2024/8/16 UP!
この時期美味しい果物といえばズバリ!「梨」ですよね。千葉県は、梨の生産量、栽培面積、産出額ともに日本一なんです。味も日本一です!
今回は、横芝光町で梨作りをされている、元パティシエという農家さんのこだわりの梨づくりと、梨を使ったメニューが味わえるカフェ、地域を盛り上げる取り組みをご紹介します。
九十九里のほぼ真ん中、横芝光町にある梨園「城山みのり園」です。園主の實川勝之さんは、元パティシエということなんですが、まずは梨農家さんになったきっかけを伺いました。

實川さん:梨のほうは梨工房城山みのり園という屋号でやってるんですけども、こちらは会社設立前からやっている梨園となります。私もともとケーキ屋でパティシエをやっていたという過去があるんですけども、当時ケーキ屋で働いていた時に父が怪我をして、それをきっかけに実家の農業を手伝うことになったという経緯がございます。もともと両親でやっていた農業経営としては、お米と一般的な野菜農家・・野菜づくりをしていたんですが、たまたま作っていた野菜がですね、非常にこうまあ市場で暴落して安くなってしまった。じゃあ、これをどう解決したらいいのかって考えた時に、まあ梨であれば、直販がしやすいと言うことで、梨の栽培を始めたというきっかけになります。いろんな梨の品種がある。なので、まあ純粋に食べてみたいとかね。どんな品種になるんだろうっていう興味本位もありましたし、販売している中でお客様のニーズに応えていくうちにだんだんと増えて、気がつけば40品種以上の品種が今はあります。ざっと800本ぐらいですかね?

もともの梨農家さんではないのに増えていって40品種以上、800本もの梨を作るようになるってすごいですよね?

農家を継いで、自分の代で初めて梨作りに取り組んだ實川さん。最初は5本の梨の木から始まったそうです。梨を育てるために必要な肥料選びを食材選びに例えたり、栽培方法を調理方法に例えたり、美味しい梨づくりにパティシエの目線も活かしながら努力をされたそうなんです。そして、こちらに梨工房城山みのり園から、そのこだわりの梨が届いています!
早速スタジオでもいただきました。

さて、梨作りは順調に進みはじめたのですが、大きな壁に当たります。どんなことがあったんでしょうか
實川さん:
皆さんもまだ記憶に新しい令和元年の房総の台風というのもあると思うんですが、2016年にも千葉県、大きな台風が襲ってきています。その時に梨も結構大量に落ちてしまったんですがそれをどうにか無駄にしたくないっていう思いがありまして、それを解決するべく、翌年の2017年に、まずはその自社の中で、そういった落ちてしまった梨、傷ついてしまった梨を解決できる仕組みと、あとは近隣のとか、仲間たちの農家のそういった傷ついてしまったとか、出荷できないという農産物が加工できる実験施設という思いで作った施設が「コミュニティCAFÉ&農家のキッチンLABO FARM TO…」というものを作りました。実験施設で作った農産物がそれをお披露目する場所としてコミュニティーカフェがある。そういう存在になってます。

苦労して作った梨を無駄にしたくない、自分だけじゃなく仲間も助けたいという思いが、新しい挑戦をする原点になったんですね。商品にならなくなってしまった梨をなんとかしたいという想いからスタートした「コミュニティCAFE&農家のキッチンLABO Farm to…」では、6次産業化に挑戦してみたいと思っている農家さんを始め、飲食店のオーナーさんバイヤーさんなどから相談が寄せられ、さまざまなメニューや商品が誕生しました。そして、カフェでは梨を使ったメニューをいただくこともできるんですが、どんなメニューが人気なんでしょうか?

實川さん:
一番人気なのが、具にもルーにも梨が半分以上入っている梨カレーっていうのがあります。他には梨の力でお肉が柔らかくなった梨のスペアリブっていうのもあったり、デザートにはもちろん季節ごとに梨を使ったスイーツを出していたり、あとは梨のミルクスムージーというのがあったり。本当に様々なものが楽しめます。それとはまた別に六次産業化っていう視点で行きますと、自社だけでやる六次化ではなく、地域を巻き込んだ六次化であったり、流通段階で 都市部の方々と連携した販売方法を使った六次化であったり、まあ、そういった地域連携型と 都市部連携型の二つの特徴がある六次化をやっているというのがまあ珍しいところかなと思います。

パスタやスペシャリテ、ドリンク、デザートも野菜たっぷりです。
實川さんたちは、自分たちの畑や工場だけでビジネスを完結せず、近隣の農家さんや食品製造業者さん、小売店のバイヤーさん、飲食店オーナーさんなどから、加工の依頼を受け、ピューレやカット、乾燥をはじめとする農産物の一次加工からパスタソースやジャム、ドレッシングなどの製造を請け負っています。
今後の展望と熱い思いをお話しいただきました。

實川さん
千葉県っていうのは日本一の梨の産地です。ただ、やはりこの千葉県の梨農家がかなり減っていたり、面積自体もかなり減っている状況です。そういった中でやはり日本一の梨の産地をこれからも守っていくためには、やっぱり一軒一軒の農家さんがこれからもっと規模を増やしていったり拡大してかなきゃいけないっていう中なんですけども、そこにはすごくまだ大きなハードルがたくさんあります。農業も 、スマート農業、機械化とかそういったものが進んでいますけれども、まだまだ梨作りにおいては人の手が必要になっているので、そういった部分を解決しながら、自社の中でももっと規模拡大し、生産量がもっと増えれば、今 数年前から弊社の場合は 海外に輸出というのもしているんですが、国内の市場に出すと共に、海外市場の方にもどんどん積極的に日本一の美味しい梨を届けていきたいと思います。
機械化は進んでも、梨づくりにはまだまだ人の手が必要。でもそれを解決しようと挑戦することで、強い農業ができてくんですね。
・梨工房 城山みのり園の梨をはじめ、お米や野菜、そしてドライフルーツやジャム、調味料などの加工品などは公式の通販サイトからお取り寄せすることができます。コミュニティCAFE&農家のキッチンLABO Farm to…の営業時間などについて、公式のホームページやインスタグラムでご確認ください。
https://www.instagram.com/p/CQ4isJwMpEm
2024/8/9 UP!
暑い日が続いていますが、この時期楽しいのがプールですよね。県内にもたくさんのレジャープールがありますが、中でも人気で歴史のあるプールを、ご紹介していきます。

その広さ東京ドームの1.5倍!県内最大級の規模を誇る山武市の蓮沼ウォーターガーデンです。
九十九里のほぼ真ん中、山武市にある県立蓮沼海浜公園の中にある施設でプールやスライダーなど、合わせて19もエリアがあるそうです!今年は7月6日からオープンしていまして、既に多くの方で賑わっています。まずは広報の水野陽子さんにこちらの特徴をご紹介いただきました。

水野さん:ここならではの特徴がですね、九十九里浜に面してるので、水着のままプールと海、出入り自由なのでもう一日でプールも海も楽しめちゃいます。結構いらっしゃいますね。一番人気は世界初登場のスプラッシュシェイカー。この世界初登場っていうのが、あの四つのスライダー要素を一度に体験できるそのコンビネーションの組み合わせが世界初なんですけども、その四つの特徴が、一つ目が暗闇の中を旋回して行って、次に七色のレインボーゾーン。で、その後激しい横揺れ。ラトラーという部分を通って、最後ブーメラン、大きな壁を登って降りてくるっていう四つの要素が体験できます。で、長さが182mありまして、スタートからゴールまでがだいたい50秒ほどお時間かけて滑っていただきます。

