2024/5/3 UP!
「ガストロノミー」という言葉を皆さんはご存知ですか?単に美食を追求するのではなく、食事と地域や文化との関係を考察する学問を指します。美味しい食材の宝庫である千葉県を「世界に誇れるガストロノミー県にしよう」とスタートしたのが「ちばガストロノミーアワード」の取組で、今年2月に第1回の表彰式が行われ、地域とつながり、千葉の食の魅力を最大限に表現している方や団体が「飲食店部門」「生産者部門」に分かれて選ばれ、さらに大賞・特別賞が表彰されました。
生産者部門で大賞を受賞したのは以前、番組でもご紹介した「須藤牧場」さん。他にもこだわりの生産者や飲食店が揃っています。飲食店部門の大賞が今日ご紹介する佐倉市のレストラン「プレゼンテスギ」。どんな取り組みやメニューが大賞に結びついたのか、オーナーシェフにお話を伺っていきます。

第1回ちばガストロノミーアワード飲食店部門で大賞を獲得した佐倉市のイタリアンレストラン、 「プレゼンテスギ」。JR佐倉駅から少し離れた白銀公園の目の前にあります。今回お話をうかがったオーナーシェフの杉岡憲敏さんは、保育園に通っていた頃、テレビの「料理の鉄人」を見て料理人に憧れ、その志を貫いて料理人になりました。2016年に今のお店を構えたのですが、開店して2年位経った頃、とあるお客さんから衝撃的な話をされ、お店の方向性が変わっていくことになります。

杉岡さん:万人受けしそうなものを、僕もみんなに美味しいって言ってほしいので、そういうものを知ってる食材で料理をしているような感じでした。うちの店に来てくれるようなお客様男性の方なんですけど、「これは本当にあのシェフが作りたいお料理なの?気を悪くしないでね」なんてお話してくれて、「銀座の方でついこの間食べたのお寿司、どっちがおいしいかって言った時に、やっぱり値段じゃなくお料理の味で言うならば、銀座の鮨の方がごめんねシェフ美味しかったよ」なんて言われて。「でもこれがあなたが使いたい食材でこの料理だったら私たちは好きだから通うけどもっと何かできるんじゃない?」みたいななんか言われて。少しやっぱ悔しいってのもやっぱありますけど、その食材やっぱ勝てないって、正直、パワーがやっぱどうしても足りなかったので、安くて美味しい食材も、もちろん世の中にはもう本当たくさんあるっていうのは知ってるんですけど。アワビにはアワビの良さがあったり、伊勢海老には伊勢海老の良さなんていろいろ千葉県にはやっぱ高級な食材もあったりして、それをいつかはやっぱ、使ってみたいし、美味しいのはもちろんコックなんで知ってるんで、そうですね、使いたかったので使ってくお店にしてきました。僕の世界観を表現する、SUGIワールドのイタリアンを食べてもらうような方向性に変わってきました。

お話によると、圧倒的なパワーの食材でもっと感動する料理を作りたくなったんですね。開店当初は、ランチで1500円とか3500円のメニューを出されていたそうですが、もっと自分が納得したいい食材を使えば、もっと美味しくなる。杉岡さんの千葉県産の食材を使った料理の研究が始まります。日本全国、取り寄せたい美味しい食材はありますが、輸送に時間やコストがかかるし、野菜や肉はやはり新鮮なものを使いたい。だったら実は地元・佐倉をはじめ千葉はものすごく美味しいもので溢れているんだから、それを使って圧倒的に美味しいものをつくろう!と試行錯誤し、今や半年先まで予約で一杯の「スギワールド」を貫くお店になっていったんです。
でもそんな地域の美味しい食材、どうやって見つけて行ったのでしょうか?
杉岡さん:それこそイタリア人やフランス人なんてのも地元本当に愛してたりもするので、ちょっとそんなイズムもちょっと自分の中にもあったりもするので、僕は千葉県が本当に大好きなので。おすすめのおいしい食材というと、あのヤギのミルクなんてのはついこの間、もうアワードの授賞式の席でクルックフィールズさんの社長さんと少しつながることができたのでちょっとお伺いして、ヤギのミルクにもちょっと僕はビックリして臭みがもう牛乳よりも無いかな?なんて形で。そこでちょっとヤギのミルク使いたいです。なんて社長にお願いして送ってもらったりもして使ってます。僕の場合はもう本当に一人でなんも持ってないし、何もできないので、いろんな人に助けてもらって、これ何とかなりませんかとかっていうと「あるよ」とかって言ってくれたり、使っていいよって言ってくれたりするので料理に使ったりはします。

