2024/10/11 UP!
今回のテーマは「MADE IN九十九里」。「ものづくり」「手作り」と聞くと、どんなものを想像しますか?
実は、今、千葉の九十九里は、その自然豊かな環境に惹かれた個性豊かな作家さんが集まっていて、お洒落な工房も増えているということで、注目されているんです。今回はそんな九十九里の地で手仕事による硝子製造にこだわっている「菅原工芸硝子」のモノづくりへの想いをお聞きします。

今日ご紹介するのは、雄大な太平洋に面し、長い海岸線が広がる九十九里町で、ハンドメイドのガラスの食器などを、「江戸硝子」の伝統工芸士を含む熟練の職人達が、手仕事で生み出している菅原工芸硝子です。東京の青山や銀座、大阪、福岡 にも店舗を構える人気のお店。まずは、三代目社長の菅原裕輔さんに、会社の成り立ちを教えていただきました。

菅原さん:1932年に私の祖父が東京の江東区亀戸というところでおこした会社です。1962年にこちらの千葉県の九十九里に工房を移転しましてもともと創業当初から私どもは問屋さんからこういうものを作ってくださいということで、お願いされたものを作る下請けの会社でした。1970年代に入って大きな不況になりました。なかなか下請けの工場って買ってもらえないということで、できることに限りがあってどうしたものかということを考えていた時に、人の手で、自分たちで作っているので価格競争には限界があるということで、自分たちで新しい価値を生み出して届けていけるような会社になろうということに大きく転換をしました。自分たちでデザインをして製品を作って、それをなるべく自分たちの手で届けていく、大きく舵を切ったのが1976年になります。
1970年の不況=オイルショックなどがありました、。機械生産ではなく、職人さんが作っていたこともあり、リストラではなく、値引きでもなく、オリジナルで勝負していく道を社長のお祖父様が選ばれたそうです。そうは言ってもお客さんが買ってくれなければ、会社は苦しくなってしまいます。ところがここで逆転大ホームランが出ることになったんです。

菅原さん:大変幸運なことに、すぐに大ヒット製品が生まれました。これ何かというと、コーヒーゼリーの器。実は今でも現役で作って販売している製品ですけども、#の330番という商品なんですけども、この製品が大ヒットしました。当時、喫茶店の中でコーヒーゼリーっていう食べ物がとても初めてお目見えして、とてもヒットしてたと人気があったという食べ物だったんですけども、初めてお目見えしたんで、専用の器っていうものがなくて、小鉢だったりだとかそういうものに入れてたわけなんですけども、どうもかっこよくないし食べにくいということで、コーヒーゼリー専用の器を発表したところ、まあこれが大ヒットした、というのがオリジナル製品作りが活発になるきっかけになった大きな出来事でした。

このコーヒーゼリーの容器は全国の喫茶店やレストランから注文が殺到し、
オリジナルでいこうと言う方向は間違っていなかったんだという確信に繋がったそうです。今も菅原工芸硝子では製品の多くを職人自ら開発、デザインしていて、オリジナル製品、カタログ的には4000種類もあるそうですよ。

東京の下町から九十九里に移り、オリジナル製品の制作に力を入れ、コーヒーゼリーの食器でヒットを飛ばした菅原工芸硝子。敷地内にある工房では、大きな炉でガラス原料を溶かし息を吹き込んだり、鋏などで形作ったりしています。さらに最近はSDG‘sが盛んに言われていますが、菅原工芸硝子では、新しい取り組みが行われているんです。

菅原さん:私ども今取り組んでいるSGHRリサイクルという活動はこの工場から捨てるガラスをゼロにしようという取り組みです。もともとガラスって非常にリサイクル性に優れているんで、実は使える端材はほぼ再利用してた。だけど一部色が混ざっちゃったりだとかいう状態の良くない端材とか失敗したものとかについてはこれはあの産廃業者さんにお願いをして処分をしていたと。せっかくリサイクル性の高い素材を使っているのに、またあのガラスの原料って砂なんですけども、地球の資源である砂を使って、そういうものを簡単に捨てるのは何か違うなというところで、これを大事にしていこうということで、取り組みを始めました。あのいろんな端材を混ぜて溶かすんで、どんな色ができるかわからない。作るたんびに当然色が変わります。もうそれを楽しめるようなものにしようということでやっているのが私たちのリサイクルです。

その「手作り」を大切にし、さらに作り手と使い手が作品を介して出会い、語り合える場を作りたいという想いで、菅原さん、工房とお店がある敷地の中でクラフトマーケット「くらしずく」を始めました。全国からハンドメイド職人がそれぞれの想いがこもった作品を持って九十九里に集まってきます。人気のマーケットに育っていますが、その開催に対する思い、伺いました。
菅原さん:2017年からこのクラフトマーケット「くらしずく」をスタートしましたけども、なんでガラス屋さんがクラフトマーケットやるんだというのは非常に疑問に思われるわけですけども。その意味二つあって。一つは九十九里という地域に、もっともっと多くの人が足を運んでいただきたい。もう一つは、あの私たち手作りでガラス製品を作っていて、単にデザインがいいとか品質がいいとかだけではなくて、もっともっとそのどういう人たちが作ってるとか、どういう想いで作ってるとか、そういうこともお届けしていきたいなあと常日頃思っている中で。しかもそういう話を聞きながらお買い物をして買って帰ったものをより愛着がわいて、長く大切に使いたくなるみたいなことを体験していただきたいなあという想いがあって。帰りがけには、ぜひ九十九里海岸もドライブしていただいたりとか。一日楽しんでいただければいいなというふうに思ってます。

ハンドメイド作品だけでなく、マーケットでは九十九里の美味しいものの屋台やキッチンカーも並びます。「くらしずく2024」は10月19日(土)20日(日)開催です。入場料など詳しくは公式サイトをご覧ください。そして、イベントがない日でも、工房の隣のショップや素敵なカフェで、ゆったりとした時間を過ごすことができます。九十九里のお出かけプランに菅原工芸硝子、ぜひ加えてはいかがでしょうか
2024/10/4 UP!
みのりの秋、皆さん楽しんでいらっしゃいますか?
千葉県は、産出額全国2位を誇る、日本有数のさつまいもの産地。そして関東地方のさつまいも栽培発祥の地ともいわれているんです。今回は、香取市で独自のアプローチでとっても甘〜いさつまいも、その名も「金蜜芋」というスイーツ好きにはたまらないさつまいもを作りながら、いろんな方法で、そのおいしさも表現している石田農園の取り組みをご紹介します。
香取市のある北総地域は、県内でも特に、関東ローム層の火山灰土壌が栽培に適していると、さつまいもの名産地として知られています。その激戦区の中で独自のブランド「金蜜芋」を生産するだけでなく、「金蜜芋」のスイーツを楽しめるカフェを運営している石田農園。農家であり、石田農園のプロデューサーでもある、まだ30歳を越えたばかりの石田湧大さんにまずは金蜜芋がどんなお芋なのかを伺いました。

石田さん:石田農園はですね、会社になっているさつまいも農家なんですけど、自分たちでこだわり持っているさつまいもをオリジナルブランドで金蜜芋っていう名前で売っておりまして、でそれを食べられる場所で金蜜堂っていう芋パフェのお店をやっています。金蜜芋というのは糖度50度以上のさつまいものことを金蜜芋という名前をつけていまして。さつまいもって甘さが、甘くない状態だとだいたい糖度10度ない状態くらいから僕らで言うと糖度75まで甘くなるんですけども、その糖度50度以上の状態って、だいたい皆さんがこう食べた時に「うわ甘っ」て感じる。そのラインがだいたい糖度50なんですけど、僕らが作ってるお芋はすべてが糖度50度以上の金蜜芋になります。甘さをとことん追求して作ったさつまいもなので、なんかそういうオリジナリティのある特徴もあったりします。
石田さんの家は300年以上続く農家。その長男として、石田農園の歴史を続けなくてはという気持ちはあったものの、それほど強い想いではなかったそうですある時、本格的に農業をやることを考えるようになって、そのためにはまず、経営の分野や人を使うことに関しての勉強が必要、ということで人材採用の会社入社。人材育成や人集めのスキルを獲得してから、みっちりと農業の道に入り、無我夢中で芋作りの勉強をしたそうです。そして、今でも最高に尊敬しているお父様の教えで美味しいさつまいもを作るようになっていきます。そもそも、この甘いさつまいも作りに関しては、石田さんとお祖父様との会話から始まったそうなんです。

