方に行って、お札をいただいて、それを水に浮かべて流して、流れ着いたところから工事を始めたら、何事もうまくいったということで。これはもう神様のご利益に違いないということで創建された神社というふうに言われてまして。大体350年ほどの歴史がある神明社天照大神様をご祭神とする神明社というふうに地域の方ではお鎮まりいただいてる神社でございます。創建のときに長重っていう先祖がいましてそれが15代前なので、それを初代として数えると私が15代目の宮司になります。
椿海、以前この番組でも紹介しましたけど、わざわざ伊勢神宮からお札をもらってくるなんて、本当に大変だったんでしょうね。工事がうまく行ったことに対しての感謝の形が、こちらの鎌数伊勢大神宮ということなんですね。
350年以上の歴史があるこちらの神社。今日は御朱印のお話しですけれども、実は十数年まではこちらの神社では御朱印の要望は、ほぼなかったというんです。それが今のような人気になっていったのはどんな理由からなのでしょう?

梅谷さん:本当に珍しいんですけど年に1回とかお正月に1人2人ぐらい。御朱印が欲しいという方が平成25年とかそのぐらいからちょっとちょこちょこ増え始めたかなっていう感じで最初は本当にただ印鑑をポンと押して奉拝と日付を入れてお頒ちするっていう一般的な御朱印を書いてたんですけども。だんだんとそういう方がお正月だけじゃなくて「毎月行ってみよう」みたいな感じでだんだんとご来社する頻度が増えてきて。うちらも毎月毎月同じものを書いてお渡しするのはちょっと面白くないし、申し訳ないなっていう思いから、だんだんとちょっとお花の添印とか、そういったものを増やすようにして。毎月違うものをしてみようということで毎月ちょっと違うものを用意して。その方も毎月来るようになって、今度は月に2回来るようになって、片面だった御朱印を2頁使ってちょっと豪華なものを書いてみたり、、、とかっていうふうにだんだんとちょっと数を増やしてグレードアップじゃないですけど、、、。

平成25年の前あたりからパワースポットブームがあったよね。神社やお寺に行ったことの証の一つが、御朱印、そういうことなんですね?

せっかくの御朱印、毎回同じではどうも、、、という思いで、バリエーションを増やしていかれたんですね。
干潟八万石。その総鎮守として創建された「鎌数伊勢大神宮」の梅谷宮司に御朱印についてお話を伺っています。パワースポットブームから御朱印の要望が増え、よく参拝されている方に毎回同じ御朱印ではなく違ったものを差し上げられないかと考えている時、こんな要望が出てきたんです。

梅谷さん:神社という特性から猫がすてられちゃうこととかも結構あって。去勢をしたりとか、そういう形でちょっと対策をとって地域猫みたいな感じで、神社の方で飼うというか、地域のみんなでちょっとお世話をするっていうような感じで、神社に住み着いてる猫がたくさんいて。その猫ちゃんモチーフの御朱印始めてくれないかっていうことで、参拝者の方から提案があって。最初は、やっぱりちょっと猫を御朱印に書くのはちょっとなっていう抵抗もあったんですけどもちょっと期間限定で猫の御朱印やってみたところかなりの大好評をいただきまして。いろんな信仰の形がある中で、敷居が低いところ御朱印っていうところから、特に猫っていう親しみ深いところから入ると、その流れで神社の歴史とか地域の歴史っていうのを知ってもらうことも多くなったんで、一概に悪いこととは言えないなっていうのと。あとやっぱり参拝者の皆さんに楽しんでもらうっていうことが神社としてもいいことなのかなということで、月に1種類ぐらいですけどちょっと猫の御朱印を今も継続してやらせていただいてるっていうような感じですね。コンプリートしてる方は、いらっしゃいます。

猫の御朱印、ってあんまり見たことないですが参拝されている方の希望だったんですね。
猫の御朱印が「神社の敷居を低くすることに大いに貢献している」と梅谷宮司は仰います。そしてこちらの神社には「鎌数の神楽」という県指定の無形民俗文化財に指定されている祭事がありますが、猫の御朱印は、神社や地域の歴史や土地との結びつきへの理解を進めるためにも役立っているんだそうです。デザインもいくつかあるそうなのですが、全部コンプリートされている方がお見えになった時は、またオリジナルを手書きして差し上げることもあるそうです。

ところでみなさん、御朱印をお願いするとき、いくらお支払いしないといけないか、わからないこと多くないですか?

よく「お気持ちで」とか書いてあったりしますが、そう書かれると迷いますよね。こちらでは、パターンや大きさによって違いますが500円からなどと明示されています。その訳を教えていただきました。そして、最新バージョン御朱印についても教えていただきました。

梅谷さん:参拝者に楽しんでもらいたいという気持ちで、いろんなちょっと変り種の御朱印っていうのもやらせてもらっていてるので、今ちょっと立体的な箔推しの御朱印だったりとか、あと紙自体を切り抜いて絵を足して、すごいカラフルな感じの切り絵っていう御朱印とかも、新たな試みとしてやらせていただいてます。平成25年、10年ちょっと前から比べると本当に1000倍とかそのぐらいの数にはなってるのかなとは思います。御朱印の値段っていうのも「初穂料」っていうんですけど、本当に「10円でも100円でもいいよ」っていう感じで、お気持ちでっていうので、いただいてたんですけども、やっぱりわかりにくいっていうのと。お気持ちでいただいちゃうと、お釣りっていうの出せないんですね。なんで1000円札持ってきたときに、100円だけ奉納したいって言われても、それ神社としてはちょっとNGなんですよ。なんでこれもうちょっとわかりにくいなっていうのと、参拝者さんのためにもならないなっていうので、片面500円からになるんですけども、その金額っていうのをちょっと取り決めさせていただいてます。

お気持ちにはお釣りが出ない。でもこちらで御朱印をいただく時は金額がクリアで細かいお金がなくてもお釣りがいただけるということなんですね。

鎌数伊勢大神宮の「鎌数」という地名は、「この地域が豊かな農村となり、農機具の鎌が数えきれない位たくさんある」ということからきたという説があるそうです。豊かな干潟八万石の総鎮守としてこれからも地元を見守り、そして御朱印を求めて多くの方が集まる神社であり続けてほしいですね。旭市の鎌数伊勢大神宮について、詳しくは神社のホームページを ご覧ください。
2025/12/5 UP!
気温もだいぶ下がってきて、ダウンジャケットの出番がきたようにも感じますが、こんな時期にこそおすすめのレジャーがあります。

年間を通して温暖な気候の千葉県だからこそ、この時期もキャンプがオススメなんです。県内にはたくさんのキャンプ場があって、中には初心者の方でも安心の施設や、手ぶらでも楽しめるグランピング場もたくさんあります。今回は、その中からおすすめのキャンプ場をひとつご紹介していきます。

いすみ市の内陸部、里山ののどかな風景が広がる国吉地区。都心から車で約90分のこの場所に、今注目のキャンプ場「NANSO CAMP」があります。日常から離れ、自然の中で心おきなくキャンプを楽しむことができる環境のもとさまざまな設備やプランが用意されていて、初心者から経験者まで好みのスタイルで楽しむことができるんです。まずは、NANSO CAMP代表の高橋ともこさんに、このキャンプ場を作るきっかけをお話いただきました。

高橋さん:キャンプ場にある建物が、元々縫製工場だったんですけど、それが売りにでていたので、何かに活用できないかなと思って買ったのが、きっかけです。そのときに私が趣味でキックボクシングやっていたのでみんなで体動かす場所として、「やろうか!」ってなってたのが始まりなんですけど。建物の外の敷地が結構広かったので、ちょうどキャンプブームもあったので、キャンプ場できないかなと思っていろんな人に相談して、里山もあるし、できるんじゃないかなっていうのがきっかけで始めました。手軽にキャンプを楽しんでもらえるように過ごしやすいキャンプ場を目指して、いろいろ相談しながら作ってここまで来ました。露天風呂を作ったり、今は貸切のサウナを作ったりして整備しております。

最初からキャンプ場を作ろうとおもっていたわけじゃなかったんですね。

代表の高橋さんは、地元いすみのご出身。お仕事をしながら趣味でキックボクシングをされていました。ある時、お父様が国吉地区の縫製工場が売りに出ているのを見つけて娘の智子さんに提案。広い建物の中を改装して、運動ができる小さめの体育館のような施設にして、そこで講師の先生を招いてキックボクシング教室を始めました。でも工場の土地が結構広いので、何かできないかと思って、キャンプ場にも目が向き始めたそうなんです。スタートは2022年。最初はお客さんが来てくれるのか心配だったそうです。
高橋さん:キャンプ場をオープンして一番最初の予約をしてくれた女性のソロキャンパーさんがいらっしゃいましてその方が今でも毎月キャンプに来てくれております。もうテントはその方は建てないで車中泊されたり、あのロッジがあるのでロッジに泊まったりしておりますね。夜ご飯は近くの居酒屋に飲みに行って、歩いて帰ってきて、うちの貸切露天風呂にゆっくり浸かって、夜は焚き火をして、就寝っていう感じの方が、明日も来てくれます。そう品川から来てくれてます。毎月もう炎見つめてぼーっとしてます。キャンプ場で薪を売ってるんですけど一束でゆっくり焚き火楽しむっていうお客様もいらっしゃいますし、一束じゃ足りなくていっぱい買って食って、もうバンバンやってるお客様もいるし、皆さんそれぞれの焚き火の楽しみ方をされてるなと思います。

