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地球に学ぶネイチャー・ガイド「ノダカズキ」〜自然はすごい!

2026/6/28 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、ネイチャー・ガイドの「ノダカズキ」さんです。

 ノダさんは1997年生まれ、佐賀県出身。高校生の頃から、将来は自然の面白さや神秘を伝える仕事をしたいと思っていたそうです。そして愛媛大学農学部に進学。ところがなんと、1年で中退。その後は自然体験を求め、国内外を放浪。その間も自然を伝える仕事を模索し、東京で映像制作に携わったり、パリで香水をつくる修行したり・・・。

 そんな中、東京で知り合った人が北海道にコネクションがあり、2020年に北海道白老町に国立アイヌ民族博物館ができるタイミングで移住。アイヌの文化や自然を伝える、地域おこし協力隊の活動を経て、現在はネイチャー・ガイドや自然教育、ワークショップのほか、ポッドキャスト番組などでも活躍されています。

 そして先頃『自然はすごい〜いつもの道が美しく見える5つの視点』という本を出されました。きょうはそんなノダさんに都会生活でも視点を変えるだけで見えてくる自然や、白老町でのガイド・ツアーのお話などうかがいます。

☆写真協力:ノダカズキ

ノダカズキさん

好奇心のおもむくままに

※ノダさんはやはり子供の頃から、自然とか生き物が好きだったんですか?

「そうですね。やっぱり自然のことを大人になってもやっている人は、だいたい家庭でそういう影響があるんですけど、僕の場合もそうで、父がよく魚釣りとかに連れて行ってくれていました。ただ、自然とか植物に本格的にハマったのは、北海道に来てからです」

●そうなんですか。大学は愛媛大学農学部に進学ということなんですけれども、愛媛大学を選ばれたのはどうしてなんですか?

「今は自然の面白さを伝えるということで活動をさせてもらっていますが、高校生の時は漠然と“地球すごい!”みたいな・・・地球って24時間、ずっと回転しているわけじゃないですか。宇宙の中に浮いてというか・・・その単純な事実にず~っと感動、今も感動をする感性を持っているんですが、ず~っと感動していたんですよね。

 地球のことをもっと知りたいって思っていて、地球のことを理解するためには地球の表面積は水が7割、陸が3割なので7割の水を勉強したら、地球のことも7割くらいわかるんじゃないかっていうのを高校生の時に思っていました。

 農学部の中でもお水を専門的に学べるのが愛媛大学にあるんですけど、そこに進めたらいいなということで愛媛大学に行きました」

●水を研究するために愛媛大学農学部に進学されたのですね?

「そうですね」

●目指した大学に入ったのに1年で中退されたということで、これはどうしてなんですか?

「勉強していく中で、水について知りたかったこともあるんですけど、水について勉強すると今度は土とかが気になりだすんですね。土のサイズによって植物の生え方が変わったりとか・・・。土とかに興味が出てくると、今度は石とかに興味が出てくるんです。

 大学で座って1日何時間か勉強するんですけど、それは漠然としたもので、実際に体感して、実際に現地に行ってから学んだほうがいいっていうのが体質にあっていたのもあって、1年で中退して、実際に(フィールドを)まわって自分で体感して、本を読んでディスカッションして、みたいな学びのスタイルをとっていました」

●親御さんは理解してくれましたか?

「そうですね。結構まあ自由な親なんで、大丈夫だと思います(笑)」

●ご理解があったんですね。次から次へと興味がわくというか、気になることが溢れていたという感じだったんですね!

「そうですね。当時は数珠つなぎのように、自然界は虫と花の関係だったりとか、すごくつながっていくので、それをひたすら自分の好奇心のままに追いかけるっていう20代前半でしたね」

●時間と体力はたっぷりある感じですよね、その頃はね(笑)

「いやぁ~そうですよね。ほんとにマジで100%時間ありますからね。なかなかないですからね、そんな時間(笑)」

お寿司屋さんで自然観察!?

