2024/11/22 UP!
今回のテーマはワインです。千葉県産のワインというのはまだあまり馴染みがないかもしれませんが、徐々にその評価が上がり注目されているんです。今日は、ブドウも自らの畑での栽培し、美味しいワインを作っている八街市のワイナリーをご紹介します。

八街市ある「サワワインズ」。こちらではワインの原料となる葡萄も作っています。八街といえば落花生の生産で有名ですが、この辺りは年間を通して温暖な気候で実は葡萄の生育にも適しているんで。そして、風が吹き抜けるお土地柄は、ワイン用ブドウ生産に向いているというわけなんです。一方で千葉県内では自社の畑でブドウから育ててワインを作っているところは少ないです。まずはサワワインズのご主人山本博幸さんに、ワインを作ろうと思ったきっかけを伺いました。

山本さん:うちの実家の屋号が「サワエンドン」っていう屋号なんですね。で、それでそれと一緒にあの畑を始めたうちのおじいさんが「さわじろう」って言いましてで、その二つの「サワ」の字だけいただいて。あとはワイン作りを、いろんな人たちと思いを一緒に作っていきたいっていうことでワインズと二つ合わせてサワワインズという名前をつけました。畑を始めるまでは主に飲食店関係で仕事をしてました。ある時、その自分たちの持っている畑を管理しなくてはいけなくなった時に、それまでの知識を活かしてワイン作りぶどう作りっていうものに興味があって。それを始めようと思って2010年からブドウ栽培から始めました。その時35歳でしたね。

飲食関連の仕事をされていた山本さん。八街に落花生以外の名産、特産品を作っていきたい、地元で働く場所ができて、子供達や地域に残せることをやっていきたいと考え、ワイン作りに辿り着きました。そして奥様を説得して、まずはワインで知られている山梨県や長野県で、葡萄を育て、ワインを作っている所を訪ねてはノウハウを教えてもらい、それを参考に丁寧に葡萄作りに挑戦していきました。

山本さん:とにかくまとまった量が収穫量必要なんでそれがある程度取れるようになったのが2014年でしたね。マスカットベイリーAっていう今も主力の商品ですけども。作ってもらいました。その当時はまだ自分たちでは仕込めなくて。ブドウは家で作りましたけども、ワインにしてもらうのはよそのワイナリーさんでっていうことですね。まあ感動はありましたけども、まだまだもっといけるんじゃないかっていう思いも同時にありましたよね。そうです。クオリティ的にですねはい。ワイナリーを自分たちで設立していこうっていう計画を立てて、そこで八街市でワイン特区をとってもらう。まず先に特区があってでワイナリーの設立は、その後になります。

ワインの製造免許を取得するには、年間6000リットル以上という大量の製造量を見込む必要があり、新規参入者の壁になっていました。そこで山本さんは八街市に相談。八街市がワイン特区として国から認定を受けることで、3分の1の2000リットル以上の醸造で免許がおりることになるんです。

ワインを仕込めるレベルに達した山本さん、特区の認定も取れたたところで、いよいよ、実際にワインを仕込んでいくことになります。
山本さんがワインづくりを始めた当時、県内にワイナリーは1軒しかありませんでした。2010年から葡萄栽培をスタートし、2021年にはワイナリー「Sawa Wines」を誕生させた山本さん。最初はどんな感じだったのでしょう?
山本さん:仕込み自体はもうはっきり覚えてますけども、一発目の仕込みをやった時、もうとにかく楽しくてしょうがなかったですね。やっとこう自分たちで作ったブドウをワインにできるんだっていうこの喜びの方が、もうそれまでやっぱり辛く苦しい時期が長かったんで。まあ、それが喜びが大きく上回ったっていう感じですかね、仕込んだものを最初飲んだ時はこれが僕が仕込んだワインなのかっていう感じでしたけども、感動でもない、驚きでもない、なんとも言えない感じでしたねホッとしたとも言えるかもわかんないですけど。やりきったでもなく、、なんなんだろうな。なんですかね。商品化までこぎつけたっていうのは、一つ山越えたっていう感じはありますよね。

初めて自分の手でワインが出来上がる。どんな気分だったんでしょうか?地元の酒屋さんも店頭で販売して応援してくれたそうですが、Sawa Winesに併設されたショップでも販売を始めました。現在は赤・白・ロゼ・スパークリングがあり葡萄の種類別でラインナップされています。
ショップではワインだけでなく、ワイン用の葡萄の実で作ったジャムやワイン塩なども販売しています。ワイン制作の過程でできるオリを活用して、以前番組にもご登場いただいた川島屋さんと共同開発でパンを作ったりもしたそうです。そして山本さんはこんな夢も描いています。

山本さん:もう本当4、5年前まで千葉県に一軒しかワイナリーさんがなくて。千葉県は本当、海の幸山の幸本当食材は恵まれてて、日本酒もあり、焼酎もありなんですけども、ワインだけがあまりなくて。でもこの数年で結構あちこちにワイナリーさんができて。これからも設立を計画している人たち何人かいるんですね。結構いっぱいできる千葉県になるんですよ。なので、千葉県のワイン文化、これからできてくると。そうすることによって千葉県のワイナリーさんたちこれのつながりで千葉県のワイナリー協会じゃないですけども、そういったこともできて、お酒文化の一端を担えるようになれればいいなと思っています。

今年仕込んだワインはこれから醸造に入るわけですが、ちなみに23年ものは大変出来がよかったということでおすすめだそうですよ八街のSawa Wines直営ショップは基本的に週末のみの営業です。扱っているワインの種類や在庫など詳しくは公式サイトでご確認ください。
2024/11/15 UP!
房総半島は「関東で一番遅い紅葉」を楽しめる場所と言われているんですが、KOUSAKUさん、紅葉の名所といえばどこが思い浮かびますか?養老渓谷はいかがでしょうか?
全国的にその名を知られる「養老渓谷」は、紅葉はもちろん、房総随一の温泉郷としても有名です。今日は秋の養老渓谷を存分に楽しめる日帰り温泉施設をご紹介します。
養老渓谷は、房総半島のほぼ中央、大多喜町粟又から市原市朝生原を流れる 養老川によってつくられた渓谷で、豊かな自然や点在する滝が美しい癒しスポット。さらに、「房総の奥座敷」とも呼ばれ、渓谷沿いに多くの温泉宿が集まっています。そんな温泉を日帰りで楽しめるのが「滝見苑けんこう村 ごりやくの湯」。まずは店長の梅田美夢さんに、こちらの特徴をおききしました。

梅田さん:滝見苑という旅館がありまして、そちらのオーナーが2005年に日帰り温泉の施設として作りました。養老渓谷の温泉で代表的なのは、黒湯なんですけど、ごりやくの湯では黄色みがかった透明なお湯になってます。で、アルカリ性が強くて炭酸水素ナトリウム泉なのでとろみが強く、美肌効果があると言われております。こちらの温泉では、地下の井戸20mのところから源泉が湧き出ています。加温はしてるんですけど加水はしておりません。

2005年7月にオープンしたこの施設。粟又の滝のすぐ上にある秘湯の宿・滝見苑の離れ湯として、さらに800mのぼった川沿いにあり、四季折々の美しい景色を楽しめる露天風呂や内風呂、サウナなどを備えています。先ほどお話にもありましたが、この地域は黒湯というコーヒー色の温泉が多いのですが、ここの泉質はPh8.0のアルカリ性。アルカリ性のお湯は一般的にお肌がすべすべになる美肌の湯とも言われます。滝見苑に宿泊されるお客さんも散策がてらこちらのお湯も楽しんでいかれるそうですが、日帰り利用は、どんな方が多いのでしょうか?