杉岡さん自らアンテナを張り巡らせて食材探しをされているんですが、お客さんや知り合いの方からの情報が本当に貴重なんだそうです。その食材を仕入れて料理するだけでなく、自分の農園で育てたり、自ら山に入ってきのこを収穫するなど、千葉県産食材へのこだわりは、どんどん強くなっていきました。お店の評価も次第に高まり、フランスの本格レストランガイド「ゴー・エ・ミヨ」日本版にも3年連続で掲載され、知る人ぞ知る人気イタリアンになっていきます。
「プレゼンテスギ」 は、ランチもディナーも一斉のスタートで、2時間ほどをかけてじっくりいただきます。ある日のメインの豚料理は予約の時間の3時間前から準備し2時間かけて火を通すなど、調理にも徹底的にこだわりをお持ちです。様々な料理を楽しませてくれる杉岡さんですが、具体的に、どんな料理が出てくるのでしょうか?ひとつご紹介いただきましょう.
杉岡さん:ついこの間までやってたメニューで、うちで「里山の音と香り」っていうデザートがあったんですけど、それは僕が今里山で感じてる音と香りをお皿の中に盛り込んでいるデザートだったんですけど。トレビスなんてちょっと苦みのある野菜もパリパリに焼いてあげたものを皿に盛り込んであるんですけども、まずは僕は里山で探検していると葉っぱ踏むとパリパリ踏む音があったりするので、そこをちょっと表現するために、まずパリパリに焼いたものをお客様に説明で「手でバリバリ割ってくださいね」なんてお願いすると、目つぶってるお客様なんか「本当山歩いてるみたいな音がする」なんて言ってくれて。「次、崩し終わったら下にチョコレートが隠れているので、一緒に合わせて食べてください」なんて言うと、あの里山でふきのとうがとれたりするので、ふきとチョコレート合わせて口の中で今度里山のふきの香りがしたりするので、今僕が里山で感じている音と香りってところでそんなものを楽しんだりするので。僕の記憶を体験しながら、お客様が料理を食べるみたいな形ですね。なんか少し五感にも訴えられるようなものをなるべく盛り込んでいきたいななんて形で、、、

