2022/6/17 UP!
第102回でご紹介するのは、柏の「葉生姜」です。生姜というと、刻んで薬味にしたリ、おろして下味をつけるときに使ったり、ちょっと黄色がかった根っこの部分を食べる「根ショウガ」を良く見ますがこれは、収穫した生姜を保存して寝かせたもの。掘り出したばかりのものは「新生姜」ですが、「葉生姜」というのは、なかでも小さく柔らかいものを若どりした 葉っぱがついた状態で出荷されるものです。

そこで今回は柏市逆井で現在3代にわたって葉生姜を作られている日暮光次さんにお話をお聴きしました。日暮さんはJAちば東葛「ふたば青果物出荷連合会」の会長で、葉生姜部会の会長も務めていらっしゃいます。

日暮さん:
親の代からやって自分も始めて50年です。その後、せがれ・孫まで三代でやってます。現状はこの地域で30軒ぐらいです。いや、高齢化でだいぶ減りました。あとタネ生姜の不足でだいぶ減りました。50人から60人ぐらいいましたね。2月下旬にタネ生姜の植込みの準備を始めて、9月中旬まで出荷しています。出荷は6月に入ってから出荷始めています。「かしわで」という直売所に出荷しています鮮度が一番ですね。瑞々しくて、全然乾いてないやつが、それが食べれば辛味もなく水分が充分にあって・・・それは食べればわかってもらえると思います。

はい、さらにタネ生姜を仕入れる先の農家さんも高齢化などで減ってきてしまっているそうなんですよね。ちなみに今、日暮さんのお話にあった農産物直売所「かしわで」は、かぶやねぎなどの地元で採れた新鮮な野菜や果物が並び、午前中に品薄になってしまうこともあるほど人気の直売所で、柏駅から車で10分ほどのところにあります。ところで「葉生姜」って流通がいきわたる前は今と違う食べ方をされていたそうなんです。

日暮さん:50年、その前は親なんかの頃は、根生姜が主流だったんですが、50年代、自分が初めてから、10年ぐらい15年ぐらい経ってからかな、大体スーパーが増え始まったし、その前は大体料亭ばかりで販売されていってたんです。料亭では葉生姜の天ぷらということで、生姜の部分だけを油で揚げて葉の部分を持って食べられていたみたいです。非常に好評でした。それがスーパーができるとともに、スーパーにも並ぶ量販店に並び、一般の人にも回るようになったんです。今消費量はだいぶ少なくなりました。若い人が食べれなくなっちゃったというのが、市場で言われる原因なんですが、我々としてはただ味噌をつけて一番簡単な食べ物だと思うんですが、なんでそれを食べてくれないのかなという不思議があります。

みずみずしさと歯応え、そして爽やかな辛みが魅力の柏の葉生姜。消費量が落ちてしまっているということで、生産者の方もいろいろ努力していらっしゃるようです。どんな風に食べたらおいしいのか、教えていただきました。
日暮さん:スーパーに販促なんかに行くと、朝獲って持ってったやつを食べてもらうと、これは全然味が違うっていうことで、喜んで食べてもらえるんですが、鮮度は葉先なんか見てもらえば全然緑で水気があって、それは見てもらえばわかると思うんですが、やっぱり白さが一番ですかね。消費が落ち込んだということで、農協でレシピを作成して、それを各市場とかに配布したりしております。中でオススメなのは、「しょうがご飯」とかがお勧めなのかなと思います。葉生姜とツナ缶の炊き込みご飯は、非常に美味しいです。釜の中に米を入れて、葉生姜、ツナ缶、醤油、みりんを少し入れてもらってスイッチを入れれば出来上がりです。簡単ですよね。非常においしいです。KOUSAKUさん、中西さん、私たちの作った非常に美味しい生姜を届けましたので、ぜひ食べてみてください。

ということで、スタジオに葉生姜を送っていただきまして、食べました!

新鮮な葉生姜の見分け方は、葉先のみずみずしさと、根の部分の色の白さ。黄色がかっているものは、乾燥して水分が足りないか、時間が経ってしまっている可能性があるとのことです。

ツナと葉生姜の炊き込みご飯。
葉生姜の根の部分をスライスしたもの、
ツナ缶、
しょうゆ少々、
お好みで味醂を入れて炊飯器で普通に炊けばOKです。
炊き上がって蓋を開けた時の香りがたまらないそうですよ。これからの季節、暑さで食欲が落ちてしまったときにもおすすめです。
最後に、日暮さんに美味しい葉生姜を育てるために気をつけていることと、メッセージをいただきました。
日暮さん:農家は自然相手ですので、葉生姜も露地栽培は非常に大変なんです。乾燥とかによって、生育がだいぶ違ってしまいますので、その辺が一番難しいところです。生姜は水分が命なんです。機会があれば、皆さんが直売所に行ったら直売所にあると思いますので、そこで一度買って食べてもらえばより新鮮なやつが食べられると思います。「かしわで」に自分の卸している直売所がありますので、そこでぜひ買って食べてもらえばわかると思います。毎日朝、直売所に出荷していますので「かしわで」で 食べて買ってください。

葉生姜農家さんの数は減っていますが、日暮さんをはじめとする葉生姜部会のみなさんで頑張っていらっしゃいます。作り続けていただくためにも、ぜひ召し上がってみてください。日暮さんの葉生姜は、柏の「かしわで」の他、船橋の農産物直売所「ふなっこ畑」にも出荷されているそうです。葉生姜の炊き込みご飯のメモなど情報番組ブログに載せておきますのでぜひチェックしてください。葉生姜の美味しさを実感するにはとにもかくにも新鮮なものが一番、ということなので、スーパーなどでも千葉県産の新鮮なものを探して 食べてみてくださいね。