2024/8/16 UP!
この時期美味しい果物といえばズバリ!「梨」ですよね。千葉県は、梨の生産量、栽培面積、産出額ともに日本一なんです。味も日本一です!
今回は、横芝光町で梨作りをされている、元パティシエという農家さんのこだわりの梨づくりと、梨を使ったメニューが味わえるカフェ、地域を盛り上げる取り組みをご紹介します。
九十九里のほぼ真ん中、横芝光町にある梨園「城山みのり園」です。園主の實川勝之さんは、元パティシエということなんですが、まずは梨農家さんになったきっかけを伺いました。

實川さん:梨のほうは梨工房城山みのり園という屋号でやってるんですけども、こちらは会社設立前からやっている梨園となります。私もともとケーキ屋でパティシエをやっていたという過去があるんですけども、当時ケーキ屋で働いていた時に父が怪我をして、それをきっかけに実家の農業を手伝うことになったという経緯がございます。もともと両親でやっていた農業経営としては、お米と一般的な野菜農家・・野菜づくりをしていたんですが、たまたま作っていた野菜がですね、非常にこうまあ市場で暴落して安くなってしまった。じゃあ、これをどう解決したらいいのかって考えた時に、まあ梨であれば、直販がしやすいと言うことで、梨の栽培を始めたというきっかけになります。いろんな梨の品種がある。なので、まあ純粋に食べてみたいとかね。どんな品種になるんだろうっていう興味本位もありましたし、販売している中でお客様のニーズに応えていくうちにだんだんと増えて、気がつけば40品種以上の品種が今はあります。ざっと800本ぐらいですかね?

もともの梨農家さんではないのに増えていって40品種以上、800本もの梨を作るようになるってすごいですよね?

農家を継いで、自分の代で初めて梨作りに取り組んだ實川さん。最初は5本の梨の木から始まったそうです。梨を育てるために必要な肥料選びを食材選びに例えたり、栽培方法を調理方法に例えたり、美味しい梨づくりにパティシエの目線も活かしながら努力をされたそうなんです。そして、こちらに梨工房城山みのり園から、そのこだわりの梨が届いています!
早速スタジオでもいただきました。

さて、梨作りは順調に進みはじめたのですが、大きな壁に当たります。どんなことがあったんでしょうか
實川さん:
皆さんもまだ記憶に新しい令和元年の房総の台風というのもあると思うんですが、2016年にも千葉県、大きな台風が襲ってきています。その時に梨も結構大量に落ちてしまったんですがそれをどうにか無駄にしたくないっていう思いがありまして、それを解決するべく、翌年の2017年に、まずはその自社の中で、そういった落ちてしまった梨、傷ついてしまった梨を解決できる仕組みと、あとは近隣のとか、仲間たちの農家のそういった傷ついてしまったとか、出荷できないという農産物が加工できる実験施設という思いで作った施設が「コミュニティCAFÉ&農家のキッチンLABO FARM TO…」というものを作りました。実験施設で作った農産物がそれをお披露目する場所としてコミュニティーカフェがある。そういう存在になってます。

苦労して作った梨を無駄にしたくない、自分だけじゃなく仲間も助けたいという思いが、新しい挑戦をする原点になったんですね。商品にならなくなってしまった梨をなんとかしたいという想いからスタートした「コミュニティCAFE&農家のキッチンLABO Farm to…」では、6次産業化に挑戦してみたいと思っている農家さんを始め、飲食店のオーナーさんバイヤーさんなどから相談が寄せられ、さまざまなメニューや商品が誕生しました。そして、カフェでは梨を使ったメニューをいただくこともできるんですが、どんなメニューが人気なんでしょうか?

實川さん:
一番人気なのが、具にもルーにも梨が半分以上入っている梨カレーっていうのがあります。他には梨の力でお肉が柔らかくなった梨のスペアリブっていうのもあったり、デザートにはもちろん季節ごとに梨を使ったスイーツを出していたり、あとは梨のミルクスムージーというのがあったり。本当に様々なものが楽しめます。それとはまた別に六次産業化っていう視点で行きますと、自社だけでやる六次化ではなく、地域を巻き込んだ六次化であったり、流通段階で 都市部の方々と連携した販売方法を使った六次化であったり、まあ、そういった地域連携型と 都市部連携型の二つの特徴がある六次化をやっているというのがまあ珍しいところかなと思います。

パスタやスペシャリテ、ドリンク、デザートも野菜たっぷりです。
實川さんたちは、自分たちの畑や工場だけでビジネスを完結せず、近隣の農家さんや食品製造業者さん、小売店のバイヤーさん、飲食店オーナーさんなどから、加工の依頼を受け、ピューレやカット、乾燥をはじめとする農産物の一次加工からパスタソースやジャム、ドレッシングなどの製造を請け負っています。
今後の展望と熱い思いをお話しいただきました。

實川さん
千葉県っていうのは日本一の梨の産地です。ただ、やはりこの千葉県の梨農家がかなり減っていたり、面積自体もかなり減っている状況です。そういった中でやはり日本一の梨の産地をこれからも守っていくためには、やっぱり一軒一軒の農家さんがこれからもっと規模を増やしていったり拡大してかなきゃいけないっていう中なんですけども、そこにはすごくまだ大きなハードルがたくさんあります。農業も 、スマート農業、機械化とかそういったものが進んでいますけれども、まだまだ梨作りにおいては人の手が必要になっているので、そういった部分を解決しながら、自社の中でももっと規模拡大し、生産量がもっと増えれば、今 数年前から弊社の場合は 海外に輸出というのもしているんですが、国内の市場に出すと共に、海外市場の方にもどんどん積極的に日本一の美味しい梨を届けていきたいと思います。
機械化は進んでも、梨づくりにはまだまだ人の手が必要。でもそれを解決しようと挑戦することで、強い農業ができてくんですね。
・梨工房 城山みのり園の梨をはじめ、お米や野菜、そしてドライフルーツやジャム、調味料などの加工品などは公式の通販サイトからお取り寄せすることができます。コミュニティCAFE&農家のキッチンLABO Farm to…の営業時間などについて、公式のホームページやインスタグラムでご確認ください。
https://www.instagram.com/p/CQ4isJwMpEm
http://www.shiroyamaminorien.com/