一番人気のスプラッシュシェイカーはゴムボートに乗って楽しむダイナミックなアトラクション。混雑すると2時間待ちなんてこともあるそうですが、監視員の方が、熱中症にならないように、時々水をかけてくれたりするそうです。ほかにも、19のエリアは「水の一生」をテーマに沿って造られていて、雄大な海をイメージした波のプールや、九十九里浜を一望しながら滑り降りるスライダー「渓流下り」など、バラエティに富んだ遊びがいっぱい。浅めのプールも充実しているので、お子さんも楽しめます。
そして、ことし、開設50周年なんですが、毎年なにかしら新しい企画を立てているそうで、新しいアトラクションが登場したんです。そして、園内で楽しめるグルメも教えていただきました。
水野さん:新しくサウンドスプラッシュというのができまして、音楽に合わせて四方八方からお客様に向かって水が飛び出してくる、水と音楽を一度に味わえる、上からお水が降ってくるような感じです。ノリがいい曲。いろんな年代の方にお越しいただいているので。大人から子供まで楽しめる音楽をちょっとこちらでご用意しました。全6曲が一日2回ずつ全部で12回行ってます。この九十九里地域はまぐりがとても有名なので、そのハマグリを活かしたはまぐりカレーとハマグリの焼きおにぎり。っていうメニューがございます。まだ小さいハマグリをご飯と一緒に炊き込んで成形して焼きおにぎりにしたものです。結構やっぱ手軽に。あのワンハンドで食べられるっていうのと小さなお子様とかも食べやすいので、すごく人気です。

音楽は、荻野目洋子さんのダンシングヒーロー/adoの新時代、クリーピーナッツのBling-Bang-Bang-Born などがかかるそうですよ。プールも海も楽しめて、さまざまなアトラクションがあり、子どもから大人まで楽しめる蓮沼ウォーターガーデン。その人気は国内だけに留まらないようです。

水野さん:お客様、県内県外問わずやっぱ関東圏多く来ていただいてます。私勤めて11年になるんですけども、その当時に比べて今かなり外国人の方多くいらしていただいてます
中国、韓国辺りからもたくさんいらしてますし、最近すごく多いのがスリランカの方ですね。ちょっとこちらの地元山武市がいろんなご縁あってスリランカの方と非常に親密にさせていただいてたり、あと東京オリンピックの時の事前キャンプ地としても活用頂いてましたので、はい、今、スリランカの方が非常に山武市内多くいらっしゃいます。でそういったご縁もあって、スリランカの方にもたくさんご来園いただいてます。
蓮沼ウォーターガーデンへは車でいらっしゃる方が多いということですが、なんと、成田空港からこちらのプールの駐車場前までダイレクトに行ける空港シャトルバスが運行されているんです。成田空港第2ターミナルから「横芝屋形海岸行き」でアクセスできます。
こういった広い場所ですと、夏、苦労するのが日陰探しですよね。じっとしていると、どんどん熱く(暑く)なってきてしまいます。。。でも大丈夫です。園内には快適に過ごせる有料の休憩エリアもありますし、こちらでは日よけのテントの持ち込みもOKなんだそうです。

水野さん:テントお客様自身でお持ちいただいたもの園内芝生の場所がすごく多いので、そういった芝生の広場を利用して持ち込んだテントもご利用いただけます。であとお食事とか飲み物もアルコール類除いて持ち込みオッケーですので一日楽しんでいただけます。8月後半になってくると、隣接する海にもちょっとクラゲが出たりするので、でもまだまだ暑い日続きますので、涼しくなりたい方、ウォーターガーデンプールの中でしたら安心安全で過ごしていただけますし。また、お盆すぎると比較的プールも空いてくるので園内も過ごしやすいかなと思います。9月中旬までやってますので、残暑厳しいので、はい、長く楽しめますので、ぜひ遊びに来てください。

芝生のエリアがあるのはほんとオアシスみたいで助かりますね。一人用のポップアップテントとか家庭用の大型テントを持ち込めるというのもいいですね!長い時間ゆったり過ごせます。しかも食べもの飲み物も持ち込みOKということなのでクーラーボックスとか持っていって楽しむのもいいのではないでしょうか?
ただし、園内はアルコール類の持ち込み禁止ですのでご注意ください。蓮沼ウォーターガーデン、今年の営業は9月16日まで。9月からは週末のみの営業です。
まだまだ続く暑い夏、楽しい思い出づくりにぜひお出かけになりませんか?
2024/8/2 UP!
昨日、8月1日は「水の日」。そして7日までの1週間は「水の週間」です。暑い夏水の使用量が最も増える8月に、水の大切さや、水資源開発の重要性について考えるきっかけにしようと、昭和52年に制定されました。
今日は、豊富な地下水に恵まれ、“生きた水の里”として知られる、君津市久留里の名水をご紹介したいと思います。

君津市の久留里は、里見氏をはじめ数々の武将の居城となった久留里城の城下町として栄えた地区。街中に掘られた井戸から美味しい地下水が湧き出ていて、その美味しさと品質の良さで、千葉県では唯一「平成の名水百選」に選ばれています。「生きた水」とも呼ばれるこの“久留里の名水”について、まずは、君津市立久留里城址資料館の布施慶子さんにお話をうかがいました。

写真左:布施さん 中央:都築さん 右:ボランティアガイドの会の田畑さん
布施さん:もともと久留里から上流で雨が多いというのは一つの原因だと思います。それからこの辺りの地質が、東京湾を底とする地下水盆、、大きな地下水盆の淵にあたるというところがあると思います。そこで良い地下水が自噴する構造というのに恵まれているんですね。街中を歩いていると、井戸からくんでもいないのに自分で噴き出している水を見ることができます。以前、その高さ、どのくらい吹き出すのか計ったことがありますが2m40cmくらい噴き出している場所がありました。また、それ以外のところでもちょっと高さがはかりきれないくらい噴き出しているものもあります。久留里の周辺では188本の井戸があると言われています。で、この自噴井戸ですけれども、上総掘りという技術によってほられています。
溜まっている地下水の水位が掘った場所よりも高いところにあったり、地面の中の圧力の関係で噴き出してくるのが「自噴井戸」。久留里地区では、この井戸を掘るために「上総堀り」という掘削技術が江戸時代後期に考案されました。少ない労力で深く掘ることができる画期的な技法で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。どんな方法でどのぐらい深くまで掘るのでしょう?

布施さん:上総掘りの特徴というのは、竹ひごと「ホリテッカン」というのを使うのが最大の特徴です。竹ひごと言っても細いもので、1㎝太いものですと2、3cmの幅のものを作りますけれども、その竹ひごをロープの様に地下にずっと吊り下げてですね。その先端にホリテッカンというものをつなげます。ホリテッカンの先端にはサキワというまあ輪っかになった「ノミ」がついていまして、それで土を掘り崩していくイメージです。でうまくその土を回収できる仕組みもあって、でそれを回収するための彦車というのが付いていますけれども、上総掘りをご覧になった方は、その特徴的な大きな車の様子をイメージされると思いますけれども、その車と、そして掘っていく、ついて掘っていくという動きの繰り返しで、深さ数100mまで掘ることができる、ということですね。

布施さんが数百mと仰いましたが、実際には500~600m。技術的には、君津のあたりの土なら、1000メートルまで掘り進むことができたそうです。明治時代の中期に技術が完成し、久留里には多くの自噴井戸が掘られました。自噴井戸から湧く水の量は豊富で、水温は年間通してほぼ15度前後と夏は冷たく、冬は暖かい。日照りによる渇水や、停電による断水などの心配もないんですね。

今回は君津市の久留里の名水をご紹介していますが、スタジオにもペットボトリングされた水「生きた水・久留里」をご用意しました!こちらは、久留里地区のお店や、JR久留里線の久留里駅を出てすぐの所にある「生きた水久留里 酒ミュージアム」などで購入することができます。