石田さん:甘いさつまいもってどうしたら作れんのって、私が20歳ぐらいの時に聞いたら、ああ、昔はなんか土の中に秋収穫した芋を入れといて、春になって食ったら甘かったどって言われたんで。なんかそれを本当に真面目に受け取って。で親父と十年前から、この十年間でそれをどうやって技術として習得するのかっていうのを研究していく中で、気づいたことは、二年がかりで、さつまいもの土を作って。そもそも甘くなりやすい個体のさつまいもを作り、それを地下貯蔵庫で熟成させることによって、どこにもない味わいの高糖度のさつまいもが出来上がるっていうことに気づいたのが、まあこの十年ぐらいであの工夫してきたことですね。

お祖父様のお話をヒントに、独自のノウハウを編み出して、毎年再現できるようにしていこうと考えた石田さん。お父様と10年かけて完成させたという、この探究心。素晴らしいと思います。

土づくりから熟成まで、およそ2年の歳月をかけて世に送り出されるオリジナルブランド「金蜜芋」。そして今年3月、また新たな挑戦が始まりました。「芋」としてだけでなく、「スイーツ」にして、もっと多くの人に味わってもらおうと考えたんです。

石田農園の干し芋は製造が追いつかないほどの人気商品になりました。規格外と言われていたサイズの焼き芋商品が百貨店などでも飛ぶように売れたのをみて石田さんは地域全体の芋の評価が上がれば生産地のイメージアップにつながるのではないかと考えたそうです。そこで、まずは石田農園を知ってもらうため、千葉県最大級のビジネスプラン・コンペである「CHIBAビジコン2020」に参加。「最高のサツマイモを作っていく」企画が見事に「ちば起業家優秀賞(千葉県知事賞)」を受賞しまた。そしていよいよ今年3月には金蜜芋を食べてもらうために、芋のスイーツが楽しめるお店、「金蜜堂」の運営をはじめました。

「北総の小江戸」と呼ばれ、築100年を超える商家など歴史的建造物が残り、風情ある町並みを造っていますが、金蜜堂は、内装に大正ロマンを取り入れた古民家カフェをオープンし、さつまいもの特別な体験を提供しています。このカフェでいただける大人気の芋パフェ、どのようにしてできたのでしょうか?
石田さん:今お店でスイーツを私たち農園のスタッフが作っているんですけども、自分たちでレシピを作っているわけではなくて、二年前に出会った千葉市でカフェテントっていうパフェのお店をやっている、宮副天良さんっていうパティシエがいて、その宮副さんは本当にもうパフェの組み合わせというか、素材の組み合わせを考える天才で、その彼と二年前に知り合ってから去年、(テレビ番組の)青空レストランで共演をして、でそこで2人で考えたパフェが世の中の人が食べたいものになって、それをやっぱり僕たちでお店で特別な体験として届けられたらいいよねっていうので、僕らの農園のスタッフに、今ではパティシエの宮副さんが美味しいお菓子。あとはあの組み合わせにこだわったスイーツを作れるようにトレーニングをしてくれて。僕らが提供しているものっていうのは、本当にこう人気のパティシエが考えてくれたものを提供をできていると思ってます。
「金蜜芋のお城パフェ」は20種類ほどのパーツ(材料)から構成されているんですが、素材にも大変こだわりがあって、その食材、基本的にまずは宮副シェフに金蜜芋を食してもらって、そしてこのお芋に合う食材を地元の方にも提供してもらったり、新たに作ったりしてもらったりしたそうです。付け合わせに出てくる2種類のお塩のうちひとつは九十九里の天日干しの塩だそうです。いただいた取材スタッフはひとつ3000円でも安く感じたとのこと。ゆっくりと楽しんでいただきたいパフェ。
スタジオには、取り寄せもできる、瓶に入っている小さなパフェを用意いたしました。

金蜜堂では、10月末まではこのほかに、金蜜芋とベリーのアイスパフェが、季節のパフェとして楽しめるそうです。さて、まだまだお若い石田さんですが、将来について、こんなことも考えているそうです。
石田さん:石田農園のある地域っていうのは、さつまいも農家の人たちが千軒もいて、日本ではもう最大のさつまいもの産地なわけなんですけれども、そこで僕らがやっている、いろんな取り組みっていうのをさつまいも農園のロールモデルとしてやっていって、やがては石田農園以外の○○農園がいろんなスイーツを手掛けてたりとか、百貨店で売り場を争うライバルになってたりとか。僕もまだ30歳なんでここから先の人生、一応今の予定では75歳まで仕事をしようとは思ってるんですけれども、一緒にこう切磋琢磨していけるようなそんな若手の農業経営者の方とか、さつまいもがすごく好きな仕事をしている人達っていうのをなんかこう増やしていくきっかけになれたらいいなと思ってます。
45年先までのすごい人生計画。「地域で盛り上げていきたい」 「地域の中にライバルができたら盛り上がる」とか地域と農業の未来もしっかりみているんですね。

金蜜堂で、パフェやスイーツを食べられた方は、みんな、このお芋の甘さに驚いてショーケースの中にある干し芋もお買い求めになるそうですよ。美味しいものって、自分の大切な人たちに教えたくなりますよね。佐原の歴史的な街並みを楽しみながら、北総地域が誇るさつまいもの実力、金蜜芋をぜひ楽しんでみてください。

金蜜堂&石田農園
2024/9/27 UP!
みのりの秋、首都圏にありながら、海の幸にも山の幸にも恵まれた千葉県には美味しいものが勢ぞろいしてきていますが、そう言った美味しいもののお供といえば、、、、、日本酒なんかいいかがですか?
世界的にも人気が高まっている日本酒。米どころでもある千葉県には、40近くの酒蔵があり、それぞれに個性的な酒造りをしています。でもなかなか、自分の好みに合ったお酒に出会えないとか、もっと色んな味を知りたいなんて思う方もいらっしゃるんではないでしょうか。今回は、千葉の酒蔵をはじめ、全国の酒蔵に足を運びその味や作りのこだわりをチェック。お客さんのニーズにしっかりと応えてくれると評判の街の酒屋さんをご紹介します。

利根川や江戸川などの舟運を活かして、江戸時代から酒造りが盛んに行われてきた千葉県。いまも歴史ある酒蔵が多く残っています。そんな千葉の美味しいお酒を紹介してくれるのが、千葉市稲毛区穴川にある「させ酒店」です。まずは店主の佐瀬伸之さんにお店が大事にしているポリシーを伺いました。
佐瀬さん:千葉市稲毛区穴川で酒屋専門店を営んでます。佐瀬酒店の代表取締役の佐瀬伸之と申します。酒問屋の営業が25歳。でそのそのまま続いたんで、25歳から今48歳なんで23年営んでおります。うちはやはり駅から離れてまして、立地が良くないのは自分でも重々把握なので、やはり昔から僕自身も意識しているのがわざわざ来ていただくお客さん、、時間を使ってね、来ていただいているお客さんに対して、必ず恩返しをしろっていう形で接客。必ず声をかけて、お客さんにぴったりなお酒を選ぶということを信念に持って日々努力しておりますそうですね。全国でもね、珍しい酒屋だと思うんですけども、店頭で並んでるお酒は社長である僕はすべて飲んでますんで。日本酒類に限って言えば、月40種類から50種類は変わっていけますけども、もちろんこちらもテイスティングしてますんで。なんでも聞いていただければと思います。

もともと、ご両親が営んでいる酒店を手伝いながら、東京農業大学の醸造学科でお酒の作り方もしっかりと学び、それを元に、お客さんへのおもてなしをしていこうと考えた佐瀬さん。酒店を継いでからは、実際に酒蔵へ足を運んで得た「豊富な知識と人脈」を活かし、こだわりの品揃えと丁寧な接客を心掛けているそうです。お客さんの好みや希望を把握してから商品を提案する「させ酒店便」という個人宅配も行っていて、そのリピート率は8割以上!なんです。

豊富な知識と経験、接客の丁寧さがあってこそ。もちろん県内の酒蔵も訪ねていろいろ情報を集めている佐瀬さん。千葉県のお酒について、二十数年前と今の評価の違いなども解説していただきました。

