2026/6/12 UP!

みなさん、「発酵県ちば」という言葉はご存知ですか?千葉県は、醤油やみりんの生産量が全国一位であったり、酒蔵や酪農など、発酵に関連する文化や産業が発展していますよね。
県内各地に発酵の文化や歴史、技術が根付いていて、「発酵」は千葉県の大きな魅力の一つとなっています。その中でも今回は、「発酵の里」として知られる神崎町を巡る「発酵文化体験ツアー」をご紹介します。利根川に面し、江戸時代には水運によって醸造業が発展した神崎町。そんな神崎町で、今、注目を集めているのが、「発酵文化体験ツアー」。現職のお寺の住職による案内で町を巡り、1日で仏教と発酵文化を体験できるというユニークなツアーです。お寺の方が案内してくれるというのがまず面白いですよね。
発酵文化体験ツアーを主催しているのは真言宗の神崎寺。関東八十八ヶ所霊場四十四番目のお寺です。こちらの住職で、ツアーの案内人・金澤真勝(さんにお話を伺っています。まずはお寺について教えていただきました。

金澤さん:江戸時代では、霊山みたいな扱いをね、受けていた山なんだそうです。1600年ほどの時って聞いているんですけども、その時にあるお坊さんが来て、ここの山に霊気を感じて、ここに大日如来を祀って、それからここが霊山になったなんていうふうに言い伝えられております。明治時代の廃仏毀釈で潰れまして、で、その後は戦後、宗教者のいない地域の人たち、信仰の厚い人たちの集まりで、そして、先祖の供養ぐらいしかしてなかったんだそうです。平成15年に、このここに先代住職だった人がですね、突然亡くなりまして、そして、跡取りも後の組織もなくなったものですから、突然のことで全く後がなかったんですね。で、4年間、全くの空き寺になってしまいまして、で、宗教活動は弟子が細々とつないでくれましたけれども、やっぱり人が来なくなっていて、どんどんどんどん減っていくような、そんな時代が4年間あって、私が入ったのが、平成19年の春でした。

元々は外資系の会計事務所でお仕事をされていた方で、海外勤務もされていたそうです。では、ここからなぜ発酵文化を発信することになったのでしょうか?こんなきっかけがあったようなんです。

金澤さん:私、この町に来てからですね、その頃はもちろん、発酵の里なんていう言葉はなかったんですけれども、寺田本家という酒蔵の1つの寺田圭介さんという方で、社長さんですね。本当によくしてもらって、この町に来た時に支えてくださったんですね。その方が発酵っていうものをすごくキーワードとして押してたんですね。発酵って素晴らしいんだよっていうふうによく言っていらっしゃったんです。その時からですね、影響を受ける方々が、発酵の里という名前をその作ったんですけれども、それからおよそ15年ぐらい経っていると思うんですけれども、特にその広がりを見せているとは思えない感じなんですね。農村の中にポツリとあるような小さな集落みたいなね町ですので、じゃあ何が必要なのかっていうと、ここに来て、ここに行けば、この町のそういうところとつないでもらえるんだよとか、ここに来れば案内してもらえるんだよって、その入り口がないから、いきなりお店に行かなきゃいけない、いきなり問い合わせしなきゃいけないってなっちゃうので、そこも難しいんじゃないかなと思いまして。

神崎には300年以上の伝統を持つ寺田本家と鍋店という酒蔵があって、「酒蔵まつり」というのが3月に行われているんだけど、毎回大変多くのお客さんが集まることで有名な男です。その寺田本家の社長さんが「発酵」というキーワードを押していたんですね。金澤さんによれば、「発酵の里」という名前が作られてからも、しばらくは広がりを見せている感じではなかったようなんです。そんな金澤さんが、発酵を身近に感じてもらおうと考えて作ったのが発酵文化体験ツアーでした。

神崎町の寺院「神崎寺」が提供している発酵文化体験ツアー。バラエティに富んだ内容になっているとのことですが、まずはお寺に集合して、「瞑想体験」から始まります。発酵文化と瞑想、どんなつながりがあるのでしょうか?そこには住職のこんな考えがありました。

金澤さん:発酵っていうのは、やっぱり世界的な流れとしては健康っていうものとつながってくると思うんですけれども、健康というのを考えると、体の健康、そして我々、じゃあ、仏教は何目指しているのかっていうと、心の健康体ですよねそちらの方ですね、お寺として提供できる、そういったことを考えたらどうだろうかって考えると、そこを1つこうパッケージにしてですね、皆さんにこういうふうに一日過ごせる日があるんですよ。こういうふうな方法ありますよっていうふうに提案できたら、人って入りやすいんじゃないかって思ったんですよね。で、このお寺にとりあえず来て、そういったことをすると、その後にセットとしては、街のね、そういった発酵スポットに連れてってもらえるって言ったら、皆さん来やすいんじゃないかなっていうふうに思ったんですよね。日本人のみならず、今、海外の方が発酵というキーワードは強く影響力を持っているようになったんで、成田空港が近いっていう、そのロケーションも非常に強みになってくるんじゃないかとも考えたんですよね。

発酵で体の健康、瞑想などで心の健康。これはセットで嬉しいですね。お寺ならではのツアーですね。
ツアーの流れとしては、朝8時30分に神崎寺に集合。9時から瞑想体験を行い、その後地元の「フジハン醤油」で醤油作り体験。作ったものはペットボトルに入れて持ち帰り、家で熟成させて、およそ1年後に味に深みが出ておいしくなってくるそうです。お昼ご飯は「精進料理のケータリングランチ」で、午後は「鍋屋源五右衛門こうざき東蔵店」で日本酒の飲み比べを楽しみ、大体夕方4時半ごろには解散となるそうです。もちろん未成年の方は、日本酒の飲み比べはできません。
これは海外からの観光客にも楽しんでもらえそうですね。

このツアーは2名から申し込みができるんですが、なんと英語での対応もしてもらえるそうです。こうやって「発酵の里」を発信する側になった金澤さん。発信者となったことで、金澤さんの行動にも少し変化があったようです。

金澤さんお味噌だとか、お醤油だとか、お酒だとか、極めて日本人として、基本な部分のものをね、一度味わってもらって、そして、あ、こんなにこの千葉県にいいものがあるんだっていうふうに思ってもらったら、え、また継続的にね、買ってもらえることにもなると思います。私、今、外に行くときにね、お酒飲む相手がいるならば、今、神崎のお酒を自信を持って持っていけるようになりましたし、そういうね、使い方が今、千葉県の中でもあるんだよ、こう言えると思うんです。こういったものにね、ご興味あってで知ってみたい、やってみたい、食べてみたいっていう方が、まあ来てもらって。で、あの、まあ、まあまあ、そのなんていうんでしょう、来て、悪くないものになると思います。

神崎寺ではそのほかにもマインドフルネス体験ツアーや、一般の方も参加可能な利根川の河川敷で行われる火渡り修行など、様々なイベントを開催しています。まずはたくさんの方に神崎町に来てもらい、さまざまな体験を通して町のよさを知ってもらいたい、発酵文化の素晴らしさを広げることに繋げていきたいという強い思いが感じられますね。近い将来には古民家一棟貸しの宿も用意して、ゆっくり神崎を楽しんでもらうことを計画中だということです。神崎寺の発酵文化体験ツアーは大人ひとり税込1万8千円。食事の料金も含まれています。ツアーの詳細、申し込み方法など、詳しくは神崎寺のホームページをご覧ください。





