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磯や砂浜で生き物観察〜子供と「海あそび」のすすめ

2026/8/16 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、海あそびナビゲーターの「茂木(もてき)みかほ」さんです。

 子供たちからはキャンプネームの「モッキー」と呼ばれている茂木さんは、群馬県出身。小さい頃から山や川でいろんな生きものと遊び、小学校に入った頃からは、インコやカメレオン、リスやウサギなどを飼う生き物大好き少女だったそうです。

 そんな茂木さんが新卒で入社したのは「アクアマリンふくしま」。水族館を選んだ理由は、海のない地域で育った茂木さんにとって、知らない生き物がたくさんいるという好奇心から。その後、ダイビング雑誌の仕事をはさんで「横浜・八景島シーパラダイス」で働き、6年前には「高知県立足摺海洋館SATOUMI」のリニューアルに参画。

 そして20代後半に、磯や干潟が好きになって、通うようになったそうですが、そのきっかけのひとつが師匠である「海野義明(うんの・よしあき)」さんが立ち上げた「オーシャンファミリー」の、自然体験の指導者を養成するスクールに1年通ったこと。おかげで本格的に海に向き合うようになったそうです。

 現在、茂木さんは逗子や葉山をメイン・フィールドに、子供たちと一緒に生き物観察や、海での遊びを楽しむ活動をされています。

 そんな茂木さんが『子どもと海あそび』という本を出された、ということで番組にお迎えすることになりました。

 きょうはおもに磯や砂浜での遊び、海あそびの注意事項、そして茂木さんが主宰されている「おかさなラボ」のお話などうかがいます。

☆写真協力:茂木みかほ

写真協力:茂木みかほ
写真協力:茂木みかほ

おさかなラボ、地元の海を知る

※茂木さんは現在「海あそびナビゲーター」として活動されています。その活動を始めたのは、どうしてなんですか?

「実はその“海あそびナビゲーター”という肩書きは、最近言い始めたんですけれども、もともと海の自然体験を子どもたちにしてもらいたいなっていうので、そういった活動を15年前くらいからコツコツ始めていました。それがやっと仕事として形になってきて、何か肩書きが必要だなと思った時にポンと(思いついて)こういった肩書きを使わせていただいているんですけれども・・・。

 もともとは逗子にある『黒門とびうおクラブ』という放課後、自然活動を体験させるクラブみたいなのがあって、そこに私もコーチとして関わらせていただいていたんですね。その関係で子どもたちが放課後、学校を離れてのびのびと遊んでいる姿がすごくよくて、私もこういう活動していきたいなと思った時に、特にその中でも生き物好きな子たちがいて、そういった子に何かできないかなと思ったんですね。

 今やっている『おさかなラボ』の原点なんですけれども、そういった生き物クラブみたいなものをやりたいと思って、ナビゲーターという肩書きを使いつつ、おさかなラボ以外の一般のかたたちにも、そういった活動をしているということです」

●茂木さんが主宰されている「おさかなラボ」、これは改めてどんなラボなのか、教えてください。

「活動としては1年を通じて、地元の海のことを知るといった目的で、海だけじゃなく、川も入ってくるんですけれども、子どもたちと一緒に、春でしたら磯遊びがメイン、夏でしたら素潜りで水中観察を行なったりですとか・・・・。

 秋は釣りとか、岩壁採取って言って堤防から網で生き物を捕まえて観察することもやっていたりですとか、冬はビーチコーミングと、室内で活動する、例えば顕微鏡を使ってプランクトン観察をしたりですとか、あとは魚の解剖をしたりですとか、そういった活動を行なっております」

●観察と言っても、季節によっていろんな観察ができるんですね。

「そうなんですね。やっぱり見られるものも違いますし、それを子どもたち自身に肌で感じてもらいたいなと思って続けています」

写真協力:茂木みかほ

●本に「おさかなラボ」に所属する子どもたちの観察記録が載っていました。スケッチだったり、メモがびっしり書いてあったりして、いいですね! すごいですよね!

「そうなんです。みんなすごく集中して書いてくれています。生き物を実際にフィールドで見ると、やっぱりすごく感動するんでしょうね。

 そのテンションで、こちらが言わなくても自分たちで書き始めたりして、それがすごく”よくこんなところに気づくね!”みたいなところもあって、私も日々それに感化されて勉強させてもらっています」

(編集部注:茂木さんは、神奈川県三浦市三崎にある「日本さかな専門学校」の講師としても活躍されています。今年は、自然体験の指導者やネイチャーガイドなどを目指す3、4年生を対象に、一般のかたたちにどうやって自然や生き物のことを伝えるかなど、インタープリテーション的なことを学生と一緒に勉強しているとおっしゃっていました)

カニを釣る!?