2008年に環境省による「平成の名水百選」に千葉県で唯一選ばれた「生きた水・久留里」ですが、実はその20年ほど前から、この豊富で美味しい水が、地域おこしになるのではないかという話が持ち上がっていました。そこで、当時の久留里の商工会青年部の皆さんが、それだったら水汲み場を綺麗にしていこうと活動を始めたそうなんです。当時、商工会青年部で、観光のために井戸を整備し直す活動などをされた都築広志さんに、その経緯を伺いました。
都築さん:水に関わったことは青年部当時のことでございますが、上町にある井戸まず一箇所を木で作って、きれいな囲いをして水を汲めるような形を作ったわけです。見映えも悪いということで。その当時水っていうものはあの都会の方、まあ、久留里は除いては、木更津でもなんでもカルキが臭くても普通の水道水は飲めないっていう人が結構多かったんですよね。それで久留里に行けば、こういう水を汲めるということがやっぱり伝わっていったんじゃないかなと思って。まあ、久留里の水は先人たちが。この土地で生きていこうと思って編み出した上総掘りというこの技法で今まで続いてるわけですから、これを私たちも大事に後を継いでおかなければいけないな、と思っております。久留里ではその水を使って。お酒とお豆腐これも大変美味しいものができております。

それまでも湧き出る水を受け止めるカメのようなものがあって、誰でも水を汲めるようになっていたんですが、そのままではあまり美味しそうに見えないということで有志が立ち上がって整備を始めたそうです。そして観光協会にその活動は引き継がれ、いくつかの水汲み場が綺麗に整備されていくことになりました。
久留里駅の駅前広場の一角にも水汲み場がありますが、朝早くから大変多くの方が次々と水を汲みにやってきます。ハイキング姿の方、マイカーできて大きめのペットボトルに入れている方、中には20リットルクラスのポリタンクをいくつも積んでくる方もいらっしゃいます。最後に、布施さんからリスナーの皆さんにメッセージをいただきました。

布施さん:久留里駅の周辺だけで五カ所の井戸が整備されていまして、そこは水質検査なども行われていて。安全に汲めるように整備されています。甘いような気がします。ほかの地域の方でお茶やお味噌汁に使ってる方からも時々きくお話なんですけれど、甘い気がする水です。あの私の勤めている久留里城資料館ですが、この久留里城というのが別名「雨城」と言います。それがまさに雨の多いということを示しているかなと思いますが、その「水が豊かであったこと」でお城ができたということでも知られています。久留里城に関する歴史やお話ししました上総掘りに関しての足場や、それから歴史用具なども紹介していますので、資料館の方にもおいでいただければと思います。

久留里城址資料館までは久留里駅から徒歩でおよそ30分ほど。久留里駅をでてすぐの場所に「久留里観光交流センター」があって、事前に予約が必要ですが、久留里城址資料館を含む「久留里城」へのガイドを「くるりボランティアガイドの会」の方にお願いすることもできます。
交流センターの中には「生きた水久留里 酒ミュージアム」も併設されていて、先ほどいただいたお水のペットボトルも「ヒエヒエ」で販売されています。この水で作られている「かずさ8蔵」のお酒の紹介や観光情報も案内してくれますのでぜひ立ち寄って、名水の里・久留里で街歩きを楽しんでみてくださいね。
酒ミュージアム
https://www.city.kimitsu.lg.jp/site/kanko/2188.html
久留里城址資料館
2024/7/26 UP!
今回は「夜を楽しむアクティビティ」。暑い夏の夜、ちょっと涼しく過ごせる「夏の楽しみ方」・・・煌びやかな工場夜景を船上から間近に楽しめる「千葉港の工場夜景クルーズ」をご紹介します。

北は市川市・南は袖ケ浦市まで6市にまたがり、全国2位の貨物取扱量を誇る千葉港。周辺には多くの工場が集まっていて、夜になると無数の光があたりを包みます。この工場夜景を船から真近で見ることができる人気のツアーが、千葉みなとから出発する「工場夜景クルーズ」。
今回はそのクルーズでガイドをされている鈴木海那さんにお話を伺っています。まずは、船内でガイドをするようになったきっかけについて教えていただきました。

鈴木さん:昨年「千葉ポートアンバサダー」として一年間活動させていただいて、その中でお昼の観光船での船内ガイドをやらせていただいたり、この定期便の工場夜景クルーズのガイドさせていただいたのがきっかけです。幼い頃からこの地域に住んでいて、最初は千葉市の観光PR大使として。5つの浜が千葉市にはあるんですけど、そこの浜を担当していて。去年「千葉ポートアンバサダー」という形で、より千葉港に特化したというか、もっと詳しく自分も知らなかったことを勉強したりだとかっていうのをきっかけにガイドをさせていただいています。

JR京葉線、千葉都市モノレールのちばみなと駅から歩いて約6分のところにある旅客船ターミナルなどの複合施設 ケーズハーバー前からクルーズは出発します。デッキ付きの観光船に乗って千葉港を周遊しながら夜景を満喫するのがメインのクルーズですが、日が沈みきる前のお楽しみもあるようなんです。

鈴木さん:楽しみ方としては、一応景色も一緒に楽しんでいただけるっていうのがポイントで、船が出港する時間も日の入りに合わせてなので、空がきれいに夕日が落ちてグラデーションになっているときとかは凄く写真映えもしますし、そこからどんどん暗くなっていって、工場夜景のライトがすごく映える暗さにもなってくるので、そこも楽しんでいただけるかと思います。その日の気候だったり、天候にもよるんですけど、マジックアワーって言って日が落ちる瞬間の太陽のちょっとピンク色がかったりする空。あとは青いグラデーションとかの空も。また四季折々でその空の色も変化して行くので、一度だけじゃなくて違う季節でも楽しんでいただけるかと思います。

港に沿って立ち並ぶ工場や食品コンビナートが創り出す「京葉臨海コンビナートの夜景」は「ちば文化資産」にも選ばれていて、中でも、きらびやかな工場夜景を鑑賞できるのが千葉市と市原市の臨海部です。それを見るのは海からが最適ということで、毎月2回「工場夜景クルーズ」が運航されています。これを千葉ポートタワーから見下ろす眺めは、「日本夜景遺産」にも認定されています。

実は、このクルーズでは条件が揃えばみられる、奇跡の景色があるんだそうです。
鈴木さん:結構遠くのほうまで見えることもあるんですけど、スカイツリーだったり東京タワー、あとゲートブリッジ。葛西臨海公園の観覧車もライトアップしているので、夜ちょっと暗くなってきてからが見どころかなと思うんですけど。2月と10月、千葉市からもダイヤモンド富士を見れるので、その期間もクルーズでダイヤモンド富士のコースとして運行してるので、ちょうど富士山のてっぺんにお日様夕日が落ちてダイヤモンド富士を見ることもできます。そうですね。千葉市からだと、幕張から蘇我まであるんですけど、トータルで10日間ダイヤモンド富士を見ることができるので、その中のこの千葉港で見れる期間っていうのを千葉市の観光協会のかたが出してくれるので、まあ、その期間に合わせてクルーズに乗っていただいて。結構条件が揃わないと厳しいところもあるんですけど、そこも見どころです。なんかすごく神秘的ですね。

その時期を狙って、工場夜景クルーズに参加される方も結構いらっしゃって、本格的なカメラを構えて、波の揺れと戦いながら撮影されているそうです。

さらに、最近この夜景クルーズは、アジア系のお客さんにも人気で、スタッフが取材に行った時は台湾からの団体さんが船の大半を占めていたそうです。最後に、鈴木さんからおすすめポイントをおしえていただきました。

