2023/10/13 UP!
アップサイクルという言葉、ご存知でしょうか?
本来であれば、廃棄されてしまうようなものに手を加えることで価値をつけ、新しい製品へ生まれ変わらせることです。持続性や循環型が求められるようになって、今注目されているんです。リサイクルとも違って、素材をなるべくそのまま生かすことで、地球にかける負荷も減るといわれています。今日は、千葉県南東部に位置する睦沢町で、ひょんなことからできあがった、睦沢町のおいしいアップサイクルスイーツをご紹介します。
ご紹介するのは千葉県睦沢町にある「フエゴ・インターナショナル」がアップサイクルで作り出した美味しいジェラート。

「-10℃ Mutsu Boshi Gelato」
テレビでも取り上げられて話題の会社なんですが、実は、このジェラート、誕生までの過程がユニークなんです。
この名前にあるムツボシですが、この地域で栽培されたさつまいもをじっくりと寝かして糖度を高め、睦沢町の地下の天然ガスを利用しさつまいもを蒸かし、乾燥機に入れて「ほしいも」に仕上げたものです。その美味しさから、大変人気になっています。まずはその開発に至るまでのストーリーをフエゴインターナショナルの山下純市さんにお話伺いました。

山下さん:我々がメインでやってるのは地域から発生する食品ロス、そういったものをコオロギの餌にして、コオロギを育てます。まあ、このコオロギを食用だったり、家畜の飼料だったりというものに使えるように研究したりします。いろんな食品工場からですね食品残渣(ざんさ)を集めてるわけなんですけど。まあ、そういった中で睦沢の町内に睦沢郵便局がありまして、ここは今「干し芋」を作ってるわけなんですけど、この「干し芋」を作る時に発生する、残渣というかいうものをコオロギの餌にできるかもしれないよね、って話をしてたんですね。コオロギに与えるより、人間が食べた方がおいしいよねっていうようなものがあって。それで まあ、いろいろあの商品できるかなっていうので考えて企画しました。

コオロギの養殖は、フエゴ・インターナショナルが2年前に始めて、その餌として、料理や加工品を作るときなどに出る不要で捨ててしまう部分・・「食品残渣」を有効活用していたところ、郵便局が作っていた人気商品の干し芋工場から、「コオロギが食べてくれるなら」ということで「干し芋の残渣」が持ち込まれたんです。そのコオロギの餌になるはずのモノが、突然、方針転換をすることになります。

山下さん:実際、まあ、その郵便局から出てくる干し芋を加工する時の残渣って色々あるんですけど、今回我々がジェラートに使ってるのは、いわゆるその干し芋を最後、いわゆるパッケージする時に形を整えるためにカットしたようなもので、干し芋の切りカスみたいなものなんですね。 商品として出されているものと同じもので、これは 我々としてはジェラートにしたらおいしいなと思ったんですけど、実際、最初はコオロギに与えようと思ったんだけど、干し芋ッてブヨブヨしてグミみたいな感じでこのままじゃコオロギが食べれないなあ、ちょっとこれゼリーみたいにしたらコオロギが食べるかなってことで鍋で水分加えてペーストにしたんですね 。そしたらすごく美味しい匂いがしてるんですよ。
で舐めたらとてつもなくお芋の甘さがすごくあってすごい美味しいペーストなんです。 これは。 コオロギの餌じゃなくて 食品として使ったほうが、なんか美味しいものができるんじゃないかなっていうがきっかけです。
睦沢町の郵便局が作っている干し芋の残渣から美味しい干し芋ペーストを作り出すことを始めたフエゴ・インターナショナルですが、今日のお話はジェラートです。この話がどうやってジェラートに結びついていくのでしょうか?
スタジオではそのジェラート、いただくことができました!

ひょんなことから生まれたお芋のジェラートが大ヒットしましたが、山下さん、睦沢町への想いを語ってくれました。

山下さん: どっちかというと、外房よりなんでしょうかね、人口7000人もいない小さな町なんですね。千葉県の中でもなかなか睦沢どこだっけ? って言われるようなところなんですけど。僕はまだここに移住してきて2年半ぐらいなんですが、なんかもっともっと睦沢のことをいろんな人に知ってもらいたいなという気持ちはすごくあって、その中で僕たちが何ができるのかというのが今後の課題だったりするし、いろいろワクワクすることもある。 これからですね、千葉大学さんと一緒に干し芋を作る時の残渣を使ってクラフトビールを作ろうということになりまして、今年の発売無理なんですけど、これからそのクラフトビールの開発と一緒にやっているので、まあ今後ビールが遠くない未来に世の中に誕生すると思います。
実は、山下さん、最近は「紅はるか」をご自身でも作り出したそうです。それを郵便局に出荷して、その芋で干し芋ができて、その残渣が自分達のところに帰ってきて、それを原料にジェラートができるというサイクルが始まるようです。
「-10℃ Mutsu Boshi Gelato」は、睦沢町のふるさと納税の返礼品になっています。購入はフエゴインターナショナルのECサイトからのお取り寄せや、睦沢町の道の駅「むつざわ つどいの郷」、長柄町の「ながら太陽ファーム」でも販売されています。そして以前、この番組でご紹介した千葉大学の萩原学教授、覚えていますか?千葉大学で学生とともにクラフトビールを作るプロジェクトに取り組まれている方なんですが、この萩原教授と山下さんが今、干し芋のあまーいペーストをベースにビールをつくってしまおうというチャレンジを始めようとしています。こちらも楽しみですね。ジェラートを食べてみたい方だけでなく、アップサイクルや地域貢献に興味を持たれた方、ぜひチェックしてくださいね。
購入などの情報は
-10℃ Mutsu Boshi Gelato
もしくは
「睦沢町 干し芋 ジェラート」
で検索してみてください。
睦沢町にある
道の駅 むつざわ
でも販売しています。