『自然はすごい〜いつもの道が美しく見える5つの視点』

※ここからはノダさんの初めての本『自然はすごい〜いつもの道が美しく見える5つの視点』をもとにお話をうかがっていきます。この本は、都会にも日常にも自然の神秘が溢れている、それを伝えたいという思いで書かれたということで、キーワードが「視点」なんです。

 ということで、番組でピックアップした面白い「視点」について解説していただきます。まずは、第1章の「暮らしは自然でできている」の中に「寿司屋は自然観察センター」という見出しのページがありました。これはどういうことですか?

「僕の趣味でお寿司屋さんに行くっていうのがあるんですね。これはただのお寿司屋さんじゃなくて、Google mapで面白い地形を見つけて(その場所にある)お寿司屋さんに行くのが趣味なんですけども、面白いとか入り組んだ地形には、入り組んだ地形にしか生息しない魚がいるんですよね」

●なるほど。

「真珠の養殖をしやすいような海だと、お寿司屋さんで真珠貝が串とかで出てきたりするんですよ。なので、お寿司を楽しむのはもちろん、味を楽しむっていうのもあるんですけど、その地形を解説しながら出してくるのが、その地域特有のお寿司屋さんなんですよねっていうので、お寿司屋さんに行くと実は海のこともわかるし、季節のこともわかるしっていう話を(本に)書かせていただきました」

●お寿司屋さんに行く時に、地形で選んだことはなかったです(笑)

「そうですよね」

●“知らない名前のお魚を頼むといい”とも書かれていましたけれども・・・。

「そうですね。それも例えば、カツオとかマグロとかってみんな知っているんですよ。沖縄の人も北海道の人も・・・。それは彼らが回遊魚だからなんですよね。日本列島の周りをぐるぐるぐるぐる、どこでも捕れる魚は大体みんなが目にしたことがあるので、標準語みたいな感じですよねっていうのは、聞いたことはあるんですけども、あまり移動しない魚もいるんですよね。

 そういう移動しない魚、例えば、日本海の一部にしかいない魚は、東京とか北海道までもちろん来なくて、その地域だけで消費されている魚がいるんですよね。例えば、これは本には書いていないんですけども、僕の出身の佐賀県には、世界でいちばん潮の満ち引きが大きい干潟があるんですね、有明海っていう・・・。

 なので、ムツゴロウとかワラスボとか、たぶんほかでは聞いたことないような魚が、実は佐賀の市場に並ぶんですね。それは実は有明海の干潟の周辺だけで食べられているような魚なので、知らない名前の魚を頼むと、その地域の伝統とか文化がわかるっていうのを書かせていただいているんですね」

●海藻にも注目したほうがいいんですよね?

「そうですね。これは僕の実体験なんですけど、北海道の網走っていう流氷がやってくるような(場所にある)お寿司屋さんに行ったことがあって、そこでは春の初めに行くと海藻を出してくれるところがあるんです。

 なぜ海藻なのかって大将に聞いたら、流氷が溶けると太陽光が入ってくるんですよね。すると海藻が増えるんですよ。そのタイミングで(お店に)行くと、海藻のお通しを出してくれたことがあって・・・。だから流氷が今まさに溶けて春が始まったんだっていうことが、海藻を通してわかるっていう話を(本に)書かせてもらっています」

●そういった話は、お寿司屋さんの大将とか職人さんにいろいろお聞きになるんですか?

「そうですね。僕の中では大将は自然ガイドというか、魚を通して海の神秘とかをいろいろ教えてくれる人なので、なるべくひとりで行くようにして、お客さんが多くない、いちばん早い時間をひとりで予約して行っていますね(笑)」

(編集部注:ノダさんはお寿司にハマっている頃は、毎週土日にお寿司屋さんに行っていたそうで、なんと年収の半分をお寿司につぎ込んでいたとか。ノダさんがおっしゃるには、お寿司屋さんから、海と魚の解説を聞けて、さらにお寿司もついてくる。なので、1万円でも安いと思っていたそうですよ)

コンクリートを食べるカタツムリ!?