鈴木さん:コロナあけてからは外国の方もすごく増えてきているなっていうふうには感じていて。この千葉港が日本夜景遺産にも登録されているので、クライマックスにあるコークス工場なんですけど、コークス工場の中でも、その白いライトとオレンジのライトで工場がそれぞれ分かれているんですけど、まあそれ一面一面切り取って写真撮ってもらっても全然綺麗だなって思うんですけど。こんな景色見れるんだっていう間近に最後のクライマックスちょっと楽しみにしていただければ、、、はい。千葉県でもこう身近に船に乗っていただけて、工場夜景も楽しめる。そんな素敵な場所がございます。千葉みなと駅からも徒歩6、7分ぐらいで到着できる。とてもアクセスのいいところなので、ぜひ足を運んでみてください。

力強く美しい工場夜景に加え、実は最後にレーザービームによるショーも楽しめるんです。

千葉港の工場夜景クルーズは、月2回の運行で全て予約制です。ホームページからまたは電話でお申し込みください。他にも、当日出航の30分前から乗船受付のコースや、季節限定のコースなどもありますので、まずは公式ホームページでチェックしてみてくださいね。下のリンクを参照して下さい
2024/7/19 UP!
ビールが美味しい季節ですが、千葉県にも人気のクラフトビールが次々と誕生していますよね!
ハーヴェストムーン、KANGIKU、安房麦酒、きょなんビール、木更津オーガニックビールなどなどありますが、今回はその中から地元愛から生まれた銚子市のクラフトビール・銚子ビールで地域を盛り上げる「ミンナノチカラ」をご紹介します。
全国屈指の水揚げ量を誇る漁港や変化に富んだ風光明媚な景色で有名な銚子。その銚子発のクラフトビールブランド「銚子ビール」が今人気なんです。
クラフトビールは、小さな規模でつくられるもので、以前は「地ビール」とも呼ばれていましたが、その土地ならではの特色がパッケージや味に反映されることが多くお土産としても好まれます。銚子ビールのラベルにも犬吠埼灯台が描かれていて地元愛が伝わってきます。今回はその「銚子ビール」をつくっている、「銚子チアーズ株式会社」代表の佐久間快枝さんに、まずは誕生のきっかけをききました。

佐久間さん:銚子ビールを作っております「銚子チアーズ株式会社」の代表しております佐久間です。銚子ビールは、銚子をテーマにしたビールを作りたいということで、もともと銚子といえば皆さん思い出すのがお魚だったと思うので、銚子エールという「銚子にエールを」っていう気持ちを込めた銚子のお魚に合うビールからスタートしたビール会社になります。藤兵衛本店という料理屋をやってたんですけれども、地域で宴会やるんだったら、ここみたいなところのお店と、それと酒の小売りのお店やさんも一緒にやってたんですね。だんだんだんだん銚子もですね、こう行ったり来たりしてる時になんかすごく人口も減っていくし。うちのお店もすごく忙しかったんですけれども、その人口が減ると同時にお店もなんとなく寂しい状況になっていて。なんとかできないかなっていうのを、実は東京で仕事をしていながらもずっと思ってたんですね。出張でアメリカ行った時にクラフトビールですごく町が活性化している様子を見て、ビールとか何か銚子に人が来る何かをやらなきゃいけないなと思って、中心になるモノとして、銚子ビールをやりたいなって言うことが、スタートのきっかけですね。

「銚子の街が元気がなくなっていくのをなんとかしたい」そんな想いから、銚子のクラフトビールの構想が始まったんですね。佐久間さんは東京で商品のブランドの立ち上げなどに携わっていて、そのノウハウを銚子の町を元気にするためにいかしたい、クラフトビールで賑わう町を知って「これだ!」と思っていたんでしょう。もともとお酒が大好きな佐久間さんに、やがてアイデアを実現するチャンスが訪れます。
佐久間さん:ちょうど銚子市の方でUターンで起業する人とかいませんか?みたいなセミナーを開いてくれて、そこに参加させていただいて。銚子ビールの構想の話、したら、じゃあ、ちょっとそれで今度そういうビジネスコンテストが銚子市内であるんで出てみませんか?って言われたので。じゃあちょっと出て、みなさんの反応を聞いてみます、っていうことで出させていただいたところ、その地域クラウド交流会って言うので、実は優勝させていただいて。。。そんなにもたくさんの皆さんがあの銚子ビール期待してくださってるんだということが本当に嬉しくて。まずそれがきっかけで。更に実はそこで優勝すると千葉ビジコン、千葉県の今度ビジネスコンテストにも一次審査免除で出れるっていうことで。二次審査をへて、なんとそこでもファイナリストになれて。おかげさまでそこでも「千葉県知事優秀賞」をいただけて。そのおかげで「銚子ビール面白いじゃん」「応援してるよ」っていう多くの方に出会うことができて。やっぱりなんか出てみるもんなんだなっていうのは思いました。

ビール作りは全くの未経験だった佐久間さんでしたが、銚子市や県のビジネスコンテストで注目を集めます。地元銚子にUターンして2年後の2018年に銚子チアーズを設立。銚子の魚に合うビール「銚子エール」をはじめ、2020年には、日本財団「海と日本PROJECT」とコラボして犬吠埼灯台をモチーフに開発したビール、「犬吠WHITE IPA」「犬吠Black IPA」の販売を開始。国際的なビールコンテストでW受賞を果たしました。今も人気の商品で、売上の一部は灯台を守る活動に役立てられています。

銚子チアーズのクラフトビール、スタジオにご用意しました。

こんな風に素敵な商品ができあがるまでには、いろいろご苦労があったんです。
佐久間さん:醸造所を作ると、すごいお金がかかるって分かってたので、一旦、委託生産で作ってもらって、それをきちんとブランディングして銚子の町で銚子ビールとしてみんなが受け入れてくれるかということから始めようと思って。ビールのレシピをネストビールさんで一緒に作ってもらって。そこから、それを作ってくれる先を見つけて一年間はその委託生産でそれをたくさん売る。年間、実は6000L以上売らないと発泡酒の免許が取れないということがわかったので、とにかく委託生産でも6000L売れるか売れないか、それで継続するかどうか決めようということで最初の年はやってました。青魚に合う、臭みは消すけど、旨味を残すみたいな(味を探したら)アンバーエールスタイルが良い。辛口でお魚和食に合うやつにしていこうって。それを結構皆さん受け入れてくれて、おかげさまで初年度6000Lに近いところまで売れて。本当に皆さんのご協力なかったら無理だったんですけども、おかげさまで売れたので今に至ってるっていう感じですかね?
醸造を外部委託して状況を見ながらのスタート。行けるとなったところで 犬吠埼灯台の麓の犬吠テラステラスという商業施設の中に醸造所をつくりました。 そしてより多くの人に銚子ビールを届けたいと、大きな醸造所の新設を決意。 昨年、200年以上の歴史をもつ佐久間さんのご実家「藤兵衛本店」をリニューアルして、大きなタンクを備えた醸造所と併設のチョウシグッド・ビールカフェをオープンしました。タンク容量は約5.6倍と醸造量も大幅に増え、缶ビール製造の体制も整いました。