お料理だけでなく、レストランの内装も壁を塗ったり、テーブルクロスの理想の色や手触りにこだわったりと「スギイズム」は徹底しています。でも他の方々からのアドバイスも受け入れてとにかくいいものにしていくという、杉岡さんの人間性が感じられるお店になっています。なぜかドラゴンボールのフィギュアが並んでいる場所もあるんですよ。「おいしい」だけでなく、「楽しい」「感動」という感覚も味わってほしいと創り出した場所では、お食事されて本当に涙する方もいたそうです。
https://presente-sugi.gorp.jp/
コースの内容はその日の食材や季節で変わります。いろいろな食材を発掘したり、育てたりしている杉岡さんですがその興味は尽きることなく、常に「もっと新しい食材を!」と探しているそうです。
杉岡さん:あのシェフ今何考えてるんだろうなんて時はうちのインスタグラムなんか覗いてもらうとこのシェフ、これ、今いじくってるんだろうな。なんてのが分かると思います。皆様にも僕、知らないことが本当たくさんあるので、いろんな人にうちの所にこんなのあるよなんてのはもう本当にインスタグラムでDM飛ばして頂けたら、僕も本当にここはいっていいんですかなんて言って、多分お邪魔しちゃうと思うので。「ぜひあのこんなおすすめの食材が、実は千葉にはあるんです。」なんてあったら教えてもらえたらなあなんて形でこの間も僕ドリンクでライチをちょっと使ってたんですけど、千葉のがないんですよね、なんて話したら「何言ってるの?スギさんあるよ」なんて言ってくれて。皆様に紹介していただいて、食材なんかもいいものは積極的に使っていきたいなと思うので、ぜひ。一人で探し切れないのでご紹介よろしくお願いします。
ジビエ料理にも情熱をお持ちで、千葉の美味しい木の実などを食べている動物たちは、やっぱりおいしいんだそうで実はあのキョンも美味しくなってテーブルにのる時もあるそうです。
千葉の力のある美味しい食材を杉岡さんの腕でさらに美しく、五感に訴えるメニューにしていくプレゼンテスギ。予約の方法など、詳しくはお店のインスタグラムをご覧ください。こちらのインスタグラム、見ているだけでワクワクしてきますよ!
2024/5/2 UP!
- 今週は
- 「千葉を世界に誇れるガストロノミー県に!」をコンセプトに実施された「第1回ちばガストロノミーAWARD」で、TOP30に選ばれた 飲食店・生産者にフォーカス!してご紹介しています。
- 「自分に甘い日があっても いいよね!?」の中西悠理がご紹介しました、香取市にある「加瀬農園」の情報をお楽しみください。

- どの野菜を食べても「甘い」と評判の香取市の「加瀬農園」。そのおいしさの秘訣は「生きた土」!!
- 木くずや落ち葉、豚のフン、もみ殻などじっくり発酵させて作った堆肥には沢山の微生物がいて、畑の状態を整えてくれます。まさに大地の恵みの”甘い”お野菜たちが育ちます。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- 中西ぱっかーん!
- まだまだ眠っている千葉の素晴らしい食材が花開くのが楽しみです。
2024/5/1 UP!
- 今週は
- 「千葉を世界に誇れるガストロノミー県に!」をコンセプトに実施された「第1回ちばガストロノミーAWARD」で、TOP30に選ばれた 飲食店・生産者にフォーカス!してご紹介しています。
- 「Barカウンターを スライドしてやって来ました!?」の中西悠理がご紹介しました、船橋市にある「Bar篠崎」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。


- 居心地の良い空間と”旬”を提供する、船橋市の「Bar 篠崎」。
- 旬のフルーツを使ったオリジナルカクテルをメインに、洋酒を480種類も用意。フードにもこだわり、マスター自らが船橋市場で仕入れをした旬の食材を調達し、店内で手作りして提供してくれる名店です。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- ぐんぐん成長して…
2024/4/30 UP!
- 今週は
- 「千葉を世界に誇れるガストロノミー県に!」をコンセプトに実施された「第1回ちばガストロノミーAWARD」で、TOP30に選ばれた 飲食店・生産者にフォーカス!してご紹介しています。
- 「煮ても焼いても 美味しい!?」中西悠理がご紹介しました、鴨川市にある「株式会社 苗目」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。


- 高品質で希少性の高い、食材としてのハーブ・エディブルフラワーの栽培、自生植物の採取を行っているのが、鴨川市にある「株式会社苗目」。
- 安全で安心できる食材としてのハーブやエディブルフラワーは、野原の環境に近い形で育てられ、フレッシュな状態で、ユーザーに届くようにしています。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- 千葉の良い土の中で、芽吹くのを待つイメージ。
2024/4/29 UP!
- 今週は
- 「千葉を世界に誇れるガストロノミー県に!」をコンセプトに実施された「第1回ちばガストロノミーAWARD」で、TOP30に選ばれた 飲食店・生産者にフォーカス!してご紹介します。
- 「一週間おでんでも 全然OK!」な中西悠理がご紹介しました、木更津市にある「さかなとおでん うおべぇ」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。
https://sakanatooden-uobee.com