※ここからは茂木さんの新しい本『子どもと海あそび』をもとにお話をうかがっていきます。背表紙の説明に「親子で楽しく知る海と生き物の本」と書いてあります。改めて、どんなコンセプトで書いた本なのか、教えてください。

茂木みかほさん

「本書は磯遊びと砂浜遊びの2本立てがメインの内容となっています。ここ最近、海が近くても海に行かないとか、やっぱりちょっと海離れじゃないですけど、気持ちが海から離れてしまっているお子さんとか大人のかたの話も聞こえてきています。

 そういったかたにやっぱり海を知ってほしいっていう気持ちもありまして、そのきっかけになる本として、本書がなってくれたらいいなという思いで書き始めました」

●本の初めのほうに「海に挨拶しよう」とありました。その心は・・・?

「私自身が自然と向き合うときは謙虚でありたいと思っています。海に入っていく前の段階で、自分自身の気持ちを海に向かわせる意味でも、ちょっと落ち着けてリラックスをして入っていくということで・・・。

 海に入ってからも、もしかしたらちょっとした危険を退けられるかもしれないですし、あとは海にいる生き物たちに対しても、お邪魔しますみたいな気持ちで入っていくことで、海にもそこまで負担をかけないで、自分も楽しめるっていう思いで、挨拶をしてから入るといいよっていうので、冒頭に入れさせていただいています」

●「海あそび」と一口に言っても、磯だったり砂浜だったり、観察する対象も海の生き物から砂浜に打ち上げられた貝殻だったり、海辺にいる野鳥に植物に、いろいろありますよね。

「そうなんですよね」

●茂木さんのおすすめのフィールドとしては、やはり磯になりますか?

「そうですね。やっぱり磯がいちばん生き物が、多種多様な生き物が身近に見られるっていうところで、おすすめではあります」

●でも磯の中でも岩肌とか潮だまりとか、どこを見るかによって生き物も変わってきますよね?

「そうですね。例えば潮だまりですと、スズメダイとかギンポとかっていうお魚がいるんですけれども、そういったお魚が限られたスペースに閉じ込められている状態なので、網で捕りやすいんですね。

写真協力:茂木みかほ

 岩肌を見ると、その隙間に大好きなかたも多いと思うんですけど、ウミウシが隠れていたりですとか、ヒトデとかカニが隠れていたりとかっていうのがあったり、それぞれ棲む環境によって、そこにいる生き物も違ってはきます。

 いちばん探しやすいポイントとしては、やっぱり石をひっくり返して裏を見るっていうのがいいのかなと、やりやすい方法かなと思います。ひっくり返したら、その石は必ずもとに戻してあげるっていうのを、マナーとしてやっていただくっていうのがいいと思います」

●本にカニを釣る方法が載っていましたよね。

「そうですね」

●たこ糸と石とスルメを使ってカニを釣るということで、改めてどんな釣り方になりますか?

「本当に簡単なんです。割り箸とか棒切れでいいんですけれども、釣りのミニチュア版みたいな道具を作って、それでカニを釣るという形なんです。棒はなくてもいいですよね。

写真協力:茂木みかほ

 紐の先に石の重りと、餌のサキイカとかそういったものをつけて、カニがいそうな堤防とかの隙間、そういうところに糸を垂らすとカニが貪欲に餌に食いついてくるんです。“チョキチョキ、チョキチョキ”って食べようとするのが見えるので、とても面白くて・・・。

 タイミングがちょっと難しくて、挟んでチョキチョキ食べ始めて、がっつり挟んだ時に引き上げるみたいな・・・そうすると綺麗に釣れるんですね。網とか手だと、隙間に入ってしまって捕れなかったカニが、釣り道具をちょっと作ることによってスッと釣れるっていう・・・」

●そんな簡単に釣れちゃうんですね!