佐瀬さん:もちろんそのお酒一本一本にね、酒蔵さんがあるので、その酒蔵さんのストーリーも生き様もね、一緒にお客さんに伝えさせていただいて、少しでもそのお客様がその酒蔵さんのファンになっていただけると僕も嬉しいです。(千葉に酒蔵は)まあ、40ぐらい、まあ実際はあるんですけれども、実際悲しいことにええ、自分のところでしっかりと作っているのは20蔵と聞いております。昔というと、まあ僕が酒屋継いだね。23年前のお話になっちゃいますけども、全国の酒蔵さんから見ると、まあ有名な県から見ると話題にも出ないような千葉県だったんですけども、今ではね、ちょっと気になって千葉にうちの酒屋に顔を出してくれた違う県の酒蔵さんが興味を持って、「佐瀬さん、ここの蔵一緒に行きたいんですけど、連れてってくれますか?」っていうぐらいに千葉の酒蔵を興味を持っていただいているってことは、千葉の酒蔵さんの味わいとその設備も含めて会社の体制というのが気になっているんだと思います。


評判をきいた日本酒がお好きな方はかなり遠方からも訪れるそうで、他の県の蔵元やバイヤーの方も直接、穴川のお店に来るようになったそうです。お店には日本酒だけでなく、焼酎やビール、ウィスキーやワインなどの洋酒も所狭しと並んでいます。お店に普通に入って行くと、佐瀬さんが声をかけてくれて、好きなお酒の味などについて話すとすぐさまお店の中にあるたくさんのお酒の中から好みにあうおすすめのものをいくつか出してきてくれるんです。机の上に、「これと、これとこれ!」みたいにその人にあったお酒を並べてくれるそうです。

取材スタッフも、日本酒の好みを佐瀬さんに言ったら、あっという間に3種類、提案されて、しかもそれぞれの酒蔵のストーリーや味の特徴、こんな料理に合いますよみたいな情報がマシンガンのように出てきて、結局どれも買いたくなり、話を楽しみながらも悩むという時間を過ごしたようです。
千葉市で酒店を営んでいる佐瀬伸之さん、県内だけでなく、全国の酒蔵に実際に足を運んで、その年の出来栄えもチェックしているそうです。そんな佐瀬さんが感じている、県内での酒造りの変化についてお話しいただきました。
佐瀬さん:なんか全国でやっぱり出張行ってると、千葉はやっぱりお人好しが多いなって。昔から思ってて優しいんですよね。だからちょっとなんか他県の様子を見て、後から手を出してくるというか、そういう感じだったんですけども、やっぱり今となってはね、千葉の酒蔵さんもしっかりと他県の酒蔵さん見学して刺激を受けて、そこでいろんな技術提供を受けて、自分の会社で持ち帰ってスタッフとちゃんと話して、それを形にして、それが味わいに、あのやっぱり浸透してやっぱり味も美味しくなって評価されていると思います。僕らがね。やっぱりあの東京農大醸造学科で学ばせていただいたことは、そういうなんか杜氏さんの勘とかって話を聞いたんですけども、勘とかってよくわからないので、大学時代からしっかり分析して数値化して。まあ数値だけでは表れないものもあるんですけども、基礎としてやはりその酒造りをデータ化数値化することによって重ねていくって形ですかね?そうすると日々のその作りが進化していくって形でしょ?データ化すると、その中でやっぱりオリジナリティを自分の中で出して、ちょっと個性を出したお酒になってきているっていうのが、千葉県のお酒だと思います。
もちろん、データで全てが表せるわけではないですが、そのデータの部分などを最近は蔵元同士が情報を共有したりしているのだそうです。酒造りに関する昔はいわゆる企業秘密だったものでもオープンになってきているところもあり、佐瀬さん曰く、そう言った意味では千葉県の酒造りもだいぶ変わってきているそうです。
そして、これからの季節、佐瀬さんがおすすめするお酒のお供と飲み方、きいています!
佐瀬さん:あえて言うんだったら秋だったらね、やっぱり焼き魚とか、あとまた今みたいな暑くないので、鍋とかが増えてきますから、日本酒の魅力といえば、やはりいろんな温度帯で飲める冷酒もあれば、常温もあれば燗酒っていうのもあるので。まあ、あの結構今ポピュラーな飲み方っていうのは冷酒、冷やして飲むって形なんですけども、あの特にね、アルコールの分解、、体内の分解っていうのは、ある程度自分の体温に近くなってから分解し始めますから、結局健康的にお酒を飲むってことは燗にして飲むと体温に近い温度帯ですから、お酒のね抜けが早くなって健康的に飲めますし。鍋なんか食べるとやっぱり鍋があったかいですから、温度で相性がいいですからね。ぜひ冷酒ばっかりね、飲んでる方が多いからあえて言いますけども、冷酒は冷酒で美味しいんですけども。うちの店頭でもう本当、何でもいいんで質問していただければ、しっかり考えてあの提案差し上げますんで、ぜひちょっとご来店いただいてお話しさせて頂ければと思いますんで、よろしくお願い致します。

千葉県の恵みを丸ごと楽しめる鍋なら燗酒。土地の水で作ったお酒が合わないわけがないですよね。
お店で佐瀬さんに「○○鍋をするんで、これに合うお酒なんですか?」とかきいて太鼓判をもらった千葉のお酒を楽しむ。なんかいいじゃないですか!今回は、お話の中で具体的な千葉のお酒の名前が出てきていませんが、それは、佐瀬さんが、それぞれの銘柄にそれぞれのストーリーや味の特徴があって、これが特におすすめ!っていえないよ!と千葉の銘酒全部推しだからなんです。
そんな一歩踏み込んだお話は、お店に直接行ってお話聞いて、そして佐瀬さんにお酒を選んでもらいたいですね。
2024/9/20 UP!
もうすぐ気候も過ごしやすくなりそうですが、秋のお出かけに、サイクリングはいかがでしょうか?都心からアクセスも良く、魅力的なサイクリングコースが豊富な千葉県。2回目の特集になる今回は、二拠点生活を経て2016年に南房総市に移住。年間を通じて温暖でサイクリングを楽しめる安房地域でサイクリストのための複合施設を運営している方に、この地域のサイクリングの魅力を紹介していただきます。
道の駅 富楽里とみやま から車で内陸に向かって数分のところにある複合施設HEGURI HUB。南房総市平群地区の伊予ヶ岳の麓にあり、都心から車で1時間半ほどの近さにも関わらず緑の映える美しい里山に囲まれています。主にサイクリストのための施設としてオープンしましたが、2021年7月10日にリニューアルオープンしてさらに機能が高まりました。 いったいどんな施設なんでしょうか?運営をされている南房総サイクルツーリズム協会会長の瀬戸川賢二さんにお話をおききしました。

瀬戸川さん:HEGURI HUBというのは、「旧平群(へぐり)保育所、廃校になった保育所を利活用した複合施設でございまして、核となっているのは、サイクルステーション。それ以外にも飲食店、宿泊施設、キャンプ場、コワーキングスペース。あとドッグラン、シャワー施設、、そういったものを兼ね備えた複合施設となっております。もう少し涼しくなった時にはですねサイクリストが立ち寄る施設ともなっておりまして、今までで累計でおそらく1万人近いサイクリストが来てるんじゃないかと思います。まあ、もう少し涼しくなってから南房総にもサイクリストが非常に増えてくるんじゃないかなと思います。

最近は知名度も上がってきて、利用される方が増えてきているそうです。
ところで、瀬戸川さん、経歴がとてもユニークな方なんです。元々は金融関係のお仕事を都内でバリバリやられていたんですね。ある時、2日ほど休みが取れたので、南房総を訪れたところ、アクアラインを使えば東京からあっという間で、日本の原風景のような自然豊かな南房総市の魅力に気づいて、時間をおかず、すぐに別荘をたて、二拠点生活を始めたんです。そして、南房総に滞在する時間が長くなってきて、ついには移住を決意。現在はご自身の拠点も南房総になりました。金融のお仕事も辞められて、新しいことをしたいなと考えていたところで、チャンスがやってきました。

瀬戸川さん:まあ50歳ぐらいを機に南房総市。まあ、それまでに二拠点生活をしていた南房総市に移住をして、何か起業をしようと思った時に、南房総市の第一号の地域おこし協力隊の募集を知りまして応募しました。やることとしては、インバウンド観光ということで職を拝命したんですけれども、実際に仕事を始めてみたところですね、コンテンツを強化する必要があるという思いに至りまして。その中でスポーツツーリズムで特に私自身もやっていたサイクリングが非常にあの環境としていいんじゃないかといったことで取り組みをさせていただきました。特に首都圏の方からは日帰り圏内ですので非常に気軽にサイクリングができる地域だと思っております。