梅田さん:ドライブに来られた方とかと、あとバイカーの方が多いですね。夫婦の方もいらっしゃいますし、男女の若いグループ、それから男性の方のグループも結構多く見られております。去年でしたら、11月の後半から12月の中旬まで(紅葉を)見ることができました。多分、今年もそのくらいだろうと言われています。養老渓谷の紅葉は朝と夜の冷え込みが激しく、日中との寒暖差があるので、赤や黄色の色がとてもきれいに見えるのが特徴です。この紅葉を楽しみに全国各地からお客様がご来館になります。施設の近くに川が流れており、そこの付近にも色鮮やかな紅葉が見えるので、露天風呂からもそれが見えるので、それを皆様楽しみに来られます。

朝晩の気温がぐっと下がり、昼間との温度差が大きいため、さらに鮮やかに色づく美しい紅葉を楽しむために全国からファンがやってくるそうです。都心からも近いということで、ドライブやバイクのツーリング、さらには風情ある小湊鉄道などを 利用してたくさんの方がこの地を訪れます。

全国的にも有名な養老渓谷の紅葉を温泉とともに楽しめる日帰り温泉施設「滝見苑けんこう村 ごりやくの湯」には湯上りの休憩場所もあって、美味しい食事も楽しむことができます。どんなメニューが人気なのか聞いてみました。
梅田さん:こちらの施設では、ごりやく食堂という食堂がありまして、11時から16時半の間で2時から3時まで休憩があるんですけど、その中でおすすめの食事は「うなとろ定食」という、台湾産のうなぎを使った簡単なうな重とあと冷やそばがついています。で、それにうなとろのとろはとろろでそばにかけて食べられるようになっております。こちら結構ボリュームが多いので、若い方にとても人気です。一番人気のメニューは「ごりやくそば・うどん」というメニューです。こちらは縁起のいいものをのせたそばとうどんになるんですけど、具材は揚げもち、いなり、かまぼこ、わかめが乗ったものになります。で地域の野菜も使っているので、近くの畑で採れた新鮮な野菜が載っているのも特徴です。

そして人気1位のごりやくそば、うどんに入る野菜は旬の地元野菜。これからの時期はかぼちゃがおいしくなってくるんじゃないか、ということです。そしてもともと自然が大好きでこのお仕事につかれた梅田店長に、養老渓谷の魅力についてきいてみました。

梅田さん:紅葉シーズンや春の桜が見える季節はとてもお客様が多く、開店は10時からなんですがと開店待ちをしていただくお客様も多いです。私は自然が大好きで、滝によく行くことが多く、ごりやくの湯の裏には金神の滝という滝があり、近くには粟又の滝という有名な滝があります。春は桜、夏はと新緑と秋は紅葉で、冬は夜遅くまで残ると星空がとてもきれいに見えるので、私は星も好きなので、すごく景色がとても気に入っています。

こちらの施設ではレンタルサイクルを行っていますので、歩く方が大変な方や遠出したいという方にちょうどぴったりです。レンタルサイクルの限りがあるので乗りたいなと考えているお客様は事前に電話していただければと思います。

ごりやくの湯の近くには、「養老八景」に数えられる景勝地・金神の滝のハイキングコースも整備されています。さらに、電動アシスト自転車のレンタルもあるということで、ここを拠点に養老渓谷を巡り、温泉でゆっくりと汗を流す、なんて過ごし方もおすすめですよ。ゆったりと一日過ごせるごりやくの湯。例年12月中ごろまで楽しめるという紅葉をお湯に浸かりながら堪能してくださいね。「滝見苑けんこう村 ごりやくの湯」の定休日は水曜日、営業時間は午前10時から午後6時が基本です。詳しいことなどご確認のうえ、ぜひお出かけください。
2024/11/8 UP!

千葉県は新鮮な海の幸が豊富で、もちろん、美味しい水産加工品もたくさんあります。みなさんは「天草=てんぐさ」ってご存知でしょうか?
ところてんや寒天の材料になる海藻のことですが、この「天草」実は千葉県でも結構水揚げされているんです。今日は、全国でも数少ない「天草を扱う問屋さん」の一つが、館山にオープンした美味しいスイーツを食べられるカフェをご紹介していきます。
館山市にある洲崎灯台の袂では、寒天やところてんの材料となる海藻・天草漁が盛んで、全国有数の天草の産地です。そんな館山に純国産に拘る天草のブランド「にっぽんてんぐさ」を展開する株式会社おがたの倉庫と工場があります。その一角に昨年、天草を使ったスイーツを楽しめるカフェがオープン、話題になっているんです。まずは社長の小形勇介さんにあまり知られていない寒天業界のお話を伺いました。

小形さん:創業80年近く。天草と寒天の卸しを行っております。私で三代目になります。32歳になって今の会社に入りました。それで一昨年、代替わりをしました。まず国産天草なんですけれども、十年前は400tから450tで推移したんですけれども、ここ数年200t以下の水揚げ量になっております。それで回復の今見込みがないような状況なんですけれども、まあ、そういった国産天草の減少の状況と令和元年の台風で倉庫の一部に被害を受けました。で、その直後、コロナが始まりまして、会社の売り上げとしては3割ほど売り上げが落ちてしまいました。そういったところから2023年、一般の方にあんみつやところてんを届けたくて「TATEYAMA1093」というお店をオープンして、天草や寒天の価値を、若い方々をはじめ皆様にお届けしたく今頑張っております。

「TATEYAMA1093」は昨年オープン。(1093は 10=ten、9=く、3=さ(ん)、てんぐさの語呂合わせなんですね)通りから少し奥まっていて、知らないと行きにくい場所にあるんですが、営業日には駐車場がいっぱいになり、行列ができるほどの人気ぶりなんです。実は、ここ数年、千葉県産の天草が注目を集めるようになってきたそうです。それは一体なぜなんでしょうか?その理由を伺いました。

小形さん:天草の二大産地と言われてたのが、伊豆諸島と伊豆半島の天草です。で、こちらは硬さと弾力が共にある産地でブランド天草として入札会を開くともう最高価格が出るような産地でした。ここ数年、かなり、二大産地の数量が減ってきて、それで千葉県がこの海水温とか栄養の状況が良かったのか、ここ4、5年ぐらいでかなり水揚げ量を増やして、今、全国の水揚げ量の約4割を占めております。まだ伊豆諸島や伊豆半島の高値には届かないんですけれども、まあ年々千葉県の天草が再評価されてまして、この滑らかな食感とか弾力こういったものがお客様からええ強く要望されております。今、本当に全国のお客様から千葉県産の天草がないかということでお問い合わせを受けているんですけれども、千葉県産も少し数量が落ちてきてしまっているので、うちの方では大切に供給をしています。

株式会社おがたの本社は東京にありますが、もともと館山に倉庫や工場、天日干しの場所などがあり、千葉県産の天草の良さをアピールできる場所をここに作りたい、と思われたそうです。
昨年一般消費者に向けてオープンしたカフェ「TATEYAMA1093」は、SNSなどで情報が広がり、開店待ちが出るほどの人気店になっています。どんなメニューなのか、小形社長に教えていただきました。
小形さん:うちのメニューの特徴としては、千葉県産天草100%で作っている寒天です。千葉県産天草で作っている生寒天は、滑らかで弾力もあって、ただあの硬さが出にくくて、多少離水してしまうというところが弱点なんですけれども、前日に、天草から煮出して作って、で、もう1日2日で販売をしてしまうということなので作りたてを楽しんでいただけるものになっております。作りたては本当にこう滑らかで弾力もあって、しっかりこの寒天の中に水分を抱えているので、舌触りとか、そういう歯触りみたいなところが、やっぱり日持ちをさせている寒天とは違うのかなと思います。ねっとりと言いますか、なかなかこの皆さんのイメージする寒天、生寒天とはちょっと違うのかなと思います。

ということで、この番組収録のスタジオに、できたばかりの100%館山産天草で作った寒天入りのあんみつを、小形さんが届けてくださいました。試食した2人は「海を感じる寒天」の弾力に感動していました。しっかりした歯ごたえの寒天でできたあんみつは他のお店のものとは一味違うようです。
さらに、スタイリッシュなお店や、商品のデザインについてもお話を伺いました。
小形さん:一つはこのお店を目的地にしたいというのがあるので、まずたくさんの方に来ていただいて、私たちの思いというのを、このお店と商品を通じてあの知っていただけたらと思っています。それで、ここだけでなく、この「TATETAMA1093」を拠点にして、都内の催事の方に出店をして、この千葉県産天草の素晴らしさと価値を多くの方に知っていただくあの機会を設けられたらいいなと考えております。カップに入れてる、今「さらし天草」を販売しておりまして、お店やインターネットで購入することができます。