「結構簡単に釣れますよ。大人のかたもすごく楽しいと思います」

砂浜での楽しみ方

写真協力:茂木みかほ

※磯に続いて、砂浜でのおすすめの「海あそび」を教えてください。

「砂浜ですと、生き物に関してはやっぱり砂に隠れるような生き物、例えばアサリの仲間のニマイガイとか、あとはツメタガイっていう大きい巻き貝がいるんですけれども、それは砂に潜って生活していたりとか・・・。

 あとは砂に潜るカニもいるので、砂浜を見てみると、“あれ? なんでこんなところに穴が空いているんだろう?“みたいなことがあるんです。それはスナガニっていうカニの巣だったりっていう感じで、うまく砂に隠れている生き物がいるので、そういった生き物を波打ち際で探すっていう楽しみもあると思うんですよね」

●そうですよね。貝殻を拾ったりするビーチコーミングも楽しそうですよね?

「そうですね。本当にいろんな貝や貝以外のものも拾えるので、やってみるとハマるかたが多いですね」

●アート作品とかを作っているかたも多いですよね?

「そうですね。例えばフォトフレームに貝殻を付けてみたりですとか、あとビーチグラスをイヤリングにしてみたりですとか、いろんな発想があって面白いですよね」

●本には砂浜に転がっている石や貝殻を笛にする方法も載っていました。あれはどうやって音を出すんですか?

「(音を出すのが)結構難しいんですよ。石笛と貝笛を今回(本に)掲載しているんですけれども、師匠である海野さんは、両方ともすごく綺麗に音を奏でられるんですが、私は石笛に関してはまだ修行中です(笑)。

 なかなか難しくて、貝笛に関しては指に貝を挟んで、巻き貝なんですけど、その穴にフューっと息を吹き込むと、角度によって “ピーー”っとすごく綺麗な音が出たりしますので、海辺で拾ってお子さんと一緒にやってみると、すごく楽しいかなと思いますね。子供たちは大人がやって見せるとこぞって、“自分もやる、自分もやる!”ってやりたがると思うので・・・」

写真協力:茂木みかほ
貝笛に使う巻き貝

●本を読んでいて、何でも遊び道具になっちゃうんだな~って思いました。

「そうですね。本当に子供たちは自然のものから道具を作り出す天才だと思っています。道具とはちょっと違うんですけど、この前、雨がザーザー降っていた日に(子どもが)大きな葉っぱを取って、それを傘代わりに、全然傘になってないんですけど(笑)、頭に傘みたいにさしてる子がいて、そういうのもすごくいいな~と思ったり、何でも道具として使う発想がわいてくるのは、子供ならではで、すごくいいと思います」

●そうですよね。砂浜でも陸に近いほうでは植物も観察できますよね?

「そうですね。植物も “海岸植物”と呼ばれている、体の構造が塩分とか風に強かったりとか、そういった特殊な構造を持っているような植物が結構見られるんですよね」

●葉山とか逗子ですと、どんな植物が見られますか?

「種類で言うとハマヒルガオとか、あとはハマダイコンっていう、実を食べると辛い大根の味がしたりですとか、“ハマ(浜)”ってつくものがやっぱり多いですね(笑)」

●なるほど。

「あとは綺麗な色だと、黄色い花を咲かせるミヤコグサとか、季節によって色とりどりいろんな植物を見られますね」

(編集部注:海辺で遊び時の服装は、茂木さんによると、特に夏は肌を露出させないこと。例えば、水着の上に長袖・長ズボンを着用。紫外線だけでなく、フジツボやカキガラ、クラゲなどから肌を守るためです。もちろん帽子や手袋、足元はマリンブーツか運動靴。そしてなにより、ライフジャケットをお忘れなく。

 生き物を採取して観察するための道具としては、網やバケツのほかに、透明なプラケース、白くて平らな、バットと呼ばれる容器、そしてスケッチブックなどがあるといいそうです。服装や道具について詳しくは茂木さんの本『子どもと海あそび』をご覧ください)

海あそびの注意事項

※海辺で遊ぶ時の注意事項を教えてください。

「やっぱりこの時期だと熱中症と、あとは(磯で)滑って転んだりとかっていうのがあると思うので装備と、あとは今の時期でしたら塩分と水分をしっかり摂るみたいな意識を持ってもらうっていうことと・・・。

 あと大事なのが事前に行く場所の情報を得ておく。例えばこの時期だったらライフセーバーがいる場所なのかどうかとか、シャワーがあるのかどうかとかも含めてなんですけれども、まったく情報なしで行くと、何かあったときの対処が遅れてしまうので、事前に現地の情報と、あとは天気と潮まわりも調べていくのが大事かなと思います」

●海あそびは夏のイメージがありますけれども、暑い夏を避けて春とか秋でもいいのかなって思ったりもするんです。いかがですか?