インバウンドはもちろん、都市部からのアクセスのよさもあり、国内からの受け入れ態勢についても、瀬戸川さんは色々と考えを巡らせます。
移住した南房総市で、サイクルツーリズムを通じて地域の魅力を発信している瀬戸川さん。この地域がサイクリングに向いている理由をこんな風に教えてくれました。

瀬戸川さん:まずは交通量と信号がまあ圧倒的に少ない。これはだから非常に走りやすい環境で、ルートによっては40~50キロぐらい信号なしで走ることもできると。2番目が、海と山が近いと。これは何を意味するかというとですね、非常に平坦な道が多い海とアップダウンの激しい山がですね、非常にあの近いので、まあコース取りの多様化ができると。3点目としてはですね非常に景観が綺麗なこと。4番目は気候が温暖であること。これはあの2月~3月もですね。問題なく走ることができます。 最後がサイクリストにとっては非常に大事なポイントなんですけども、食事が美味しいといったことで、まあ概ねこの五つにですね、この南房総のサイクリングの良さは集約されると思っています。

サイクリングに必要な要素が全てこの安房地域にはある、と気づいた瀬戸川さん。あとひとつ、サイクルツーリズムに必要なのは「拠点」だと思い立ち、さまざまな方の協力を得て「HEGURI HUB」が出来上がったんです。取材スタッフがお伺いした間も、顔馴染みのサイクリストの方が気軽に話しかけてきてくれたり、食堂で美味しいアジフライを食べて、また走りに行かれる方などもいて、とても明るく活気があったそうです。

このHEGURI HUBには先ほど瀬戸川さんがお話ししていた南房総のサイクリングを楽しめるポイントに関する情報が集まっているんです。地図やグルメ情報などの資料も用意されていますし、スタッフに気軽に相談することもできます。ここで出会ったサイクリスト同士の情報交換もあったり、とまずはここで下調べしてから出かけるという方も多いようなんです。実はレンタル自転車の中には「Eバイク」というサイクリング用の電動アシスト自転車もあって、こちらも大人気なんです。 Eバイクのおすすめポイント、瀬戸川さんにおききしました。
瀬戸川さん:あのあまり運動してない方とか、体力に自信のない方で、この安房地域でだいぶEバイクも増えてます。レンタサイクルとして増えてますし、我々の方でも準備しております。まあ、そういったものを活用すればですね多少のアップダウンでもまあ難なく登れますし。例えばですね、体力に差のあるパターンご夫婦でですね、ご主人が自転車乗るんですけども、奥様が体力に自信がないというようなケースが実はうちも多いんですけれども、そういった場合には奥様の方だけEバイクにして、まあ、むしろ上り坂では奥様の方が先導するというようなケースもですね、結構南房総、安房地域では、このHEGURI HUB 以外のところでも自転車や、Eバイクのレンタルは広がってきているそうです。車や電車でお出かけになって、HEGURI HUBで情報を集めて、ご自分の自転車、レンタルの自転車でぜひ房総の風を感じてみてください。

こちら美味しいアジフライとハムカツ
2024/9/13 UP!
実りの秋、五穀豊穣を感謝して、あちこちでお神輿が巡行したり、伝統ある祭り以外でも「イベント」も多いですよね。
地域の魅力を発信しようとさまざまなお祭りも生まれていますが、今回は、昨年31万人を集め大変話題になりました市原市の「上総いちはら国府祭り」をご紹介します
「上総いちはら国府祭り」は10月の5日と6日に開催予定のこのお祭りは、市原市で平成23年からスタートしたもので、市原市最大級のお祭りとして、街に新たな交流と賑わいを生み出しているんです。歴史と文化に根差した市原市の魅力を広めるため、市と地元企業、市民とが協力して創り上げています。今年で11回目。比較的新しいこのお祭りの始まりについて、五井駅東側の区画整理事業、総合公園や大規模店舗の誘致などを行い、街づくりのお仕事をされてきたEタウン更級まちづくり協議会事務局の三宅邦章さんにお話を伺っています。

三宅さん:Eタウンこの市原市更級地区は田んぼであったんですけれども、田んぼの地権者の方々が集まって、五井駅前東土地区画整理組合というものを作りました。組合施工の区画整理を行った新たな街更級という地域ができたんですが、それに伴って、もともと市原市役所の前で市民祭りを行っていたものをリニューアルして新しくできた街に国府祭りとしてリニューアルさせたのが、今現在の「上総いちはら国府祭り」になります。もちろんその区画整理まちづくりの中でハード面が大きく変わるわけですけれども、ここにまあ歴史だとか文化だとか、そういったものを、市原市市域ものすごい広いですし、人口も非常に多いですから。お互いがこう共通認識が持てるような、その誇りや文化、歴史の継承、こういったものを祭りでやっていこうじゃないかっていうような話が出まして、この国府祭りが出来上がっていったという形ですねはい。
更級地区というのはJR内房線と小湊鉄道の五井駅の東側の地区のことです。今は綺麗に区画整理されていますが、この更級がある市原市は「上総国」の国府が置かれたとされる、中世からの歴史のある街なんです。
そんな歴史あるこの地域ですから、新しい街を作るだけでなく、歴史と文化に根ざした市原への誇りや郷土愛を育んでいきたいと、市役所前で行われていたお祭りを引き継ぐ形で新しい祭りを始めることになったんですね。でも、新しいイベントを作り出すのは並大抵のことではありません。
三宅さん:もともとは市原市市民祭りですから、まあ、基本的には同じものじゃないんですけれども、市原市市民祭りが終わって、やめて、じゃあ新たな祭りをということで、この新しい街に国府祭りというものを作ったということですね。2011年です。 いや、正直手探りでしたね。観光協会の方々も非常に頑張っていただきましたし。各地のその自治会なんかのそのねり踊りの方々。フラダンスをやったり、ヒップホップダンスをやったり。もうオール市原でいろんなところでいろんなことをやってきた方々が発表する場として、ええ、もう本当に手作りの祭りといった形でしたね。私の記憶だと2日間でまあ約3万人ぐらいだったと思います。
初回2日で3万人も集まったのは大変な数だと思います。「時代絵巻行列」や山車と山鉾の巡行、伝統の練り踊り、市原ゆかりの更級日記旅立ち行列や東日本最大級の山鉾などが巡行。大変盛り上がる「上総いちはら国府まつり」の見どころについてさらに詳しくご紹介していきます。

まちづくりの計画段階で、祭りの構想も同時に練っていた三宅さんたち。祭りのためにどうしても譲れなかったことがあるそうなんです。それは街のデザインについて。一体どんな点にこだわったんでしょう?
三宅さん:この街をまず作る時にデザインする時にですね。(幅)36mの大通りを作りました。これは、もともとその祭りで使ったりだとか、そういったものを念頭に、実は中央分離帯がないんですね。県警とはだいぶ協議しました。中央分離帯を作ってしまうと、祭りの支障になるということで、これは何としてもということで協議をし重ねた結果、36mの片側二車線、非常に大きな道路ができたんですね。長さは650mですね。歩道は5mの歩道がありますから、出店を当日出店が200店舗ほど出るんですけれども、それでも皆さん、通行が可能だし、その路側帯のところに皆さん座って見れるような形になったんですね。ですので、演じられる方、まあよさこいの方も、ねり踊りの方も、こんないいステージで驚いてます。私は幸せだよと大変ご好評いただいてますね。

幅36メートルの大通りで中央分離帯がない道、贅沢な広さですね。
「練り踊り」と「よさこい踊り」の皆さんが進んでいく大通りは「上総大路」といって、長さは650メートル、幅はなんと36メートルで、そのほかに歩道が5メートル幅。ぎっしり人が集まる場所としては、相当恵まれているわけなんです。警察や役場ともしっかりと協議を重ねたということで、ここは相当ご苦労されたようです。