東京の品川から毎月というのは、よっぽど気に入ったんですね。キャンプ場のロッジや車をベースに居酒屋で地元の美味しいモノ食べて、露天風呂入って、焚火をぼーっと見るとか、そんな風に楽しむのもいいですよね。
その方は、いすみ市内で毎月行われている「天神市」に行くのが主な目的なんだそうですが、代表の高橋さんからみても、自分らしいキャンプ場での良い時間の過ごし方をしているなと感じるそうです。

地図で見ると、キャンプ場自体も駅からも歩いて行ける距離で、すぐ近くにコンビニや居酒屋さんもあります。全部完璧に準備しなきゃ!と気負わなくてもいいから慣れてない人とか、初めてでもいいですよね。それでいて目の前は、自然ゆたかな里山の風景という贅沢なロケーションも相まって口コミなどで人気が高まっています。そして、もう一つの人気の秘密がお風呂とサウナなんです。

自然豊かないすみ市で心おきなくキャンプを楽しむことができる「NANSO CAMP」。オートキャンプに最適な「砕石サイト」から、緑いっぱいの「はらっぱサイト」、地面のぬかるみや段差を気にせず過ごせる「ウッドデッキサイト」、テントも道具も用意されている「手ぶらでキャンプ」グランピングサイトまで、多様なスタイルで楽しめますが、今人気なのが「プライベート貸切サウナ」なんです。どんなものなのでしょうか。

高橋さん:2種類あるんですけど(ひとつは)7人用のサウナがありまして、ガラス張りで里山がもうととのえるスペースがあるっていうボックスサウナっていうのが、あの水着着用なんですけどあります。御家族皆さんで貸し切って、楽しまれてる方もいらっしゃいますし、水風呂と露天風呂、一緒に付いてますので2時間たっぷり、キャンプだけじゃなくてサウナも楽しめるっていう感じでおすすめです。もう一つのタイプのサウナなんですけど、2時間で露天風呂とこぢんまりした2人用のサウナがあります。ご夫婦だったりカップルだったり、親子で水着なしで入れますので貸し切りでゆっくり入れます。どっちもロウリュできるんですけど、バレルサウナの小さい方がやっぱり温度は上がるので、とても熱いロウリュ好きなサウナーの方にはたまらないと思います。キャンプでお風呂って必要なのかなって私は思ってたんですけど作ってよかったなと今思います。風呂だけ入れますかっていうお問い合わせ、結構いただいています。

アウトドアだとテントサウナというのも最近は有りますが、サウナ小屋があって、里山の景色を眺めながら仲間と水着で楽しむのも、こじんまりと貸切で楽しめるのもどっちもいいですよね

ふたつのサウナは独立した区画にあって、大きい七人用の方は入り口と反対の壁全面がガラス張り。ものすごい解放感を演出してくれるんですね。外の「ととのいエリア」には椅子や水風呂も完備。火照った体をキュっと引き締めてくれます。水着をつけなくてもいい2人用のサウナはコンパクトでロウリュの温度が効率よくあがってサウナ好きな方にはたまらないそうですよ。最後に、秋冬シーズンならではの楽しみ方をおしえていただきました。

高橋さん:手ぶらでキャンププランっていうプランとあとコンテナハウスのプランができまして、初心者の方でも手軽にアウトドア体験できるプランを用意しております。食材だけ持ってきてくれればバーベキューとかできますので、いすみですと、海も近いので、あの日曜日は漁港で朝市をやってたりするので、魚介類をそこで調達して、キャンプ場で、またそのバーベキューをやったりっていう楽しみ方もおすすめしてます。秋冬が一番キャンプに適してると私は思ってます。まず、焚き火のぬくもりを感じられる。そして露天風呂も本当に温まって気持ちいい。さらにサウナは気温差で整うので、皆さんはまってしまうんです。なので秋冬が絶対におすすめです。今説明した三つは全てNANSOキャンプにあります。

そして、秋冬が特におすすめの理由もう一つ、いすみは星が綺麗なんですよね。

天体望遠鏡を持ち込んで、焚き火しながらずっと星を眺めていらっしゃるお客さんもいるそうですよ。実はこの近くには、「とまれ、みよ」と書かれた看板が立つ踏切とその上に広がる満天の星が撮影できる有名な写真スポットもあります。NANSOCAMPでは、露天風呂、サウナだけの利用も可能で、週末や祝日は気軽に立ち寄れるカフェの営業もあるそうですよ。あなたならどんな風に楽しみますか?詳しくはNANSO CAMPのサイトでご確認ください。

https://www.instagram.com/nanso_camp

2025/11/28 UP!
農業、漁業、畜産業、酪農など全国トップレベルの農業県・千葉県の中でも農業産出額No1,全国でも有数の農業都市・旭市。お米、マッシュルーム、豚肉など有名ですよね。
そんな食材の宝庫でもある旭市では、毎年恒例のスタンプラリーイベント「あさひあったかグルメとスイーツまつり」が現在開催されています。美味しい旭市グルメを楽しんで応募すると素敵なプレゼントがあたるんですが地元食材をふんだんに使っている、参加店舗49か所から、今回は、フレンチのお店をご紹介したいと思います。

九十九里浜の北端にある旭市は、多種多様な食材を生産していることで知られています。今回はそれらの食材の魅力をしっかりと引き出し、美味しい料理に仕上げていることで人気のお店をご紹介します。お店の名前は、アルファベット小文字の a そしてかっこの中にアルファベット小文字で c と書かれています。いったいなんと読むのでしょうか?オーナーシェフの石橋誠さんにその読み方と、どんな料理を出されているのかを聞きました。
石橋さん:a(c)っていうのは、ちょっと方言っぽい要素がお店の名前でいいなと思って、ちょっと考えてたんですけど、その名の通り、ええかっこしい、カッコつけて来てもらいたいなという感じですね。でも自分もまあちょっと背伸びじゃないけど、かっこつけて、フレンチなんでやっていけたらいいなと思ってつけました。もちろん旭の食材使いながらヨーロッパの食材も入れて、それを組み合わせたフランス料理を作るようには心がけてますね。代表的なものだとフォアグラだったり。それとまあ旭のマッシュルーム、そういうのを合わせたりして出してます。全体的に言うと、やっぱその農業にしても水産系にしても、たくさんの方が従事しているんで。野菜にしてもいろんな品目があって、それぞれの品目でたくさんの人が切磋琢磨していいものを作ろうという、そういうところが旭にはあるので、一つ一つのレベルはやっぱり旭は強いと思いますね。

しゃれた名前のつけかた!豊かな旭の食材を大事に生かしたフレンチ、、、興味津々です。
石橋さんは成田のホテル、佐原のフレンチレストランなどを経て、食材の底力がある「旭」でお店を開きたいと2022年3月、こちらをオープンした料理人。特に今、力を入れているのが豚肉だそうです。旭市では多くのブランド豚が生産されていて、県内1位、全国でも2位の産出額を誇ります。そんな旭の豚肉をどんなふうに料理しているのでしょうか?
石橋さん:うちでは花悠っていう豚肉を使ってるんですけども。豚をですね、まず塩漬けして、低温の油でずっと、四、五時間煮ていくんですね。そうすると柔らかくなって、ジューシーさも逃げずに。それを最後に周りカリッと焼くことによって、脂のまた美味しさも際立って、かつ、中はトロトロで、なんか不思議な感じの豚肉料理に仕上がってますね。あとまあハマグリも旭は有名なんですけども。出汁を取るために。で、そこにまたちょっと酸味の効かせた豚肉の煮込みを合わせて、ハマグリの旨味と豚肉の脂の旨味が合体した、そういうアレンテージョっていうポルトガル料理があるんですけど、それに似た感じで出してます。それはすごく旭らしくて、旭が詰まった料理だなと思って、そこはこだわって作ってます。こんな美味しいんだっていうのはすごく評判がいいですね。
花悠豚というのはハーブや乳酸菌などを 植物性原料を主体にした飼料に混ぜて旭市で育てられているブランド豚。海鮮であるハマグリの出汁と豚肉の脂身の融合、、ぜひ食べてみたいですね。
(ちなみに明日は11月29日でイイニクの日)
そのほかにも「花悠豚のトンテキ」や「ハヤシライス」などのメニューがあるそうです。野菜も旭市を中心とした地域のものを積極的に取り入れ、まさに、「旭を食べる」ことにポイントを置かれています。旭を知り尽くす石橋さんのお話によると、今頃の季節から美味しくなるのは「原木しいたけ」だそうで、その濃厚な旨みは、口にすると思わず声が出てしまう方がいるほど。お店では突き出しに使うこともあるそうです。そして、フレンチと聞くとちょっとお値段が気になりますが、、、実はリーズナブルなお値段で楽しめるランチも人気となっているんです。
美味しい食材の宝庫、旭市を中心に地域の食材をふんだんに使っているフレンチa(c)のメニュー。実はランチ営業もされています。こちらでも、石橋オーナーシェフおすすめの旭の食材を使ったランチメニューがあるそうです。
石橋さん:平日限定なんですけど、ランチで、洋食ランチというのをやってまして、そちらで赤座の卵を使ったオムライスをやってます。まあ、赤座のたまごさんは本当、純国産の貴重な、今は本当に4%しか、そのぐらいしかないような鶏をヒナから育てて、安全で安心な美味しい卵、味が濃いんですけど、すごく。そちらを使ってオムライスを作っています。トロッとした感じじゃなくて、昔ながらのしっかりした巻くタイプのオムライスですね。そちらで提供してますね。ストレートにやっぱり卵の美味しさがまず一口目に来るんで、中は普通のケチャップライスなんですけども、卵の美味しさが際立つオムライス。それを心がけて作ってます。