- 木更津市の「さかなとおでん うおべぇ」は、名物の木更津おでんと日本酒や焼酎、美味しい鮮魚料理を 楽しめるお店。
- 沢山の人を「食」で幸せにしたいという想い、地域の方々に必要とされるお店したいという想いで、生産者とコミュニケーションをとりながら、地域の課題解決や活性化を目指して、日々メニュー開発に取り組んでいます。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- 一気に暖かくなってご機嫌です。
- (子供達をつついているわけではありません)
2024/4/25 UP!
- 今週は市川市から佐倉市にかけて魅力的なバラ園が集結するエリア「ちばローズ・ガーデン・ロード」をテーマにご紹介しています。
- 「成長が止まらない!」中西悠理がご紹介しました、佐倉市にある「佐倉草ぶえの丘バラ園」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。

- バラの歴史上貴重なヘリテージローズを収集保存していて、アジア初の「ハンチントン図書館、美術館及び植物園」の「殿堂入りバラ園」と、世界バラ会連合世界大会の「優秀庭園賞」をダブル受賞した「佐倉草ぶえの丘バラ園」。
- 15のコンセプトでデザインされた自然と共演する美しい庭園で、特に「歴史コーナー」は、バラの改良の歴史や流れを知ることができ、バラのその時代とともに変化した様が鑑賞出来ます。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- 光合成中。薔薇みたいに成長するかな?
2024/4/24 UP!
- 今週は市川市から佐倉市にかけて魅力的なバラ園が集結するエリア「ちばローズ・ガーデン・ロード」をテーマにご紹介しています。
- 「これからバラ色の人生が待っている予定!?」の中西悠理がご紹介しました、習志野市にある「谷津バラ園」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。
http://www.yatsu-rosegarden.jp

- 京成谷津駅から歩いて5分、自然豊かな谷津干潟に隣接する谷津バラ園は、習志野市市制50周年を記念して誕生したオリジナルの品種「ローズ・50ならしの」も見られる、市民の憩いの場です。
- 噴水を囲むように、およそ800品種7,500株のバラが咲き、長さ50mのバラの大アーチや大パーゴラ、「皇室・王室コーナー」など、テーマごとに植えられ、来園者を楽しませてくれます。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- 本日はシンラジオ関根さんの代打も担当させていただきます!楽しみだなあ。
2024/4/23 UP!
- 今週は市川市から佐倉市にかけて魅力的なバラ園が集結するエリア「ちばローズ・ガーデン・ロード」をテーマにご紹介しています。
- 「手間暇かけて育てられた!?」つもりの中西悠理がご紹介しました、「千葉市都市緑化植物園」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。

- 「バラ作り市民の会」と「千葉市都市緑化植物園」が一緒になって、大切に手入れを続けるバラは、園内の市民バラ園と円形広場で鑑賞できます。
- 「千葉市都市緑化植物園」は、都市緑化活動の拠点として、庭の見本園や温室、みどりの相談員の相談所、また「春のバラ展」や「バラ講座」(現在キャンセル待ち!!)などのイベントも多く開催されています。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!