今年の踊りのチームの募集はすでに終わっていますが、見に来ていた人たちが、来年はそこに参加しようという風に、毎年参加チームが増えているんです。上総大路のほかにも、各所にステージがあり、上総更級公園、アリオ市原のサンシャインコートなどでもパフォーマンスが繰り広げられます。
最初3万人であった集客が、2019年には18万人位まで増え、コロナ禍をはさみますが、昨年がなんと驚異的に増えて31万人。開始から比べると十倍以上にもなります。今年もどのぐらい集まるのか楽しみですね。最後に三宅さんからメッセージをいただきました。
三宅さん:昨年2023年、31万人を数える来場者。これには私もびっくりしましたね。市原市というのは市域も広いですし、人数もたくさんいるところですから、共通認識として、これからはあの国府祭りがあるよね?共通の話題としてあげられるような祭りになっていければなというふうに思いますね。で、他県の方とかに私、市原出身なんだって言った時に、あ、確かなんか大きな祭りで国府祭りってあるよね。何?知ってるの?なんていう話題があったら本当に嬉しいですね。 当日、ご来場の際は公共交通機関をお使いになるか、お車の場合は市原市役所に大きな駐車場をご用意してありますので、そこから無料のシャトルバスが出てますので、こちらを使いになると非常にスムーズにご来場いただけると思います。ぜひともたくさんの方のご来場をお待ちしております。
「あ、青森のねぶたでしょ」みたいに市原、上総いちはら国府祭りでしょ?って言われるようになりたいということですね。お祭りのフィナーレには花火も予定されています。会場のスケールが大きく、とにかく楽しいこの盛り上がり、ぜひみなさんも参加して体感してはいかがでしょうか。
2024/9/6 UP!
新米が出回る季節になってきましたね。
千葉県は8月中旬に新米ができる、関東一の早場米の産地でもあるし、米所として美味しいお米、ブランド米がいくつもあるんです。ふさおとめ、ふさこがね、粒すけ、こしひかりなど。そして千葉の三大銘柄米として 多古米、長狭米、いすみ米があります。
今回は、千葉県多古町の地域で作られているコシヒカリ「多古米」の魅力をいろんな方法で発信している農家さんの活動についてご紹介していきます。
ご紹介するのは、多古町で農業をされている「立花ふぁーむ」の皆さん。お母様の立花眞佐子さん、娘さんの青木清子さん、そして息子さんの立花よしおさんが、それぞれ多古米の魅力を発信していらっしゃいます。
多古町では地元で作られたお米の美味しさを競う「多古米グランプリ」という大会が毎年行われていて、旨み成分などを機械で測定する1次審査と、審査員による実食の2次審査を通じ、その年のNo.1多古米を決定しています。お母さんの眞佐子さんは、昨年の大会で、65歳以上の部の優勝と総合グランプリを獲得された、まさに多古米の匠の方なんです。美味しいお米を作る秘策はどんなところにあるんでしょう?

立花眞佐子さん:
お嫁に来てからここ50年になります。ずっとお米作りやってまして立花眞佐子といいます。今年からね、若い人と年寄りの方の2部にわかれて。ちょうど高齢者の方に入ったからおいしかったと思うんです。有機肥料で少しやってたから6種類ぐらい入ったかな?燕のふんとか海草とかだから土作りができてたからおいしかったのかなって。お水もね、その年は暑くて夜水引いてくれたの。 だからそれが良かったのか、みんな食べて美味しかったのかな?審査員の方々は、、、
100名をこえる参加者の中、堂々の総合グランプリ。「たちばなふぁーむ」のお米はすべて「有機栽培」か、化学肥料・農薬を通常の半分以下に減らす「減農薬・減化学肥料栽培」で作られているそうなんですが、そうしたことを10年続けてきた成果だと思うともおっしゃっていました。そして、その多古米のおいしさをもっと広めていこうと数年前から活動を始めたのが結婚で多古町を出て今は横浜にお住まいの娘の清子さんです。当たり前に食べていた多古米の味がとても評価が高いと知って、そんな味を周囲の方に知って貰いたいと、多古米を中心としたランチを横浜で提供するようになったんです。最初は横浜で、月に2回程度、農家カフェというのを始めた清子さん、そのメニューはどんなものだったんでしょう?そして、食べた方々の反応はどのようなものだったんでしょう。青木清子さんにリモートで伺いました。

青木清子さん:
農家カフェと銘打って、母から前日に送ってもらったとれたての、夏でしたらおくらとかゴーヤとかそういうものをその多古米とおかずとランチセットにして提供すると「新鮮な野菜ってこんなに美味しいんだね」なんて言ってくれて。母があと自家製のお味噌も作ってるので、自家製味噌で作ったトン汁とかね。あとはヤマトイモが有名なので、ヤマトイモ農家の人から泥付きで直送してもらったりとか。で、泥付きのヤマトイモ詰め放題とかも、結構都会の主婦にはウケるんですよね。産地直送の田舎を楽しんでもらうっていうのが、町でのそのカフェ営業で。ただただランチをいっぱい売りたいとかではなく、多古町を知らせたいっていうコンセプトでみんなこう。じゃあ私も多古町応援するわみたいな方も来てくれて。横浜のカフェのお得意様が3組ぐらいあのうちの田んぼに田植えに手伝いに来てくれたり、二拠点ならではの繋がりもできましたね。

収穫したものをその場でいただける農家カフェは多くありますが、横浜で多古町の作物を新鮮な状態で出す。それで多古町にも来てくれるっていうのは面白い展開ですね。
古くは江戸時代から時の将軍や皇室への献上米となり、また食味日本一に輝くなど、おいしさには定評がありますが、流通量が少ないため「知る人ぞ知る」銘柄米とも言われる多古米をもっとたくさんの人にしってもらいたい、という清子さんの活動はさらに広がっていきます。
多古米グランプリ2023で見事総合グランプリに輝いた眞佐子さんをはじめとするたちばなふぁーむの皆さん。娘の清子さんが東京湾を挟んだ横浜で、多古米を始めとした多古の野菜の美味しさを発信するカフェを始めて、大人気に。そうしていると、場所を貸してくれている方からこんな提案をされたそうなんです。
青木清子さん:
2018年の11月に横浜を基本に活動して、そこにシェアキッチンをされてる方が近所にいらっしゃって、そこを間借りして多古米のランチを始めました。多古米美味しいねって横浜の方たちにも結構評判になって,実際にやっぱ食べてもらうっていうのがすごく宣伝になるんだなあっていうのを実感しまして、五年経ちまして。そしたらそこのオーナーさんから、多古町にもシェアキッチンとかで作ってみたらどうってすすめられて町の役場にも相談しに行ったんですね。なんとか保健所にも何度も足を運んで渋々オッケーをもらって、町もまあ農業の六次化っていうことで、すごく応援してくれて、もうすぐ二年になるんですけど、現在ポロポロと増えて6組借りてくれてる方がいます。
シェアキッチンの認可をとるのもいろいろ苦労されたようですが、多古町で、というか、立花さんの家の一部を改装して「多古町のシェアキッチン」が完成しました。多古町や近隣の町にお住まいの方から利用の申し込みがあり、多古米の米粉を使った焼き菓子を作られる方などがいるそうです。専用の調理機材があるシェアキッチンの存在は、地元の方々に大きなチャンスを与える施設になっていきこの地域の食材を使った新しい食品が、ここから生まれてきているんです。

スタジオでは酵素玄米の試食をしました。
これは、多古米の玄米に小豆と少量の天然塩を加えて炊き上げ、炊飯器などで3日程度そのまま保温することで、活性化した酵素の働きで、玄米がモチモチと柔らかくなっているものです。電子レンジで温めて食べることができるんです
こんな風にいろいろな可能性が広がっていくのは素晴らしいですね。6次産業化することも魅力の発信につながっていくのでしょう。