写真協力:茂木みかほ

「そうですよね。春はすごくベストシーズンですね。磯遊びをやるのに暑すぎず、いちばんいいシーズンなんですが、秋はちょっと潮まわり的にだんだん夜に引くリズムになってくる時期なので・・・。

 みなさん昼間に行きたいじゃないですか。だけど、そこの時間帯に潮が引かないっていう問題があるので、そういった関係であまり秋は磯観察としては、おすすめではないかなってなりますね」

(編集部注:海には危険な生きものもいます。茂木さんによると、夏から秋は特にアンドンクラゲやカツオノエボシなどに要注意。

 クラゲに刺された時の対処法は、目に見えない触手が残っているかも知れないので、まずは海水でよく洗い流す。触手が取れない時はピンセットなどで取り除き、42度くらいのお湯で温めると痛みが和らぐとか。

 その後、ミミズバレになったりと、炎症を起こしている場合は冷やすといいそうです。危険な生き物、そしてケガなどの対処法は茂木さんの本に載っていますので、ぜひ参考になさってください)

子供たちの発見が日々楽しくて

※茂木さんは「海あそびナビゲーター」として、子どもたちと過ごしている時間が長いと思いますが、子どもたちの遊ぶ姿や、何か見つけた時の反応などを見て、どんなことを思いますか?

「私が関わっている『おさかなラボ』の子供たちの話がメインになってしまうんですけれども、初めての経験を目の当たりにすることが多くて、例えばつい最近ですと、初めてウミウシを自分で見つけられた子の反応っていうのが面白くて・・・。

写真協力:茂木みかほ

 すごく控えめに“これ~、ウミウシってやつだと思うんだけど・・・“って自信なさそうにひとりで呟いていたので、”えっ、どれどれ?“って言って、“これ、立派なウミウシだよね!”って言ったら、“え~~~!”って漫画みたいに目を丸くしてキラキラさせて、“初めて自分で見つけられた!”とかって嬉しそうにしているのを見ると、私ももともと磯遊びで初めて見るものがたくさんいたな~と思って・・・。

 子供たちとそうやって海辺で遊んでいると、私も初心に帰ったような気持ちにもなりますし、本当に子供たちの発見が日々楽しくて、一緒に遊んでいるっていうところもあります」

●本の巻末には茂木さんの師匠、海野さんとの対談も載っていました。そこに茂木さんの思いが込められているのかなって感じたんですが、いかがですか?

「そうですね。私のフィールドでの活動のベースになっているのが、やっぱり海野さんとの出会いというか、海野さんから学んだことが多くて・・・。

 海だけではなくて自然全体、山・川・海って感じで、一連のつながりを本当に体験的に知っているかたなので、学ぶことが多くて、“あっ、この人みたいになりたいな”っていうところの憧れもあって、私自身もそういった自然体験活動を始めたところがありますので、伝わって嬉しい(笑)」

写真協力:茂木みかほ

●では最後に、茂木さんが海から教えてもらったことを教えてください。

「そうですね・・・何かな~と思ったんですけど、ひとことで言うと“一生懸命生きること”。
 海にいると、みんなそれぞれ生き物たちが必死に、食べたり隠れたりケンカしたりみたいに生きていて、私自身も海に行くとすごく力をもらえるんですね。そういった生き様みたいなものを見ていて、“あっ、私も生きよう!”って思ったりするので・・・。

 日々、普通に生きていると、あまり死を間近に感じたりすることって少ないと思うんですけれども、生き物と対峙する中で、やっぱり“命ってなんだろうな”とか“生きるってなんだろうな”みたいなことを日々教えてもらっているので、そういったところで『生きる』っていうことですかね」

写真協力:茂木みかほ

INFORMATION

『子どもと海あそび』

『子どもと海あそび』

 磯や砂浜で生き物を探すコツや、よく見かける生き物、さらには海辺の植物や野鳥など、写真入りでわかりやすく解説。海あそびの服装や注意事項、そして海のルールや安全対策も載っています。

 子供たちを海辺に連れて行く時に知っておきたい、大人の参考書にもなると思います。おすすめです。グラフィック社から絶賛発売中。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。

◎グラフィック社:https://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=63938

 茂木さんが主宰する「おさかなラボ」、そして講師を務める「日本さかな専門学校」について詳しくは、SNSやオフィシャルサイトを見てください。

◎「おさかなラボ」Instagram:https://www.instagram.com/osakanalabo_zushi/

◎日本さかな専門学校:https://www.sakana-n.jp

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