2024/9/15 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、女優、そしてタレントとして活躍されている「長沢 裕(ながさわ・ゆう)」さんです。
長沢さんは、日本テレビの「ZIP!」でお天気キャスター、そしてNHK Eテレの「趣味の園芸 やさいの時間」にもレギュラーで出演されていましたよね。現在はYouTubeの人気ドラマ「おやじキャンプ飯」シリーズでもお馴染みです。
きょうはそんな長沢さんに、農作業体験や東京湾での釣り、そしてソロキャンプのお話などうかがうほか、番組後半では「日本シェアリングネイチャー協会」の事務局長「渡辺峰夫(わたなべ・みねお)」さんに加わっていただき、長沢さんの地元福島で開催するキッズ向けネイチャーゲーム・イベントについてもうかがいます。
もう一度、自然の近くに
※テレビの情報番組やドラマ、舞台、CMなど、幅広い分野で活躍されている長沢さん、出身は福島で高校卒業後、大学進学のために上京。私と同じ立教大学の同窓生なんです。
そして、大学在学中に初めて受けたオーディションで合格したWEB版「電波少年Tプロデューサーと行く 海外!究極アポなし旅」でデビュー。Tプロデューサーと一緒に世界を巡ったそうですよ。いきなり海外へ連れて行かれて、さぞかし大変だったんだろうな〜と思ったんですが、ご本人は楽しいロケだったとおっしゃっていましたよ。
●長沢さんは、生まれ育ったのが福島県伊達市、なんですよね。どんなところなんですか?
「伊達市は中通りのいちばん北部に位置する、宮城との県境の場所にあるんですけど、やっぱり第一次産業がすごく盛んです。
私が幼い頃から、祖父母が農業をやっておりまして、春になるとサクランボから始まって夏に桃が獲れて、最後はあんぽ柿という伊達市名産の果物があるんですけれども、そちらを生産していて、本当に季節の移り変わりを食だったり、果物で感じているような幼少期でした」
●素敵な場所ですね~。ということは、子供の頃は自然いっぱいの中を駆けまわるような、そんな少女だったですか?
「そうですね。それこそ家の前が小さな里山みたいな感じだったので、裸足になってフキノトウを採りに行ったり、山菜を採ったり、あと秘密基地を山の中に作って遊んでいました」
●すごく自然と距離が近い場所にいたわけですね?
「そうですね。はい!」
●で、高校を卒業されて、東京の大学に進学されたんですよね。東京での生活はすぐ慣れましたか?
「そうですね。すごく刺激的で楽しかったんですけれども、やっぱり自分が田舎が好きっていうのがあったので、ちょっと息苦しさを感じたと言いますか・・・、食生活とかもすごく荒れてしまって、そしたらお肌とかも荒れてしまったので、そこでやっぱり自然が近くにあった生活が、いかにありがたかったのかを感じるようになりました」
●離れてみて気づく、地元の良さというか・・・。
「そうなんですよ~。お野菜とかも安いお野菜ばっかり買うようになっちゃって、目の前の食卓がすごく白いお野菜ばっかりっていうか、もやしとか水菜とか大根とかばっかり買っていたら、あれっ!? 旬とかその時々に食べていた季節を感じる野菜がいつの間にか自分の食卓からなくなってしまったっていう感覚がすごくありました。そういうところからも、やっぱりもう一度、自然の近くに行きたいってすごく思うようになりましたね。
自然にすごく興味があったので、農家さんのところに行ってみようだとか、あと漁師さんのところに行ってみようっていうことで、岩手県釜石の漁師さんの、その当時はまだ仮設だったんですけど、泊まらせてもらって、ワカメ漁を手伝ったりとか・・・。あとは三重県美杉町にある農家さんのところに行って、1日中、芋掘りをするっていう体験をしていました」
●すごいですね~! 子供の頃の、伊達市の経験が役に立ちそうな感じもありますね?
「そうですね。やっぱり自然とのつながりを感じるっていう部分では、“食”ってすごくわかりやすいなって思っています。自分も今一度、自然とのつながりを思い出したいなって思った時に、やっぱり目の前にある食べ物がどこから来て、誰がどんなふうに作っているのかっていう、その現場を見たいなって思っていました」
農作業に釣り、自然とつながる
※長沢さんのプロフィール欄に、趣味として「農作業、釣り、キャンプ」などが書いてありました。ここからは、そんな趣味についてうかがっていきたいと思います。まず、農作業なんですが、大学時代に経験されたそうですね?
「そうです。はい!」
●大学時代に農作業って、どういう経緯で、そういう経験につながったんですか?