昔ながらのオムライス!ダイレクトな卵の味に自信があるから出せるんでしょうね
ほかにも「イモ豚のハンバーグ」「イモ豚のミートソースパスタ」「ラザニア」「自家製ケチャップのナポリタン」も人気メニューだそうです。どのメニューも食材選びには並々ならぬこだわりがあるようです。
旭市は食材が相当豊富ですよね?生産者の方も切磋琢磨しながら次々といいものを作っているでしょうし、探すのも大変でしょうね。どうやって情報を仕入れているのでしょうか?石橋さんの美味しい食材情報の入手先は、実はこんなところからでした。
石橋さん:意外と横のつながりっていうのがあって、同世代も多いっていうのもあるんですけども。情報交換だったり、いろんなことでコミュニケーションがあるんで、一緒に旭みんなで盛り上げていけたらなと思ってやってますね。あの野菜、あの肉、こんなの使ってる?みたいな食材の情報交換ですね。そういうのはやっぱり持ち帰ってなんかの「糧」にして、やっぱり自分の店でも役立てていこうと思ってます。私たち料理人がさらに上の舞台になるように調理してお客様にお出しできたらなと思ってますので、うちはフレンチでやってるんですけども。もちろんうちにも来ていただきたいんですけども、他にも旭にはたくさんいいお店ありますので、そちらの方にも是非お越しいただけたらなと思います。

和食、洋食、中華、ラーメン、居酒屋など、旭市は飲食店もたくさんありますが、そうした料理人さんたちが、地元食材で盛り上がろうという気持ちで繋がっているまさに旭市のミンナノチカラがより美味しい旭をつくっているんですね。
先月、黒アヒージョの回でご紹介した旭市の鉄板DINING「楽今」のご主人、石毛さんともよくコミュニケーションを取られているそうです。一番新鮮なものが手に入る「地の利」を生かして、グルメの町として盛り上げていきたい気持ちを共有しているところが素晴らしいですね。

来年1月15日まで開催の「あさひ あったかグルメとスイーツまつり」。お店を巡って、スタンプを2個集めれば「いも豚のハム・ベーコンセット」や、はまぐりなど旭の特産品が当たる抽選に応募できます。1回食事して、お土産にスイーツ買ったら応募できちゃいますのでぜひ巡ってみてください。
「あさひあったかグルメとスイーツまつり」そしてご紹介した石橋さんのフレンチ「a(c)」について詳しくは公式サイトでご確認ください。
2025/11/21 UP!
この番組では、千葉県内各地の豊富な食材のポテンシャルの高さ、おいしさもご紹介してきていますが、いろいろな食材を一度に楽しめる料理というと、、、?
さまざまな食材を受け入れる、おいしいピザはいかがでしょうか?
今回は、地元の美味しい食材を活かしたピザを提供している、素晴らしいロケーションのお店をご紹介していきます。
房総半島の中央、長閑な里山の景色が続く市原市に広がる県内最大の面積を誇る人造湖、高滝湖。この湖畔に2013年にオープンし、以来、人気を集め続けるイタリアンレストラン「PIZZERIA BOSSO」があります。こちらの中村優哉店長に、まずは、このお店について伺いました。

中村店長:高滝湖の目の前にありまして。で、房総イタリアンでPizzeria Bossoなんですけど、うちの場合は,薪窯で焼いてるピザ専門店になりまして、多くのお客様に来ていただいてます。房総食材にこだわってまして、農家さんから直接仕入れたりとか、あとは直売所に行って直接見に行って野菜を仕入れてきたりしてますね。あとはいすみ市のよじゅえもん工場からチーズをもらったり、あと、佐倉の方からキノコを取り寄せたりはしてます。君津産の猪を使った猪ハムのピザも落花生と合わせて。野菜は、暖かい気候があったり、冬になれば寒かったりするんですけど、そのおかげでその旬の野菜は甘みがあったりとか、味の濃さがしっかりあるなというのは感じてますね。そうですね。海も近かったりするので、魚はもちろん美味しいですし、今はジビエも有名というか、なってきて食べやすくなってますね。そうですね、間違いないですね。

薪窯で焼く、房総の食材にこだわっているのもうれしいポイント。千葉県の真ん中で海のものも山のものも贅沢に味わえますね。」

高滝湖の湖畔・市原湖畔美術館の敷地内にあるこのお店「ピッツェリア・ボッソ」はご紹介いただいたように、房総半島の食材をふんだんに使った多種多様で本格的な薪窯で焼くピザが人気。およそ400度の高温で一気に焼き上げるピザの焼き時間は食材にもよりますがだいたい1分半ぐらい。直径は26センチほどありますが、あっという間に香ばしく、みずみずしいピザができあがります。具体的にはどんなピザがあるのでしょうか?
中村店長:ピザは 10種類ありまして、デザートのピザも入れると 11種類ですね。人気なのは房総農家のピザ。この房総農家のピザが、その時の旬の野菜を使って、農家さんから直接もらったものを使って、その四季を感じられるといいますか。12月ですと、ごぼうと三つ葉を使ったピザでしたり、白菜とゆずのピザになりますね。他では食べることのない組み合わせなんですけど、チーズベースでして、いすみ市のよじゅえもんのモッツァレラチーズとイタリア産のモッツァレラチーズを合わして使うんですけど、よじゅえもんさんのチーズがクセもなくて伸びがすごいいいので、ごぼうと野菜との相性も抜群でして。ごぼうと三つ葉もよく旨味出してくれますね。美味しく食べれるように工夫して(ますので)ぜひ食べてもらいたい。

意外な組み合わせだけど、これからの季節は根菜類も美味しいから、ごぼうとミツバのピザ、興味ありますね。ごぼうって和食のイメージだけど、ピザに使うとは、、、オリジナリティ溢れてますね。
他の季節もご紹介しますと、、、例年ですと、 春は「新玉ねぎとタケノコ」、夏は「とうもろこし ズッキー二 オクラ ミョウガ」
秋は、先ほどご紹介した「ごぼう や れんこん」。冬は「白菜 泥ネギ 加茂菜」中心に具材が載っているそうです。主に食材は房総半島産のものを調達。中村さん自身が仕入れに行きます。特にチーズに負けない、しっかりとおいしさが伝わるものをと厳しく選んでいらっしゃるということでした。
高滝湖の湖畔にある名ピッツェリア「PIZZERIA BOSSO」先ほどは季節のピザをご紹介しましたが、実はさらに房総を味わいつくせるような贅沢なピザがあるそうなんです。一体どんなピザなんでしょうか?
中村店長:ピッツァボッソっていうピザが 1枚で四季を堪能してもらえるピザでして、春が南房総産の菜の花と銚子のイワシを使ったピザで、夏が大多喜産バジルのジェノベーゼとトマトを添えたピザでして、秋が佐倉きのこ園のしいたけとスペイン産の生ハムで、冬が八街産のゆで落花生とベーコンになりますね。今の具材が全部 1枚で乗っかってます。そうですね、千葉県 1周楽しめるピザだと思いますので、具材をですね。ふふふ。トマトソースはですね。マルゲリータのピザでしたら、千葉県産のトマトを使ってお店で仕込んでます。ちょっと完熟が甘かったりしたら、お店で完熟するまで寝かせて、それを火にかけて煮込むんですけど、4、5時間かけて煮込んでマルゲリータのソースを作ってますね。煮込みっぱなしというか、かき混ぜながら。

