三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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第133回:老舗料理店が手掛ける絶品ジビエ「ジビエジャポン」

2023/1/20 UP!

今週のテーマは、千葉のジビエ、です。千葉県は山間部を中心に猪や鹿などが生息していて、農作物等への被害が問題になるなか、「有害鳥獣対策」として駆除が行われているんですが、そのお肉はあまり活用されることがなかったんです。今回はコロナを機にジビエ料理開発に取り組む茂原の料理店主の挑戦をご紹介します。

房総半島の中央部、茂原市にある「竹りん」は40年以上の歴史がある老舗の日本料理店。でも、こちらのご主人 新沢敏夫さんは、今注目を集めているジビエ料理の仕掛け人でもあるんです。新沢さんに まずはジビエ料理との出会いについて伺いました。

新沢さん:株式会社竹林の新沢敏夫と申します。最近ではジビエジャポン本部を立ち上げまして、ジビエに専念しています。これ面白いきっかけで。千葉ロッテマリーンズで私どもが店をやってるんですが、そこにたまたま千葉ロッテマリーンズの瀬戸山さんという社長さんが「もっとうちの選手に元気づけてあげたいから、この千葉のイノシシを作って、猪突猛進なんだから、猪突猛進のそういうカレーでも作ってくれないか」っていうのが一つのきっかけだったんですね。もう10年ぐらい前になりますが、カレーを作りました。パッケージにつめまして、マリンスタジアムで売っておりました。結構作ったものはほぼ完売になりました。一回、それが全部パッケージがなくなってそこで終わりにいたしました。4、5年はやってたっていうふうな考えております。 

カレーは人気だったんですが、猪肉が安定して供給されないなどの課題もあって、一旦プロジェクトは終了しました。その後新たにジビエの話が新沢さんに舞い込んできます。

新沢さん:警備会社のALSOKさんが、たまたま狩猟が好きな方がいらして、こちらでALSOKさんは死んだイノシシをですね、廃棄だけをしてたらしいんですね。せっかくするなら、どこの県でもやってるんだから、それを食肉にして工場作ってやったら面白いんじゃないかなって話があって、それを茂原市に(ALSOKが)相談に行った時に、茂原市とALSOKさんの方で「どっか猪を扱ってくれる店」販売をしなきゃいけないんで。作っても販売をしなきゃいけないから初めてお会いしまして。作ってるんですよ、こうですよ、なんて話があって。ALSOKさんも工場作るのは2年ぐらいかかった思いますけど。せっかくだからうちの方で猪の加工品を作りながら・・・ハムだとかソーセージとか、あとハンバーグだとか。皆さんのイノシシの被害が少しでも和らげるような、こう売っていったらいいんじゃないかなという事で。まさか本格的にやって思ってなかったんですけど。じゃあ片手間でやってみようかなんて、、感じで始めたのが、たまたまのきっかけですね。

猪や鹿といった野生動物による深刻な被害から農家さんの財産である農作物を守るのも警備の仕事、と、その駆除や処理を請け負っていたALSOKさんが、茂原市に食肉加工施設「ジビエ工房茂原」を設立。国際的な衛生管理手法である「ハサップ」に基づいた施設で、解体から食肉処理、検査、真空パック、商品発送までを一貫して行っています。そして、その徹底管理された安全で美味しいお肉を材料に料理のプロである新沢さんたちが美味しい製品にしてご家庭に届ける、素晴らしい取り組みがスタートしました。でも、最初から順風満帆とはいかなかったようです。「ジビエ工房茂原」の徹底した衛生管理と最新の設備によって、高品質の食肉が安定供給されるようになって、日本料理「竹りん」さんでも本格的にジビエ料理が提供できるようになりました。実際反響はどうだったんでしょうか。

新沢さん:(コロナ前の)12月頃まだコロナのなかったんですが、宴会に「ジビエ」を、鍋料理を入れたんですね。すき焼きっていう形でやって。でそこに注意書きで「ジビエを食べられない方は、豚とか鶏肉に変更致します」ってしたら、なんと八割からのかたが皆さん「変更してください」って話で。これじゃ売れないよねなんて話がずっとその頃はして。で、また急にコロナになってまったく売り上げもないし、毎日が暇で暇で。せっかくだから、ジビエ料理をこれを本格的に暇な時を利用して、みんなで新しいものやるぞということでECサイトを乗せるとか、あと茂原市等のコンソーシアム事業さんとやって茂原市も全面応援してくれるし、県も応援してくれますし、農水省さんの方も非常に応援してくださったので、よし、じゃあやろうってことで。本当これ、暇がなければね、まず99%ジビエをやるなんてことはなかったと思います。 

この食肉加工施設で扱うジビエ肉は、すぐに処理を行なっているので、その「臭み」もほとんど感じないそうです。KOUSAKUさんがよくやる「釣り」でも釣り上げたお魚の処理によって味が違う、なんていいますよね。新沢さんは、この美味しいジビエ肉をさらに人気の商品につなげていくために、コロナ禍の期間、さまざまなレシピを考えて作っていたそうです。そしてジビエ工房から供給される高品質のジビエ肉を竹りんさんが精肉、加工して、一般家庭でも美味しくいただけるようにして販売しているのが、「ジビエジャポン」という通販サイトなんです。

https://gibier-japon.shop-pro.jp/

今回はスタジオでも試食しました。新沢さんは、これから茂原のジビエをもっと多くの方に食べてもらうためにどうしたらいいか、こんなことを考えていらっしゃるんですよ。 

新沢さん:やはり一番大事なのは、小さい頃からこう食べて違和感がない。「おいしいんだよなあ、こういうんだなあ」っていうのを食べることによって、よく、東北地方とか岩手とか熊を食べたり、それが給食に乗ったりとよくテレビでやってます。ただ、まだこのジビエをやってという話が、この間も教育委員会の方と話したんですけど、まだそこまでは親御さんの関係もあるし、なかなか子供さん。という事はどうしたらいいかなあとよく考えてみると、やっぱり、小さいうちからいろんな茂原市内の飲食店なんかみんな扱ってくれて、そこで常に食べて。で家庭でも買って食べてくれるようになっていれば、今後のジビエ需要がますます皆さん増えて。それがなおかつ最終的にSDG‘sという、困ったのを食べて、それを恵みを食べてというような形に山の恵みですね。それを食べているような形になるなるんじゃないかなとおもって。そこまでちょっとジビエの普及っていうんですかね。そういうところにちょっと頑張ってみたいなあなんて思っているんですが、はい。

以前、この番組で千葉市動物公園で千葉県でとれた猪などの肉をライオンなどに与えるという話をしましたが覚えていますか?野性を取り戻すきっかけになればということで、ときどきそういう餌を与えているという話 ですが、その肉がここで処理された物なんです。新沢さんは、そのほかジビエの皮を使った革製品などの開発や、ジビエをペットフードにする計画もして、害獣として処分するだけだった鹿や猪を活用する取り組みを進めてらっしゃいます。興味がある方、まずは、茂原の竹りんさんに足を運んで召し上がってみてくださいおいしくてヘルシーなジビエ料理を食べることでSDGsにもちょっと貢献できますよ!

https://gibier-japon.shop-pro.jp/

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