- スタジオからの帰り道、芝生で新入社員さんたちがみんなでお弁当を食べていましたよ。私も新鮮な気持ちをお裾分けしてもらいました。笑
2024/4/22 UP!
- 今週は、市川市から佐倉市にかけて魅力的なバラ園が集結するエリア「ちばローズ・ガーデン・ロード」をテーマにご紹介します。
- 「もちろん 棘を隠し持っている!」中西悠理がご紹介しました、市川市にある「里見公園のバラ園」の情報は、以下のHPでご覧いただけます。
https://www.city.ichikawa.lg.jp/gre04/1111000001.html

- 戦後すぐ、国府台の式場病院の初代院長・式場隆三郎氏が、院内にバラ園を作り始めたのが、千葉県のバラ園の歴史の始まりです。
- その一部が時を超え里見公園に移植され、現在はスタッフや市民の方々によって、愛情たっぷりに育てられています。「里見公園バラ園」で由緒ある“バラのまち ”市川のバラ” をぜひご覧ください。
- 千葉県のさまざまな魅力を知って、一緒に千葉県を盛り上げていきましょう!


- 無心でスナックぼりぼり…
- 今日のスタジオにはおやつ大集合でした!
2024/4/19 UP!
東武アーバンパークライン野田市駅、今年3月に駅舎が新しくなりました。駅前の開発もいよいよこれからという感じなんです。今回は、そんな歴史のある街の中の昔栄えていたお店を改装、リノベーションして新たな形でスタートを切った古民家商店をご紹介したいと思います。

野田市は、様々なお店が古くから多くあり、江戸川や利根運河の水運などで栄えた醤油五大名産地の一つにも挙げられています。醸造関連遺産は近代産業遺産にも認定されています。
千葉を支えている大事な産業の一つですし歴史ある建物もたくさんあります。もちろん、街にもたくさんの人が古くから住んでいて、生活や仕事に必要な商店もたくさんありました。時代と共に再開発などが行なわれていますが、ところどころに、古くからの建物が残っていたりもします。そこをリノベーションして新たな形で再スタートさせた場所があります。
名前は「旧中村商店」と言います。この再スタートに携わった木全義将さんにこの建物との出会いからまずはお話伺いました。

木全さん:普段は美容室を千葉県野田市で経営してましてまあ美容師として活動しています。もともと美容室を経営していて、お客様として来ていた方が僕の地元の同級生のお母様で、そのお母様の方が持っていた土地が旧中村商店の場所であって、壊して更地にして建売っていうのはなんかちょっともったいないよねって話だったり建物なんとか再生できないかなというお話をで、その際に元々は古民家が大好きだったので、まあ、そういう古いものや街並みの雰囲気を壊さないようにして行くためには残そうということをイメージしまして、僕の周りに元建築士をやっている作家さんだったり、ものを作る人だったり、お店さんだったり何かをやりたいという方が周りにいましたので、その方たちに声をかけてみて復活させようかっていうところになりました。
もともとアンティーク家具など古いもの、人が使い込んだものに魅力を感じていた木全さん、同級生のお母様が「あの建物」の土地の所有者で、しかも、貸していた建物、つまり中村商店だった建物の活用方法を考えたいとお話ししたのがそもそもの気かっけというは、偶然の話ではありましたが、木全さんにとって、またとないチャンス、チャレンジの始まりだったんです。木全さん、この話を聞いていてもたってもいられなくなって、すぐに現地を見に行ったそうです。

木全さん:最初見たときは、中を見た時に正直ものすごい建物だなと僕からしてみたらお宝だと。見た目もすごく古いし、ある人が見たらただの産業廃棄物と思います。まあ、廃墟ですね。あの中に入るとカビ臭いし、誇り臭いし、猫も住んでただろうな。ネズミもいたかな。壁も壊れてるし、雨漏りもしてて、とにかく見る人が見たら本当に廃墟です。ただ、僕はやっぱり古い人が使って使って使って、もう使い古されたものに対しての愛情みたいなのが一つありましたので、また再利用する。それが古道具の感覚として。新しい使いかたを生み出すという価値観をもともと持っていたので、その価値観を生み出すっていうのを、古道具ではなくて大きい建物としてみたときに、ものすごく興奮しました。