房総の四季を一枚で感じられる、、、それは贅沢ですね。
そのほかにも「千葉県産イモ豚ベーコンと大多喜産ルーコラのピッツァ」ですとかはちみつをかけて楽しめる「高秀牧場のゴルゴンゾーラの落花生入りクワトロフォルマッジ」といったピザや、旬な果物・・イチゴ、ブルーベリー、落花生、などをカスタードクリームと一緒にピザ生地で包み焼をして、お好みのジェラートをトッピングする甘いデザートピザ「ドルチェピッツア」もあるんです。美術館に立ち寄った後で食事に来る方、バイクなどのツーリングやドライブの途中で食事に立ち寄る方、仲間とシェアしていろいろな味を楽しむなどリピーターの方も多く、お店は活気にあふれています。そして食材のおいしさと共にもう一つ、このお店でしか味わえないものがあるそうです。
中村店長:ロケーションも本当に素敵でして。天気のいい昼間もきれいなんですけど、夕暮れの日が沈んでいく時間帯もまたすごい素敵で。想像してもらいたいんですけど、お席から湖が見えまして、その奥に山がありまして。山の上に夕日がゆっくり沈んでいきます。水面が、光の筋がレストランの方に向かって射してきます。この時間が一番ロマンチックですね。その時間を楽しみに来るお客さんもいるぐらいですね。房総食材を使ったピザ専門店なんですけど、その時の一番美味しい野菜などを使ってピザを提供していますので、ぜひピザを食べに来てください。

そんな景色があれば、美味しいピザがまたさらに美味しく感じると思います。
お店は高滝湖に面していますので、湖側の窓からの景色は全面「湖」なんです。ちょっと西陽が強いかなという時はブラインドをしめる時もあるそうなんですが、サンセットタイムは、湖、山、夕日、長くなる影を楽しみながらピザを食べる贅沢な時間に変わっていきます。素晴らしい景色と、美味しい房総半島の恵みを楽しみにお出かけになってみてはいかがですか?ピザ以外にもサラダやフライ、人気の自家製ジンジャエールなどもあります。お休みは基本月曜日、そのほか営業時間など、詳しくはピッツェリア・ボッソのサイトやインスタグラムをご覧ください。

2025/11/14 UP!

関東の中でも遅い時期まで紅葉が楽しめるといわれる千葉県。県内には数多くの紅葉スポットがありますが、今回は松戸市にある浄土宗のお寺 仏法山 東漸寺の紅葉をご紹介したいと思います。

JR常磐線の北小金駅から旧水戸街道沿いを歩いて6−7分ほどのところにある、東漸寺。四季折々、さまざまな景色が訪れる人の目を楽しませる広い境内では、特に、春の枝垂れ桜が知られていますが、秋には「紅葉が美しい」と評判になり、地元だけではなく、遠くからもたくさんの人がやってきます。
まずは、このお寺について、ご住職の鈴木悦朗さんにお話を伺います。とても歴史のあるお寺で、徳川家康とも深い繋がりがあるようです。

鈴木住職:文明十三年、西暦でいうと1481年、室町時代にこの小金という街にできたお寺です。江戸時代は関東十八檀林に指定されて、徳川家康の庇護を受けて、発展していきました。徳川家康が「関東に入城する前にぜひ受戒を受けたい。戒名を授与して仏教の教えをちょっと勉強したい」という話が芝の増上寺の観智国師にありまして、観智国師から「それでは東漸寺の『了学』」という優秀なお坊さんがいるので、彼について勉強した方がいい。」(了学は)七代目の住職なんですけれども、その人から戒名授与を受けたのが、あの徳川家康です。
※関東18檀林・・江戸初期関東における浄土宗の重要な寺院
あの徳川家康に戒名を与えた、すごい人が住職を務めていたお寺!幕府にとっては重要なお寺だったんですね。
了学上人は、のちに徳川家の菩提寺である増上寺の大僧正となり、2代将軍の徳川秀忠公の葬儀も執り行ったということです。檀林というのは仏教における学問所のことで、こちらの東漸寺は広い敷地の中で最盛期には400人もの僧侶が修行する場になりました。それから500年余りが過ぎ、現在の住職、鈴木さんは59代目。今は、紅葉の名所で有名なんですが、その歴史は意外にもそれほど古くありません。さらに、その理由も、なんだか今風なんです。
鈴木住職:前は杉林だったんですね。古いお寺そうなんですけれども、いろいろ立て直すときに、昔はトラックなかったですから、杉を植えたり、檜を植えたり、してたんですけれども。その杉というのがうちは幼稚園やってるもんで、どうしても主任の先生から「いやもう杉の花粉症でなかなかなんとかなりませんかね」っていうふうに言われたのと、ちょっと暗かったんですね。日が入らなくて。まあそんなこともあって、それをなんとか、その時に60本ぐらいあったんですかね、その杉を切ってですね、もみじを植えていこうということで、やっぱりみんなに喜ばれるような形にしていこうというふうに考えたのが始まりです。切ったらあの先代の住職からお前なんか勘当だって言われまして。父は、すごく杉が好きだったもんですから。植木屋さんと結託して、えー、切りました。はい。

花粉症対策で杉からもみじに代えたというのは驚きです
東漸寺には幼稚園もあるのですが、杉の木から飛んでくる花粉で、子供達や幼稚園の先生が花粉症で大変。さらに、育ちすぎた杉の木が影をつくり、ちょっと暗くて怖い感じになっていたということで、住職が決断。もみじを植えることにしたそうです。

江戸と水戸をつなぐ水戸街道。スタート地点である千住宿から3つ目の小金宿にある東漸寺をご紹介しています。現在の、鈴木住職が2000年ごろから杉から植え替え始めた「もみじ」が話題となり、紅葉スポットとして人気になっています。住職に東漸寺のもみじについて、教えていただきました。
鈴木住職:ほとんどはイロハモミジで、その他、すごく赤くなるとされているオオサカズキという種類のもみじが植わってるわけなんですけれども。日当たりのいい場所、日当たりの悪い場所、風の通る場所、風の通らない場所によって、いろんな色が違ってくる。黄色くなるもみじがあったり、橙色のもみじがあったり、そのまま全然あの赤くならないもみじもあったり。その環境によってですね、もみじの色が出てきてる。またそのグラデーションが綺麗だったりするわけでございます。一番最初に赤くなるのは、三つの門があるんですけど、三つの門入ったところの、鐘つき堂の付近が一番最初に赤くなっていって、中雀門という門の周りが赤くなって。さらに中雀門と仁王門の間のもみじが赤くなって。だんだん入り口に向けてですね、赤くなっていくっていう感じかと思います。
見頃は、例年ですと、11月中旬、下旬あたり、つまり「今頃」がいいでしょうということです。夏の暑さや温暖化の影響で、その時期は少し遅くなってはきているようですが、今年もきっとこれから素晴らしい色付きを見せてくれると思います。
夜はライトアップもされているんです。
そのライトアップもちょっと面白い理由からスタートしています。ご住職のこの町、に対する思いとともにお話しいただきました。

鈴木住職:私はまちづくりのいろいろな活動をしてるんですけれども、その宴会をですね、やってまして。「もみじを愛でる会」というのをやってたら「お寺がちょっと暗いのでライトアップしたらどうなの?」なんて言って飲みながら。「じゃあライトアップ」。駅前も「ライトアップ」。実は、まちづくりの活動をしているので、勢いで。それは(会合に参加する)お客さんのためにライトアップしてたんですけど、そしたら周りの方がどんどんどんどん人が寄ってきて「今年はいつライトアップするんですか?」とかっていうような電話をいただいたり、ちょっとライトアップがやめられないような状態なんです。このお寺をどうするのかって言われた時に、訪れる人に安らぎを。去り行く人にいい思い出を与えたい。そんなお寺になってほしいな。一つは、やっぱり日本の美を感じさせる場所である。癒しの空間でないといけないというふうに思っていますし、お祭りだとかイベントだとかコンサート、さまざまなことをやっておりますけれども「楽しむ場所」「賑わいの場所」そういうものを、大切にしていきたいと思っています。
自分たちの会合のお客さんのための照明がライトアップのはじまりってことなんでしょうか?
ご住職は秋から冬にかけて、駅前のライトアップをしている「まちづくりの活動」にも参加されていて、そこでお願いしている電気工事屋さんに相談して、ライトアップしたのが始まりだったんです。自分たちのお楽しみだったはずが、近所の方々の楽しみに広がっていって、もうやめられない状況になっています。

訪れる人の心が癒されるんなら、役割は大きいですよね。
春の桜、夏は鮮やかな緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々違った表情を見せてくれる東漸寺。朝7時からは本堂で30分間の読経と住職のお話という朝のおつとめを行っていて、毎日一般の方も参加できます。宗旨宗派は問わずどなたでも参加可能。由緒あるお寺で心いやすひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。紅葉の様子やライトアップの時間など詳しくは東漸寺のホームページをご確認ください。なお、紅葉シーズンは駐車場の利用に制限がありますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。
2025/11/7 UP!
11月3日は文化の日でしたが、1日から今日7日までの1週間は「文化財保護強調週間」となっていて、文化財に親しむことを目的に、歴史的建造物や美術品の特別公開などさまざまな行事が行われる期間でもあるんです。
千葉県内各地にもたくさんの古い建物がありますが、江戸期から明治期にかけて商業の中心地として栄えた流山市の「流山本町」地区には今も当時の土蔵造りの家屋と百年を超える老舗が点在しています。今日はそこで今も現役の店舗として営業する、「呉服新川屋」を巡るお話をご紹介していきます。