※続いて、第2章「街歩きで感じる自然」の中から「コンクリートという森に生きるカタツムリ」という見出しがありました。これの説明をお願いします。

「自然界においてカタツムリっていろんな所にいるんですけども、石灰岩と言われる地形のところにカタツムリって結構いるんですね。例えば、四国カルストのところとか、沖縄もサンゴで出来た島なので、結構カルシウムがいっぱい入っているようなところにカタツムリは多くて、動きも遅いので、その土地で固有化にしていくんですね。

 いくんですけれども一方、都会を見てみると、都会というか街を見てみるとコンクリートが日本中に張りめぐらされているじゃないですか。コンクリートは石灰石を原料に使っていて、カルシウムがたくさん入っているんですよね。

 カタツムリから見たら栄養の宝庫というか、カルシウムで殻を作らないといけないので、カタツムリから見ると、僕らが大都会だと思っているところって、割と栄養がたくさんある“森”ですよね。

 カタツムリにとっては、森よりも栄養がたくさんある場所っていうふうにたぶん写っている場所なんですよねっていうので、こういう表現をさせてもらいました」

●コンクリートは、実はカルシウムの塊なんですね。

「そうですね。いっぱい入っていますね」

●どうやってカルシウムを取り込んでいるんですか?

「これはまだメカニズムとかは明らかになっていないところもあるんですけど、基本的にカタツムリって世界中でいちばん歯が多い生き物なんですよ。顕微鏡とかで見るとわかるんですけど、歯が2万本か3万本とか、そういうギザギザしたやつがいっぱいあるんです。

 それで削って食べるんですけれども、カタツムリが通ったあとって、コンクリートに白く線がついていたりするんですね。削って食べたりとかしているみたいですね」

●第3章「家の中にひそむ自然」の中に、“ガラスという透明な革命”というのがあります。ガラスは人工物ですよね?

「そうですね。パソコンの画面はガラスですし・・・」

●自然と関係あるのかなと思っちゃうんですけれども・・・。

「普通、関係ないなって思うんですけど、ガラスも『珪砂(けいしゃ)』っていうか砂から作られているんですね。砂を作ったのは地球の地殻の運動だったりするので、結局ガラスも自然界から来ているよ、という話を書かせてもらっています」

北海道白老町、自然好きは飽きない!?

写真協力:ノダカズキ

※ノダさんが暮らす北海道白老町は、どんなところなんですか?

「北海道は広いので、北海道の外の人はなかなか浮かばないと思いますけど、北海道の下側に位置する街で、太平洋に面しています。この街には湖も森もあって、海に面していて、温泉も近くて火山も近くにあるんですよね。川も結構流れていて、自然好きは一生飽きることがないフィールドではあると思います」

●季節的には、いつ頃がいちばんいいんですか?

「そうですね・・・僕がおすすめしているのは、やっぱり5月後半から6月と秋、紅葉の時期10月末ぐらいですね。北海道は平地でも紅葉しますし、その頃はちょうど海から鮭が川を埋めつくすくらいのぼってくるんですよ。
 キノコも山に生えて、美しく美味しく感動的なのは秋なので、いちばんいいのは10月末ぐらいってお答えしています」

●白老町のどんなところが、特に気に入っていますか?