やっと軌道に乗ってきたみたいだとおっしゃる佐久間さんですが、当初の思いである「地元活性化」が一番の目的であることは変わりません。銚子産の発酵調味料「ひしお」や地元のハーブを使用するなど市内企業と共同開発した「銚子灯台コーラ」を発売したり、銚子電鉄とビール列車を運行したりと、その活動は広がっています。最後に佐久間さんが想い描いている銚子の未来を語っていただきました。
佐久間さん:もっともっとたくさんブルワリーが銚子も含めて、この地域たくさんできたらいいのにって思っています。特に銚子は醤油の醸造もありますし、最近ワインの醸造も始まりましたし、もともと日本の酒造メーカーさんが二社ありますし。そういう意味では「醸造の町」っていう形でもっとみんなが「銚子に来たら、いろいろ楽しいね」っていうふうになってもらいたいと思ってるんで。もっともっとブルワリーさんができたり、活性化していけたらいいなと思ってます。私自身もクラフトビールメインですけれども、将来的には蒸留酒とかそういうのもちょっとチャレンジしていきたいなというふうに思っています。いろんなお酒とか醸造といえばいろんなものが入ると思うんですけど、そういうことがもう点在してて、銚子にくると、そういう面白いものに出会えるみたいな風に(なっていくといいなと)思っています。

美味しい魚、美味しい野菜、そして美味しい銚子ビールや、その他のクラフトアルコール、こんな揃っている街はそうそうない、これを銚子ビールで繋げていこうという佐久間さんの挑戦に、これからも注目していきましょう。銚子ビールなど銚子チアーズの商品はインターネットでの購入もできます。
詳しくは、こちらのリンクを参照ください。
2024/7/12 UP!
「孤独のグルメ」というテレビ番組ご存知ですか?
主人公の五郎さん、実は千葉県にも訪れているんです。その中の一つ、いすみ市の「源氏食堂」は、番組放送後、多くの聖地巡礼の方が訪れた名店です。一度閉店されたんですが、昨年の秋復活したという噂をきき、早速スタッフがお邪魔してきました。
孤独のグルメ・シーズン5の第9話の舞台はいすみ市・大原駅のすぐ近く。空腹の五郎さんは「大衆食堂」という暖簾に惹かれ「源氏食堂」を訪れます。気になる、「ブタ肉塩焼ライスの上とイカとメンチのミックスフライ」を頼み、そこで、もはやステーキと言ってもいいその厚さと旨さに感動する、、、という流れで話が進みます。
2015年11月27日の放送後、しばらく、このメニューを自分も食べてみたいと、県内、東京だけでなく、番組のファンが全国から来ていたそうです。ところが、残念なことに、2019年、店主が急にお亡くなりになり、お店も閉店となりました。惜しむ声が多かった中、4年後の昨年の9月にこの店が復活したんです。気になるのは味ですよね?五郎さんが食べたあのメニューは復活したんでしょうか今回は調理担当の佐藤美明さんにお話を伺いました。

左が佐藤さん
佐藤さん:源氏食堂調理担当の佐藤美明です。銀座の老舗のトンカツ店で30年修業してました。店を辞めたいと言ったら、店もじゃあもう閉めるってことになって、こっちの実家の方にいすみ市の方に戻ってきたんです。まあ3年間家業の手伝いながら、その中で声がかかってきたんです。ちょっとこの源氏食堂をとんかつ復活させたいからやってくれないかと。考えたんだけども、じゃあやりましょうと。テレビとか新聞に載ってて人が来てたというのは知ってました。前のオーナーさんの奥さんが店に来て、この「塩豚定食」はやり方を教えてもらってそれで再現みたいな感じになってます。

じゃあ、そもそもこの復活を仕掛けたのは誰だったのでしょうか?
大原までたくさんのファンの方がきていたのに、そのお店が閉じてしまって、がっかりさせるのは申し訳ない、と、なんとか「源氏食堂」を復活できないかと準備を進めていた地元の不動産屋さんがいたんです。とはいえ、以前のお店の味を継いでいる人はいない。もともとここはお肉屋さんで、その横で食事処として源氏食堂があったんです。お肉の仕入れも調理も一体でやっていて、「豚肉」を使ったメニューが人気だったので、まずはトンカツから復活させよう、と、東京で30年トンカツを揚げていた佐藤さんに白羽の矢が立ったんです。
ところで、佐藤さんは、最初のお話の通り、お店の存在は知っていたけれども孤独のグルメに登場した「ブタ肉塩焼定食」はもちろん、源氏食堂のメニューを食べたことはありません。そこで、当時の味を知る方々に話をきいたり、作り方を教えてもらったりしたそうです。準備が整いオープンしたのが昨年の9月12日。復活のニュースは徐々に広まり、いろいろなお客さまがきているようです。
佐藤さん:ツーリングの人たちは、食べるものがみんな一緒、なんで、前もって用意できるから、そこらへんも楽です夕方、学生がけっこう通るんでもう帰りにメンチだのコロッケだのいろいろ買ってはいみんなでガヤガヤ食べながら帰ってます。平日はこの界隈で働いてる人たちかなっていう現場の方とかも多いんで平日はそっちに偏りますね。昼間はいいんですけど夜がちょっと弱いんで、夜に力入れてみようかなと思ってます。結構ほら、ちょいのみでもいいんで、来てもらえるようなつまみ系増やして、それでやってみようかなと思ってます。
ツーリングのお客さんは「孤独のグルメのあのメニュー」を目指してくる方が多く、地元の高校生にはテイクアイトの揚げ物が小腹が空いたときのおやつ代わりに人気なんだそうです。
人気ドラマ「孤独のグルメ」に登場し、全国からお客さんが訪れるほど人気となっていたいすみ市の「源氏食堂」。一度やむなく閉店したお店を復活させ、人気メニューの味を引き継いだ佐藤さんですが、とんかつ店で30年務めた経験を活かし、新たな看板メニューとして自慢の「とんかつ」を提供しています。味についてはご自身のこんなこだわりもあるそうです。

佐藤さん:それは、肉の仕込み方。特殊工具を使って肉をぺったぺたにわらじカツ状態に伸ばして繊維分解して、その繊維をまた組み立てて柔らかくするっていう技術ですね。あとはもう油にもちょっとこだわってるんで。とんかつまあ、ひと切れでいいんで、塩を衣の上から少しかけて召し上がるとパン粉の味、肉の味、油の味もすべてわかるんで、是非一切れだけでもいいんで塩をかけて召し上がってください。ドイツ由来の岩塩を使用しています。
トンカツは、まずはお塩で。そうするとパン粉のサクサク感、お肉の甘みなどを感じられるそうです。そのままソースかけないで最後まで食べてしまわれる方も多いそうです。オリジナルのソースは、サラサラの野菜ソースと、ドロッとした濃口ソースの2種ご用意。ブタ肉塩焼もトンカツも、とにかく肉が分厚いのにやわらかくてびっくりするお客さんが多いそうです。今はお肉屋さんは無くなりましたが、メンチやコロッケなどのテイクアウトはOKです。最後に佐藤さんが皆さんへお願いがあるそうです。。。
佐藤さん:源氏食堂復活したんですがどうしても夜が弱いんで、ちょいのみでもいいんで、来てもらえたら助かりますで、後は電車でお越しのお客様はほんと時間に余裕を持ってご来店をお願いします。料理提供時間がかかる場合がございますが、まあ一人前ずつ手を抜かずやってるんでぜひお店の方にお越しください。
外房線の下りで大原にやってきて、30分後の上り列車で帰るようなプランを立てて来られる方がいらっしゃるんですが、トンカツなどは、丁寧に時間をかけて揚げているので、そのタイムスケジュールだとやはり難しい。ぜひ、大原の滞在時間、多めにとってほしいとのことでした。
地元愛が復活させ、佐藤さんが腕を振るっている「源氏食堂」は、大原駅から徒歩3分ほど、サーモンピンクの壁の色の建物です。
2024/7/5 UP!
おととい7月3日に新しい紙幣が発行されましたね。この新紙幣の肖像画になったのは、1万円札が渋沢栄一、5千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎。実は5千円札に肖像画が描かれた津田梅子ゆかりの地が、佐倉市なんです。
江戸城の東の防衛拠点であった佐倉藩は城下町として栄え、開明的藩主として知られる堀田正睦をはじめ、日本の発展に名を残す人物を輩出した歴史ある町。津田梅子のお父さんで農学者の津田仙も佐倉藩の出身なんです。今回はそんな佐倉市で今も見ることができる歴史的建造物をご紹介します。
江戸時代、西の小田原城、北の川越城とともに江戸防衛の東の要衝として栄えた佐倉藩。今も当時の藩士の邸宅などゆかりの建物が市内に残されており、見学することもできます。そんな歴史的建造物を案内し、歴史を伝える活動をしているのがボランティアのみなさん。今回は「文化財ボランティアガイド佐倉」の久保田里美さんに、まずはどんな場所をガイドしているのかおききしました。