流鉄流山線の終点、流山駅から歩いてすぐ。流山本町と呼ばれる地域は江戸時代江戸川の水運やみりんの醸造業などで賑わい、今もその面影が感じられます。点在する江戸時代や明治時代建築の歴史的な建造物は国や市の登録有形文化財となっていて、レトロな風情を醸し出しています。今日ご紹介する「呉服・新川屋」店舗は、今も現役で活躍する建物のひとつで、その建築年代からこの地区を代表する建物で、2004年11月8日、流山市の国登録有形文化財・第1号となりました。まずは代表の秋谷光子さんに、呉服新川屋の歴史についてお話いただきました。

秋谷さん:新川屋は創業が1846年になります。江戸時代の末期、弘化三年ですね、そこが創業になります。創業当時が中央区の新川というところの場所で店を始めましたので、その地名をとって「新川屋」という店名になっております。お味噌とか醤油とか、そんなものも売っていたっていう記録があります。それから流山に移ったのが1850年ぐらい。この建物を建てたのが1890年、明治23年になります。ですから、今の店舗は今年で135年です。昔着ていたのが皆さん着物だと思うんですけど、そういう野良着というか作業着、それがまあ着物ですよね、そういう普段使いの着物から、あと家具ですとか服地、あのベビーとか、結婚するとき、お嫁に行くときに全部新川屋で揃えられるよっていうように、総合的にいろいろ売っていました。

お店の発祥は東京、築地の近くだった。江戸川で運んでいたお味噌や醤油なんかも売っていたんだ。地域の人にとっても大事なお店だったんでしょうね。

秋谷さんの本家は流山の出身で海鮮問屋をしていたようなんです。「呉服新川屋」の名前に「呉服」とありますが、今でいう普段着を中心に総合商店のような感じでご商売をされていたようです。そんな秋谷さんが生まれ育った「呉服新川屋」の建物も100年を経過すると使い勝手や老朽化などさまざまな課題が出てきて、この先どうやって住んでいくかという話がはじまります。
秋谷さん:あの、私のおじいちゃんが父に、やっぱりお前の代で建て替えだぞっていう、遺言があったらしいので、まあ父としてはこの建物を、新しいものにするっていうことで、ずっとこう進んできたらしいんですよね。ですけれども、私にも子供が生まれて、二世帯住宅を建てたいっていう時に、新しい建物にしようっていうことで、何回も何回も計画を立てたんですが、どうしてもうまくいかなくて。じゃあこの建物を残すことを考えてみようって言った時に、どんどん計画がいろいろ進んで、結局はこの建物を改築して残そうっていうことが家族で決まりました。どうしたらいいんだろうっていうのが本当にもう悩んで悩んで、いろいろみんなでこう観光地に行って勉強したりとか、古い建物どうしたらいいんだっていうことを、自分たちなりに、あの調べたり勉強したりはしてたんですけれども、、、

間口4間半(8メートル少し超えるぐらい)で切妻造り、桟瓦葺の2階建。建て替えの話が出た時は、まだ、文化財になるとは思ってもいなかったそうですが、いろんな条件が折り合わず、新築計画が何度も頓挫してしまいます。これはもう、この建物を残しながらうまくやっていくしか方法がない、と思ったんですが、なにせ古い建物、改築の仕方もわからない。そこで秋谷さんがあるところに相談の電話をしたところ急展開。国登録有形文化財の登録に繋がっていきます。

流山本町にある、国登録有形文化財にもなっている呉服新川屋。建物を取り壊して新築しようとしましたがうまくいかず、100年以上の歴史ある建物を残しながら改築していくことになりました。そう決断したものの、近所の工務店さんもそうした経験はありません。どこに相談したらよいのか、八方ふさがりになりかかっていた秋谷さん、ふと、思いつき、こんな行動に出ます。

秋谷さん:ここの建物って千葉県にあるんだよなっていうことをピッと思って、千葉県庁にポーンと電話をして、相談をしたところ、県庁の案内の電話の係の人が文化財課って言うんですか、そういうところに電話をつないでくださったらしくて。自分の家が古い建物だけれども、困ってるんだっていう話をしましたら、もううちの建物のなんか台帳が、あの文化財課にあったらしいんですね。ちょっとお待ちくださいっていうことで、新川屋さんの建物は明治23年に建ててますねって、もう情報が千葉県の方に行っていまして、あの千葉県のパトロールをしている工務店があるっていうことで、改築してくれるような会社をご紹介いただいたりとか、国の登録有形文化財っていう制度があるよっていうことで、新川屋さんが商売しているんだったら、こういう肩書を取ったらどうかっていう。本当に電話に出た方が、すごいもう本当にいい方で、お導きいただきまして、現在に至っています。
電話してみるもんですね。。。。

千葉県庁にある県の教育委員会、教育庁には県内の文化財の保護や博物館の運営、登録、指導などを行っている「文化財課」という部署がありまして、そちらに電話がつながり、とんとん拍子で話が進んでいきます。改修工事はかなりの大工事だったそうで、まずは通りから見てお店の裏側にある住居の部分を解体しました。その後およそ35トンのお店の部分を道路から7メートルほど内側に「曳き家」という工法でレールの上に乗せて建物ごと移設。基礎をしっかりと固め、その建物を据えつけ、流山では第1号、県内では58番目の国登録有形文化財になりました。新川屋さん、屋根の上にも歴史があったようですよ。

秋谷さん:瓦屋さんとかが「珍しい!」(と言っていて)。恵比寿大黒様が、屋根の上に乗っているなんて、もう初めてだっていうことで。どうも、やっぱりうちの先祖が、特にこの商売繁盛の神様が大好きだったっていう感じですかね。(建物は)135歳に、今年なるんですけれども、もう135年間ずーっと流山を(恵比寿様と大黒様が)この家の屋根の上から見ています。なかなか前を通っただけだと、気づかないので、うちの店舗の左側に看板が書いてあるんですけれども、そこを読んで立ち止まった方に私がお声をかけてご案内したりとか、自由に入っていただいて、古い写真なんかもありますので、この建物のご説明したり、流山の歴史なんかお話ししたり、流鉄の古い写真なんかもありますので、本当に旅でふらっと寄ってくださった方と、毎日楽しくお話をさせていただいてます。

現在、呉服新川屋さんでは、いわゆる呉服、お着物でのほか、時代に合わせた和と洋をとりあわせたモダンな装い・・自然素材の生地(おもに遠州木綿、久留米絣の木綿、ガーゼや麻)や着心地にもこだわったオシャレな服も扱っています。さらにカラフルなアフリカ布やアイヌ刺繍などを使った可愛い小物や素敵なセレクト雑貨も人気で、インテリアとして使われている古くから受け継がれてきた家財道具と相まって、時の流れの豊かさを感じることができます。

いろんな流山の歴史も知ることができそうですね?

秋谷さんの曽祖父にあたる方は、流鉄(当時の流山軽便鉄道)の発起人の一人だったそうで、鉄道が建設された当時の貴重な写真やその他古い街並みの写真、文献など、お話しすると見せていただくことができて、鉄道ファンにも知られているそうです。店番をしてくれている置物の猫「こまちゃん」も人気ですよ。ぜひ訪れてみてください。呉服新川屋さんの詳しい情報についてはインスタグラムをぜひご覧ください。
2025/10/31 UP!
だいぶ気温も下がって、あったかい飲み物が嬉しい季節ですよね。
温かい飲み物、ホッとしますよね。
千葉県内にも素敵なカフェや個性的な珈琲店がたくさんありますが、東京湾アクアラインからのアクセスがよく、絶景も楽しめる内房エリアにも人気のお店がたくさんあります。その中から、今日は珈琲と地元の山に想いを馳せる「ミフネヤマ珈琲」をご紹介します。
君津市の南、房総丘陵の一角を成す三舟山は、標高およそ138mの丘陵で案内所から展望台を回る遊歩道は1周およそ45分と気軽にハイキングが楽しめるコースながら、山頂からの眺めは「ちば眺望100景」にも登録されています。その三舟山の名前がついたコーヒーが今話題になっているんだそうです。まずは店主の大野修平さんに、ミフネヤマ珈琲はどんなコーヒーなのか。その成り立ちもお聞きしました。

大野さん:千葉県の君津市に三舟山っていう山がありまして。で、その山の麓に、案内所というところがあって、その案内所は何の役目がしてるかっていうと、その山を登る、トレッキングする場所の、あの位置づけになっている案内所で、ミフネヤマ珈琲は、そこで誕生したコーヒー屋なので、山の名前を取って、ミフネヤマ珈琲っていう名前にしてますお客様に、寄り添う形で、他のコーヒー屋さんにはないんですけれども、深煎り、中煎り、浅煎りって言いまして。深煎りは苦みのあるコーヒーで、浅煎りは、酸味のあるコーヒーなんですけど、その中間にまた中煎りっていうのがありまして。で、お客様はそれぞれお好みのコーヒーがあるので、深煎りの、コーヒーが好きな人は深煎りを飲んでいただきますし、若い子なんていうのはやっぱり酸味のあるコーヒーを好まれるので。まあそのバリエーションを豊かにするために、十か国ぐらいのコーヒー豆を焙煎してお客さんに提供してます。
今回は、スタジオにミフネヤマ珈琲を送っていただきました。

