三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

読書の秋 大地の中で本を読む、クルックフィールズ「地中図書館」

2023/10/20 UP!

読書の秋とよく言いますが、ちなみに読書の秋というのは夏目漱石の名作がルーツなんだそうです。その昔、韓愈という唐の文人が詠んだ漢詩の中で「秋は過ごしやすい季節だから、夜には明かりを灯して読書をするのに最適だ」という表現があって、これを夏目漱石が小説「三四郎」の中で引用したことで、秋は読書をする季節というイメージが広がったといわれています。今回は、その読書をするのに素晴らしい環境。ちょっと変わったつくりの図書館をご紹介します。 

今回ご紹介するのは、木更津市のかずさアカデミアパーク南側、大な自然に囲まれた「クルックフィールズ」に、今年2月にオープンした地中図書館です。まずは広報の小林真里さんにクルックフィールズという場所について伺いました。

小林さん:(クルックフィールズって)どういう施設なの?ってよくお客様にきかれて、一次産業を中心に農や食、それからアート、自然を感じられるサステナブルファーム&パークとお客様にはご説明しています。2010年から農業から始まった場所でして、最初に有機農業を始めて、その次に鶏を飼い始めて卵の生産を始めて。そこからお客様がそういった生産現場も楽しんでいただけるような訪れられる場所に育てていくということで2019年にクルックフィールズとしてお客様をお迎えする場所をオープンいたしました。休日ですと季節のいい時は一日400人、500人ぐらいのお客様に来て頂いてまして、ここで採れたもの野菜やチーズや卵を使って楽しめるダイニングレストランですとか、宿泊施設、パン屋さんとかシフォンケーキ屋さんとか店舗も入ってます。 

30ヘクタールの広さがあるこの施設を手掛けたのは、Mr.Childrenのプロデュース、自らもBank Bandのメンバーとして活動をする音楽家の小林武史さん。「農」「食」「アート」の3つのコンセプトを軸に、これからの人や社会の豊かさを提案する施設として、2019年にクルックフィールズが誕生。コロナ禍には『APバンクフェス2021』の無観客ライブもここから配信されました。農業をはじめいろいろな体験や、ここで獲れた作物からできた美味しいものを食べたり、買える施設から宿泊までさまざまな過ごし方ができるクルックフィールズの中に今年の2月16日にオープンしたのが地中図書館なんです。

小林さん:未来に続いていく場所を次世代に残していこうっていうことも、運営の目的の一つとして掲げているので、人間の歴史というか,をたどっていくときっと体を動かしてうまくいかないこととか、わからないことができた時に、雨の日に、みんなで考えて。晴れてるときはまた体動かしてこうやったらうまくいくんじゃないかっていう、そういう「体を使ったこと」と「頭を使ったこと」を繰り返して、きっとここまで発展してきたっていうふうに思っていまして、そういう場所を作ろうっていうのが最初のきっかけですね。自然の中で考えるっていうこともすごく大事な要素だと思うので、あまり、自然をぶった切って縦にそびえ立つ建物を新しく建てるっていうのは、クルックフィールズらしくないなって言うことでもう少し自然に寄り添った形で、自然の傾斜とかもうまく利用した地中図書館という形になりました。 

草の丘に抱かれるように溶け込んだ建物で、コンクリートの壁も見えない、地下室とは言っても、普通のビルのとは違って、まさに地中図書館 です。すり鉢状の特徴的な地形の場所に、洞窟のように地中に横たわる図書館。クルックフィールズの中を散策していると、突然入り口があって「大地の中へ潜っていく」ような感じをうけます。

そして、一体中はどんな内装で、どんな本が置いてあるんでしょうか?

小林さん:広い図書館でただ座って本を読むっていうことじゃなくて、ほんとうに本に包まれているような 小さい小部屋があったりとか、本当に天井が低くてかがまないと入れないようなところまでこうびっしり本が詰まっていて、その中でちょっとこっそり本を読むみたいな。不思議の国のアリスみたいな、ちょっと日常とは違う空間で本の世界に没頭できるような場所になっているなぁっていう風に感じました。さまざまなジャンルの本を置いてまして子供が読める絵本から洋書、アートがたくさん置いてあるので、アートに関する洋書もあれば、デザイン関係の文字のないような絵だけの本もありますし、人文学とかSDGsに関する本とかももちろん置いてあるんですが、選書の意図としてはやっぱりクルックフィールズにある要素をより深く知ってもらえるような本は中心に置いています。 

本の並べ方も、作家名とかジャンルで分けてあるのではなくて、何か繋がりがある、もしくは繋がりを想像すると楽しい本が固まって並べられていて、普段本をあまり読まない人でも本を手に取りやすくなっています。例えば、SDG‘s関連の本の隣に食に関する本。その隣には植物の本があって持続可能な生活と自然環境、生きていくうえで大切な食、生み出す植物の本、、、とインスピレーションが繋がりやすいようになっているんです。本を選んだのは、「book pick orchestra」代表の選書家・川上洋平さんで、蔵書は現在3000冊ほど。今後増やしていく計画もあるそうです。本は貸し出ししていなくて、図書館の外に持ち出すことはできませんが、広報の小林さんも、お仕事がお休みの日にここにきて本を読んだり、図鑑を見たり、うたた寝したりして過ごすことがあるそうです。いいリフレッシュになりそうですね。 そんな素晴らしい場所、人気になってきたら混まないのでしょうか?

小林さん:クルックフィールズのメンバーになっていただいた方が事前予約制で入れる施設になっています。中も決してすごく広いというわけではないので。 一日に入れる方も、現在は40名ほどに制限して、混雑している場合は少し時間を置いてから入場してもらうようなアナウンスをしたりですとか、そういったことで中の雰囲気は保てるように心がけています。 火曜日と水曜日が定休日なので、木曜日から月曜日12時から17時に入場可能なんですが、やっぱり土日とかオープンしたばかりの12時直後っていうのは、混雑しやすいので、本当に本をゆっくりお楽しみいただくっていう場合だと、平日の3時以降とかそのぐらいだとすごくゆったりとした時間を過ごしていただけるかなと思います。 宿泊の方には一般の方が帰られた5時以降ご使用いただけるので、翌朝11時まではご自由に地中図書館お入り頂いて夜の図書館もお楽しみいただけます。 

クルックフィールズ内にあるタイプの違う二つの宿泊施設に泊まることもできます。宿泊された方の特典というかんじでしょうか。

そして、予約状況にもよりますが、当日券もあるそうです。自然と融合した環境の中でじっくりといろんな本たちと向き合う時間もいいかもしれませんね。クルックフィールズ地中図書館の利用にはメンバーシップ登録が必要です。営業日やそのほかの施設の利用方法などについて詳しくはクルックフィールズの公式ホームページでご確認ください。

https://kurkkufields.jp/
前の記事
次の記事
サイトTOPへ戻る
WHAT’s NEW