久保田さん:私たちは「武家屋敷」「旧堀田邸」「佐倉順天堂記念館」でガイドを行っています。佐倉市は江戸時代、佐倉藩11万石として栄えてきました。現在、その時代の武家屋敷や、当時使っていた建物のほとんどは壊されてしまって今はないんですけれども、その残った一部を順天堂の記念館として皆様に公開していますまた、明治時代になって建てられた旧堀田邸も公開しています。武家屋敷は同じ鏑木小路にあった建物を一か所にまとめまして復元公開しています。

佐倉藩士が暮していた「武家屋敷」、最後の佐倉藩主である堀田正倫の邸宅である「旧堀田邸」、そして現在の順天堂大学のルーツで、江戸時代に開かれたオランダ医学の診療所と塾であった「佐倉順天堂記念館」。こちらの3か所には、土曜、日曜、祝日、ガイドが常駐し、入り口で申し込むと、ガイドの方が説明しながら一緒に回ってくださるんです。時間は朝10時から。事前申し込みすれば、団体の方への案内も対応しています。そのボランティアガイドは、こんな風にはじまりました。

久保田さん:旧堀田邸は明治23年、堀田正倫公によって建てられた邸宅です。戦後売却され、取り壊しの危機に面したこともありました。市民の間にこの貴重な建物を残していこうという運動が起こりました。その後、この建物は市に寄贈され、平成11年に保存整備が終わった後に皆さんに一般公開をすることになりました。その際に市でガイドを募集しました。それはたった一回きりのガイドだったんですけれども、皆さんに大変好評を得ました。一回限りのガイド活動ではもったいないということで、翌年にボランティアでガイドをするという会を発足しました。その時はわずか10数名で始めたボランティアガイドの団体です。それから25年ほどたちまして、いまでは52人の仲間たちとボランティアガイドを行っています。

一般公開されるにあたって、募集されたガイドですが「これからもきっとたくさんの方が見にきてくれる、その人たちにも今後説明していきたい」ということでボランティア団体が設立されたんですね。所属するのは熱い想いとガイドとしての知識が豊富な皆さん。「武家屋敷」と「旧堀田邸」の見所を教えていただきました。

久保田さん:武家屋敷では3棟の武家屋敷を公開しています。なぜ3棟かと言いますと、それぞれ身分の違うお屋敷を公開しています。この3軒はどれも借家、、今で言う官舎になっています。ですから、皆さんに説明するときに。こちらが部長、課長、係長の家にそれぞれなっていますなどと説明しています。それは佐倉藩に厳しい決まりがあったからです。

武家屋敷に比べまして、堀田邸の方は旧大名家のお屋敷になります。明治時代に建てられたものですが、材料などはとても贅沢なものを使っています。建築関係の方がいらっしゃいますと、この一軒の中でこれほどの材料を見られるのはとても珍しいことだというお声をいただいています。じっと動かなくなってしまう方もいらっしゃいます。いろいろな工法などもご存じで、逆に私たちも教えてもらうことがあります。

官舎って、今で言う公務員住宅のようなものです。佐倉藩の藩士たちもそれぞれの石高、いわゆるお給料の差で、住むことができる家が違うのが、みるだけでわかるんです。3棟の武家屋敷はそれぞれ旧河原家・旧但馬家・旧武居家住宅といって、最も古い旧河原家住宅は県指定文化財になっています。垣間見ることができる当時の武士の生活は、階級により違いがはっきりわかるようで、久保田さんの話によりますと、まず、玄関あたりにある畳の数からして違うんだそうです。壁も土壁や塗り壁など、はっきり違いがあって、3つ比べてみると切なく感じる方も多いようですよ。

そして、旧堀田邸の方はお屋敷というのだからかなり豪華なんです。建築関連の方もたくさん見に来るようなんです。こちらは国指定の重要文化財で、ドラマなどの撮影にも使われています。堀田正倫は廃藩置県ののち華族となり一度東京に移住し天皇に仕えましたが、佐倉に戻ってからこの邸宅を建てたそうです。建物の方ですが、お話にもあった通り、畳のヘリの材質が絹でできていたり、天井の板の大きさや数、見る角度によって見え方が違う襖など床の間の前の大きな畳ガイドさんのお話がなければ、気づかないこともたくさんあるそうです。そして大広間から見える通称「さくら庭園」と呼ばれる庭も国指定の名勝。桜の季節には花を楽しむ方で賑わうそうです。最後に文化財ボランティアガイド佐倉の久保田さんからメッセージをいただきました。

窪田さん:佐倉でゆっくり時間を過ごして歴史を感じていただければ嬉しいです。私たちは「武家屋敷」「旧堀田邸」「佐倉順天堂記念館」をご案内しています。他にも佐倉には「城址公園の周り」をご案内するガイドさんたちがいたり、一緒に街を歩いてガイドする団体の方たちもいらっしゃいます。皆さんの旅の目的に合わせたガイドを選んでいただいて、この佐倉を満喫してください。
佐倉にある国立歴史民俗博物館は、古代から現代までを網羅した博物館で大変多くの歴史ファンの方が来ることでも有名です。武家屋敷と旧堀田邸では年に数回、特別公開も実施されていて、普段は入れないところを見られたり、佐倉藩士の甲冑を着るイベントなどもあるそうです。城下町・佐倉の散策、私もボランティアガイドをお願いして、あらたな魅力と出会いたいと思います。
それぞれの建物の情報などについては佐倉市のホームぺージをご覧ください。
https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/bunkaka/bunkazai/sisetsu/
2024/6/28 UP!
今回は手賀沼周辺エリアで盛りあがりを見せるグリーンツーリズムの取組にスポットを当てたいと思います。
手賀沼は都心から一番近い自然の湖沼。江戸時代には鰻の産地として商人に親しまれ、大正から昭和初期にかけては、白樺派をはじめ多くの文化人に別荘地として愛されました。今回はそんな手賀沼の魅力を自然体験プログラムを通して存分に満喫できる「奥手賀ツーリズム」についてご紹介します。