こだわって、お客さんに寄り添ったコーヒーを提供してくださっている大野さん。実は今もコーヒーとは全く関係のない本業をお持ちなんです。ではなぜコーヒーの販売をしているのでしょうか?
大野さん:23歳の時に会社を設立してIT業に入りまして、土日は、東京からこっちの千葉の方に帰ってくるっていう生活を10年以上続けていまして。私自身もなんか地元に何か貢献したいだとか、地元でなんか活躍したいなという気持ちがあって。ふと、ミフネヤマ珈琲っていう名前の、三舟山っていう山の麓に行った際に、すごくやっぱ緑豊かで、そこにいるとやっぱ心も癒されますし。で、二拠点っていうところで、かつ仕事で活動はしてましたけれど、緑豊かなところにいると、東京の良さも見えて。東京で仕事していると田舎の良さも見えるっていうところで二拠点生活を進めていて、土日はそこに三舟山で過ごすようにはなって。で、そこのきっかけとなったのが、そこの麓でコーヒーを入れるようになってっていうのがスタートになります。
東京でIT系の仕事をしていて、でも三舟山にいくとホッとする。癒される。そのほっとする場所にも自分でも貢献したいと思った、、千葉はいいところですね

現在「ミフネヤマ珈琲」は、三舟山から車で10分位、君津駅から歩いて7分位のところにある木更津店の他、木更津駅すぐ横の木更津駅東口店と、久留里の旅館を改装した「珈琲屋コトノ」の3店舗を展開されているんですが、ゆくゆくは始まりの地、三舟山で、古民家を改装した新たなカフェのオープンを企画していらっしゃるそうなんです。三舟山の展望台からは君津市街地、天候によっては東京スカイツリー、東京湾の眺望を楽しむことが出来るということで楽しみですね。
君津市の南にある三舟山。 実は、眺めはいいのに「あまり人が来ない」という課題がありました。元々ご実家が近かった大野さん、こんな想いでコーヒーを出すことをはじめたんです。
大野さん:まず私の地元が三舟山から、実家も近いんですけれども、一番最初、その山の麓のところでコーヒーを入れるきっかけになったんですが。まあトレッキングできる場所だったんですけれども、何も活用されてなくて。で、土日も本当に、2・3台ぐらいしか来ないような、近所の方しか来ないような山だったんですけれども。そこで、毎週土曜日、近所の方々が野菜を販売したりとか、雑巾を縫ったおばちゃんたちが販売してたりとかっていう横で、私もちょっとコーヒーを淹れてみようかっていうところでコーヒーを淹れたんですけれども。まあそのコーヒーを飲んで山に登ったりだとか、山に登った後にコーヒーを飲んでいただいたりとか、そういうきっかけに最初になってほしいなというところで、スタートしたのがミフネヤマ珈琲です。
あまり、人が来なかったから、さみしかったんでしょうね。それで大野さんたちがコーヒーをサービスするようになったんですね。
「三舟山マルシェ」として、地元の野菜なんかの販売が2015年からスタートしていて、これは今も続く人気イベントに育っているそうです。ところで、今回お話を伺っている大野さんとコーヒーの出会いは、本業のIT企業で仕事をしている時、ベトナム人の同僚から教えてもらったのがきっかけでした。そして徐々にその魅力にはまっていったそうです。
二拠点生活で美味しいコーヒーと出会い、二拠点をうまく使って提供もしていく。すごい展開ですね
大野さん、最後に「ミフネヤマ珈琲」、こんな風に楽しんでいただけたらとお話してくれました。
大野さん:我々はやっぱりお客様のお腹を満たす仕事ではなく、やっぱ心を満たすっていうところにコンセプトを置いてまして。コーヒー 1杯でその人の1日がより良くなっていただけるような、もう気分転換のスイッチになってほしいなっていうところも1つにあって。三舟山っていう山も、やっぱこう自然豊かなところにありますので、五感に触れるじゃないですけど、緑もすごく多くあって、四季をとてもよく感じられる。やっぱ夏はすごく暑いですし、冬場は相当寒いですしその中でコーヒーを通じて、ま、夏場に言えば、アイスコーヒー、が、飲んで気持ちを切り替えていただいたりだとか冬になればホットコーヒーで心が、ま、ほっとするような豊かになるような気持ちになるでしょうし、ぜひ家族で三舟山っていう山にまず触れていただいて、山に登ってもらって、で、そこの麓で美味しいコーヒーを飲んでいただいて、なんか循環をしていただければなっていうぐらいに感じています。

コーヒーはお腹じゃなくて「心を満たす飲み物」
特にヨーロッパなどでは、コーヒーを飲むということは、自分に対していい時間を費やす。そのために豆を挽くところからコーヒーを入れるスタイルが定着しているんだそうです。大野さんは、お店にくるお客さんに対してもそれと同じように、もてなす気持ちで美味しいコーヒーをドリップする。お客さんにも、人をもてなしたり、自分のためにいい時間、いいものをという気持ちでコーヒーを楽しんで欲しい、とおっしゃっていました。サイトからコーヒー豆の購入も可能ですので「ミフネヤマ珈琲」のinstagramなどでご確認ください。
MIFUNEYAMA COFFEE
https://www.instagram.com/mifuneyamacoffee/?hl=ja
コトノ珈琲
https://www.instagram.com/cotonocoffee
MIFUNEYAMA COFFEE 木更津駅東口店
https://www.instagram.com/mifuneyamacoffee.sta
2025/10/24 UP!
スポーツの秋、過ごしやすくなって、外でのアクティビティが盛んになる時期でもあります。各地で秋のアクティビティが行われ、多くの方が参加されていますが、今回は、下総台地から太平洋に注ぐ、九十九里エリア最大の川 「栗山川」のアクティビティをご紹介します。
千葉県北東部から九十九里エリアを流れる「栗山川」。千葉県内では2番目の流域面積を誇り、周辺には、日本の原風景ともいえる田園や里山の風景が広がっています。その栗山川で秋から冬にかけて楽しめるのがカヤック体験ツアーなんです。
以前、銚子の海で楽しむシーカヤックのアクティビティを紹介したことがありますが(2023年7月14日OA)、今回は川なんです。
今回は、ツアーを主催している「よこぴか倶楽部」で指導員をされている鵜澤順一さんにお話を伺いました。まずは、よこぴか倶楽部ってどんな団体でなのでしょう?

鵜澤さん:「よこぴか倶楽部」は、地域のカフェの経営者ですとか、サーフィンスクールの方ですとか、ペンションを経営されている方、経営者が集まって、地域をですね楽しんでいただく、まあガイドの集団でございます。発端は、千葉大学との町が協定を行って、千葉大学が始めたタウンマネジメント講座の中で、ニューツーリズムを開発しようとして集まったメンバーがですね「よこぴか倶楽部」というのを設立して、今でも活動しています。メンバーは、十人くらいいまして、その中で、カヤックのインストラクターを取られているメンバーが六人になります。横芝光町もですね、観光開発の中でバックアップをしていただいてます。町の資源をですね洗い出したところ、やっぱり「栗山川」と「九十九里浜」。そして「豊かな田園が広がる」「農産物」そういったものが、あの資源として挙げられました。

「よこぴか倶楽部」は、 地元・横芝光町を盛り上げようという人たちが地元をガイドする集団。素晴らしい地域資源を楽しむメンバーによるガイド集団で「横芝光町観光まちづくり協会」に所属しています。「公益社団法人日本カヌー連盟公認」「JRCA(日本レクリエーショナルカヌー協会)公認カヌースクール」。お気づきの方も多いと思いますが「よこ芝ひかり町」なので「よこぴか」です。
鵜澤さん:まずは栗山川を活用して、何かツアーみたいなのができないかどうか、アウトドアメーカーのモンベルさんに働きかけといいますが、お願いをしたところ、モンベルさんから「ぜひカヤックツアーなどを企画したらどうでしょうか」っていうことで。「フォールディング・カヤック」=組み立て型のカヤックを自ら組み立てて、そして川に入って操船の体験をするツアーをですね、このよこぴか倶楽部のメンバーで体験をしたことが、まあカヤックのツアーをやるはじめてのきっかけみたいなものです。栗山川の魅力は、やはり自然が豊かなところですけれども、例えば鳥のさえずりが間近で聞こえたり、秋から冬にかけては渡り鳥がとても多い、飛来する川でして。いろいろな種類の渡り鳥がですね、間近で見ることができる川だと思います。驚いたのは、私たちもツアーの二回に一回くらいカワセミという青い綺麗な鳥がですね、本当にカヤックの私たちをついてくるような形で観察することもできます。
カワセミをそんなに見られるなんて貴重な体験だと思います。フォールディング・カヤックはとっても軽いので、保管や持ち運びだけじゃなく、水上での操船もやりやすいんです。栗山川のツアーでは周りに高い建物がないということもあり、眺めも良いそうですし、鴨、サギをはじめ、多くの渡り鳥に出会うことができます。鶯はツアーのある秋冬でもホーホケキョと鳴いているのを楽しむことができるそうです。
今回は栗山川のカヤックツアーをご紹介していますが、ちなみに、カヤックとカヌー、ボートの違い、みなさんはご存知でしょうか?