現在、多古シェアキッチン・メンバーを募集していまして、1時間1100円から利用可能です。お試し無料体験もあるそうです。菓子製造許可付きキッチンですので、腕に自信のある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?最後に 眞佐子さんの息子で代表の立花良夫さんにもお話うかがいました。
立花良夫さん:
グランプリ取った母の息子です。多古米の将来の話です。今年からの多古町がオーガニックビレッジ宣言っていうのを出して、有機Jasのお米を増やして作ってでそれを、地産地消のような格好ですね、小中学校の給食に出したりとか、生産と消費量が有機農産物がそう回るような仕組みを作ろうという取り組みなんですよ。ちょうど今頃は、多古は稲刈り真っ最中ですね。もう一面黄色いんですよ。黄金色になってます。輝いてますよね。今機械化が進んでるんでね、稲刈りの翌日にはね。あの出荷可能になるんですよ。新米ですね。今年もおいしい新米できておりますのでね。皆さんぜひ多古米を買って食べてみてください。まあ食べればわかりますよ。
オーガニックビレッジ宣言、有機農業に地域ぐるみで取り組むという、多古町の素敵な姿勢で作られた美味しい多古米を地元の子供達も給食などでしっかり食べて、その美味しさをDNAに刻み込む。まさに食育の一環とも言えるんじゃないでしょうか
すでにもう新米をいただいた、なんて方もいらっしゃるかもしれませんが、お米の保存には冷蔵庫を使っていただくと食味が長持ちするそうです。ぜひ、今年も美味しい新米、召し上がってくださいね。
20年前からネット販売を始め、有機農法、農家カフェ、シェアキッチン、など様々なことに挑戦し続けてきたたちばなふぁーむのみなさんのこれからにも、期待しましょう。詳しくはたちばなふぁーむの公式サイトをぜひご覧ください。
2024/8/30 UP!
突然ですが、明日、8月31日は何の日でしょうか?831(はち・さん・いち→ヤ・サ・イ)で野菜の日なんです。今回は市原市で蜂を飼う「養蜂」で里山を再生、有機農業を行っている方の挑戦をご紹介していきます。
市原市にある「ONE DROP FARM」の取り組みを紹介します。「養蜂で里山を再生する」を合言葉に、耕作放棄地を再び整備して、養蜂と有機農業を行っています。ミツバチや周辺の生態系に配慮して栽培された野菜はすべて有機JAS認証を受けたもの。実はスタジオにもその力強い野菜が並んでいます。まず最初に、代表の豊増洋右さんに、有機農業に取り組むことになったいきさつを伺いました。

豊増さん:僕自身はもともと農家の生まれなんですよ。佐賀県の鳥栖市の酪農家の長男として生まれたんですが、大学を卒業した後は経営コンサルタントの会社で八年ほど経営とかマネジメントを勉強させてもらったあと環境関係の活動している団体に転職して、その団体でたまたま千葉県に農場を作るという仕事があって。木更津市に移住したというのが、実は僕が千葉県で農業を始めたきっかけだったんですが、それが今から15年ほど前ですかね。2010年ぐらいのことで。その農場を七年ぐらいで卒業させてもらって、七年前に市原市に来てONE DROP FARMという会社をスタートしたのがこの事業の始まりです
豊増さんは経験、知識を生かしながら耕作放棄地を農地としてよみがえらせるため最初は農作物ではなく、あるものを育てることに力を注ぎます。そして、副産物として、あまーい蜂蜜を作ることになったそうなんです。農業を始めるにあたり、豊増さんが力を入れたこととは何なのでしょうか?

豊増さん:やっぱ最初にやらなきゃいけなかったのは、地力を向上することで、土木的に農地を再生すること、それももちろん大変なんですが、最終的にその農地で品質の良い野菜が作れるようになるかどうかって、やっぱり地力になりますから。自然界の力といいますが、僕ら緑肥と呼んでますが、この緑の肥料の緑肥という植物を育てることによって、その土地の土が持つ生物性とか、物理性とか、あるいは科学性を整えていくっていうことが、やっぱり急務だなという風に最初に感じました。先ほど申し上げた緑肥という植物の中には 蜜源植物っていうんですけど、蜂蜜が採れる植物がたくさんあるんですね。例えばクローバーとかナノハナとか、この蜜源植物のいいところは当然、あの土も育ててくれるんですけども、お花が咲くことで蜂蜜が採れるという効果もありますので、そこでミツバチを育てればはちみつが収穫できると、一石二鳥じゃないですけどそんな効果も期待して、土を作りながら蜂蜜も育てているっていうのが、僕らが今やっていることです。

その土作り、市原市のJR外房線 誉田駅から近いところにある瀬又地区で何年もかけて行っているそうなんですが、そこまで土づくりをしっかりと行う、じっくりと進めているのには、その後、この畑で作りたい作物へのこだわりがあるからなんですね。
ONE DROP FARMでは価値のある野菜を力のある土で作っていくことに取り組んでいて、有機野菜に関する国の厳しい基準「有機JAS認証」を取得しています。認証のハードルも、ONE DROP FARMならではの方法で乗り越えているようです。
豊増さん:この認証を取得するためには、最低でも二年間科学的なものを使わずに土地を管理しなければならないというルールがあります。普通ですとこの二年間は有機野菜として販売出来ないので、収入があまり得られないということになるわけですが、あのお花畑で農地を管理することで有機認証を待っている間も蜂蜜を収穫しながら収入を得ることができるという。まあ、これ非常に大きな効果がありますまあ、認証が得られたからといってすぐにね、品質が良い野菜ができるわけじゃなくて、まあ、実質的にはやっぱね納得のいく高い品質の野菜ができたなと思うのは5年目とかね。まあ、その土地のプロフィールにもよりますが、場合によっては十年ぐらいかかるような畑も正直あります。今、僕ら有機JAS認証の畑で7ヘクタールほど管理してるんですが、年間で作付けしてるのはそのうちの1/4ぐらいですかね。2ヘクタール前後にとどめています。それをまあローテーションしながら。少しずつ土が良くなっていくのに合わせて野菜を育てていると、まあそんなやり方をやっています。
スタジオでも、届いたばかりのピーマンを頂きましたよ!

市原市の瀬又地区で着実に野菜づくりを続けるワンドロップファーム。その農作物の評判は次第に広がっていきます。ネット販売や近隣の大型商業施設などで販売もされるようになりますが、広い土地で一気に農業を拡大させることなく、品質の高いものを出荷していくことに重点を置いているそうです。そして、豊増さんおっしゃるところの「野望」、こんな風に語っていただきました。

豊増さん:この瀬又という地域からぜひ世界に飛び出して行きたいなという意味で、瀬又から世界へっていうのは一つのキーワードにして今いろんなことを考えています。やっぱりなんといっても千葉県はね、成田空港があって、海外の方が一番アクセスしやすいところでありますので、海外から来られた方が、あ、千葉でこんな本物があったと。こんな美味しいものがあったとまあ、感動していただける心を動かすような美味しいものを瀬又で味わっていただきたい。できればこういったものを作る仲間もね地域にどんどん増やして行きたいと思ってますので、品質が高いものをどんどんどんどん作っていきたいなというふうに考えています。農産物の海外取引って非常にチェックが厳しいですけども、有機農産物に関しては一般の農産物と比べると非常に少ない手続きで海外に輸出することができます。海外の方にもどんどん輸出という形になりますけども、そんなこともできていけるんじゃないかということで、今あの行政の方ともね相談して進めているところです。

千葉にこんな美味しい野菜がある、ということを「世界」にまでアピールしていく。行政の方とも詰めているなんて、もう野望じゃなくて現実的なすぐ未来の話なんでしょうね。豊増さんは、農業だけでなく里山再生に関する講演やコンサルティングなども行っていて、たくさんの方が話をききたいと訪れているそうですよ。「おいしい・気持ちいい・楽しい」のコンセプトのもと、次世代に引き継げる持続可能な農業を目指し、ワンドロップファームをゆくゆくは「県内の有機農業の拠点にしたい」という豊増さん。地域の農家さんとの連携も視野に、これからも新しい形を模索しながらまさに「瀬又から世界へ」ハチミツと有機野菜の二刀流で世界に挑戦続けていっていただきたいですね!