都心からおよそ1時間。水辺と緑に囲まれた手賀沼周辺エリアの豊かな自然環境を楽しみながら体感するグリーンツーリズムを提供しているのが奥手賀ツーリズム」です。まずは「奥手賀ツーリズム」の発起人である油原祐貴さんに、どんな体験ができるのかその概要をお話いただきました。
油原さん:天然の湖沼、手賀沼の東側半分奥側を、僕たち「奥手賀」と名付けています。この場所は住宅地からも程よい距離があって、まあ農業が盛んであったりとか、大きな空があって自然を非常に感じることができる、ゆったりとした場所になっています。この場所でまあ、グリーンツーリズム・・エコツーリズムをやっているのが私たちです。大きく4つあります。一つは「農業」ですね。収穫体験であったりとか、まあ、最近は援農ボランティアなども含む農作業体験。それから手賀沼の水辺を楽しむ「釣り体験」や「サップ」「カヤック体験」こういったアクティビティ「水辺のアクティビティ」。そしてこの手賀沼周辺の竹林や森林、そういったところを整備する鳥野鳥観察をするといったような「環境活動プログラム」。周辺の集落での「歴史文化などを楽しむ」ようなツアー。そういったことができるエリアです。
都心に近い自然の中でずいぶんいろいろな楽しみ方ができるんですね。
油原さんは、もともと、町おこしイベントなど、自治体や商店街と一緒に地域を盛り上げる事業をされていて、地元の農家さんたちと連携して「農業体験」のプログラムをやっていました。それがさまざまな方向に広がって、今の形になるんですが、一体どのように充実していったのでしょうか?
油原さん:もともとそういう釣りをやってる人、サップやってるとかカヌーをやってる人っていうのがいたことすら知らなかったんですけど、手賀沼でそういう農家さんとまあ六次化のいろんな取り組みをして行く中で、周りにそういう人たち景色として存在してるんですね。なんか手賀沼に人がいるみたいな、で、何やってるんですかっていう話を聞くと、こういうことやってるよと。ただ、その人たちはどちらかというと自分たちの楽しみとしてやってる人たちが多かったので、これって体験できないんですか?みたいなことを、聞いて、ああできるよ。毎月第四何曜日やってるよ。体験がやれるんですねみたいな。そういうところから少しずつ実際にやらせてもらって、これをいついつこういうイベントでちょっとやらしてくださいよって言ったらいいよみたいな。そんなふうに、こう皆さんとの広がりっていうのができてきましたね。だから農業以外でもこんなことできるんだなあっていうのは、だんだんだんだん分かってきたっていう感じです。ノリがいいというか、結構自分が好きなことを あ、何やりたいのってじゃあ教えてあげようかみたいなかんじですよね。

「手賀沼フィッシングセンター」を拠点にして 「農業体験プログラム」の活動をする うちに、柏市、地元の方々との交流も生まれ、今の形に広がっていったそうです。やがて手賀沼を周遊するサイクリングも始まり、周辺エリアの魅力的なコンテンツがどんどん増えていきました。
当初 農業体験やレジャーは、週末にお客さんが集中する傾向がありました。でも、収穫体験など週末にタイミングがあうとは限りません。そこで、新たなプログラムが生まれました。
油原さん:教育学習、学校の授業の一環として、自然の中での体験をするっていうようなことをプログラム化して取り込めないかっていうことをまあ考えるようになりまして。受け入れ先っていうのはさっきあのお話があったような農家さんであったりとかカヌー体験をやってらっしゃる方とか、そういう方を先生に、子供達を迎え入れて、半日の学習プログラムとして自然体験やる。これ「手賀沼スクールヤード」という名前で三年前から始めたプログラムなんですけど、今そうですね年間で30校ぐらい、子供たち学校受け入れさせていただいて、平日、そういったさまざまな体験をしてもらってます。心を解放してというか、自然の中で活動する子供達って、すごくやっぱり笑顔が自然と出てくるなと思いますし、やった後にすごくこう。表情が全く変わってるって言うんですかね?
油原さんも、参加している子供達が無邪気に収穫体験などをしている表情を見てパワーをもらうことができて、自然体験が持つ力を実感しているそうです。農業体験は6月、7月ですと、ブルーベリー狩り、じゃがいも掘り、枝豆収穫、とうもろこし収穫など。水辺では、ニジマスを釣ったり魚を捌いたり、夏場にはニジマスの掴み取りをしたりするそうです。ほかにも竹林や近くの森林の手入れ、
生き物の観察であったり、歴史的建造物の修復体験。「千年村」と呼ばれる鷲野谷地区で江戸時代に建てられた建物を見学しながら歴史を学ぶプログラムなどもあります。 それぞれの体験は1回が2、3時間程度で、小学校低学年から中学生まで学べるコースがあるということです。

子供だけじゃなくて大人が体験できるプログラムもあるんです。そんほか、家族で参加できるものや、個人で参加できるものなどいろいろあります。11月までは農業体験や水辺でカヤック・SUP。11月からはバードウォッチングなどの体験もできます。
最後に油原さんがこの活動に寄せる想いを教えてくれました。
油原さん:まあどれをとっても、皆さんが来れば来るほど町がよくなっていく地域が元気になって行くとかっていうような、その参加して良くなっていくみたいな流れを作りたくて。で、それが続いて行った先になんか、近未来手賀沼の近未来価値みたいなものが「手賀沼ってなんか関わった結果嬉しい」みたいなそういう手賀沼になってったらいいなと思ってるんですけどね。
一度奥手賀ツーリズムを体感した人がその魅力をまた別の誰かに伝えて、そして再び訪れてくれる。そうして地域にかかわる人が増えて、農作物が収穫しきれないまま廃棄されるようなことも減ってくる。そんな相乗効果も生まれ始めてきているそうです。この夏、進化し続ける奥手賀の魅力を体験、体感してみてはいかがでしょうか?
2024/6/21 UP!
今回は、日本一ゴルフ場が多い市としても知られる市原市で日々練習に励んでいる小学生ゴルファーの根本将誠さんと、若きアスリートを支える「ミンナノチカラ」をご紹介していきます。
ゴルフ場が市内に33か所あり、その数全国の市町村で№1の「ゴルフの街」・市原市。ゴルフの聖地を目指し、さまざまな取り組みが行われていて、ジュニアゴルファーの育成にも力を入れています。現在、市原市ジュニアゴルフ協会の「強化指定選手」に認定されている11名の若きゴルファーが、その支援を受けて頑張っていますが、そのうちの一人、根本将誠さんは現在小学4年生。本格的にゴルフを始めて僅か半年でかつて宮里藍選手や池田勇太選手も出場したIMGA世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表に選ばれた期待の新星なんです。そんな将誠さんに、練習場で、まずはゴルフを始めたきっかけを伺いました。