「上京してから食生活が乱れてしまったっていうのがあって、もう一度目の前にある食がどこから来ているのか、誰が作っているのかを知りたいっていうふうに思って、よし! これは農家さんのところに行ってみようって考えていた時に、ちょうどゼミの先生からご紹介があって、三重県美杉町にある農家さんのところへ行ったんですね。
そこが、すごくニッチの話になってしまうんですけど、自然農を営んでいたかたで、その考え方とか、単に農産物を作るというよりも生き方として(農業を)やっているかただったので、その考え方に触れられたというのも、すごく衝撃を受けたとともに面白い体験でした」
●なんでそもそも農作業体験を? そういうつながりがゼミであったんですね?
「そうです。ゼミがもともと埼玉県の小川町って有機の里で有名な、『オーガニックタウン』っていう形で、今すごく移住者も増えている場所なんですけれども、そこで活動していて農家さん、それこそそこでも農家さんの田植えを手伝ったりだとか・・・。あと『小川町オーガニックフェス』っていうフェスの実行委員などもさせてもらっていて、そこでそういう世界にさらに興味がわきましたね」
●今でもつながっていたりするんですか?
「つながっていますね。その『小川町オーガニックフェス』で出会ったのがご縁で、そのイベントが環境省さんも後援に入ってくださっていたんですね。そのつながりで今でも、環境省さんの『つなげよう、支えよう 森里川海プロジェクト』というのがあるんですが、そこでアンバサダーをさせてもらっています」
●すごい! そうなんですね~。
「はい!」
●長沢さんのブログなどを見ると、最近は釣りにもハマっているんですよね?
「そうですね。釣りは全くの素人だったんですけども、番組の中で体験させていただくようになったので、本当に初めての釣りから、ひとつひとつ積み重ねていく模様を、まさにその番組の中で見ていただけているというか、そういう感じですね」
●私も一度だけ船に乗って、東京湾で釣りしたことがあるんですけれど、改めて釣りにはどんな魅力があると思われますか?
「東京湾は、すごく豊かな漁場が広がっているんですけど、どっちかって言ったら、私は東京湾で釣りってイメージがあんまりなかったんですね。でも、フグだったり、キスだったり、アジだったり、いろいろ釣ったんですけれど、自分たちが食べている魚が、こんなに近くの海から獲れているんだっていう実感もわきましたね。
自分のキーワードの中で、自然とのつながりって、やっぱり人間が生きている上で、みんな外せないものだけど、それってちょっと忘れがちになっちゃうことだとも思うんですね。そのつながりを取り戻していくことが、私は生活の豊かさとか自分の中身の豊かさにもつながっていくんじゃないかなって考えています。
やっぱり釣りは“釣って自分で料理して食べる! あのキラキラした海から獲れた魚!“、それが自分の体の一部になっていくみたいな、その流れをすべて体験できるのがすごく魅力だなって思っていますね」
友達と行くソロキャンプ!?
※長沢さんは、YouTubeドラマ「おやじキャンプ飯」シリーズにレギュラーで出演されていますが、以前からキャンプはやっていたんですか?
「そうですね。子供の頃から父と一緒に家族みんなで(キャンプに)行っていました!」
●キャンプ用のグッズも、ひと通り揃えていらっしゃるんですね?
「そうですね。実家には父が昔から集めてきた年季の入ったキャンプ・グッズがありますし、あと自分ではソロキャンプしたいなって思って、ひとり用のテントを買って・・・」
●そうなんですね~。
「はい、リュックの中にすべて詰めて行くぞ! っていう感じのキャンプ用品を買いました」
●まだソロキャンプはされてはいないんですか?
「2回行きました! なかなか行けてなくて、まだ2回なんですけど・・・」
●もう行かれたんですね! どうでした、ソロキャンプは?
「ソロキャンプは2回行って、友達と行くんですけど、でもソロなんですよ。行くまでは一緒なんですけど、キャンプ場で別れて、ひとりひとりテントを張って、ご飯を食べてっていう感じなんですね。今は“グループキャンプ”って言うんですかね? それなんですけど、すっごく楽しいですよ! やっぱり夜空を眺めながら食べるご飯とか、あと夜の静けさとかはやっぱりキャンプ場じゃないと感じられないなと思いますね」
●そうですよね~。お友達といろいろ喋りながら見るわけじゃなくて、ソロキャンプそれぞれのキャンプだから・・・。
「そうです!」
●自分で見たい時間に星空を見て・・・。
「そうです! もうひと言も喋らないですね (笑)。次の朝、荷物をまとめるまでひと言も喋らなかったです(笑)」
●キャンプのどんなところに魅力を感じますか?
「やっぱり『おやじキャンプ飯』を観ていただくと、特に感じられると思うんですけれども、焚き火のはぜる音だったり、ただ無心で焚き火を眺める瞬間だったり、星を見上げる瞬間だったり、風の音を聴く瞬間だったり・・・キャンプを始めて時間が経つにつれて、五感が解放されていく感覚ってすごくあって、それは体験しないとわからないですし、体験すると病みつきになっちゃうなって思います」
●おすすめのキャンプ飯とか、定番のキャンプ飯っていうのはあるんですか?