丁寧な作り方レシピもついてますので、お子様と一緒に楽しんでご家庭で作りたての生寒天を楽しんでいただけるかなと思います。千葉県産天草の素晴らしさを知っていただければと思います。

館山のお店を拠点として、ネット通販や期間限定の出店にも力を入れていきたいという小形さん。寒天は、腸内環境を整える、活発にする、2種類の食物繊維が含まれているヘルシーな食材としても注目されています。さらに満腹感が得られるので、カロリーコントロールや食べ過ぎ防止に役立ついいことづくめの食材。お店で作り立てを食べるのもよし、通販で材料を購入してお家で食べるのもよし。あんみつや心太(ところてん)で「にっぽんてんぐさ」の美味しさを ぜひこの機会にお試しいただきたいと思います。
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2024/11/1 UP!
今回は千葉の魅力的なプライベートミュージアムをご紹介したいと思います。
プライベートミュージアムとは、個人によって収集された作品が展示されている私設美術館のことで、千葉県内にも以前ご紹介した、写実絵画専門のホキ美術館をはじめたくさんの素敵なプライベートミュージアムがあります。今回は、全国から猫好きの皆さんが集まるという匝瑳市の「松山庭園美術館」をご紹介していきましょう。

八日市場駅から車で10分ほどの小高い丘の上にある瀟洒な美術館です。芸術家・此木三紅大(このき・みくお)さんのアトリエを公開したもので、此木さんの作品をはじめ数々の名画コレクションや茶道具などが展示されています。また、敷地内には四季折々の風景をつくりだす庭園が整備されていて、そのあちこちには石や鉄の彫刻が点在しています。特に紅葉の見頃には、多くのファンが一枚の絵画のようなその景色をもとめて訪れます。ゆったりと流れる時間を楽しめることで人気のミュージアムについて此木三紅大さんの奥様で館長の此木のり子さんにまずはこの土地にいらしたきっかけを伺いました。

此木館長:この美術館はプライベートな美術館ですので、主に此木三紅大が収集しました絵画ですとか、お茶の関係のお茶碗ですとか、そちらの方も興味を持っておりまして収集しておりますので、そちらを皆様にご覧いただくような、そんな美術館でございます。
横浜に住んでおりまして、東京ですとかそちらの方で活動しておりましたけれども、ちょっと住まいの近くは賑やかになってまいりまして、それであの静かなところがないかなと思っているところですね、ちょうど銀座の画廊で展覧会やっておりました時に、たまたま来られたお客様があのご自分のところで、ぜひ制作など活動してもらえないかということでお誘いを受けまして。こちらの方に何のゆかりもない千葉の方に住むことになりました。それが今からもう40年以上前のことですね。

お話を受けて早速今のミュージアムがある場所を視察。小高い山を切り崩してアトリエを建てることから始めたんだそうです。大変だったそうですが、三紅大さんは、静かな環境をとても気に入って絵画、彫刻、ステンドグラスなど、多岐にわたる作品の創作活動をスタートしました。現在も精力的に活動されているのですが、ある時、このアトリエを週末、一般の方に公開することになります。創作の場を求めて都会の喧騒から逃れてきたはずなのになぜでしょうか?そこに此木さんご夫妻の思いがありました。

此木館長:東京あたりでしたら、自分で興味のあるもの、展覧会はいくらでもありましたので選んでいけたんですが、ここは何もないなあと本当に不思議だなと思いまして。それで芸術家として何か地域のために役に立てることは、やはり美術に触れる時間を、場所を、提供することではないかなと思いました。ちょうど近くの小学校もございまして、子供たちが学校帰りに、わあわあという声も聞こえるようなところですので、それでこの子たちに気軽に美術館に入るという、そういう習慣をつけてもらいたい。そんな気持ちで週末だけ開放する美術館を考えました。

作品作りに夢中になりながらも、子供たちや地域の方々に「芸術、アート」を身近に感じられる場所を提供したいという想いから、アトリエを改装して、多くの方が気軽に芸術作品を見ることができる場所として1998年にオープンした「松山庭園美術館」は、主に週末を中心に公開して、現在も基本的には金曜日、土曜日、日曜日が開館日になっています。そんな松山庭園美術館、実は「猫に会える美術館」としても有名なんです。庭に入っていくと、韓国で2年間かけて作った数々の石像がお迎えしてくれるんですが、その陰からかわいい猫ちゃんがヒョコっと顔を出します。

芸術家 此木三紅大さんの作品やコレクションを楽しめるとともに、猫にあえる美術館、「松山庭園美術館」。実は、猫好きにとってはたまらない21年の歴史がある企画展があるんです。その名も「猫ねこ展覧会」。今年度は7月28日に終了してしまいましたが、日本全国から、この展覧会を見るために実に多くの方がここを訪れます。そもそも、プライベートミュージアムでなぜ猫をモチーフとした展覧会を始めることになったのでしょうか?

此木館長:2003年になりました時に、此木が絵の仲間十人ぐらいと猫を描く展覧会をやったらどうかと思いまして。それで始めたのが「猫ねこ展覧会」のあの第一回目でした。猫にはあの結構名作がございますので、画家の人たちも、じゃあその名作にあのちょっと挑戦したいというそういう気持ちも湧いてきまして、好評を博しましたもんですから、次もやりましょうということであの今日まで21回重ねまして。最初十人だったあの出品者の方たちが、お友達もそれからあのご近所の方も、それから全国的に広がりまして、ついに今年は300人も出品者が増えました。はい。点数にして500点集まりましたので、とても展示も大変ですけれども、皆さんととても楽しんでくださって、盛大に開催しているところです。

日本全国から毎年、猫に関する芸術品や絵画が集まるなんて凄いですね。21年前、10人で始まった展覧会は、今年は300名で500点以上。同じ作品は2度展示することはないそうで、毎年新作というのもすごいですよね。 海外からも作品が寄せられるそうですよ。展示室、そしてアトリエなど庭園美術館は、猫の作品だらけになりますし、その作品の周りを本物の猫たちが悠々と歩いているんです。お客さんはリアル猫、作品猫、どちらも気になって、きょろきょろしてしまうんだそうです。(笑)ところで、週末オープンにしたのは、地域にもっと芸術に触れるチャンスを増やしたいと思ったからというお話でしたが、実はその思いが実を結んだことがあったそうなんです。

此木館長:先生に連れられて美術館見学みたいな感じできた子どもたちの中から、本当に美術に興味を持ってくれたんだと思うんですが、中学高校、大学を出て、それで学芸員の資格を取りたいということで、私どものその美術館に、最後の資格を取る最後の実習、教育実習ですか?そういうものをやらせてもらいたいっていうことで、訪ねてきた子供が・・・子供じゃないですね。もうお嬢さんでした。2人ほどいらして、で、それをとっても嬉しいことでした。で、その後、やはりうちであの研修をしまして、ちゃんと資格が取れて学芸員になりましたというお便りを頂戴しました。敷居が高いよなんて思っていらっしゃる方々にも、気軽に一歩入っていただいて、それでぜひ美術に触れていただいて、可愛い猫に会いに来て頂きたいと思います。

近所にあった小学校は現在は閉校してしまいましたが、子供の頃に見た芸術作品の衝撃や体験を大事にしていきたいということで、今でも松山庭園美術館では、子供たちの見学を受け入れています。また地域の芸術作家の方と交流し、その優れた作品も展示されているそうです。11月8日からは「現代アート実験02展」 が開催されます。これから園内の紅葉がとてもきれいになる時期、広いお庭の中に見え隠れするアートや、そして猫たちに会いにおでかけになってみてはいかがでしょうか。
2024/10/25 UP!
全国有数の農林水産県である千葉県は、農産物直売所の数、全国第1位なんです。
数ある中から、今回は、千葉県の北部、栄町にある今注目のトマト農家さんの直売所「NOLAND(ノランド)」をご紹介します。