根本将誠さん:ゴルフやってる根本将誠です。9歳です。ゴルフは7歳から始めました。ゴルフを始めようと思ったのは、お兄ちゃんがやってたからです。家にテレビの横にお兄ちゃんのトロフィーがたくさんあったから自分も欲しいなあと思ったから始めて三か月で、新潟の大会で準優勝をして初めてトロフィーをもらいました。悔しかったので。毎日練習してジュニアの大会で1位を取りました。
お兄さんの悠誠さんも同じく指定選手で、現在、アメリカの名門スポーツアカデミーに留学中。兄弟で世界一を目指しているんです。将誠さんは昨年、2023 PGM世界ジュニアゴルフ選手権 日本代表選抜大会 東日本決勝7-8歳男子の部で激戦を制して日本代表として活躍しました。お兄さんの悠誠さんのアメリカ留学をきっかけに、将誠さんはさらにゴルフに打ち込むようになったそうです。今はどんな風に練習しているんでしょうか?
根本将誠さん:今は一年間で250回ぐらいラウンドしてます。僕が一番練習してるところはbrick and woodクラブです。フェアウェイもクネクネしてて、グリーンも難しい。学校終わってbrick and woodクラブに来ています。土曜だったら市原市内のいろんなゴルフ場に行きます。だいたい一人で回りますけど、友達と回る時もあります。来年、また日本代表になって世界一を目指したいです。
市原市には33のゴルフ場があり、上級者からビギナーまで自分のレベルにあったコースが選べるようになっています。お話にあったbrick and woodクラブは腕を磨くにはぴったりと言われる戦略性に富んだコース。すぐ隣に住宅や別荘が建つエリアがある外国風のつくりで、根元さんのお家からも通いやすいそうです。ちなみにお兄さんの悠誠さんがゴルフに一点集中して才能が開花したそうですが弟の将誠さんはバスケットなど他のスポーツにも取り組みながら、ゴルフの腕も磨いています。学校の友達にも「強化指定選手」の仲間がいるそうで、そんな友達と一緒に回るのはまた楽しいそうです。
続いては、昨年夏、兄弟で日本代表を果たした「根本兄弟」のお父様根本大さんに2人がゴルフを始めたきっかけについてお聞きしました。
根本大さん:きっかけは近くの体験レッスンにたまたま行くことがあって、それがきっかけですね。ほかのスポーツの体験も一通り行かせて、最後にゴルフを行って、そこはやらないだろうなと思って行ったけど、まあ本人が選んだ感じですね。最初はちょっとまぐれかなと思って、そんなに期待はしてなかったんですね。勝ちを重ねていくうちに、ちょっと才能があるんじゃないかと少し思いましたね。前に住んでたところがあんまりゴルフの環境が良くなかったので、より良い市原市に、ゴルフが環境が良いので、引っ越してきました。そうですね。日本一ゴルフ場が多い市なのでゴルフの環境がとても良いので。そういう環境でもっとやらせたいなと思って引っ越して来ましたね。
お父さんはゴルフ関係のお仕事をされていたということもなく、あまりゴルフに縁がなかったそうで、ゴルフのレベルも「そこそこ」なんだそうです。お兄さんの悠誠さんは5歳でゴルフを始めた次の年IMGA世界ジュニア選手権6歳以下男子の部の優勝を皮切りに8年連続の日本代表。世界一を既に5度獲得しています。そのお兄さんを見て頑張る将誠さんの今後も楽しみです。
ところで、ゴルフはお金がかかりそうなイメージがありますよね。しかも根本さんのように兄弟で大活躍となれば、大変です。でも市原市ジュニアゴルフ協会の強化指定選手である悠誠さんと将誠さんは、市のサポートも受けながら頑張り続けています。それに対して、お父様はどう思っているんでしょうか。
根本大さん:ゴルフ場の隣に引っ越してきたので、学校終って放課後毎日ラウンドできるようになりました。市内に住む強化選手に対して市内のゴルフ場を格安で、かなりありがたいですね。基本は午後からのハーフラウンドが多いですけどね。十年後は弟もできればアメリカに留学してもらって兄弟でアメリカで戦えるような選手目指して欲しいですね。ガチンコですね。夢ですけどね。とにかくまあ市原市にはゴルフのサポートかなりお世話になってるので、まあ、今後子供たちも大きくなって、まあいつか市原市に。恩返しできるような選手になってほしいですね。市原市内でもほかの選手もどんどん有名な選手が出ていただいて、もっと市原市が有名になれるようになっていけたらいいと思ってます。
学校終わりにほぼ毎日のようにラウンドに通う将誠さん。全然辛くはないそうです。これからの根本兄弟の活躍に注目したいですね!
市原市のジュニアゴルファーの育成について詳しく知りたい方、
https://www.jgai.or.jp/training
こちらをご覧ください。
2024/6/14 UP!
今回ご紹介するのは香取市の水郷佐原あやめパークです。

歴史的な街並みで 有名な佐原の町より少し北にある、与田浦を臨む水辺空間で、島や樹木、橋などが昔懐かしい水郷の風情をつくりだしています。あやめパークという名前ですが、季節ごとに色んなお花を楽しむことができ、今まさにアヤメ科の「花菖蒲」が見頃を迎えています。それでは、水郷佐原あやめパークの園長・篠塚量正さんに水郷佐原あやめパークについて伺います。

篠塚さん:あやめパークは駐車場含めて全体としておよそ9ヘクタールございます。その中に花菖蒲を植栽しておりますけれども、花菖蒲は400種類、そして約150万本の花が咲きます。うちの園はですね、植栽方法としては、品種ごとに名札をつけて管理をしております。皆様に提供しています花もですね。すべて名札をつけて見ていただけるようにご案内しております。我々も台帳の中でどこに何があるかということをわかった上で管理しております。

あやめ、菖蒲、かきつばた、といろいろありますが、見分け方は以下の通りです
見分けポイントその1:花弁=花びらの根元部分!アヤメ⇒網目模様、カキツバタ⇒白い筋、花菖蒲⇒黄色い筋が入っている。
その2:生えている場所です。アヤメ⇒乾燥したところが好き、カキツバタ⇒水の中、花菖蒲⇒中間で、湿り気のある土地で育つ。そして花が咲く時期も少し違うそうですよ。

篠塚さん:あやめパークとして、あやめ科の植物を扱ってますけども、まずあのゴールデンウィークにはアヤメ科のアヤメが咲きます。それが終わりますと水辺でですね、かきつばたが花を咲きます、それが終わりまして、5月の下旬からですね、メインとなります花菖蒲が咲きます。うちの園は5月の下旬からですね6月の中旬下旬くらいまでですね「あやめまつり」を開催しておりまして、その約一ヶ月間は花菖蒲をお楽しみいただけます。いわゆるあの水辺をですね水郷の水辺を楽しんでいただこうということで水辺を生かした体験できるようなイベントも行っております。園の中でですね、サッパ舟を浮かべまして、船頭によって池の中を周遊していただく。そして花をご覧いただけるという体験も行っています。

園内には水路が張り巡らされていまして、お話にありました通り、船頭さんがさっぱ舟と呼ばれる小舟を操りながら、水上から間近に見られる花を案内してくれます。
この期間中に、大変注目を集めているイベントがあります。一体それはどんなイベントなのでしょうか?

篠塚さん:あやめまつり期間中に3組の方に嫁入り舟を行っていただいております。この方々すべてですね結婚式をここで挙げていただいております。昭和40年代まで続いてたその水郷の嫁入り舟をですね再現する形でですね、同じような形で嫁入り船で結婚式を挙げていただいております。結婚式はですね、私どもの地元にあります香取神宮の神官さん、そして巫女さんがちゃんとおいでいただいて、香取神宮と同様な形で結婚式を挙げていただいております。園のですね中心にあります島でですね、結婚式行いますので。周りからですね、皆さんの祝福を受けてですね、舟に乗って島で結婚式を挙げていただいています。

結婚式を行う場所は「結の島」といいます。式が終わると、お披露目のためにさっぱ舟に乗って園内の水路を回ります。この企画、大変人気で、籍は入れたけど結婚式はここで!ということでお待ちになっている方もいるぐらいなんです。今年は6月16日にも行われる予定です。そんなハッピーなイベントが終了し、花菖蒲の見頃がおわると、池や水路にはハスの花が咲いてきます。その一方で、職員の皆さんは、来年のために作業を始めるんです。
篠塚さん:あやめまつり終わったあとですね、7月8月の非常に暑い中ですね 株の植え替え作業を外で行っております。全ての株を堀りあげまして、選別したうえでまた植え替えるという形で、また来年花が咲くように頑張ってます。できてもう50年ぐらいですね、なってまして、地元にですね花の育種をされる方もいらっしゃいます。まあそのかたがですねたくさんの種類を作られまして、こちらの方に花を寄贈していただいております。特にですね。珍しい花では、花菖蒲はいわゆる青ですとか紫、白が多いんですけれども、ピンクの濃い花アカバナですね。ここしか見られない赤い濃い「美人桜」という品種がございます。これはあのここでできたものでここしか見られない非常に赤い綺麗な花ですので、ぜひともご覧頂ければと思います。
植えっぱなしではなく、きっちりお手入れされているからこそ、毎年私たちが美しい景色を楽しめるんですね。今ご紹介のあった「美人桜」という珍しいピンクの花は、水郷佐原あやめパークでのみ見ることができます。

同じ品種の花の写真を撮るために、毎年いらっしゃるお客さんもいるそうです。水郷佐原あやめパークの「あやめ祭り」、開催は6月23日まで。ぜひ皆さんもお出かけになって、お気に入りの花菖蒲を見つけてください。