他の人には廃墟に見えても、僕にとってはお宝だ!っていうのがいいですよね。それをリノベーションに長けた方などの協力を得て、再び使えるように復活させたんですね。そもそも中村商店というのは、もともと石炭などの燃料や農業関連の肥料、農薬などを販売するお店だったそうで、廃業してからだいぶ時間が経っていて、近所の方たちも、もうこのまま廃れていく、いずれ壊されるのを待っているものだと思っていたそうなんです。

この状況を知った木全さん、いろんな方に声をかけて、旧中村商店の建物復活とお店として息を吹き込むプロジェクトを早速開始します。現在では、アトリエや千葉セレクトショップ、カフェ、フローリスト、シェアキッチンなどが敷地内の建物に同居する形になっています。
ところで木全さんは美容室をやられているのですが、ご自身は入らなかったのでしょうか?
木全さんは、旧中村商店の中ではお店は出さず、外から見守る立場を取られています。自分の仕事はしっかり成立させた上でやっていきたいと考えておられるようです。さて、イオrンな仲間が集まりだしてリノベーションなどが始まると、街の人たちも興味を示すようになってきたそうです。

木全さん:地元の方なんかはやっぱり足を止めて、なんか始まったってなるとやっぱりちょっとのぞきこんでくれたりとか見てくれる方もいたり、ここ何か始まるのってやっぱり興味を持ってくださってましたね。何が始まるかっていう期待は町の皆さまにはあったんじゃないかなと思います。あの中村商店の立ち上げのコンセプトとしては、一つ、あの作家さんっていう、そのクリエイティブ感が一つ欲しかったんですね。それがあって初めて中村商店の意味が僕が成り立つと思っていて、そこで物を売るってよりは、そこで作品を作る人、一番そこに、僕は重きをおきたかったんですね。で、それでものを作ってる。っていうのがあることによって、シービーパックさんなんかは千葉で物を作ってる人の物を販売していたり、そういう作家さんの物を仕入れて販売していたり、そこで物を作る人が、例えばお花屋さんなんかはええとブーケ作ったり、アレンジメントつくったり、いろんなものを作って店内装飾をしたり、そういったものを、やっぱり人の手っていうのが入ることによって成り立って欲しかったですね。

左が木全さん。右が柿木さん。
木全さんのお話の中にシービーパックというお店の話が出てきましたが、こちらのお店、店主の柿木さんが、千葉県内の作った人の思いがたくさんこもった商品を自らセレクトして並べているお店なんです。このお店に並んでいる商品の話だけでも楽しい時間が過ごせるようになっているそうですよ。カフェがあったり、アトリエがあったり、様々な商売や制作のエネルギーが渦巻いている空間に旧中村商店は生まれ変わっていったということなんですね。
柏や松戸などの栄え方とは違い、ある意味、運よく残された建物がまだある野田市で、旧中村商店のようなプロジェクトが広がっていくと面白そうですね。でも、建物だけではなく、そこに人が介在していることが大事だと木全さんはおっしゃっています。それは野田に縛られないということなんだそうですが、、、

木全さん:野田市民だけでガチガチに固めるよりは、やはり僕の考えとしてはいろんなところに住んでいる方達に来て欲しいので、野田しばりではないものを作りたいなって言う意識がありました。まあ、その願いかなって。やはりいろんなところに声が通って野田市民以外の方々にも結局情報が流れるような仕組みっていうのも僕はあるんじゃないかなって。なんか面白そうだから、古いものが残ってるよっていう一度ちょっと足を運んでいただいて、街並みをぐるっと見渡していただきたいなと思います。歴史ある建物がかなり残っていますし、僕が生まれた頃から全く変わってない街並みやみち雰囲気がすごく残ってますので。そういった部分を楽しみながら眺めて歩いていただけたらと思います。

野田市にあるキッコーマン野田本社から徒歩1分のところにある旧中村商店。野田の街歩きの寄り所の一つとしてぜひラインナップに加えてみてください。
https://www.instagram.com/kyu_nakamurasho_ten