栄町にあるトマト農家の直売所「ノランド」。トマトを買ってくれるお客さんが、農業を身近に感じて滞在を楽しめるテーマパークのような場所にしたい、そんな想いから名付けられました。2016年に開業。「県立房総のむら」から歩いて5分ほどのところにあり、お洒落な空間で、美味しいトマトを買うことができると人気になっています。 まずは園主の小川熙さんにトマト農園、そして直売所を開くまでのいきさつをうかがいました
小川さん:ノランドという意味は、農業を感じてもらえる場所にしたいという思いで「農業ランド=ノランド」という意味で作りました。僕はあの農業を始めるときに、自分で作ったものを直接自分の手で販売したいという思いがあったので、そういうブランドを立ち上げてブランディングをしています。家業、父が農業をやっていて、そこでアルバイトがてら父が作ったトマトを販売している時に、お客さんから「ここのトマト美味しいね」とか「遠くから足運んで買いに来てるよ」っていう声を聞いて、自分で農業を始めて作ったものが、売れるようになったら楽しいだろうなっていうふうに思ったのがきっかけで、そういう思いになりました。ネガティブな意見も直接耳に入ってしまうけど、やっぱり嬉しい言葉をかけてくれるお客様の方が圧倒的に多いですし、それが楽しいというふうに思いますし、自分のモチベーションになっているなという感覚があるので、それは僕にとってやりがいになっています。

小川さん、大学在学中に、ご自分の理想をかなえるための挑戦をスタート。実家の農地は引き継がず、農地を借りるところから始めたんだそうです。周りの大学生が就職活動を始める頃、小川さんはこんなことを始めていました。
小川さん:大学三年生の後半から授業が減ったタイミングで、実家で研修がてら農業の技術は学んでいました。それと同時に農業の問題でもあると思うんですけれども、高齢化とか農業を離れる方がやっぱり多いっていう問題もあるなと思っていたので、そういう「空いている耕作放棄地」なり、「使わなくなったビニールハウス」があるのではないかという思いがあったので、それを探すために栄町だけじゃなくて、いろいろな市町村の農政課に声をかけたり、知り合いに声をかけて探し始めました。で、それで今、このノランドがある自分の地元である栄町でたまたま見つかって、条件もすごく良くて、地主さんも僕を選んでくれて結果的に大学四年、まあ卒業をしてから少し経ってから農地を取得し、自分で始めることができたという流れになります。
農地も見つかり、いよいよトマトづくりを始めた小川さん。主要道路から少し奥まった場所までせっかく来てくださるお客さんには、ぜひ楽しんでもらいたい、と、こだわりの直売所づくりが始まります。
セレクトショップ風のお洒落な空間をつくり、新鮮なトマトを販売しています。
スタジオにはこちらのミニトマトなどが届きました。

オリジナルのギフトボックスやロゴも好評で、「インスタグラムを見て可愛かったのでギフトとして買いに来ました」というお客さんもいるそうです。そしてトマトのこのおいしさにはこんなこだわりがあったんです。
小川さん:午前中に収穫して午後に販売するというスタイルをとっているのですごく熟した状態。家ですぐ食べても美味しいと感じてもらえるような状態でとることにこだわりを持っていて、またその品種もすぐとった状態で美味しいと感じれるような皮が薄いような品種を選んだりして、他のお店では味わえない美味しさを提供できるように意識しています。ノランドのトマトは、品種で言いますと大玉品種が一品種、中玉トマトが一品種、ミニトマトが赤・黄色・オレンジの三品種を栽培していて、主に10月中旬からミニトマトの収穫開始して、11月から大玉が獲れるというような流れで、翌年の7月初旬ぐらいまでとっています。

取材時はまだトマトは育成中でした。
ギリギリまで枝で熟させることができる直売所ならではの美味しさということで、おいしいトマトを厳選して収穫するために、直売所の営業は週3日、火曜、木曜、土曜が基本のペース。もちろん、天気などの急激な変化や湿度への対応、病気の予防など、毎日の作業には休みはありません。一つでも怠ると、すぐお客さんの反応に出てしまうのがわかるそうで、なんとか美味しいトマトを安定して届けるために頑張っています。最後に、今後の展開について、お話お聴きしました。
小川さん:僕の考えとして、そのやっぱり手に取る理由っていろいろあると思います。
その味が美味しいという評判を聞いてくれる方とか、インスタグラムを見ておしゃれという入り方をする方もいれば、あの本当にいろいろな入り口があると思うので、まあ、その一つとしてデザイン。個人的に好きなことでもあるので、そこに力を入れました。今、直売所のお客様が年々増えているのでもちろんその来ていただいている常連さんに満足してもらう「ノランド=この味だよね」っていうのは毎年生産技術を高めるという意味では目標としてあります。また、最近は加工品ですね。トマトジュースとか黒大豆を使った甘納豆、お茶などの加工品に力を入れているので、そういうものをギフトに選んでいただいたりだとか、あの遠方でこうどうしても直接来れないという方に向けて、何か商品を今後増やしていけたらなというふうに考えています。外に出す加工品もノランドというブランドで認知してもらえるようにしたいです。

完熟での収穫にこだわったトマトは、「皮が薄く、食べやすい」と評判で、県内外から多くの人が訪れる「NOLAND」。現在はミニトマトを販売しています。(栄町の名産品どらまめも10月下旬まで販売予定ですが、品物がなくなり次第終了します)まずは、直売所の営業時間など、公式サイトでご確認いただき、ぜひ実際に足を運んでNOLANDの美味しいトマト試してみてください。
2024/10/18 UP!
来週金曜日、役所広司さん主演の映画「八犬伝」が公開になりますね。南総里見八犬伝は、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の8つの玉を持つ剣士(八犬士)たちが活躍する物語で、あのドラゴンボールにも影響を与えたと言われています。江戸時代後期に人気を博した、全98巻、106冊にわたる長編小説です。映画では、「南総里見八犬伝」の物語部分をダイナミックに描く「虚構」のパートと、その作者滝沢馬琴の人生と、それを支えた人々の「実話」パートが交錯しながら進んでいく映画です。「物語」の舞台は安房地域の館山市や南房総市にあって、聖地巡礼で訪れる人も多いため、映画の公開を機にまた盛り上がりをみせている「館山市」が力を入れている「里見のまちづくり」をご紹介します。

映画「八犬伝」は、 役所広司さんが南総里見八犬伝の作者・滝沢馬琴を演じます。長年の執筆中に視力を失うなどの困難にも負けず28年の歳月をかけて書き上げた馬琴の人生を描く実話パートと交錯する、八剣士たちがダイナミックに躍動する物語世界の舞台は、館山市や南房総市に点在していて、映画をきっかけに館山を訪れる人も増えそうです。まずは館山市観光協会、里見のまちづくり実行委員会の間宮直美さんに、観光案内所にやってくる方がどんなことをたずねてくるのか教えてもらいました。

間宮さん:館山は里見氏が戦国時代にこの地を収め、滝沢馬琴の南総里見八犬伝の舞台にもなった里見ゆかりのまちです。里見のまちづくり実行委員会は、地元館山の方はもちろん、訪れた方にも親しみやすいイベントや地域のルーツを感じられる旅をご用意しております。館山観光案内所はJR館山駅の東口階段。降りたところにございます。こちらでは八犬伝ゆかりのグッズを販売しているとともにゆかりの地の行き方のご案内とご説明いたしますので、一度お寄りください。そうですね。まず、まあ一番あの皆様、あの聞かれるのは館山城への行き方というのを聞かれるのと一緒にあまり観光化されていない。居城跡である稲村城址ですとか、あとは伏姫の洞穴など、あのやはり聞かれることが多いですね。

お話に出てきた稲村城跡は南房総市の岡本城跡とともに「里見氏城跡」として平成24年に国の史跡に指定されました。ここは房総半島における山城の変遷やこの地域の社会・政治情勢を知る上でも重要な場所なんです。今回の映画によって改めて注目されること、地元の皆さんはどう感じていらっしゃるのか、館山市観光協会会長で里見のまちづくり実行委員会長でもある上條長永さんにうかがいました。