2024/8/23 UP!
インフラツーリズムってご存知ですか?ダム、橋、港、トンネルといった、社会や生活になくてはならない公共の施設を観光することをいいます。ダイナミックな景観を楽しんだり、普段はなかなか入れないその内部を見られるということで、今、人気を集めているそうですよ。
今回ご紹介するのは、アクアラインの裏側を見学できる人気のインフラツアー「東京湾アクアライン裏側探検」です。東京湾の中央部を横断し、木更津と対岸の川崎を結ぶ全長およそ15.1kmの自動車専用の有料道路「東京湾アクアライン」は10kmほどの海底トンネルと5㎞ほどの橋部分、そして東京湾に浮かぶパーキングエリア『海ほたる』で構成されています。その難しさから『土木のアポロ計画』と呼ばれた「東京湾アクアライン」の工事は 当時最先端の技術を結集し、調査から含めると30年もの時間をかけ完成しました。そんな一大インフラの裏側を見られるツアーの概要を、ガイドをされている東京湾横断道路アクアライン事業所の根岸あいさんにお話を伺いました。
根岸さん:正式なツアー名は「東京湾アクアライン裏側探検」でございます。普段は何気なく通行しているアクアラインの普段は見ることができない緊急避難通路であったりですとか非常設備などといったところを見れるですね、非日常を体験できるようなツアーとなっております。ちょうどだいたい五年半前から始まったツアーとなっておりまして、皆様に巨大インフラを見ていただこうということで始まったツアーでございます。アクアラインも上下線走ってるんですけれども、その隣に、実は見たことある方もいるかもしれないんですが、将来的にもし三本目のトンネルが必要になった際に堀り進められるような入り口と出口となるためのそういったものが用意されておりまして。そこからですね入っていただいて地下の緊急避難通路まで向かっていただくという形をとっております。

3本目のトンネルを掘るかどうかは決まっていないのですが、必要になったときのためにあらかじめ3本目を作ることが出来るような構造になっているんですね。この入口自体はそんなに長くなく、すぐ行き止まりになっているんですが、そこから入ることができる「緊急避難通路」を見学できるということです!どんな構造なのか教えていただきました。
根岸さん:緊急避難通路の中は気圧を上げておりまして。その理由と言いますのが、トンネル内でもし火災があった際に火や煙が、緊急避難通路内入ってしまいますと困りますので、その気圧を上げることによって緊急避難通路側からトンネルへと向かって空気が流れますので、まあその火や煙が入ってこないといった構造になっているんですけれども。その気圧を保つためにですね緊急避難通路に向かう際にはその扉の方をお客様にくぐっていただいて地下まで向かっていただくっていう流れをとっていただいております。緊急避難通路はですね。皆様が走っているそのトンネルの真下、だいたい1/3ぐらい緊急避難通路がございまして、その緊急避難通路がトンネルと同じように木更津側から川崎側またですね川崎側から木更津側へと続いているものとなっております。
避難通路は映画「シン・ゴジラ」のロケ地にもなっていたんです。トンネルの下3分の1に、緊急避難通路があるんです。避難のために気圧を高くしてるとか、興味深いですね
ツアーでこの扉を開けた時に感じる風などで気圧の差を実感できるようですよ。この緊急避難通路で防災設備についての説明などを受けた後、非常用階段を昇って地上に戻ります。トンネルを掘るときに使ったシールドマシンの「カッターフェイス」のモニュメントをみてそのスケールを感じたり、海に浮かぶ巨大な換気施設「風の塔」がどんな建物なのかなどを説明してくれます。
このツアーの参加方法について伺いました。
根岸さん:まず団体様になるんですけれども、木曜日と金曜日のみご予約を承っておりまして、お電話で予約をして頂く形になるんですけれども、20人以上50人以下で受け付けております。個人の受付は火曜日と水曜日承っておりまして、こちらはですね海ほたるの海ほたるネットの方からお申し込みいただく形になります。学校がお休みの期間になりますとお子様のですねご予約がこうぐっと増えてくるんですけれども、普段はですね、平日ににしか開催はしてないので。そうですね比較的予約の方は取りやすくなるかなと思います。小学三年生以上っていうのが年齢制限になってまして、まあ、上限の方はないですね。
海ほたるのホームページに「海底トンネルに潜入!東京湾アクアライン裏側探検」のアイコンがあるのでそちらから確認して事前予約が必要になっています。予約受付は開催月の2ヶ月前の月の1日10:00から開始されます。また、 現地集合・現地解散なので海ほたるまで来ることができる方、とか、120段以上の階段を自力でのぼることができる方などいくつかの条件がありますのでご確認ください。参加費用は大人1000円、小学生以下は500円で、参加できるのは小学校3年生以上となっています。
事前の申し込みが原則だそうですが、実はちょっとした裏技というか、タイミングが良ければ当日ツアーに参加できるかもしれないんです.
根岸さん:定員が20人なんですけれども、実はですね、その20人に満たなかった場合にはなるんですが、当日受付というものをやっている日もございまして。まあ、基本的にはその予約が必要になるんですけれども、もし当日の受付がある場合は、午前中は9時15分と30分、午後は13時15分と13時30分にですね放送の方が流れますので、運が良ければにはなるんですけれども、当日いくことっていうのもできる可能性はございます。
タイミングが合えばラッキーなことに参加できるかもしれないんです。海ほたるで平日の火曜日、水曜日の午前9時15分と30分、午後1時15分と30分ぐらいのアナウンスをチェックしてみてください。
夏休み中は予約がいっぱいですが、9月以降は比較的チャンスはありそうです。海ほたるからの素晴らしい景色やお買い物やグルメに加えておよそ90分の裏側探検ツアーもぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
2024/8/16 UP!
この時期美味しい果物といえばズバリ!「梨」ですよね。千葉県は、梨の生産量、栽培面積、産出額ともに日本一なんです。味も日本一です!
今回は、横芝光町で梨作りをされている、元パティシエという農家さんのこだわりの梨づくりと、梨を使ったメニューが味わえるカフェ、地域を盛り上げる取り組みをご紹介します。
九十九里のほぼ真ん中、横芝光町にある梨園「城山みのり園」です。園主の實川勝之さんは、元パティシエということなんですが、まずは梨農家さんになったきっかけを伺いました。

實川さん:梨のほうは梨工房城山みのり園という屋号でやってるんですけども、こちらは会社設立前からやっている梨園となります。私もともとケーキ屋でパティシエをやっていたという過去があるんですけども、当時ケーキ屋で働いていた時に父が怪我をして、それをきっかけに実家の農業を手伝うことになったという経緯がございます。もともと両親でやっていた農業経営としては、お米と一般的な野菜農家・・野菜づくりをしていたんですが、たまたま作っていた野菜がですね、非常にこうまあ市場で暴落して安くなってしまった。じゃあ、これをどう解決したらいいのかって考えた時に、まあ梨であれば、直販がしやすいと言うことで、梨の栽培を始めたというきっかけになります。いろんな梨の品種がある。なので、まあ純粋に食べてみたいとかね。どんな品種になるんだろうっていう興味本位もありましたし、販売している中でお客様のニーズに応えていくうちにだんだんと増えて、気がつけば40品種以上の品種が今はあります。ざっと800本ぐらいですかね?

もともの梨農家さんではないのに増えていって40品種以上、800本もの梨を作るようになるってすごいですよね?

農家を継いで、自分の代で初めて梨作りに取り組んだ實川さん。最初は5本の梨の木から始まったそうです。梨を育てるために必要な肥料選びを食材選びに例えたり、栽培方法を調理方法に例えたり、美味しい梨づくりにパティシエの目線も活かしながら努力をされたそうなんです。そして、こちらに梨工房城山みのり園から、そのこだわりの梨が届いています!
早速スタジオでもいただきました。

さて、梨作りは順調に進みはじめたのですが、大きな壁に当たります。どんなことがあったんでしょうか
實川さん:
皆さんもまだ記憶に新しい令和元年の房総の台風というのもあると思うんですが、2016年にも千葉県、大きな台風が襲ってきています。その時に梨も結構大量に落ちてしまったんですがそれをどうにか無駄にしたくないっていう思いがありまして、それを解決するべく、翌年の2017年に、まずはその自社の中で、そういった落ちてしまった梨、傷ついてしまった梨を解決できる仕組みと、あとは近隣のとか、仲間たちの農家のそういった傷ついてしまったとか、出荷できないという農産物が加工できる実験施設という思いで作った施設が「コミュニティCAFÉ&農家のキッチンLABO FARM TO…」というものを作りました。実験施設で作った農産物がそれをお披露目する場所としてコミュニティーカフェがある。そういう存在になってます。

苦労して作った梨を無駄にしたくない、自分だけじゃなく仲間も助けたいという思いが、新しい挑戦をする原点になったんですね。商品にならなくなってしまった梨をなんとかしたいという想いからスタートした「コミュニティCAFE&農家のキッチンLABO Farm to…」では、6次産業化に挑戦してみたいと思っている農家さんを始め、飲食店のオーナーさんバイヤーさんなどから相談が寄せられ、さまざまなメニューや商品が誕生しました。そして、カフェでは梨を使ったメニューをいただくこともできるんですが、どんなメニューが人気なんでしょうか?