一般的に、オールを使って後ろ向きに進むのが「ボート」。パドルを使って前向きに進む舟を総称して「カヌー」と呼んでいます。これがパドルの形で分けられていて、水かきの部分・・ブレードと言いますが、これが1枚のもので漕ぐのが「カヌー」、棒の両端についているダブルブレードで漕ぐ舟を「カヤック」と呼ぶんだそうです。さて、そのカヤックで下る栗山川はサケの遡上の一番南の川(南限)という説もあって、秋になると、産卵のためにサケが帰ってきて遡上することでも知られています。そんな豊かな自然に親しむ半日体験ツアー。どんな方が参加しているのでしょうか?
鵜澤さん:ツアーに参加できる年齢は小学生から、上限は設けてありません。よくお見えになるファミリーではですね、お子様とご両親、それにおじいちゃん、おばあちゃんなども一緒に三世代で参加される方などもいらっしゃいまして、最高齢でいくと九十歳という参加者も過去にはいらっしゃいました。私たちのツアーはフォールディング・カヤックという組み立て型のカヤックを使ってまして、テントを組み立てるような感じでアルミの骨組みを組み立てて作るんですけれども、組み立てを体験できる数少ないカヤックツアーのですね私たちの売りになってます。普通の方が組み立てをすると結構時間かかってしまうので、ガイドがその組み立て、それを皆さんでお手伝いいただいております。手伝いをしていただく過程の中で、ご家族ですとか、一緒にツアーに参加される方々が、コミュニケーションを取ったりして、実際に船に乗るまでの間にもですね、コミュニケーションを取りながらツアーとして魅力を高めているところでございます。

組立てるところからのツアー。コミュニケーションしっかりとることになるわけですよね。
定員は8名で、インストラクターを入れても10名余りですから、チーム感も出るちょうどいい感じですね。このツアーに申込む人のほとんどが未経験の方。でも転覆することもほとんどないということなので、ぜひトライしてみたいですね。そして、ツアー参加者にはこんなお楽しみもあるそうです。
鵜澤さん:11月は 3回ほどツアーを予定していまして、詳しくはホームページをご覧ください。私たちのツアーには保険料やカヤック装備のレンタル料、そして日帰り入浴料が含まれていまして、集合解散場所になっているペンションのNANJA MONJAさんのですね広々とした露天風呂を満喫して、さっぱりしてお帰りいただくことができます。前日に町内のペンションに泊まって、早朝からこのカヤックツアーに参加される方もいらっしゃいますし、ツアーの後に後泊される方もいらっしゃいまして。また日帰りで帰られる方もお昼までのツアーなので、この後、昼食をガイドがおいしいお店をご紹介したりして、お土産などもこういうところで買えますよというのをご案内しています。その辺はとても喜んでもらっていると思います。ぜひ参加をしていただければと思います。360度青空に囲まれてっていう開放感はですね、とても皆さん誰でも感じていただけると思います。

「よこぴか倶楽部」の栗山川カヤック体験ツアーは、朝9時に集合して午後1時頃に解散、参加費は税込 8900円。自分のカヤックをお持ちの方は持ち込み可能で参加費が割引になるそうです。水量が豊かでゆったりと流れる栗山川。ツアーの申し込みはモンベルのサイトからになります。詳しくはよこぴか倶楽部のホームページをご覧ください。
◆ よこピカ倶楽部HPはこちら
◆ モンベルのサイト (カヤック体験会・九十九里栗山川ツアー詳細)
https://event.montbell.jp/plan/disp_data.php?event_no=F12J01
2025/10/17 UP!

今回は、明日が記念日という千葉を代表する和菓子のご紹介です。
明日、10月18日が記念日、、、統計の日、冷凍食品の日、いろいろありますが、実は明日、「ぴーなっつ最中の日」なんです。ということで、今日は、千葉を代表する和菓子のひとつ、「ぴーなっつ最中」をご紹介していきたいと思います。
もち米から作った皮で餡を包んだ和菓子「最中」。シンプルでありながら、名産品や名所をかたどったフォルムや、個性豊かな味わいの餡など、工夫を凝らしたものが県内各所で作られていて、その土地土地の名物として親しまれています。その中でも、赤い落花生型のパッケージがお馴染みの「なごみの米屋」の「ぴーなっつ最中」は、県民ならば誰もが知っている一品ですよね。成田山新勝寺の参道沿いに本店があり、成田詣でや、千葉のお土産として長年愛されています。落花生を模った皮に、風味豊かなぴーなっつの甘煮が煉り込まれた餡が入った本物そっくりの落花生づくしの最中は、数々の賞を受賞していて、今年・北海道で開催された「あさひかわ菓子博」でも、名誉総裁賞を受賞しています。
今回は、なごみの米屋(よねや) マーケティング部の小山内杏由子さんにお話を聞いています。まずはお店の歴史と「ぴーなっつ最中」のルーツについて伺いました。

小山内さん:明治32年に創業しまして、もともとお米の卸売取り扱いをしていたんですけれども、栗羊羹を製造するようになりまして、栗羊羹発祥のお店となります。屋号も「こめや」から「よねや」に変えたという歴史がございます。創業者の諸岡長蔵は品質を落とさずにしっかりと販売するということにこだわっていた方なので「己に薄く他に厚く」とか、そういった精神で商売をしていたと伺っております。平成7年に、成田市内にドライブイン型の大きい店舗「米屋観光センター」をオープンしました。今は、門前店というふうに変わっているんですけれども、そちらで千葉の名産である落花生の形をした最中の実演販売を始めたことが、まず始まりです。

成田空港に行くスカイライナーからも大きな看板がよく見えますが、栗羊羹発祥のお店でもある「なごみの米屋」は、もともとは羊羹づくりをメインにしていて、「総本店」の裏手にある「成田羊羹資料館」では、米屋と日本の羊羹の歴史が展示されています。1958年(昭和33年)ベルギーで開催されたブリュッセル万国博覧会や、1959年(昭和34年)のロンドン第45回万国パン菓子大博覧会などでも高評価を得て国際的にも知られていました。その後、今から30年ほど前に、新勝寺の参拝客に向けて「ぴーなっつ最中」の実演販売がはじまったんですね。
ソフトクリームの販売を思い浮かべてください。あれと同じです。ピーナッツの形をした最中の皮にその場であんこと、甘煮にしたぴーなっつを入れて、蓋をして、手渡しで販売。これが結構人気が出たそうなんですね。ソフトクリームと違って溶けないので、季節に関係なく人気になったそうです。

目の前で仕上げた、おいしい「ぴーなっつ最中」をぜひお土産であげたいってなってきますよね? そういうお客さまからの要望もあって、持ち帰り可能な商品の開発をはじめます。

小山内さん:最中の皮に、当時はこしあんをお詰めして、落花生の甘煮を・・甘納豆ですね、落花生の甘納豆を2粒お入れして、お客様にお渡しするような形の販売方法だったということです。平成10年にここで販売していた「ぴーなっつ最中」を千葉土産として、本格的に販売する取り組みが始まった、それが、今の「ぴーなっつ最中」につながるということです。お土産にするためには、やはり、あの個包装でパッケージ化することと、お日持ちもある程度なければいけないので、そういった取り組みですとか、あとは、やはり味の改良。よりこうピーナッツらしさを出すための研究を重ねて、今のお味になったというふうに聞いています。「ぴーなっつ最中」だけではなくて、「ぴーなっつ饅頭」と「ぴーなっつパイ」がございます。大きな違いは、周りの生地。焼いたおまんじゅうの生地と、あとはパイ生地になります。最中は最中の皮に餡が包まれている形です。形は一緒です。落花生の形をしております。
スタジオにも用意して2人も美味しくいただきました!