上條さん:なかなか里見八犬伝と一言で申し上げても、なかなかこう薄れていっちゃったりしていますし、学校教育においてもそうなんですね。八犬伝っていうのを従来はちゃんとした教育というか、授業の中で昔はですが、取り入れてもらってたもんなんですけども、今そういったものもない。なくなってしまっていて、徐々にこう八犬伝というのが薄れている。ちょうどいい時期にあの映画館になったということを聞いた時に、大変喜びました。まず来ていただいた方々にご用意しているのは里見の町バスツアーだとか、また、個人向けタクシーツアーだとか、この辺をツアーとしてご用意しています。
お話にあったバスツアーやタクシーツアーは、物語に出てくる名所を巡ったり、美味しいものが食べられる場所を案内してもらったりするんですが、館山市観光協会のホームぺージによると、タクシー2時間、最大4人乗れてなんとお値段二千円です。
https://tateyamacity.com/satomi/satomi_taxitour/
さて、来週公開の映画「八犬伝」で盛り上がりを見せ始めている、物語のご当地、館山では以前から「里見」にちなんで、城山公園でLEDランタンをとばすスカイランタンや花火大会などさまざまなイベントが開催されていました。今年は、映画とコラボしたそうなんです。

上條さん:8月8日にですね館山の花火大会が毎年やるんですが、今年は銘打ってですね、映画八犬伝とのコラボレーション花火っていうことで、打ち上げさせていただきました。それで大文字焼き。大文字焼きといっても、あのLED電気で「大きく大」っていう文字を毎年つけているんですけど、今年から、今年に限っては点を一個増やしまして、犬文字焼きという形でやらさせていただきました。反応は、結構、まあなるほどねっていう感じの方もいらっしゃれば、まあ大体の方が気に入っていただいたんじゃないかなというふうに思っております。この機会だからやっちゃおうという、点をつけるだけ、点を一個増やさせていただきました。
この犬文字焼きは「里見のまち」「八犬伝」という強力なアピールにつながったようです。そのほか、八犬伝関連のグッズ、のお菓子や手拭いなども市内のお店などでいろいろ出ているそうです。そしてあちこち回ればお腹も空いてきますが、地元の皆さん、そこも抜かりはないようで、、、

上條さん:あと他にですね。八犬伝グルメスタンプラリーっていうのを10月の11日から12月の13日までやっております。館山市内のですね25店舗で里見八犬伝とコラボしたメニューをグルメキャンペーンとして開催しております。館山らしい海鮮だとかお寿司とかスイーツまあ「八」とか「伏姫」などにちなんだイメージのメニューがいっぱいあります。で、その中でも四店舗を巡っていただくと、えっと映画関連グッズなどが抽選で当たるいわゆるスタンプラリーを開催しております。皆さん、ぜひ館山にいらしてください。

実は、インタビューの後、一つ増えまして対象施設26になりました。館山市内の宿泊施設の優待券が当たるチャンスもあるそうです。ぜひ美味しいものを食べて応募してみてくださいね!12月13日までの開催です。
館山城にある「八犬伝博物館」には「南総里見八犬伝」の版本や名場面の錦絵のほか、1973年から2年間NHKで放送されブームになった人形劇「新・八犬伝」の人形の実物も展示されていてファンにはたまらない場所になってます。そして今回の映画のパネル展示や八犬士をモチーフにしたご当地ガチャもありますので、この機会にぜひ実際に足を運んでいただきたい。八犬伝の物語を彩る実在の場所、美味しいお店など、館山の魅力をお得なタクシーツアーやスタンプラリーで楽しめるチャンスです。詳しくは「里見のまちづくり実行委員会」のホームページでご確認ださい。
2024/10/11 UP!
今回のテーマは「MADE IN九十九里」。「ものづくり」「手作り」と聞くと、どんなものを想像しますか?
実は、今、千葉の九十九里は、その自然豊かな環境に惹かれた個性豊かな作家さんが集まっていて、お洒落な工房も増えているということで、注目されているんです。今回はそんな九十九里の地で手仕事による硝子製造にこだわっている「菅原工芸硝子」のモノづくりへの想いをお聞きします。

今日ご紹介するのは、雄大な太平洋に面し、長い海岸線が広がる九十九里町で、ハンドメイドのガラスの食器などを、「江戸硝子」の伝統工芸士を含む熟練の職人達が、手仕事で生み出している菅原工芸硝子です。東京の青山や銀座、大阪、福岡 にも店舗を構える人気のお店。まずは、三代目社長の菅原裕輔さんに、会社の成り立ちを教えていただきました。

菅原さん:1932年に私の祖父が東京の江東区亀戸というところでおこした会社です。1962年にこちらの千葉県の九十九里に工房を移転しましてもともと創業当初から私どもは問屋さんからこういうものを作ってくださいということで、お願いされたものを作る下請けの会社でした。1970年代に入って大きな不況になりました。なかなか下請けの工場って買ってもらえないということで、できることに限りがあってどうしたものかということを考えていた時に、人の手で、自分たちで作っているので価格競争には限界があるということで、自分たちで新しい価値を生み出して届けていけるような会社になろうということに大きく転換をしました。自分たちでデザインをして製品を作って、それをなるべく自分たちの手で届けていく、大きく舵を切ったのが1976年になります。
1970年の不況=オイルショックなどがありました、。機械生産ではなく、職人さんが作っていたこともあり、リストラではなく、値引きでもなく、オリジナルで勝負していく道を社長のお祖父様が選ばれたそうです。そうは言ってもお客さんが買ってくれなければ、会社は苦しくなってしまいます。ところがここで逆転大ホームランが出ることになったんです。

菅原さん:大変幸運なことに、すぐに大ヒット製品が生まれました。これ何かというと、コーヒーゼリーの器。実は今でも現役で作って販売している製品ですけども、#の330番という商品なんですけども、この製品が大ヒットしました。当時、喫茶店の中でコーヒーゼリーっていう食べ物がとても初めてお目見えして、とてもヒットしてたと人気があったという食べ物だったんですけども、初めてお目見えしたんで、専用の器っていうものがなくて、小鉢だったりだとかそういうものに入れてたわけなんですけども、どうもかっこよくないし食べにくいということで、コーヒーゼリー専用の器を発表したところ、まあこれが大ヒットした、というのがオリジナル製品作りが活発になるきっかけになった大きな出来事でした。

このコーヒーゼリーの容器は全国の喫茶店やレストランから注文が殺到し、
オリジナルでいこうと言う方向は間違っていなかったんだという確信に繋がったそうです。今も菅原工芸硝子では製品の多くを職人自ら開発、デザインしていて、オリジナル製品、カタログ的には4000種類もあるそうですよ。

東京の下町から九十九里に移り、オリジナル製品の制作に力を入れ、コーヒーゼリーの食器でヒットを飛ばした菅原工芸硝子。敷地内にある工房では、大きな炉でガラス原料を溶かし息を吹き込んだり、鋏などで形作ったりしています。さらに最近はSDG‘sが盛んに言われていますが、菅原工芸硝子では、新しい取り組みが行われているんです。

菅原さん:私ども今取り組んでいるSGHRリサイクルという活動はこの工場から捨てるガラスをゼロにしようという取り組みです。もともとガラスって非常にリサイクル性に優れているんで、実は使える端材はほぼ再利用してた。だけど一部色が混ざっちゃったりだとかいう状態の良くない端材とか失敗したものとかについてはこれはあの産廃業者さんにお願いをして処分をしていたと。せっかくリサイクル性の高い素材を使っているのに、またあのガラスの原料って砂なんですけども、地球の資源である砂を使って、そういうものを簡単に捨てるのは何か違うなというところで、これを大事にしていこうということで、取り組みを始めました。あのいろんな端材を混ぜて溶かすんで、どんな色ができるかわからない。作るたんびに当然色が変わります。もうそれを楽しめるようなものにしようということでやっているのが私たちのリサイクルです。