「これはやっぱり友達と行った時にやるのが楽しいんですけれど、ちっちゃいスキレットを持っていって、アヒージョをするのがすごく好きですね。アヒージョって何入れても美味しいじゃないですか! なので、その土地のお野菜とか直売所で見つけたお野菜だったりを買って、アヒージョを作るっていうのがすごく好きですね」
『シェアリング・ネイチャー・ウィズ・チルドレン』
※ここからは「日本シェアリングネイチャー協会」の事務局長「渡辺峰夫」さんに加わっていただきます。
長沢さんは地元福島で、キッズネイチャー倶楽部のプロジェクト・リーダーを担っていらっしゃいます。その倶楽部を始めたきっかけや、活動内容などをお話いただきました。
長沢さん「もともと私が日本シェアリングネイチャー協会さんのリーダー養成講座を受けさせていただきまして、それがすごく楽しかったんですよね。自然の中で様々な体験を、ということで、ちょっとしたゲームをするんですけれど、それをぜひ福島にも広めたい! もともと福島にもあるんですけど、もっと活発に子供たちと一緒にネイチャーゲームで遊べたらなって思って、こういう活動をしたいんです! っていうような話をいろんなところでしていたんですね。
その中で昔から私のことをすごく応援してくださっていたかたが手を挙げてくださって、福島テレビさんとも組んでやらせていただくことになりました」
●何かコンセプトのようなものはあるんですか?
長沢さん「これはちょっと個人的な思いにもなってしまうんですが、やっぱり私自身小さい頃、自然の中で遊んでいた体験が、大人になってからもすごくキラキラした思い出として残っているんですね。
それって子供の頃は当たり前にあった風景、たとえばフキノトウを採った思い出とか、すごく暑くて、でも秘密基地を作っていたら、すごく爽やかな風が吹いていったとか、そういった体験が大人になってからも素敵だったな~って思うので、そういうのを子どもたちと一緒に、子どもたちの中にも共有できたらなって思って始めました」
※ネイチャーゲームという名前を初めて聴いたというリスナーさんもいらっしゃると思いますので、改めて、ネイチャーゲームとは何か、ご説明いただけますか?
渡辺さん「ネイチャーゲームは、1979年にアメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネルが書いた書籍『シェアリング・ネイチャー・ウィズ・チルドレン』、これは“子どもたちと自然を分かち合おう”というタイトルの書籍なんですけども、その中で発表された自然遊びのプログラムになっています」
●具体的にネイチャーゲームは、何種類ぐらいあるんですか?
渡辺さん「今、登録されているゲームは166あるんですね。これはいちばん最初に書かれた本に入っていたものが166なのではなくて、その後に、たとえば日本で“これ、ネイチャーゲームにならないかな?”っていうのを応募してもらって、いろんな段階を経て“これはいいぞ”というやつをネイチャーゲームとして新しく登録しているので、166のうちの半分ぐらいが日本で生まれたネイチャーゲームになっています」
オリジナルのネイチャーゲーム「いろいろ鬼」
※長沢さんがプロジェクト・リーダーのキッズネイチャー倶楽部で、もうすぐイベントを開催するんですよね?
長沢さん「これは子どもたちと一緒にネイチャーゲームを通して、自然の持つ様々な表情だったりとか不思議とか、あと自然の仕組みを学んで、普段気づかないような発見だったり、自然とのつながりを感じましょうというようなものなんですね。
(イベントの)日程をお知らせしますと、9月28日に『ふくしま県民の森 フォレストパークあだたら』、10月6日に『国立磐梯青少年交流の家』そして11月2日に『福島県いわき海浜自然の家』で行ないます。詳しくは『福島キッズネイチャー倶楽部』で検索していただきたいと思います」
●どんなネイチャーゲームをやるのかっていうのは、もう決まっているんですか?
長沢さん「はい、決まっていますね」
●ちょっと教えていただいてもいいですか?
長沢さん「はい、大丈夫です! 何がいいですかね・・・今回『生き物ビッグパズル』というものをやるんですけれども、これは大きなパズルがひとり1枚配られて、それをみんなで完成させるっていうようなものなんですね。
あとは『カモフラージュ』っていうものもやるんです。これは自然の中にちょっとした人工物だったり、自然の中にもいるようなカマキリのフィギュアみたいなものだったりを隠しておいて、それをみんなで列になって、静かに目を凝らしながら探していくようなゲームもやったりします」
●渡辺さんも、そのイベントのサポートをされるんですか?