「白老ですか・・・国立アイヌ民族博物館があるので、それを学びに世界中から人がやってくるんですよね。アイヌの自然から生活を、身を立てていた民族を学びに、興味がある人が来るので、そういう人たちとの出会いは非常に多いですね。それは非常に面白いですね、日常が・・・」

写真協力:ノダカズキ

(編集部注:ノダさんが毎年、秋に行なっているガイドツアーはキノコを採って、ノダさんの友人のカレー職人さんと「天然キノコカレーを作る会」というのをやっているそうです。ほかには、鮭の遡上を観察するツアーも実施しているとのことで、やはり秋がおすすめだそうですよ。

 ノダさんのツアーに参加してみたいと思ったかたは、インスタグラムで定期的にツアー情報を発信しているということなので、チェックしてみてください。
https://www.instagram.com/yasou_king_ode/

 ノダさんはアラスカも大好きで、氷河を見に行ったり、また、南米では野生化した馬を観察していたこともあるそうです。何事も自分の目で見て体験することを大事にされているんですね)

語らないネイチャー・ガイド!?

※ネイチャー・ガイドとして心がけていることは、どんなことですか?

「僕の師匠がいるのですけど、その師匠もネイチャー・ガイドなんですよね。これは深いんですけど、“どんなネイチャー・ガイドが、いいネイチャー・ガイドですか?“と聞いたら、”語らないネイチャー・ガイドがいちばんいい“って言っていて・・・」

●ええ~っ!

「僕の師匠に、今までいちばんよかったガイドを聞いたら、ほとんど一言もしゃべらなかったネイチャー・ガイド・ツアーがあったらしくて・・・参加者のお客さんたちが自ら気づいて、でも質問してくれたら、もちろんそれには答えるんですけど、“自分たちで発見してもらえるようなツアーのネイチャー・ガイドがいちばん素晴らしいんだ”と言われていて、本当にそうだなと思いました」

●ガイドって語ってくださるイメージがありますけどね・・・。

「そうですよね。でもやはり気づきをみなさんに持って帰ってもらうのが仕事っていう意味では、やっぱり語らないほうがいいっていうのはありますね」

●師匠は、どなたなんですか?

「師匠は、三木昇(みき・のぼる)さんっていう、北海道でたぶんいちばん最初に自然ガイドを生業として始められたかたがいらっしゃるんですね。最近はもうやっていないんですけど、三木昇さんも年に数回イベント的に(ツアーを)やられていて、もう結構なおじいちゃんなんですけど・・・」

●どうやって三木さんと出会ったんですか?

「僕が三木さんのツアーにというか、三木さんの講座に参加したんですよね。3時間くらいのツアーだったんですけど、そのツアーを受けての僕なりのネイチャー・ガイド像とか、(そのツアーで)言われたことを自分でさらに調べて勉強して、それをまとめて、10ページぐらい送ったんですよね、メールで・・・。

 あまり教えてくれる人じゃないんですけど、結構厳しい人でもあるので・・・そうしたら意外と赤ペンで添削して、“今度、一緒に山に行こう”とか言ってくれて、それが最初で、そこからいろいろ教えてもらいましたね」

写真協力:ノダカズキ

●では最後に、初めての本『自然はすごい〜いつもの道が美しく見える5つの視点』から、どういったことを感じ取ってくれたら著者としては嬉しいですか?

「自然は遠くに行かなくても、側にあるということに気づいてもらえたら嬉しいですね」


INFORMATION

『自然はすごい〜いつもの道が美しく見える5つの視点』

『自然はすごい〜いつもの道が美しく見える5つの視点』

 ノダさんの初めての本をぜひ読んでください。「暮らし」「街歩き」「家の中」「食卓」そして「人間の歴史」と5つの章に「自然」を感じるたくさんの視点が溢れています。探究心のかたまりのようなノダさんの知識がそのまま本になったと言えるかもしれません。知的好奇心をくすぐる一冊、おすすめです。

 ディスカヴァー・トゥエンティワンから絶賛発売中です。詳しくは出版社のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎ディスカヴァー・トゥエンティワン:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3269-6

 ノダさんのガイド・ツアー情報については、ノダさんのインスタグラムを見てくださいね。

◎ノダカズキInstagram:https://www.instagram.com/yasou_king_ode/

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