その「手作り」を大切にし、さらに作り手と使い手が作品を介して出会い、語り合える場を作りたいという想いで、菅原さん、工房とお店がある敷地の中でクラフトマーケット「くらしずく」を始めました。全国からハンドメイド職人がそれぞれの想いがこもった作品を持って九十九里に集まってきます。人気のマーケットに育っていますが、その開催に対する思い、伺いました。
菅原さん:2017年からこのクラフトマーケット「くらしずく」をスタートしましたけども、なんでガラス屋さんがクラフトマーケットやるんだというのは非常に疑問に思われるわけですけども。その意味二つあって。一つは九十九里という地域に、もっともっと多くの人が足を運んでいただきたい。もう一つは、あの私たち手作りでガラス製品を作っていて、単にデザインがいいとか品質がいいとかだけではなくて、もっともっとそのどういう人たちが作ってるとか、どういう想いで作ってるとか、そういうこともお届けしていきたいなあと常日頃思っている中で。しかもそういう話を聞きながらお買い物をして買って帰ったものをより愛着がわいて、長く大切に使いたくなるみたいなことを体験していただきたいなあという想いがあって。帰りがけには、ぜひ九十九里海岸もドライブしていただいたりとか。一日楽しんでいただければいいなというふうに思ってます。

ハンドメイド作品だけでなく、マーケットでは九十九里の美味しいものの屋台やキッチンカーも並びます。「くらしずく2024」は10月19日(土)20日(日)開催です。入場料など詳しくは公式サイトをご覧ください。そして、イベントがない日でも、工房の隣のショップや素敵なカフェで、ゆったりとした時間を過ごすことができます。九十九里のお出かけプランに菅原工芸硝子、ぜひ加えてはいかがでしょうか
2024/10/4 UP!
みのりの秋、皆さん楽しんでいらっしゃいますか?
千葉県は、産出額全国2位を誇る、日本有数のさつまいもの産地。そして関東地方のさつまいも栽培発祥の地ともいわれているんです。今回は、香取市で独自のアプローチでとっても甘〜いさつまいも、その名も「金蜜芋」というスイーツ好きにはたまらないさつまいもを作りながら、いろんな方法で、そのおいしさも表現している石田農園の取り組みをご紹介します。
香取市のある北総地域は、県内でも特に、関東ローム層の火山灰土壌が栽培に適していると、さつまいもの名産地として知られています。その激戦区の中で独自のブランド「金蜜芋」を生産するだけでなく、「金蜜芋」のスイーツを楽しめるカフェを運営している石田農園。農家であり、石田農園のプロデューサーでもある、まだ30歳を越えたばかりの石田湧大さんにまずは金蜜芋がどんなお芋なのかを伺いました。

石田さん:石田農園はですね、会社になっているさつまいも農家なんですけど、自分たちでこだわり持っているさつまいもをオリジナルブランドで金蜜芋っていう名前で売っておりまして、でそれを食べられる場所で金蜜堂っていう芋パフェのお店をやっています。金蜜芋というのは糖度50度以上のさつまいものことを金蜜芋という名前をつけていまして。さつまいもって甘さが、甘くない状態だとだいたい糖度10度ない状態くらいから僕らで言うと糖度75まで甘くなるんですけども、その糖度50度以上の状態って、だいたい皆さんがこう食べた時に「うわ甘っ」て感じる。そのラインがだいたい糖度50なんですけど、僕らが作ってるお芋はすべてが糖度50度以上の金蜜芋になります。甘さをとことん追求して作ったさつまいもなので、なんかそういうオリジナリティのある特徴もあったりします。
石田さんの家は300年以上続く農家。その長男として、石田農園の歴史を続けなくてはという気持ちはあったものの、それほど強い想いではなかったそうですある時、本格的に農業をやることを考えるようになって、そのためにはまず、経営の分野や人を使うことに関しての勉強が必要、ということで人材採用の会社入社。人材育成や人集めのスキルを獲得してから、みっちりと農業の道に入り、無我夢中で芋作りの勉強をしたそうです。そして、今でも最高に尊敬しているお父様の教えで美味しいさつまいもを作るようになっていきます。そもそも、この甘いさつまいも作りに関しては、石田さんとお祖父様との会話から始まったそうなんです。

石田さん:甘いさつまいもってどうしたら作れんのって、私が20歳ぐらいの時に聞いたら、ああ、昔はなんか土の中に秋収穫した芋を入れといて、春になって食ったら甘かったどって言われたんで。なんかそれを本当に真面目に受け取って。で親父と十年前から、この十年間でそれをどうやって技術として習得するのかっていうのを研究していく中で、気づいたことは、二年がかりで、さつまいもの土を作って。そもそも甘くなりやすい個体のさつまいもを作り、それを地下貯蔵庫で熟成させることによって、どこにもない味わいの高糖度のさつまいもが出来上がるっていうことに気づいたのが、まあこの十年ぐらいであの工夫してきたことですね。

お祖父様のお話をヒントに、独自のノウハウを編み出して、毎年再現できるようにしていこうと考えた石田さん。お父様と10年かけて完成させたという、この探究心。素晴らしいと思います。

土づくりから熟成まで、およそ2年の歳月をかけて世に送り出されるオリジナルブランド「金蜜芋」。そして今年3月、また新たな挑戦が始まりました。「芋」としてだけでなく、「スイーツ」にして、もっと多くの人に味わってもらおうと考えたんです。

石田農園の干し芋は製造が追いつかないほどの人気商品になりました。規格外と言われていたサイズの焼き芋商品が百貨店などでも飛ぶように売れたのをみて石田さんは地域全体の芋の評価が上がれば生産地のイメージアップにつながるのではないかと考えたそうです。そこで、まずは石田農園を知ってもらうため、千葉県最大級のビジネスプラン・コンペである「CHIBAビジコン2020」に参加。「最高のサツマイモを作っていく」企画が見事に「ちば起業家優秀賞(千葉県知事賞)」を受賞しまた。そしていよいよ今年3月には金蜜芋を食べてもらうために、芋のスイーツが楽しめるお店、「金蜜堂」の運営をはじめました。

「北総の小江戸」と呼ばれ、築100年を超える商家など歴史的建造物が残り、風情ある町並みを造っていますが、金蜜堂は、内装に大正ロマンを取り入れた古民家カフェをオープンし、さつまいもの特別な体験を提供しています。このカフェでいただける大人気の芋パフェ、どのようにしてできたのでしょうか?
石田さん:今お店でスイーツを私たち農園のスタッフが作っているんですけども、自分たちでレシピを作っているわけではなくて、二年前に出会った千葉市でカフェテントっていうパフェのお店をやっている、宮副天良さんっていうパティシエがいて、その宮副さんは本当にもうパフェの組み合わせというか、素材の組み合わせを考える天才で、その彼と二年前に知り合ってから去年、(テレビ番組の)青空レストランで共演をして、でそこで2人で考えたパフェが世の中の人が食べたいものになって、それをやっぱり僕たちでお店で特別な体験として届けられたらいいよねっていうので、僕らの農園のスタッフに、今ではパティシエの宮副さんが美味しいお菓子。あとはあの組み合わせにこだわったスイーツを作れるようにトレーニングをしてくれて。僕らが提供しているものっていうのは、本当にこう人気のパティシエが考えてくれたものを提供をできていると思ってます。
「金蜜芋のお城パフェ」は20種類ほどのパーツ(材料)から構成されているんですが、素材にも大変こだわりがあって、その食材、基本的にまずは宮副シェフに金蜜芋を食してもらって、そしてこのお芋に合う食材を地元の方にも提供してもらったり、新たに作ったりしてもらったりしたそうです。付け合わせに出てくる2種類のお塩のうちひとつは九十九里の天日干しの塩だそうです。いただいた取材スタッフはひとつ3000円でも安く感じたとのこと。ゆっくりと楽しんでいただきたいパフェ。
スタジオには、取り寄せもできる、瓶に入っている小さなパフェを用意いたしました。