渡辺さん「はい、私はプログラム作りのサポートをさせていただくんですけど、福島県にいるネイチャーゲームの仲間が長沢さんと一緒にプログラムの指導をすることになっています」
●長沢さんが考えたオリジナルのネイチャーゲームもあるんですか?
長沢さん「基本は(日本シェアリングネイチャー協会の)ネイチャーゲームから選ばせていただいて、アレンジは渡辺さんと一緒に考えさせていただいたんですね。今回はその中でもあれですね・・・『いろいろ鬼』!」
渡辺さん「ああ~!」
長沢さん「これは渡辺さんと話している中でできた遊びで・・・いいですかね?」
渡辺さん「そうですね、はい! いいですね!」
●いろいろ鬼?
長沢さん「はい! これは昨年(イベントを)実施させていただいた時に、最後に子供たちが、最初はみんなちょっとよそよそしいんですけど、ネイチャーゲームを体験していく中で、最後はもう友達みたいになって、いつの間にかみんなで遊び始めるんですよ。その時に“色鬼”を始めたんですよ。
その体験がいちばん、私の中ではやってよかったなというか、こうして人が自然につながって、最後はみんなで遊ぶってすごく素敵だなっていう話を渡辺さんにした時に、“その色鬼、いいかもね!”っていう話をしてくださったんですね。
色鬼ってみなさんご存知だと思うんですけれど、鬼が色を言って、鬼に捕まる前にその色にタッチしたらセーフっていう遊びじゃないですか。その色を言うだけじゃなくて、いろいろなもの、たとえば・・・“チクチクしたもの”とかでもいいかもしれませんし、秋口にやるんであれば、“黄色い葉っぱ”とかでもいいと思うんですけね。そういったいろいろなものを鬼が言って、それを鬼に捕まる前にタッチしてもらうっていうような『いろいろ鬼』を考案させていただきました」
「心の自然」を豊かに
※では最後におふたり、それぞれお聞きします。これまで自然の中に身を置いて、どんなことを感じ、何か気づいたことはありましたか?
長沢さん「私は悩んだ時とか、ちょっと心がモヤモヤした時に自然の中に行くんですよ。それは家の近くで、ただ空を見るでもいいですし、温泉に入りに行くとかもそうなんですけれども、なんて言うんでしょう・・・やっぱりゆっくり自然の中に浸っていると自分を取り戻すことができるんですね。
日々から離れてちょっとゆっくり考える時間を持つとか、それこそ自分の感覚を研ぎ澄ますこととか、それってすごく豊かになるなって思っていて、私は『心の自然』っていう言い方をしているんですね。
やっぱり心の自然が豊かになればなるほど、何か自分が疲れてしまった時とか、あと大変な時にちょっと思い出すだけで、すごく“心の栄養”になると言いますか、自分を支えてくれるものになるなと思っているので、これからもたくさんいろんな経験を自然の中でしていきたいなと思っています」
●渡辺さんはいかがですか?
渡辺さん「はい、自然って言うと大自然みたいなことをイメージするじゃないですか。なので、そういった大自然の中に行って、すごく安らぐなって思われるかたはたくさんいらっしゃると思うんですね。でも、実は自然って大自然ばかりじゃなくて、植木鉢の花とか、あとは車がたくさん通っているところの横に生えている街路樹とか、そういったものも自然なんですよね。
そういう自然に気づけた時に、自然からも安らぎを得られるみたいな、そんなふうになってもらうといいなと思っていて、私自身が昔はそういうことは感じなかったけども、ネイチャーゲームを知って感じられるようになったので、そう思っています」
INFORMATION
長沢さんがプロジェクト・リーダーの、福島の未来を作るプロジェクト「キッズネイチャー倶楽部」のイベント、日程や場所などをおさらいしておくと・・・
9月28日(土)「ふくしま県民の森 フォレストパークあだたら」、
10月6日(日)「国立磐梯青少年交流の家」、
11月2日(土)「福島県いわき海浜自然の家」、
いずれも午前10時から。各回・定員は80名、参加費は無料です。参加ご希望のかたは、締め切り間近の回もありますので 早めにチェックすることをお勧めします。参加方法など、詳しくはキッズネイチャー倶楽部のオフィシャルサイトをご覧ください。
◎キッズネイチャー倶楽部:https://kidsnatureclub-ftv.jp
「日本シェアリングネイチャー協会」主催のイベントも来月開催されます。毎年10月の第3日曜日は「全国一斉シェアリングネイチャーの日」で、今年は10月20日(日)の開催となっています。今年のテーマは「はっぱで遊ぼう!」。はっぱや落ち葉を使った遊びが、順次サイトで紹介されていますよ。
参加方法など、詳しくは公益社団法人「日本シェアリングネイチャー協会」のオフィシャルサイトを見てください。
◎日本シェアリングネイチャー協会:https://www.naturegame.or.jp