實川さん:
一番人気なのが、具にもルーにも梨が半分以上入っている梨カレーっていうのがあります。他には梨の力でお肉が柔らかくなった梨のスペアリブっていうのもあったり、デザートにはもちろん季節ごとに梨を使ったスイーツを出していたり、あとは梨のミルクスムージーというのがあったり。本当に様々なものが楽しめます。それとはまた別に六次産業化っていう視点で行きますと、自社だけでやる六次化ではなく、地域を巻き込んだ六次化であったり、流通段階で 都市部の方々と連携した販売方法を使った六次化であったり、まあ、そういった地域連携型と 都市部連携型の二つの特徴がある六次化をやっているというのがまあ珍しいところかなと思います。

パスタやスペシャリテ、ドリンク、デザートも野菜たっぷりです。
實川さんたちは、自分たちの畑や工場だけでビジネスを完結せず、近隣の農家さんや食品製造業者さん、小売店のバイヤーさん、飲食店オーナーさんなどから、加工の依頼を受け、ピューレやカット、乾燥をはじめとする農産物の一次加工からパスタソースやジャム、ドレッシングなどの製造を請け負っています。
今後の展望と熱い思いをお話しいただきました。

實川さん
千葉県っていうのは日本一の梨の産地です。ただ、やはりこの千葉県の梨農家がかなり減っていたり、面積自体もかなり減っている状況です。そういった中でやはり日本一の梨の産地をこれからも守っていくためには、やっぱり一軒一軒の農家さんがこれからもっと規模を増やしていったり拡大してかなきゃいけないっていう中なんですけども、そこにはすごくまだ大きなハードルがたくさんあります。農業も 、スマート農業、機械化とかそういったものが進んでいますけれども、まだまだ梨作りにおいては人の手が必要になっているので、そういった部分を解決しながら、自社の中でももっと規模拡大し、生産量がもっと増えれば、今 数年前から弊社の場合は 海外に輸出というのもしているんですが、国内の市場に出すと共に、海外市場の方にもどんどん積極的に日本一の美味しい梨を届けていきたいと思います。
機械化は進んでも、梨づくりにはまだまだ人の手が必要。でもそれを解決しようと挑戦することで、強い農業ができてくんですね。
・梨工房 城山みのり園の梨をはじめ、お米や野菜、そしてドライフルーツやジャム、調味料などの加工品などは公式の通販サイトからお取り寄せすることができます。コミュニティCAFE&農家のキッチンLABO Farm to…の営業時間などについて、公式のホームページやインスタグラムでご確認ください。
https://www.instagram.com/p/CQ4isJwMpEm
2024/8/9 UP!
暑い日が続いていますが、この時期楽しいのがプールですよね。県内にもたくさんのレジャープールがありますが、中でも人気で歴史のあるプールを、ご紹介していきます。

その広さ東京ドームの1.5倍!県内最大級の規模を誇る山武市の蓮沼ウォーターガーデンです。
九十九里のほぼ真ん中、山武市にある県立蓮沼海浜公園の中にある施設でプールやスライダーなど、合わせて19もエリアがあるそうです!今年は7月6日からオープンしていまして、既に多くの方で賑わっています。まずは広報の水野陽子さんにこちらの特徴をご紹介いただきました。

水野さん:ここならではの特徴がですね、九十九里浜に面してるので、水着のままプールと海、出入り自由なのでもう一日でプールも海も楽しめちゃいます。結構いらっしゃいますね。一番人気は世界初登場のスプラッシュシェイカー。この世界初登場っていうのが、あの四つのスライダー要素を一度に体験できるそのコンビネーションの組み合わせが世界初なんですけども、その四つの特徴が、一つ目が暗闇の中を旋回して行って、次に七色のレインボーゾーン。で、その後激しい横揺れ。ラトラーという部分を通って、最後ブーメラン、大きな壁を登って降りてくるっていう四つの要素が体験できます。で、長さが182mありまして、スタートからゴールまでがだいたい50秒ほどお時間かけて滑っていただきます。

一番人気のスプラッシュシェイカーはゴムボートに乗って楽しむダイナミックなアトラクション。混雑すると2時間待ちなんてこともあるそうですが、監視員の方が、熱中症にならないように、時々水をかけてくれたりするそうです。ほかにも、19のエリアは「水の一生」をテーマに沿って造られていて、雄大な海をイメージした波のプールや、九十九里浜を一望しながら滑り降りるスライダー「渓流下り」など、バラエティに富んだ遊びがいっぱい。浅めのプールも充実しているので、お子さんも楽しめます。
そして、ことし、開設50周年なんですが、毎年なにかしら新しい企画を立てているそうで、新しいアトラクションが登場したんです。そして、園内で楽しめるグルメも教えていただきました。
水野さん:新しくサウンドスプラッシュというのができまして、音楽に合わせて四方八方からお客様に向かって水が飛び出してくる、水と音楽を一度に味わえる、上からお水が降ってくるような感じです。ノリがいい曲。いろんな年代の方にお越しいただいているので。大人から子供まで楽しめる音楽をちょっとこちらでご用意しました。全6曲が一日2回ずつ全部で12回行ってます。この九十九里地域はまぐりがとても有名なので、そのハマグリを活かしたはまぐりカレーとハマグリの焼きおにぎり。っていうメニューがございます。まだ小さいハマグリをご飯と一緒に炊き込んで成形して焼きおにぎりにしたものです。結構やっぱ手軽に。あのワンハンドで食べられるっていうのと小さなお子様とかも食べやすいので、すごく人気です。

音楽は、荻野目洋子さんのダンシングヒーロー/adoの新時代、クリーピーナッツのBling-Bang-Bang-Born などがかかるそうですよ。プールも海も楽しめて、さまざまなアトラクションがあり、子どもから大人まで楽しめる蓮沼ウォーターガーデン。その人気は国内だけに留まらないようです。

水野さん:お客様、県内県外問わずやっぱ関東圏多く来ていただいてます。私勤めて11年になるんですけども、その当時に比べて今かなり外国人の方多くいらしていただいてます
中国、韓国辺りからもたくさんいらしてますし、最近すごく多いのがスリランカの方ですね。ちょっとこちらの地元山武市がいろんなご縁あってスリランカの方と非常に親密にさせていただいてたり、あと東京オリンピックの時の事前キャンプ地としても活用頂いてましたので、はい、今、スリランカの方が非常に山武市内多くいらっしゃいます。でそういったご縁もあって、スリランカの方にもたくさんご来園いただいてます。
蓮沼ウォーターガーデンへは車でいらっしゃる方が多いということですが、なんと、成田空港からこちらのプールの駐車場前までダイレクトに行ける空港シャトルバスが運行されているんです。成田空港第2ターミナルから「横芝屋形海岸行き」でアクセスできます。
こういった広い場所ですと、夏、苦労するのが日陰探しですよね。じっとしていると、どんどん熱く(暑く)なってきてしまいます。。。でも大丈夫です。園内には快適に過ごせる有料の休憩エリアもありますし、こちらでは日よけのテントの持ち込みもOKなんだそうです。

水野さん:テントお客様自身でお持ちいただいたもの園内芝生の場所がすごく多いので、そういった芝生の広場を利用して持ち込んだテントもご利用いただけます。であとお食事とか飲み物もアルコール類除いて持ち込みオッケーですので一日楽しんでいただけます。8月後半になってくると、隣接する海にもちょっとクラゲが出たりするので、でもまだまだ暑い日続きますので、涼しくなりたい方、ウォーターガーデンプールの中でしたら安心安全で過ごしていただけますし。また、お盆すぎると比較的プールも空いてくるので園内も過ごしやすいかなと思います。9月中旬までやってますので、残暑厳しいので、はい、長く楽しめますので、ぜひ遊びに来てください。

芝生のエリアがあるのはほんとオアシスみたいで助かりますね。一人用のポップアップテントとか家庭用の大型テントを持ち込めるというのもいいですね!長い時間ゆったり過ごせます。しかも食べもの飲み物も持ち込みOKということなのでクーラーボックスとか持っていって楽しむのもいいのではないでしょうか?
ただし、園内はアルコール類の持ち込み禁止ですのでご注意ください。蓮沼ウォーターガーデン、今年の営業は9月16日まで。9月からは週末のみの営業です。
まだまだ続く暑い夏、楽しい思い出づくりにぜひお出かけになりませんか?