金蜜堂では、10月末まではこのほかに、金蜜芋とベリーのアイスパフェが、季節のパフェとして楽しめるそうです。さて、まだまだお若い石田さんですが、将来について、こんなことも考えているそうです。
石田さん:石田農園のある地域っていうのは、さつまいも農家の人たちが千軒もいて、日本ではもう最大のさつまいもの産地なわけなんですけれども、そこで僕らがやっている、いろんな取り組みっていうのをさつまいも農園のロールモデルとしてやっていって、やがては石田農園以外の○○農園がいろんなスイーツを手掛けてたりとか、百貨店で売り場を争うライバルになってたりとか。僕もまだ30歳なんでここから先の人生、一応今の予定では75歳まで仕事をしようとは思ってるんですけれども、一緒にこう切磋琢磨していけるようなそんな若手の農業経営者の方とか、さつまいもがすごく好きな仕事をしている人達っていうのをなんかこう増やしていくきっかけになれたらいいなと思ってます。
45年先までのすごい人生計画。「地域で盛り上げていきたい」 「地域の中にライバルができたら盛り上がる」とか地域と農業の未来もしっかりみているんですね。

金蜜堂で、パフェやスイーツを食べられた方は、みんな、このお芋の甘さに驚いてショーケースの中にある干し芋もお買い求めになるそうですよ。美味しいものって、自分の大切な人たちに教えたくなりますよね。佐原の歴史的な街並みを楽しみながら、北総地域が誇るさつまいもの実力、金蜜芋をぜひ楽しんでみてください。

金蜜堂&石田農園
2024/9/27 UP!
みのりの秋、首都圏にありながら、海の幸にも山の幸にも恵まれた千葉県には美味しいものが勢ぞろいしてきていますが、そう言った美味しいもののお供といえば、、、、、日本酒なんかいいかがですか?
世界的にも人気が高まっている日本酒。米どころでもある千葉県には、40近くの酒蔵があり、それぞれに個性的な酒造りをしています。でもなかなか、自分の好みに合ったお酒に出会えないとか、もっと色んな味を知りたいなんて思う方もいらっしゃるんではないでしょうか。今回は、千葉の酒蔵をはじめ、全国の酒蔵に足を運びその味や作りのこだわりをチェック。お客さんのニーズにしっかりと応えてくれると評判の街の酒屋さんをご紹介します。

利根川や江戸川などの舟運を活かして、江戸時代から酒造りが盛んに行われてきた千葉県。いまも歴史ある酒蔵が多く残っています。そんな千葉の美味しいお酒を紹介してくれるのが、千葉市稲毛区穴川にある「させ酒店」です。まずは店主の佐瀬伸之さんにお店が大事にしているポリシーを伺いました。
佐瀬さん:千葉市稲毛区穴川で酒屋専門店を営んでます。佐瀬酒店の代表取締役の佐瀬伸之と申します。酒問屋の営業が25歳。でそのそのまま続いたんで、25歳から今48歳なんで23年営んでおります。うちはやはり駅から離れてまして、立地が良くないのは自分でも重々把握なので、やはり昔から僕自身も意識しているのがわざわざ来ていただくお客さん、、時間を使ってね、来ていただいているお客さんに対して、必ず恩返しをしろっていう形で接客。必ず声をかけて、お客さんにぴったりなお酒を選ぶということを信念に持って日々努力しておりますそうですね。全国でもね、珍しい酒屋だと思うんですけども、店頭で並んでるお酒は社長である僕はすべて飲んでますんで。日本酒類に限って言えば、月40種類から50種類は変わっていけますけども、もちろんこちらもテイスティングしてますんで。なんでも聞いていただければと思います。

もともと、ご両親が営んでいる酒店を手伝いながら、東京農業大学の醸造学科でお酒の作り方もしっかりと学び、それを元に、お客さんへのおもてなしをしていこうと考えた佐瀬さん。酒店を継いでからは、実際に酒蔵へ足を運んで得た「豊富な知識と人脈」を活かし、こだわりの品揃えと丁寧な接客を心掛けているそうです。お客さんの好みや希望を把握してから商品を提案する「させ酒店便」という個人宅配も行っていて、そのリピート率は8割以上!なんです。

豊富な知識と経験、接客の丁寧さがあってこそ。もちろん県内の酒蔵も訪ねていろいろ情報を集めている佐瀬さん。千葉県のお酒について、二十数年前と今の評価の違いなども解説していただきました。

佐瀬さん:もちろんそのお酒一本一本にね、酒蔵さんがあるので、その酒蔵さんのストーリーも生き様もね、一緒にお客さんに伝えさせていただいて、少しでもそのお客様がその酒蔵さんのファンになっていただけると僕も嬉しいです。(千葉に酒蔵は)まあ、40ぐらい、まあ実際はあるんですけれども、実際悲しいことにええ、自分のところでしっかりと作っているのは20蔵と聞いております。昔というと、まあ僕が酒屋継いだね。23年前のお話になっちゃいますけども、全国の酒蔵さんから見ると、まあ有名な県から見ると話題にも出ないような千葉県だったんですけども、今ではね、ちょっと気になって千葉にうちの酒屋に顔を出してくれた違う県の酒蔵さんが興味を持って、「佐瀬さん、ここの蔵一緒に行きたいんですけど、連れてってくれますか?」っていうぐらいに千葉の酒蔵を興味を持っていただいているってことは、千葉の酒蔵さんの味わいとその設備も含めて会社の体制というのが気になっているんだと思います。


評判をきいた日本酒がお好きな方はかなり遠方からも訪れるそうで、他の県の蔵元やバイヤーの方も直接、穴川のお店に来るようになったそうです。お店には日本酒だけでなく、焼酎やビール、ウィスキーやワインなどの洋酒も所狭しと並んでいます。お店に普通に入って行くと、佐瀬さんが声をかけてくれて、好きなお酒の味などについて話すとすぐさまお店の中にあるたくさんのお酒の中から好みにあうおすすめのものをいくつか出してきてくれるんです。机の上に、「これと、これとこれ!」みたいにその人にあったお酒を並べてくれるそうです。

取材スタッフも、日本酒の好みを佐瀬さんに言ったら、あっという間に3種類、提案されて、しかもそれぞれの酒蔵のストーリーや味の特徴、こんな料理に合いますよみたいな情報がマシンガンのように出てきて、結局どれも買いたくなり、話を楽しみながらも悩むという時間を過ごしたようです。
千葉市で酒店を営んでいる佐瀬伸之さん、県内だけでなく、全国の酒蔵に実際に足を運んで、その年の出来栄えもチェックしているそうです。そんな佐瀬さんが感じている、県内での酒造りの変化についてお話しいただきました。
佐瀬さん:なんか全国でやっぱり出張行ってると、千葉はやっぱりお人好しが多いなって。昔から思ってて優しいんですよね。だからちょっとなんか他県の様子を見て、後から手を出してくるというか、そういう感じだったんですけども、やっぱり今となってはね、千葉の酒蔵さんもしっかりと他県の酒蔵さん見学して刺激を受けて、そこでいろんな技術提供を受けて、自分の会社で持ち帰ってスタッフとちゃんと話して、それを形にして、それが味わいに、あのやっぱり浸透してやっぱり味も美味しくなって評価されていると思います。僕らがね。やっぱりあの東京農大醸造学科で学ばせていただいたことは、そういうなんか杜氏さんの勘とかって話を聞いたんですけども、勘とかってよくわからないので、大学時代からしっかり分析して数値化して。まあ数値だけでは表れないものもあるんですけども、基礎としてやはりその酒造りをデータ化数値化することによって重ねていくって形ですかね?そうすると日々のその作りが進化していくって形でしょ?データ化すると、その中でやっぱりオリジナリティを自分の中で出して、ちょっと個性を出したお酒になってきているっていうのが、千葉県のお酒だと思います。
もちろん、データで全てが表せるわけではないですが、そのデータの部分などを最近は蔵元同士が情報を共有したりしているのだそうです。酒造りに関する昔はいわゆる企業秘密だったものでもオープンになってきているところもあり、佐瀬さん曰く、そう言った意味では千葉県の酒造りもだいぶ変わってきているそうです。
そして、これからの季節、佐瀬さんがおすすめするお酒のお供と飲み方、きいています!
佐瀬さん:あえて言うんだったら秋だったらね、やっぱり焼き魚とか、あとまた今みたいな暑くないので、鍋とかが増えてきますから、日本酒の魅力といえば、やはりいろんな温度帯で飲める冷酒もあれば、常温もあれば燗酒っていうのもあるので。まあ、あの結構今ポピュラーな飲み方っていうのは冷酒、冷やして飲むって形なんですけども、あの特にね、アルコールの分解、、体内の分解っていうのは、ある程度自分の体温に近くなってから分解し始めますから、結局健康的にお酒を飲むってことは燗にして飲むと体温に近い温度帯ですから、お酒のね抜けが早くなって健康的に飲めますし。鍋なんか食べるとやっぱり鍋があったかいですから、温度で相性がいいですからね。ぜひ冷酒ばっかりね、飲んでる方が多いからあえて言いますけども、冷酒は冷酒で美味しいんですけども。うちの店頭でもう本当、何でもいいんで質問していただければ、しっかり考えてあの提案差し上げますんで、ぜひちょっとご来店いただいてお話しさせて頂ければと思いますんで、よろしくお願い致します。