「ぴーなっつ最中」のパッケージから抜け出したような「ぴーちゃん」は、米屋の人気キャラクター。店頭でのイベントのほか、最近では移動販売車や、高校野球でもおなじみの成田の運動公園「なごみの米屋ぴーちゃんフィールド大谷津」のネーミングにも登場しています。
千葉を代表するお土産「ぴーなっつ最中」が人気のなごみの米屋。実は、創業の「栗羊羹」、人気の「ぴーなっつ最中」に加えて今話題になっている「第3の矢」があるそうです。
小山内さん:第三の矢として「なごみるく」というおまんじゅうがございます。こちらもおすすめです。ミルク風味のおまんじゅうで、幅広い世代の方に好まれるお味となっております。実は、なごみの米屋には、ただいま強力な宣伝部長、新浜レオンさんがいらっしゃいまして、総本店の方にも、等身大パネルが置いてあったりですとか、たくさんの新浜レオンさんのファンの方もいらっしゃっていただいてます。

新浜レオンさんは千葉県白井市出身の紅白歌手!彼が宣伝部長とは、これはファンの皆さんもたまらないですね。新浜レオンさんが宣伝部長になって「なごみるく」も話題になってきていますが、売上は、「ぴーなっつ最中」に軍配があがっているそうです。
さて、明日、10月18日は『ぴーなっつ最中の日』その理由を教えてもらいました。

小山内さん:2023年に制定いたしました。今年で3回目ですね。10月18日なんですけれども、今販売している「ぴーなっつ最中」が、1998年の10月に販売開始されたということと、落花生の旬が秋ということと、10月18日の1018を見立てて、101が皮に餡を挟んだ形、また8が落花生の形に似ているということから、10月18日に制定いたしました。

説明わかりましたか?まず「101」でこれが最中の形。それで「8」が落花生の形ですよ。10月18日「ぴーなっつ最中の日」は、一般社団法人日本記念日協会にも登録されています。
「ぴーなっつ最中」はオンラインショップでも購入できます。(税込160円/個)贈答用の落花生の形をした箱も人気で、通販限定の商品には大人数の皆さんにお土産に喜ばれる「30個入り箱」というのもあるそうですよ。
「ぴーなつつ最中」の製造工程や、オンラインショップ、創業126年の歴史など詳しく掲載されているホームページがありますので、ぜひそちらもご覧ください。
2025/10/10 UP!
今回は千葉の芸術の秋。今年、新たに始動したアートプロジェクト「千葉国際芸術祭」についてご紹介します。
今年千葉市でスタートした「千葉国際芸術祭」。2026年に迎える「千葉開府900年」記念事業のひとつとして、11月24日月曜日まで、千葉市内各地を舞台に開催されています。テーマは「ちから、ひらく」。「まちの中の思わぬ場所が拠点になり、手をあげた人から活動が生まれ、アーティストも生活者も来訪者も対話しながら一緒につくる」、新たな参加型アートプロジェクトの祭典で、今回は全ての展示を無料で観賞できるのも大きな特徴のひとつ。まずは芸術家であり、東京藝術大学の教授で千葉国際芸術祭の総合ディレクターを務めている中村政人さんに開催の想い、コンセプトを伺いました。

中村さん:芸術祭では「どんな人でも、どんな場所でも、その場所が創造的になれるんだよ。創造的になることによって、その場自体が開いていく、、力開いていく」というテーマにも込めてるんですが、その創造的になること自体が、別にね、国籍だろうが、年齢だろうが、障がいがあるない関係なしに。当然ですけど、それは誰しもが獲得できるものだと思うので。そのことをアーティストがまあ1つのスイッチを作ったとすると、スイッチを押す役割が市民の人なんですね。スイッチを押した途端に、その市民の人に、「わ、こんなワクワクすることが、こんな楽しいことが起こるんだ」と。それは、その街に根付くことも、もちろん大事なんですが、その市民の人の意識がちょっと変わり、ちょっと行動が一歩踏み出せるような勇気、それを与えてくれるものになってほしいんですね。
芸術というと、美術館に行って鑑賞するみたいなイメージがあるけど、市民が作品に参加するのでしょうか?とてもアクティブに聞こえてくるんですが?
「千葉国際芸術祭」では、千葉市内で37のアートプロジェクトが展開されまして、例えば、千葉都市モノレール県庁前駅の現在使われていないホームでの展示や、西千葉駅の高架下に「ガード下神殿」が出現して、身長18メートルの女神像が置かれたり。あるプロジェクトでは、街中にあるマンホールの蓋や切り株、古い地図などを活用したシティゲームの舞台が展開していたり、と、奇想天外なものが多いんです。それぞれのアートにはさまざまな形で市民が参加していて、特徴もさまざまなんですが、そこには共通した3つのポイントがあるそうなんです。

中村さん:アートとしての3つのポイントっていうの僕にとって「純粋」「切実」「逸脱」っていうのが3つのチェックポイントなんですよ。そのアーティストなり、プログラムがどういう「純粋」な状態を作れるかものすごく戦略的に考え、これを売れるようにやるっていうことではなくて。また、そのもの自体に生きていく価値、または何か、そのことを本当に作りたいっていう「切実」な課題感。で、3つ目は、作られたもの体験が、今までにない価値観を得られるかどうか。この3つのポイントがあって。例えば、地面に穴を掘るワークショップで、本当にどんどんどんどん掘っていくと、土がこういろいろ出てくるんじゃないですか。そこで粘土層を見つける。で、粘土層を見つけたら、その粘土で、こうこねて焼き物をする。焼き物をするときに、野焼きといって、外でこう火をたいて野焼きをする。千葉市の土を探し、一緒に穴を掘って、一緒に造形して、一緒に火をたいて、そこで焼き物を作るというワークショップもあります。
「純粋」「切実」そして「逸脱」ね。土を掘りおこすところから粘土を見つけて、焼き物まで作ることも「アート」と捉えるんですね。
今までのお話だけでも「美術館や博物館」で鑑賞する「アート」とは違う感じがしますよね。この千葉国際芸術祭は、今後3年ごとに開催されていく「トリエンナーレ」となっています。
11月24日月曜日まで千葉市内各地で展開されている「千葉国際芸術祭」。国内外のアーティストたちが繰り広げる、想像の枠を超えて楽しくワクワクする展示が行われています。市民が参加できるものもあり、例えば、こちらは募集は締め切られていますが、こんな形で市民がアートに参加しているんです。
中村さん:アリーナさんというアメリカの作家さんのプロジェクトなんですが、ご家庭の夕食にご招待してくれたら、お礼にアリーナさんの絵をプレゼントする。夕食と絵を交換するっていうようなプロジェクトがあります。ですので、初めて千葉に来て、千葉市のごくごく普通の家庭の中の夕食で、一緒にご飯を食べるというプロジェクトです。その中には、やはり言葉の問題もありますけれども、ご飯のその食材から味付けから、いろんな文化がそこに通っているので、そういうことも、総合的にその食事という場所、夕食をし、一緒に対話をするということの中で、人間の本質的な、こう、交流を生み出す創造的な節々を生み出すということですね。で、アリーナさんの狙いはやっぱり対話なので、この対立が大きくなってきている時代に、人と人が向き合う、その会話をする切実さを大切にしたい。最終的に絵がプレゼントされるっていう。そこで初めて絵が出てくるんですね。いや、アートですね。

対話をするために、晩御飯ご馳走してくださいってことなんですね?市内のあちこちで展開されている千葉国際芸術祭は一般市民の家の中まで入ってきちゃう?
ベラルーシ出身のアリーナさんとモルドバ出身のジェフさんはニューヨーク在住で2人の創作には常に「内と外」「境界と中心」「他者と規範」といった関係性への問いを含んでいて、この展示ではいま、世界のあちこちで起こっている対立や戦争に対し、コミュニケーションがどれだけ大事なのかということをテーマとしているそうです。今までに、ドイツや中国、アメリカ、イスラエルなど62箇所を訪れて夕食をともにし、絵をプレゼントし、対話してきたそうで、今回はそれを千葉の一般家庭で行っています。
食事して時間を共にすることで向き合っていく。その全体が彼らにとってはアートなんですね。
さて、千葉国際芸術祭は、今後3年ごとに開催が計画されています。なぜ3年ごとなのか、その思いを中村さんはこんな風に話してくださいました。
中村さん:そうですね。あの芸術祭自体、3年に一度、2回やると6年、3回やるともう9年ですよね。そうすると小学校に入った人がもう高校生ぐらいになっていたりすると。心が開いていく瞬間を、どんどんどんどん作り出す。まあ、意識変容から行動変容に生まれ、最終的には芸術祭を3回やったら、これだけ社会変容が起こったよ、っていうように言えるような芸術祭になってほしいですね。で、自分がこれ面白いなあと思ったら、ぜひそのプログラムに参加して、自分自身がまず心を開いてみるそのきっかけを作ってみると、そこから先に芸術というような高尚の言い方じゃなくても、自分の好きなものとか、あ、これをやりたかったんだっていうように、ちょっと気づきが生まれるかもしれないですねこの新しい気づきを得るために、ぜひ芸術祭を、、、まあ、スタンプラリーもやるようなんで、あちこち巡っていただけると幸いです。

3回芸術祭に参加している間に世の中や自分がこれだけ変わったということに気づいてもらうということなんですね。芸術を見たり、参加することで心が開いていく実感を得られたら次の開催がさらに楽しみになってきますね。
今回この時間ではご紹介しきれないほどさまざまな表情をもつ「千葉国際芸術祭」たくさんのアートが千葉市内で展開されています。どこでいつ、どんなことが行われているのか?詳しくは千葉国際芸術祭のサイトをご覧ください。まずはひとつ気になるものを見つけてお出かけになってみてはいかがでしょうか。