千葉県の恵みを丸ごと楽しめる鍋なら燗酒。土地の水で作ったお酒が合わないわけがないですよね。
お店で佐瀬さんに「○○鍋をするんで、これに合うお酒なんですか?」とかきいて太鼓判をもらった千葉のお酒を楽しむ。なんかいいじゃないですか!今回は、お話の中で具体的な千葉のお酒の名前が出てきていませんが、それは、佐瀬さんが、それぞれの銘柄にそれぞれのストーリーや味の特徴があって、これが特におすすめ!っていえないよ!と千葉の銘酒全部推しだからなんです。
そんな一歩踏み込んだお話は、お店に直接行ってお話聞いて、そして佐瀬さんにお酒を選んでもらいたいですね。
2024/9/20 UP!
もうすぐ気候も過ごしやすくなりそうですが、秋のお出かけに、サイクリングはいかがでしょうか?都心からアクセスも良く、魅力的なサイクリングコースが豊富な千葉県。2回目の特集になる今回は、二拠点生活を経て2016年に南房総市に移住。年間を通じて温暖でサイクリングを楽しめる安房地域でサイクリストのための複合施設を運営している方に、この地域のサイクリングの魅力を紹介していただきます。
道の駅 富楽里とみやま から車で内陸に向かって数分のところにある複合施設HEGURI HUB。南房総市平群地区の伊予ヶ岳の麓にあり、都心から車で1時間半ほどの近さにも関わらず緑の映える美しい里山に囲まれています。主にサイクリストのための施設としてオープンしましたが、2021年7月10日にリニューアルオープンしてさらに機能が高まりました。 いったいどんな施設なんでしょうか?運営をされている南房総サイクルツーリズム協会会長の瀬戸川賢二さんにお話をおききしました。

瀬戸川さん:HEGURI HUBというのは、「旧平群(へぐり)保育所、廃校になった保育所を利活用した複合施設でございまして、核となっているのは、サイクルステーション。それ以外にも飲食店、宿泊施設、キャンプ場、コワーキングスペース。あとドッグラン、シャワー施設、、そういったものを兼ね備えた複合施設となっております。もう少し涼しくなった時にはですねサイクリストが立ち寄る施設ともなっておりまして、今までで累計でおそらく1万人近いサイクリストが来てるんじゃないかと思います。まあ、もう少し涼しくなってから南房総にもサイクリストが非常に増えてくるんじゃないかなと思います。

最近は知名度も上がってきて、利用される方が増えてきているそうです。
ところで、瀬戸川さん、経歴がとてもユニークな方なんです。元々は金融関係のお仕事を都内でバリバリやられていたんですね。ある時、2日ほど休みが取れたので、南房総を訪れたところ、アクアラインを使えば東京からあっという間で、日本の原風景のような自然豊かな南房総市の魅力に気づいて、時間をおかず、すぐに別荘をたて、二拠点生活を始めたんです。そして、南房総に滞在する時間が長くなってきて、ついには移住を決意。現在はご自身の拠点も南房総になりました。金融のお仕事も辞められて、新しいことをしたいなと考えていたところで、チャンスがやってきました。

瀬戸川さん:まあ50歳ぐらいを機に南房総市。まあ、それまでに二拠点生活をしていた南房総市に移住をして、何か起業をしようと思った時に、南房総市の第一号の地域おこし協力隊の募集を知りまして応募しました。やることとしては、インバウンド観光ということで職を拝命したんですけれども、実際に仕事を始めてみたところですね、コンテンツを強化する必要があるという思いに至りまして。その中でスポーツツーリズムで特に私自身もやっていたサイクリングが非常にあの環境としていいんじゃないかといったことで取り組みをさせていただきました。特に首都圏の方からは日帰り圏内ですので非常に気軽にサイクリングができる地域だと思っております。

インバウンドはもちろん、都市部からのアクセスのよさもあり、国内からの受け入れ態勢についても、瀬戸川さんは色々と考えを巡らせます。
移住した南房総市で、サイクルツーリズムを通じて地域の魅力を発信している瀬戸川さん。この地域がサイクリングに向いている理由をこんな風に教えてくれました。

瀬戸川さん:まずは交通量と信号がまあ圧倒的に少ない。これはだから非常に走りやすい環境で、ルートによっては40~50キロぐらい信号なしで走ることもできると。2番目が、海と山が近いと。これは何を意味するかというとですね、非常に平坦な道が多い海とアップダウンの激しい山がですね、非常にあの近いので、まあコース取りの多様化ができると。3点目としてはですね非常に景観が綺麗なこと。4番目は気候が温暖であること。これはあの2月~3月もですね。問題なく走ることができます。 最後がサイクリストにとっては非常に大事なポイントなんですけども、食事が美味しいといったことで、まあ概ねこの五つにですね、この南房総のサイクリングの良さは集約されると思っています。

サイクリングに必要な要素が全てこの安房地域にはある、と気づいた瀬戸川さん。あとひとつ、サイクルツーリズムに必要なのは「拠点」だと思い立ち、さまざまな方の協力を得て「HEGURI HUB」が出来上がったんです。取材スタッフがお伺いした間も、顔馴染みのサイクリストの方が気軽に話しかけてきてくれたり、食堂で美味しいアジフライを食べて、また走りに行かれる方などもいて、とても明るく活気があったそうです。

このHEGURI HUBには先ほど瀬戸川さんがお話ししていた南房総のサイクリングを楽しめるポイントに関する情報が集まっているんです。地図やグルメ情報などの資料も用意されていますし、スタッフに気軽に相談することもできます。ここで出会ったサイクリスト同士の情報交換もあったり、とまずはここで下調べしてから出かけるという方も多いようなんです。実はレンタル自転車の中には「Eバイク」というサイクリング用の電動アシスト自転車もあって、こちらも大人気なんです。 Eバイクのおすすめポイント、瀬戸川さんにおききしました。
瀬戸川さん:あのあまり運動してない方とか、体力に自信のない方で、この安房地域でだいぶEバイクも増えてます。レンタサイクルとして増えてますし、我々の方でも準備しております。まあ、そういったものを活用すればですね多少のアップダウンでもまあ難なく登れますし。例えばですね、体力に差のあるパターンご夫婦でですね、ご主人が自転車乗るんですけども、奥様が体力に自信がないというようなケースが実はうちも多いんですけれども、そういった場合には奥様の方だけEバイクにして、まあ、むしろ上り坂では奥様の方が先導するというようなケースもですね、結構南房総、安房地域では、このHEGURI HUB 以外のところでも自転車や、Eバイクのレンタルは広がってきているそうです。車や電車でお出かけになって、HEGURI HUBで情報を集めて、ご自分の自転車、レンタルの自転車でぜひ房総の風を感じてみてください。

こちら美味しいアジフライとハムカツ